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【TRPG】12星座のアーキタイプ

クリエイターのための占星術

『クリエイターのための占星術』という本を読んだ。占星術には、アーキタイプ的な意味を持たせた記号を使いまわして、その組み合わせで色んなストーリー(メッセージ)を解釈するという仕組みがある。なので、その辺を上手く汲み取れば創作の雛型作りには使えるのでは?という本だ。

キャラクターアーキタイプのサンプル本として購入してみたのだが、思わぬ収穫があった。それは、12星座の相性表である。

何月生まれの人はどういう性格で云々という占星術の要素はともかく、人間を12種類のアーキタイプに分類して、相性パターンなんかも類型化してしまうという仕組みは、キャラクター間の相性をデータ的に把握するシステムとしては、かなり使える仕組みでは無いだろうか。

相性関係は固定的なので、確かに細かい価値観の相違や行動による好感度のアップダウンみたいな要素までは表現できないが、共通の趣味があろうなかろうと相性が悪い奴というのは存在していて、合わない奴はとことん合わないみたいなリアリティは表現できるだろう。

12星座のアーキタイプ

具体的にどんな感じかを例の如く、カードにしてまとめてみた。占星術のアーキタイプや、相性表の概念に関しては別にこの本の専売特許でも無いし、ネタバレも糞も無いから問題無いだろう。

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基本的にはアーキタイプの内容と相性表の部分をシンプルにまとめた物だが、より端的にイメージが掴める様に、一部勝手に再解釈した部分がある。占星術マニア(が居れば)は文句を言うかもしれないが、占星術目的では無いので知らん。

基本システム

基本的には乾-湿、温-冷という相反する2つの要素を組み合わせて、4つの属性を作り、そこに更に始--末の3タイプをかけて12パターンにしたものである。

乾湿温冷というのは、そのままドライ-ウェット、ホット-クールという感じで人の性質を表す形容詞としても使えるものになっている。ちなみに4つの属性というのは火土風水の4属性で、それぞれ火(乾+温)、土(乾+冷)、風(湿+温)、水(湿+冷)という組み合わせだ。単純に火属性とか風属性みたいな表現だと、人によってイメージはバラけてしまうかもしれないが、ホットでドライだとか、ホットでウェットみたいな表現だと、前者は押しつけがましくて他人の迷惑とか考えなさそうだなとか、後者は距離感が近くで鬱陶しそうだな…みたいな感じで比較的具体的に捉えやすい。

ちなみに、先のカードにおいては、ドライ=利己的、ウェット=世話好き、ホット=楽観的、クール=慎重(悲観的)という形でシンプルに解釈してみた。それにプラスして、2つの組み合わせの印象をそれぞれ火=情熱的、土=現実主義、風=社交的、水=メンヘラと表現した。なんだかメンヘラだけネガティブな表現だが、悲観的かつ世話焼きという性質を他にどう表現すればいいか分からなかったので仕方あるまい。

--末(占星術的に表現するなら活動宮-不動宮-柔軟宮)とかいう三タイプの解釈については割と占星術のをそのまんま引用している。

加えて、12星座の総括的な固有イメージを端的にまとめた一文も付け加えた。まとめていて、水瓶座は相性属性の内容と全体イメージに矛盾があるような気がしたが、(保守的ななのに改革者って何だそれ?)、まぁその辺は占星術サイドの何かしらの事情があるんだろう。知らんけど。

星座アーキタイプを使った相性システムの活用

このシステムをTRPGで運用するなら、最初に12星座の内の1つを選んで、ザックリとしたキャラのイメージを汲み取る。後は、他のキャラクターと絡む際に、相性関係を意識したロールをしてみるという感じだろうか。

このシステムがあると、チーム内で誰がリーダー役を務めるかというのがシステム的に導き出せるし、場合によっては相性の異なるリーダータイプがチーム内にいるせいで、意見の相違で揉めたりみたいな要素まで表現できるという点である。

カードの相性部分に書いた正反対というのは、例えばバディ物みたいな凸凹コンビを組みならこの星座というもので、方向性が違うので衝突もするけれど何だかんだでお互いに補完し合える相手という事である。そういうややこしい相性まで、最初からシステム的にガイドされていれば、ロールはかなりやりやすいのでは無かろうか。

個人的にこの星座アーキタイプの相性システムが特によく出来ているなと思った点は、どういう理屈で相性が悪いのかが明確になっている点である。

例えば牡羊座と蟹座の場合は、お互いにベクトルが正反対で、よりにもよって仕切り屋タイプという点が共通している。真逆のリーダー同士なので、当然相容れない。牡羊座と山羊座の場合は、更にお互いに利己的である点も共通している。利己的で考え方の異なるリーダー同士もやっぱり相容れないだろう。一方、牡羊座と双子座の場合は、やっぱりリーダー気質は共通するのが、お互いに楽観的という共通を持っている。利己的なリーダー同士なら分かりあえないが、楽観的なリーダー同士なら、方向性は違っても上手くやれる可能性はある。…みたいな感じ。相性部分に関しては、どこが共通する共通しないに基づいて、割とロジカルに構築されているのである。

