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【映画感想】予告犯

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映画として
 冒頭に出るWOWOWの表示の時点でTVドラマの映画版かな?みたいな感じはするんだけど、実際に演出はあまり映画的では無い。何でもかんでもセリフで過剰に説明したり、演出もちょっとクドかったり。なので映画的な感動や面白さがあるかと聞かれれば、正直ちょっと微妙な所だ。期待しないで良い。

 そんな感じでストーリーテリングは微妙なのだが、ストーリーのテーマ自体はなかなか面白い。確かにこのテーマは映画では表現し難いのでは?という気はする。ただそれ故に、やむを得ず説明過多なテレビ的表現になってしまったのだとすると、ちょっと力不足感は否めない。

 ただし、丁寧にテーマを描いているという点では個人的には好感は持てた。最初から最後までテーマをブレずに一貫させているので、テーマ性とストーリー性は維持されていたと感じる。映画的な面白さには溢れていたが、脚本が糞過ぎてテーマ性だとかストーリー性を崩壊させていた『映画:新宿スワン』とは真逆な作品である。

テーマ性
 映画ポスターには、『正義か?悪か?』みたいな煽り文句が書いてあるんだけど、劇中では明確にその辺りのギミックは表層的なフェイクとして扱われている。この映画が本当に描いているのは、現代的な弱者の姿であり、悲劇性である。経済的にも社会的にも這い上がれず、尊厳まで踏みにじられて生まれた弱者が、ある種の最早一般人には理解できないレベルの異形として描かれている。

 このストーリーの面白さは弱い人間そのものをテーマに描いている事だろう。主人公の弱さ"も"描いた作品や、弱さを肯定する様な作品は珍しくもないが、ここまで弱さを一種の異形として前面的に描いた作品はなかなか無いのではなかろうか。少なくとも個人的には新鮮に感じた。

異形としての弱者
 この映画に登場する弱者は、基本的には理解不能な存在として描かれている。主人公や、主人公を庇って警察に逮捕されるバイト店員なんかがそうだ。彼らは自己犠牲じみた行動を見せる。その動機はヒロイックな物では無く、少しでも誰かの為に役立てるなら…という切実な承認欲求に近いものである。自己犠牲は本来であれば究極の利他的な選択であるはずが、彼らの場合は犠牲にする自己が恐ろしく軽いのだ。

 また、彼らは生まれつき特殊な人達では無いのもポイントである。かつては一般人だったのだ。同じ一般人に追い詰められ望まず異形と化した存在である点は只々悲しい。

主人公
 普通の映画における弱者的な立場は、むしろこれから逆転する為のカタルシスの布石である。この映画の場合は違う。ある程度、観客には理解しやすい様にヒロイックに共感しやすく描かれているが少なくとも劇中では最後まで主人公は理解されない異形として描いている。一番の理解者に見える一般人サイド代表の戸田恵梨香が演じる刑事を観ていればその辺りは良く分かる。同情はしてくれるが、理解はしてもらないのである。

 主人公は文字通り命がけで世間を騒がせるような大事件を起こすのだが、その理由は驚くほどに詰まらない物である。何故そんな事の為に、命まで捨てて行動できたのかは一般人には理解不能なのだが、理解不能であればあるほど主人公にとって自分の命の価値が低かったという話でもあり悲劇なのである。

 おそらく主人公はシンブンシのメンバーの中でも、飛び抜けて弱い人間だったのでは無いだろうか。タコ部屋での何が欲しいか語る場面でもそれは現れている。他のメンバーがある程度前向きな夢を持っているのに対して、主人公が欲しいのは友達だ。タコ部屋で主人公はそれらしきモノと出会い、事件を通じて念願の仲間を手に入れている。主人公は弱いからこそ死ぬ前に何か一つくらい誰かの為に何かを成し遂げたくてああいう行動に出たのでは無いだろうか。可哀想な死んだ友人の為にという目的を手に入れたのである。最後に自分だけ死んだのも、ヒロイックな行動では無くある種の弱さだと考えれば理解しやすい。実際、あの計画は主人公の計画である。主人公は計画を通じて、念願の友達と達成感を入手している。また、主人公には自分の計画に仲間を道連れにするほどの強い人間では無かったのだろう。

良かった点
 唯一の救いと感じたのは、主人公の行動が少なくとも行動を共にした仲間にとっての救済となった事である。彼らは主人公という犠牲を受け止め、人間的な尊厳の重みを取り戻した様に思える。希望的観測かもしれないが。

 シーンとして好きなのは、メタボという名前のキャラがタコ部屋のオーナーをぶん殴る場面だ。一番、オーナーに怯えて従順だったメタボが真っ先にブチ切れるあのシーンがあるだけでキャラの厚みが全然違って来る。方言が出るところもなかなか良いギミックである。

 凄いどうでも良いけど個人的に印象に残っているシーンとしては、栄養ドリンクの運搬車を茶番で足止めするシーン。シーンがどうとかいうより、単にロケ地が前に住んでた所のすぐ裏くらいの場所だったので見覚えがありまくりで印象に残っただけなのだが。映像的にはうつってないけど確か人材派遣会社の前あたりの道路じゃないかなとか。あの道を歩いてスーパーマルエツに行っていた思い出(どうでもいい)。
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by cemeteryprime | 2015-06-21 23:54 | 作品・感想 | Comments(0)

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