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【クトゥルフ神話TRPG】ノーデンス

クトゥルフ神話の他の邪神とはいまいち毛色の違う、ノーデンス。ノーデンスがどういうキャラなのかが、D20クトゥルフを読んでたら普通に書いてあったのでまとめてみる。

直接的にはケルト神話におけるノドンス、ノーデンス(Wikipedia参照)と呼ばれる神である。漁師、狩人、捕まえる者を意味する名前だという。またノーデンスは医療の神でもあった。ノーデンスの聖獣は犬であったとされていて、これは犬が傷を舐めて治してくれるという信仰から来ているらしい。ノーデンスの信者は、体を清めて夢の中で神託を得たと書かれているあたりも、ドリームランドと関連づけられるには十分な要素だろう。

またノーデンスは、アイルランドに伝わり、ヌアザとなった。ヌアザはトゥアハ・デ・ダナーン(ダーナ神族)の王である。ヌアザには、銀の腕のヌアザという厨二病精神をくすぐりそうな別名を持っている。銀の腕は、銀で造った義手から来ている。医療の神で、戦いの神である。

ケルトの神として、ノーデンスはキリスト教以前の異教の主神的なイメージを持っているのであろう。

さらにD20クトゥルフでは、ワイルドハント(西洋の百鬼夜行)との関連も書かれている(Wikipedia参照)。ワイルドハントとは、ヨーロッパで広く伝わる伝承で、伝説上の猟師の一団が、狩猟道具を携えて馬や猟犬と共に、空や大地を大挙して移動していくものである。このワルドハントの首領は、アーサー王であったり、オーディンであったりと各地で諸説ある。ワイルドハントの集団は、死者の魂であるともされている。ワイルドハントは、ハロウィーンとも関連があり、現世と霊界との壁が薄くなる時期に出現し、死者の霊を連れて行くのである。冥界からの死者であったワイルドハントは、時代が進むにつれて百鬼夜行の群れと化した。ワイルドハントが引き連れる猟犬や狼は、獣に変身する北欧神話のバーサーカーであるともされている。

ちなみに、面白いことに、8本脚の馬スレイプニルを駆り、馬車に乗って、死者の霊を引き連れて空を掛けるオーディンのイメージはやがて、8頭のトナカイが引くソリに乗り空を掛けるサンタクロースのイメージにもつながっていったらしい。暖炉のそばに靴下をぶら下げて置く風習も、元々はスレイプニルの為に干し草と砂糖をブーツに入れておくと、オーディンは施しへの見返りとして贈り物を残していたという風習だったらしい。

またワイルドハントの首領は、狩りの群れに遭遇した人物に何かしらの度胸試しを行い、この試練をクリアした者には黄金などの褒美が与えられるが、不合格だった者は命を奪われ連れていかれてしまうという話もある。

もし興味があればだが、『ヘルボーイ:滅びの右手』というアメコミに、この伝承を扱ったヴォルド王という作品がある。度胸試しとして、狩りの間、傷ついた1匹の狼の世話を頼まれるのだが、それをヘルボーイに押し付けて黄金を貰おうとする邪な男の話である。この狼は預けられた後に戦いに飢えたバーサーカーの姿へと戻り、ヘルボーイに襲い掛かる。

ノーデンスは、漁師や狩猟の神であるのでワイルドハントの首領のイメージとも合致する。百鬼夜行を引き連れるイメージは、夜魔の主人としてのノーデンスの姿である。

ノーデンスは、よくイルカが引くソリに乗ったイラストで描かれる為に、海と関連づけられポセイドンとかトリトン的なイメージを抱きやすいが、背景を知るとまた違った印象を抱く。D20クトゥルフには、ノーデンスの馬車を引く動物は、夜魔が変身した姿であると書かれている。イルカの正体は夜魔だったのだ。

こうしたイメージを踏まえれば、ノーデンスはもっと色んな所で登場させても良さそうである。イルカなら海限定な感じがするが、ワイルドハントのイメージならむしろ森だとか荒野が良く似合う。夜魔も最初から顔の無いデーモンの姿をしている必要は無いので、猟犬や狼の姿をしていて、敵に襲い掛かる際に変身するイメージの方が登場させやすそうではある。

お助けキャラとしての扱いも、善なる主神のイメージとしてではなく、試練に答えた見返りに褒美をくれるワイルドハントのイメージであればホラー感をギリギリぶち壊すことなく、扱えるのではなかろうか。勿論、試練に失敗すると悲惨な事になるが。


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by cemeteryprime | 2017-02-09 21:28 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

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