プレイヤーキャラクターをきちんと初めからキャラクター同士の相性関係込みでチームとしてデザインするのも良いが、こうした仕組みがあると新しく登場したNPCとの相性だとか、新しいキャラがチームに加入した事での人間関係の変化みたいな普通にロールプレイしようと思えばややこしくなりそうな要素も、割と簡単にシステムでシミュレーションできるのでは無いか?と思える。アイデア自体は魅力的だと思うので、機会があれば試してみて欲しい。


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# by cemeteryprime | 2018-01-17 23:32 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【ゲーム感想】フォールアウト4、その2

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フォールアウト4のメインクエストを終えたので、シナリオについてのネタバレをしつつ感想を改めて書いてみる。シナリオはインスティテュート・ルート。

【序】

舞台は2077年のアメリカ、ボストン近郊。恐らく現実の1950~60年代から分岐した様なレトロフューチャーな世界である。主人公は妻子持ちの元軍人。

冒頭で核戦争が勃発して、主人公一家は近くの核シェルターに避難するが、実はそこは核シェルターでは無く冷凍冬眠施設だった。途中で何者かに解凍されるものの、子供を誘拐され抵抗した妻は射殺される。主人公は冷凍ポッドに閉じ込められたままそれを見ているしかない。

その後、何かしらの原因で再び解凍され、主人公がシェルターから出てみたら200年後の世界だった…。

【破】

核戦争から200年後の世界は、水や動植物は放射能に汚染され、様々なミュータント化したクリーチャーが跋扈する荒廃した世界だった。人間の変異種として、人喰い人種版のハルクみたいな筋肉ムキムキで緑色の肌をしたスーパーミュータントという種族や、焼け爛れたグロいビジュアルながら不老長寿になったグールという種族までいる。

そんな世界に独自の正義に基づいて活動する大きな組織が4つあり、主人公は誘拐された息子を探して地上を旅する中で、自然とそいつらと関わっていく事になる。

ミニッツメンは民兵組織で、自衛独立を推奨し略奪者と戦う術を持たない農民を支援する集団である。BOSは外国から来た科学技術の回収と管理を目的とする十字軍みたいな組織である。インスティテュートは地下に潜った科学者たちが作った正体不明の秘密結社で、人造人間を地上の様々な場所に潜入させている。レイルロードは、インスティテュートに奴隷種族として作られた人造人間たちの解放を目的とした地下組織である。

探索を進める中で主人公の妻を殺し、息子を攫ったのはインスティテュートだという事が判明する。なので基本的には、悪の秘密組織であるインスティテュート壊滅の為に、それと敵対するBOSやレイルロードと共闘しつつ、ミニッツメンの一員として各地の困っている開拓者たちを助ける感じにストーリーは進む。…のだが。

【急】

インスティテュートに潜入して指導者とあってみたら、そいつが自分の息子だったことが判明する。実は一度解凍されて再冷凍された間に60年が経過していて、息子は自分より年上になっていたのだ。そしてインスティテュートもまた独自の正義の為に戦っている事が説明される。

ここで、主人公はどの組織につくのかという選択を迫られる。単に略奪者から開拓者を守るだけなミニッツメンは兎も角、レイルロードとBOSとインスティテュートに関しては共存はあり得ないのである。

インスティテュート・ルート

ざっくりとまとめるとメインシナリオはだいたいこんな感じ。ちなみにいままで息子を探してきたんだし、それが息子の選択なら支援してやるかと、とりあえずインスティテュート…というか息子に肩入れしてみたら、今まで一緒に戦ってきて協力もしてくれたレイルロードにヒットマンとして送られる事になったので、本拠地で唐突に超小型核ミサイルをぶっ放した後、マシンガンで一掃という汚れ仕事をやることに…。

その後も、基本的に地下深くの秘密基地に潜伏しているインスティテュートの地上エージェントとして汚れ仕事をやる感じになる。自分の妻を殺した男(途中で対決してぶっ殺している)もインスティテュートに雇われた地上エージェントだったので、皮肉な事にその男の後継者になるのである。

この葛藤に満ちた選択を迫って来る感じは、なかなかドラマティックで良いなと思える。正直、主人公が冒頭の冷凍冬眠から覚めた時点で、個人的にあれ?もしかしてこれはスナッチャー展開では…?みたいな疑念はあったので、息子が自分より年上になっている可能性は予測していたけども、こういう決断を迫られるとまでは思ってもみなかったので良かった。

スナッチャー

ちなみにスナッチャーは、小島秀夫の作品でバイオ兵器によるポストアポカリプト世界が舞台ゲーム。冷凍冬眠から目覚めた記憶喪失の男が主人公で、人間に化ける謎のアンドロイドを巡る事件を捜査するというサイバーパンク物。何十周年記念かなんかの時に、小島秀夫本人が(ソフトもプレイできるゲーム機も現在は入手できまいという判断で)ストーリーの完全ネタバレ解説をしていたので、ゲームはプレイしていないが話だけは知っていた。

主人公が冷凍冬眠されてた所や、人間に化けたアンドロイドと戦う所や、息子が自分より年上になっていて意外な人物だったという辺りは共通している。調べたら、フォールアウト4以前の作品においても露骨にオマージュを捧げている部分があったみたいなので、今作のこれもスナッチャーが元ネタなのは間違いなかろう。

元ネタと言えば、これは個人的な意見ではあるが、フォールアウト4に登場するブライアン・バージルというスーパーミュータントの科学者は、ブレードランナー2049に登場するサッパー・モートンという人造人間の科学者の元ネタになったのではなかろうかと勝手に思っている。どっちも逃げ出して人が寄り付かない辺境で孤独に隠遁している人外の科学者で、なにより見た目がムキムキなゴリラなのにメガネという点が似ているのである。

スナッチャーは露骨にターミネーターとブレードランナーを元ネタにした作品だが、そのスナッチャーからインスピレーションを受けているフォールアウト4が、ブレードランナーの続編であるブレードランナー2049の一部になっているのだとしたら、つくづく創作物というのは過去の参照の上に成立しているのだなと実感してしまう。

同行者

フォールアウト4では、同行者として仲間を一人連れていける。仲間には好感度が存在していて、例えばドラッグや酒を極めると好感度が下がるキャラがいるかと思えば、上がるキャラもいる。ペルソナのコミュみたいな感じで、同行して好感度を上げていると専用のシナリオみたいなのが進行して、キャラによってはクエストが発生したりする。

そんな仲間キャラの中に、研究用ロボットのキュリーというキャラがいるのだが、途中で更なる知的能力向上の為に人間のボディを入手したりという話になる。それはまぁ、無理なのでほぼ人間なアンドロイドのボディを入手するのだが、感情という新たな要素が芽生えてドキドキしちゃって研究どころじゃないよぅ~みたいな展開になる。主人公が女の場合はどうなるのか知らないが、男の場合は口説かれると、今まで研究一筋だった美少女科学者キャラみたいな反応を見せ始める。この辺りは、はっきりいって日本の漫画というかアニメっぽいなと思ったり。まぁ、見た目はアニメキャラじゃなくて、リアル系外国人なんだけども。

ロボット探偵

仲間キャラの中で好きなのが、人造人間探偵のニックというキャラ。こいつは、戦前の警官のニック・バレンタインという人物の記憶をインストールされたモロにロボットな見た目の旧式人造人間なんだけど、インスティテュートに破棄されて、警官としての記憶を元に探偵をしている。

ニックは、ニック・バレンタインという人間の記憶と人造人間としての自分という部分に、アイデンティティ問題を抱えているキャラで、尚且つハードボイルドな探偵モノ路線のシナリオなのが良い。

ニックの話以外にも、この世界には記憶の書き換え技術があるので、記憶をアイデンティティを巡る話が時々出て来るのがSF作品として良いなと思える。例えば、レイルロードでは脱走した人造人間たちがインスティテュートに捕まらない様に、それまでの記憶を消して、新しく記憶を移植して見た目を変えて人間として送り出したりしているんだけども(元になる記憶はトータル・リコールに出て来るみたいな装置で抽出)、禄でも無い人間の人格を移植したせいで、人造人間の略奪者になってしまう奴がいたりとか。

SF的なアイデアを単に表層的に移植するのではなく、問題意識やテーマも一緒に移植して、メインテーマでは無いにせよクエストとして取り込んでいる点は、SFの入り口としても良いのではないかと思える。

イデア的アメリカ世界としてのフォールアウト

また、先に挙げたレイルロードだが、これは明らかにアンダーグラウンド・レイルロードという、現実に存在した黒人奴隷の逃亡の手助けをしていたアメリカの秘密結社の名前に由来している。

略奪者と戦う武装して自治を守る民兵組織であるミニッツメンは、イギリスの支配に対して武装蜂起して独立した歴史を持つアメリカにおいて重要な存在で、現在でも政府の支配を嫌って武装している民兵組織は存在している。

また、このゲームではシステム的に新しい拠点を開拓していく際に、住民にプロビジョナーという役職の人間を設定して拠点同士の物流を繋いでいく必要がある。アイテムとして、郵便配達員の服や帽子が用意されていたりもする。アメリカ開拓史は、実はこうした郵便配達による物流(通販システム)が支えていたと言われていて、ポストマンの存在は特別な意味を持っている。実はまだ見た事無いが、ポストアポカリプト世界を舞台にしたポストマンという映画もある。

フォールアウト4は、アメリカの理想が詰まった50年代と、そこから派生した架空のレトロフューチャーな2070年代を経由して、核戦争で文明が崩壊して、再び開拓史時代からやり直しているという複雑な舞台設定にしているが、これはアメリカらしい文化や歴史の全部入りを目論んだ結果のデザインだろう。アメリカらしさが詰まったイデア的アメリカである。それ故に、架空のアメリカ的存在であるクトゥルフ神話に登場する架空の町も登場しているのだ。

なので、アメリカ文化のカタログとしてもフォールアウトは楽しめた。こういうのって、自国の文化やエンターテイメントに対する造詣や批評性みたいなものがしっかりないと出来ないデザインではなかろうか。架空の世界で遊ぶゲームといえども、作家性だけでなくはっきりと文化を感じとることが出来る。中にはそういうゲームもあるのかもしれないが、あまり日本のゲームでそうした要素に関心した記憶は無い。それがゲームに本当に必要な要素かどうかはともかく、個人的には大好きな要素なのでこうした要素を映画やドラマや小説だけではなくゲームからでも享受できるというのは良い事だと思う。

シナリオ以上に、世界観のデザインが何より素晴らしい作品だなと思う。


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# by cemeteryprime | 2018-01-10 10:47 | 作品・感想 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG/日記】TRPG納会

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昨年の1231日に久々にクトゥルフ神話TRPGで遊べる事になったので、シナリオも新しく作った。その感想と個人的な反省点。勿論、セッション自体は楽しかったです。

シナリオ概要

ほぼ座間事件。犯人は10年前に死後の異世界転生を信じるカルト教団の集団自殺儀式に参加したが、1人だけ死ねなかった男。最近になって本格的に狂気に囚われ、SNSで自殺志願者を集めては、自分なりのやり方で異世界に送るという行為を繰り返すようになった。ちなみにそうした異世界転生カルトは、エドガー・R・ナロウズという作家の描いたSF小説を教典としているので、ナロウズ系カルトと呼ばれている…という設定。

探索者は失踪した女性の家族もしくは恋人というレギュレーション。最終的に女性は犯人の家のクーラーボックスの中でバラバラになった状態で発見される。被害者たちは本当に異世界(ドリームランド)に行ったのか?という謎と、犯人が定期的に被害者たちのバラバラ死体を誰か(グール)に渡していたという2点が、キャンペーン用のフックになってお終い。

失踪した女性の足取りを追うと、実は女性には闇があった明らかになっていき、悪質なスカウトマンと交際していた上に麻薬密売の片棒を担いでいた事や、更には自殺願望まであった事が分かっていく。…みたいな感じで探索パートは『渇き。』と『新宿スワン』みたいな要素が強い。勿論犯人は元スカウトマン。

実際のセッション

探索者は2名。被害者の恋人(製薬会社子会社勤務の研究員)と、被害者の弟(美術部の高校生)。恋人の方はキャラクター背景ランダム決定表を使ってもらった結果、失踪した女性にDVを振るっていた事が判明した。

そのせいで、『ゴーンガール』的な要素もプラスされた。DVを受けているという設定が加わったせいで、失踪した女性には悪い男に惹かれるというキャラ設定が加わって、更にはその父親も若干威圧的なキャラになった。

DVを振るっていた恋人と、彼女の弟という組み合わせのせいで、事件とは関係ない部分で謎の緊張感が発生したが、弟の方はマイペースなおっとりキャラだったので特に衝突は発生しなかった。

最終的に、新たな犠牲者を部屋に招いて殺した犯人のアパートに警官が送り込まれ、犯人は現行犯で暴れて射殺されてしまい、オカルト方面の話は特に掘り下げられず犯人の動機もいまいち不明のまま終わったが、最後は探索者たちは犯人のアパートで絞殺されたばかりの死体を目撃し、クーラーボックスの中にいたバラバラの恋人(&姉)を発見する形にはなった。エピローグとして異世界からの胡散臭いこっちは良い所で元気にやってます的な夢がとって付けられて終了。

プレイヤーには完全にストーリーの主人公を作るつもりで探索者を作ってとお願いしたので、キャラ作成はたっぷり1時間強かけてもらい、プレイ自体は3時間未満という感じ。

反省点

あまりにも超自然的要素が少なかった。夜の繁華街をうろついてドラッグを購入したりだとか、ヤバそうなバーに入って半グレ集団に接触したりだとかで事件性はあったが、ホラーだという分かりやすい演出が無かった。もうちょっと分かりやすい目くばせ的な演出が必要。

あとセッションとして笑いどころはあったが、シナリオとしての笑える要素は少なかったという気もする。シリアス一辺倒だとメリハリが無くてどうしても疲れるので、ギャグ要因となる様なNPCを出しても良かった。

あとフリースタイルなシティシナリオに発生しがちな問題として、プレイヤーが技能を活かせず殆ど説得や言いくるめで突破するという展開に甘んじてしまったのがキーパーとして特に反省しておきたい。使いたい技能があるかを積極的にプレイヤーに聞いていってそれに合わせたイベントを用意するというセッション的な創発性をもっと引き出せれば更に面白くなっていたはずだ。

シナリオの改良点

(地獄の様な)ドリームランドで苦しむ、姉のビジョンが毎晩悪夢として挿入されてもよかったのかなと思う。最終的にストーリー中の経過時間は3日間くらいあった。今回は犯人との会話シーンが発生しなかったが、犯人は姉は天国の様な異世界に行ったと説明するが、ビジョンでは地獄にしか見えなかったみたいな違和感が出せるのと、そもそも失踪に気付いて捜査を開始するきっかけが探索者全員が同じ夢を見た事にすればよりホラー要素のあるシナリオになっていたかなと思える。

感想

楽しかった。あと、やっぱりこう実際にセッションをしてみて初めて練れる部分はあるなという部分を再認識できた。

今回は1名が完全初心者でしかもこれから始めようとルルブまで買っている様子だったので、あまり自分好みに遊び方を勝手にコーディネイトしすぎない様に注意した結果、システムはオーソドックスなままに、シンプルかつストーリーテリング重視な本来のCoCの可能性を引き出せた…様な気もする。

システムを足したり変更したりするのも面白いが、既存のシステムを乗りこなすというのも改めてやると面白い。なので、CoCの可能性追求おじさんとしても満足度は高かった。


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# by cemeteryprime | 2018-01-07 10:06 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】RPGと世界観

RPGのシステムやシナリオを考える上で重要な要素とは何だろうか。という点に関して思った事があるので書きまとめてみる。

世界観とキュレーション

RPGにおいて重要なのは世界観である。』…と言うと、漠然とし過ぎている上に当たり前だろ感が強いので、もうちょっと突っ込んで言うと、『RPGが提供しているモノは世界観であり、世界観とはリアリティのバランスと取捨選択である。』という話になる。

ストーリーを作るゲームであるRPGは、ストーリーのバランスや素材として、こうした世界観を売っているのである。世界観というとどうしても壮大なイメージが伴ってしまうが、例えばダメージ1つにしても、建物の2階相当の高さから転落した際に怪我をするのかどうかというのも世界観だし、骨折した際に魔法や回復薬でサクッと治療できるかどうかも世界観の大きな要素だろう。

RPGはゲームシステム的にはシミュレーションゲームというジャンルに属する。そこには、どういうバランスの世界をシミュレーションするのかというデザインが常に存在している。ストーリーを作る上での素材となるデータ提供の仕方にも、何が存在して何が存在しないのかというデザインセンスが必要になってくる。

こうした点を踏まえた上でRPGにおいて一番重要になるのは世界観であり、何を切り取るかという取捨選択(キュレーション)のセンスが重要になるという話である。

RPGとシナリオ

シナリオのデザインにも、こうしたキュレーションのセンスが必要になってくる。基本的にRPGとはストーリーを作るゲームであり、どういうストーリーを作るシステムなのかという点で、製品は差別化されている。

それを踏まえると、シナリオに求められる役割は、『それっぽいストーリーを作る為のシチュエーション素材』の提供であると言える。シナリオ(クエスト)の内容は、王道ファンタジーなRPGであるスカイリムならドラゴンや魔法使いや山賊の討伐になるし、ポストアポカリプトなRPGであるフォールアウトならミュータントや人造人間や世紀末感のある略奪者の討伐という形になる。

後者には食べると体力は回復するが、放射能ダメージが蓄積される汚染された食品や水なんかが登場するが、前者にそうした物を登場させても誰も喜ばないだろう。逆に、後者の世界でその辺に転がっている食べ物やクリーチャーの肉を食べても何の健康被害も無ければ、それはそれで違和感を生んでしまいプレイヤーが求める世界では無くなってしまう。

悪霊の家

こうしたキュレーションという観点からクトルゥフ神話TRPGの代表的『悪霊の家』を分析してみよう。このシナリオには以下の様な要素が登場する。

・心霊現象が発生する呪われた屋敷

・精神病院に入院している屋敷の元住人

・カルト教団

・焼け落ちた教会

・ネズミの群れ

・腐った階段

・怪しげな手記

・地下室に隠された墓

・邪悪な吸血鬼の魔術師

・屋敷の過去の歴史を調べる為の公文書記録所

クトルゥフ神話固有のユニークな邪神なんかも登場していないので、クトゥルフ神話をよく知らないプレイヤーでも理解しやすく遊びやすいデザインになっており、オーソドックスな呪われた屋敷を巡るホラーを作る為のシチュエーションが過不足なく提供されているのが分かる。

これまでに一度も幽霊屋敷モノの作品を消費した経験が無ければ話は別だが、これだけのシチュエーション素材があれば、基本的には誰でも幽霊屋敷モノのストーリーを作って遊べるだろう。それが本格ホラーになるのか、B級パロディになるのかはプレイヤーのセンス次第なのでともかくとして。

シナリオが提供するのも基本的には世界観である。アドベンチャーゲーム嗜好が強い人の場合は、暗号キーで開く地下室の隠し扉だったり、吸血鬼を倒す為の武器の存在が仄めかされたりするだろうし、吸血鬼はファンタジー色が強すぎるという人の場合は吸血鬼じゃなくて文字通りの悪霊に変更したり、もしくは悪霊の魂が宿った肖像画みたいなものを登場させるかもしれない。吸血鬼と化した魔術師が存在するという点も世界観における大きな要素なのである。因みに吸血鬼と化した魔術師って何だそれ?と思っていたが、最近遊んだスカイリムにも普通に出てきていたので海外RPG的には特に珍しくない存在なのだろう。

クトゥルフ神話TRPGと世界観

クトゥルフ神話の世界観は特殊である。というのも、クトゥルフ神話という何か単一の世界観があるかのような印象を受けるが、クトゥルフ神話というのは実際の所はキーワード共有の遊びで生まれた作品群であって、アメコミの様なユニバース(世界観の共有)的な仕組みの上で成立している作品群ではないのである。

なので、クトゥルフ神話TRPGのルールブックに羅列されているモンスターたちは厳密には異なる世界観の上で成立している存在なのだ。確実に同じ世界観の上に存在していると言えるのは、自然界のクリーチャーの所にいる奴らくらいだろう。

あまり言及されているシーンを見た事が無いが、クトゥルフ神話TRPGが初心者にとって一番理解し難い点は実はここなのではなかろうか。ルールブック的には幽霊がいてネッシーがいて狼男がいて半魚人がいて宇宙人もいるみたいなカオスな状態になっているが、ホラー作品としてそこまでカオスな世界観のものは無い(と思いたい)のである。スティーブン・キングはイットという相手の恐怖の形をとる怪物を使ってそういう状況を再現したけども、そういうのはまず特殊な例だろう。ライトノベルだと日本でも海外でも吸血鬼種族と人狼種族が同時に存在している世界観も珍しくないが、ああいった作品のジャンルはホラーじゃなくてファンタジーである。

なので、ホラーを作って遊ぶRPGなのに、ルールブックの内容をそのままクトゥルフ神話というユニバースの世界観だと捉えると、まともなホラーにはならないという罠があるのだ。この点は、総合的なホラーRPGとして作ってしまったが故の弊害とも言うべきだろう。ホラーというジャンルは、SFやファンタジー以上に世界観のバラつきが激しいのである。

ホラーというジャンル自体にある程度理解があれば、その辺りのバランス(魔法的な存在は原則1種類)も理解できるだろうが、そうでなければホラーRPGとしてクトゥルフ神話TRPGを使いこなすのは難しいのでは無かろうか。少なくともネット上でのクトゥルフ神話の扱いを観れば、ユニバース的な世界観として認識されているのが分かる。

クトゥルフ神話世界をユニバースだと捉えると、人間だけはリアル寄りのバランスなのに、世界は多種多様なモンスターで溢れているファンタジー世界である様に思えてしまう。加えて、RPGというのはモンスターを倒すゲームだという認識(偏見)があると、ゲームバランスが変じゃないか?という不満が生まれるのも無理も無い話だろう。

RPGの比較

複数のRPGを比較すると、差分からこうした世界観の違いというのが分かりやすくなる。どっちかというと剣や斧での近接格闘が主体のスカイリムには部位ダメージは存在しないが、銃撃戦が主体のフォールアウトだとまず脚を撃って動きを封じるというアクションの為に部位ダメージが存在している。

単なるホラーRPGなクトゥルフ神話TRPGにはアイテムに重量が無いが、アイテム収集や武器選択といった部分のシミュレーションが大きな意味を持つD&Dなんかだと、アイテムどころか貨幣にまで重量があり、クラスによって武器や鎧の重さの影響を受ける。スカイリムやフォールアウトでも強力な武器ほど重量が重くて、所持品容量を圧迫する。

クトゥルフ神話TRPGには精神汚染度を表現する正気度が存在する。フォールアウトには放射能汚染度を表現する数値がある。フォールアウトにも精神汚染度という概念があっても良いはずだが、いちいち心を病んでいたらそもそもあの世界では生きていけないだろうから不要であろう。むしろ狂人の方が多そうな世界である。

…とまぁ、そんな感じに世界観のデザインという観点から、何を採用するか(登場させるか)というキュレーションのセンスに注目してRPGを見るのも面白いのでは無かろうか。


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# by cemeteryprime | 2017-12-25 19:27 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG/雑記】コンテンツ消費における国民性とRPG

私はよくコンテンツ(書籍やゲームや映画やその他のエンターテイメントを含む情報)を食べ物に例える。食事とコンテンツはどちらも消費するものであり、生きる上で必要だから消費するという事情(必須カロリーor基礎教養)と同時に、楽しむために消費するという側面を持っている。

大袈裟に言えば、生きるということは食べると同義であり、何をどう食べるかという指針は、人生をどう生きるかという指針にすら派生する。故に、何をどう楽しむかというコンテンツ消費の指針にも影響するのである。

食文化におけるおもてなし

コンテンツの消費スタイルを考える上で、1つ注目してみると面白いかもしれないと思ったものが、食文化における国民性である。

先日、TVを見ていたらコソボがクロアチアから観光事業における日本人誘致のノウハウを学ぶという番組をやっていた。クロアチアは近年、日本からの観光客が増えているらしい。そこでのクロアチアの観光業者のアドバイスに1つ興味深いものがあった。

それはざっくりとまとめると『日本人は出された食事を残すのを嫌うので、量は多過ぎないこと。少しづつ色んな種類を出すのがベター。』という内容だった。わざわざこうしたアドバイスをするということは、クロアチアやコソボには、「食べきれないくらいに沢山料理を出すのが贅沢であり、おもてなしである」という食文化が存在するのだろう。

例えば中国なんかでも、満足しましたのサインとして食事を残すという文化があると聞く。綺麗に食べきるのは、まだ満足していないので、もっと持ってこい(量が足りないぞ)というサインになるのだとか。

こうした海外の食文化には、おもてなしの作法として、とにかく相手にボリュームが足りなかったと思わせないようにしようにしなければという思想が汲み取れる。現代の食糧事情から考えると、質にこだわらず量を出すことは、そこまで難しくないのでいまいち贅沢感は薄い気が、昔は食糧の入手コストが安く無かった中でも出来るだけ量を多く提供しようという心意気がおもてなしだった、その名残りだろう。

考えてみると確かに味に関しては、特に多民族が共存している国の場合は、味の好みを把握することはかなり困難である。なので『美味しい食事』を提供する上での限界は認識しやすかったのかも知れないが、一方で量的な満足感に関しては予算と心意気次第でいくらでも努力は出来る。そういう事情があると、取りあえず沢山出しとくからその中から好きなものを選んで満腹になってくれれば良いという発想になるのは不思議ではない。

一方、日本の場合は出されたものは残さず食べるという美徳が存在する。これは個人的な想像ではあるが、日本の場合、食糧の入手コストが安く無かったという事情は同じだが、海外と異なり文化的な多様性や流動性は低かったので、『美味しさ』の方向性の限界はあまり意識されなかったのでは無かろうか。その結果、乏しい食糧を出来るだけ美味しく調理するという方向性に進化したのでは無かろうか。現代においても美味しさに関して『とろけるくらいに柔らかい』だとか『生で食べても甘い』が至高みたいな、固定観念はよく見かける。

美味しさの方向性がある程度担保されているので、量を求めなかったのだ。

コンテンツにおけるおもてなし

では、本題のコンテンツ消費に関する国民性に戻ろう。基本的にはコンテンツ消費に関しては、海外ではボリュームが、日本においてはボリュームより質が第一に求められるのでは無いかという話である。

最近、スカイリムSEとフォールアウト4という海外製RPGをプレイしているのだが、これらのゲームはとにかく分量が多く、そのジャンルにおける要素の百貨店といった様相を呈している。スカイリムやフォールアウトが提供するものは、言ってみれば、百貨店のデパ地下でやる時間無制限のバイキングみたいなものである。とにかく何でもあるので、好きなだけ居座って、好きなものを気の済むまで食べてくれというスタイルだ。

一方、日本の場合は、高いコース料理の様なスタイルが選択された。基本的に一本道で、出されたものを順番に消費する。日本のゲームは一本道と揶揄されがちだが、一方でストーリーのクオリティは評価されていたりする。

食糧と同じか、もしくはそれ以上にコンテンツのボリュームを増すのは金が掛かるので、その制約の中でどうおもてなしするかという部分で、基本的には同じ様な現象が起こる。

多様性が高い海外においてはバイキング形式でボリューム面を進化させ、日本ではコース形式でクオリティ面を進化させた。

コンテンツのボリューム

しかし、コンテンツと食事で異なる部分が1つある。特にゲームでそれが顕著だが、コンテンツの消費は食事と違って物理的な限界が薄いのである(時間的な限界はあるが)。近年では、技術的進歩もあってゲームのボリュームは増加傾向にある。

バイキング形式の場合、ボリュームが増せば増すほど単純にバイキング形式としてのクオリティは上がる。一方、コース形式でボリュームを増そうとすると、自然と糞長い一本道と化してしまう。これは共通の世界観(マーベルユニバースみたいな)を舞台にした全5巻くらいのタイトルが20作品提供されるのと、全100巻の1タイトルの作品を提供されるのと違いみたいなもので、後者は圧倒的に客層を選んでしまうし、完走できずに途中でダレてしまえば中途半端感も強くなる。コース形式は、ボリューム増加に対する拡張性が構造的に低いのである。

また、先の例で言えば、全5巻の作品を書ける作家を20人集めるのと、全100巻の作品を書ける作家を1人集めるのでは、供給サイド的にも圧倒的に難易度が異なって来る。プロジェクトの構造としても、前者はボリュームアップしやすいという利点があるように思える。

バイキング形式と日本人

海外RPGに馴染めない日本人ゲーマーというのは一定数いる。思うに、出されたものは残さず食べるという思想に縛られすぎているせいで、気ままにバイキングをするタイプの贅沢を享受しにくいのかもしれない。

TRPGを遊ぶ際にも、正解ルートだったかとか、シナリオ回収率をやたらと気にするプレイヤーは珍しくない。個人的にはRPGは自由にストーリーを作って遊ぶゲームだと考えているので、そこに拘るのはゲームの主旨から外れている様に感じるのだが、それでも自分がプレイヤーとして遊ぶ際には何となく見逃した要素は無かったのだろうか?とかつい考えてしまったりする。

まぁ、もっとより良い方法があったのでは?という懸念は人生にはつきものだし、貰い忘れは無かっただろうかという不安もコンテンツ消費における国民性というよりは単なる貧乏性だと言えなくも無いが。

おもてなしの精神について

自分が考える厳選された美味い料理を残さず相手に食べさせるのでは無く、好きなモノを好きなだけ相手が選んで食べられる環境を提供する。こうした消費における哲学は、グローバル化や多様化が進行した現代環境ではより好ましい様に思える。

とは言え、日本においては未だに前者の思想が蔓延っている様に思える。消費の多様性が存在する環境下では、美味しさの追求とは、クオリティの追求というよりも、作家性の追求という要素が大きい。

勿論、エンターテイメントにはメディア毎に共通の文法が存在するので、単純にクオリティを追求することも可能ではあるのだが、TRPGの場合だと大抵の場合、調理の腕はアマチュアレベルなのに、シェフが独自に味を追求したメニューを提供してくる事が多い。というか、それが一般的である。つまみ食いレベルなら、風変りな味でも新鮮味があって構わないかもだが、合わない料理のコースメニューをフルで提供された場合は、二度とその店には行きたくなくなる事は必至である。

極端な言い方をするなら、ジャングルの原住民が歓待と称してイモムシの丸焼きを提供してくるみたいなもんである。原住民の場合は、相手が自分たちと同じものを食べるかどうかで分かりあえるかどうかを測る意味合いがあるだろうが、単純に楽しく遊びたい時にそうしたテストを受ける筋合いはあるまい。それ故に、コンテンツにおけるおもてなしの精神というものも考えてみる必要がある。

TRPGの場合

カレーを提供すると看板を上げた店に来てみたのに、究極の納豆カレー1品しかありません。みたいな事態は避けるべきだが、現状では割とまかり通りがちだ。そうなった時、店が悪いのか、期待する方が悪いのか。運良く納豆カレーが好きだった場合は幸運だが、大抵の場合は他のカレーが食べたかったんだけどな…とか、納豆が嫌いなんだが…と思いつつも、店主が目の前にいるので渋々食べる羽目になるのである。

しかしながら、こうした構造は普段あまり意識されることはない。TRPGをやった際に、即座にコンテンツ消費における国民性やおもてなしスタイルがどうのこうのと議論する人がいれば異常者の類だろう。

TRPGの場合は、もはやコンテンツではなくコミュニケーションを求めろみたいな説もある。食事では無く店の雰囲気だとかマスターとのお喋り(文字通り)を楽しめみたいなオシャレなBarスタイルである。コミュニケーションに飢えた人ならそれでもいいかもしれないが、こっちはコンテンツを食べに来てるんだという客からすればたまったもんでは無い話ではある。

スカイリムやフォールアウトがそうだが、海外製のRPGは、そのジャンルで客が欲しがりそうなものをとにかく沢山用意してやるという思想が背景にある。多様性のある消費環境下における、おもてなしスタイルである。それ故に、海外RPGのシナリオというモノは資料やイベントの詰め合わせの様相を呈しており、所謂日本人がイメージするシナリオ(ストーリー)の形にはなっていない。こういうコンセプトのバイキング形式ですという説明と、置いてある料理の内容が並んでいるだけだ。

逆にストーリーの形がはっきり見えるシナリオというのは、所謂コースメニューに他ならない。こういうコースになっておりますと、事前にメニュー表を見せてもらえるならまだいいが、ネタバレ厳禁等で大抵の場合は教えてもらえない。中途半端なシェフほど、コースメニューの構築に心血を注ぐ。客を最後まで楽しませる為のコースの構築というものは繊細な作業なのだ。そのコースは、本格中華かもしれないし、本格和食かもしれない。でも、客が中華が好きじゃなかったらどうするつもりだろうか。

同じ様に労力を注ぐなら、コース構築ではなく、メニューを増やしてみてはどうだろうか。寿司があれば、餃子もある、カレーもある、ピザもあるといった感じで。イベントの引き出しを増やすのである。その客がピザが好きだと判ったら、イタリアンのメニューを増やしておく。コース料理の場合は、1カ所を弄れば全体のバランス修正を加える羽目になるので拡張性が低いが、バイキング形式なら無限の拡張性がある。100本のストーリーを用意しても、結局遊ぶのはその内の1つだけである。だったら、100個のイベントを用意してやって選ばせてやれば確実に客の満足度は高くなるだろう。

どちらが望ましいおもてなしの形かは言うまでもあるまい。


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# by cemeteryprime | 2017-12-21 19:24 | 雑記 | Comments(0)

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