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【TRPG】ミニマムなシナリオ生成

これまでにもシナリオのミニマムな生成方法を考えてきたが、今回はもっともシンプルだ。主人公の属性と敵の属性の2つの要素を用意して、それを組み合わせる。それだけである。

ストーリーのコアになるのは言うまでもなく、主人公と障害(敵)である。なので、この2つの属性さえ決めてしまえばシナリオの内容はある程度方向性が固まるので、それをたたき台にするという寸法である。


主人公の属性とシナリオ

これまではあまり着目してこなかったが、主人公の属性というのはかなり大きな要素である。例えば同じ吸血鬼モノでも、農民VS吸血鬼と、宇宙飛行士VS吸血鬼と、調査隊VS吸血鬼と、神父VS吸血鬼と、母親VS吸血鬼と、社畜VS吸血鬼と、童貞VS吸血鬼では予想されるシナリオの内容はガラッと変わる。

農民VS吸血鬼の場合は、村に吸血鬼がやってきて死人が出始め…といった内容になるだろう。イメージとしてはスティーヴン・キング呪われた町だとか、それを元ネタにした小野不由美の屍鬼だとかそういう感じだ。

一方、宇宙飛行士VS吸血鬼の場合は、舞台はどこかの惑星か宇宙船内になるだろう。後者の場合は、映画『エイリアン』の様な、宇宙船内に侵入した敵と戦う感じのシナリオになる。

調査隊VS吸血鬼の場合は、南極だとかジャングルだとか古代遺跡だとかの僻地に出かけた調査隊が恐ろしいモンスターに襲われる話になるだろう。宇宙飛行士VS吸血鬼と混ぜるなら、火星だとか未知の惑星を調査する話になる。

農民VS吸血鬼の場合は、吸血鬼は外部から侵入してきた侵略者のイメージだが、調査隊や宇宙飛行士の場合は、好奇心猫を殺す的な自ら余計な場所に踏み込んでしまって襲われる話になる。

神父VS吸血鬼の場合は、依頼を受けて吸血鬼を殺しに行くストーリーになるはずだ。母親VS吸血鬼の場合は、子供を狙う吸血鬼的な存在と戦う話になるかもしれない。社畜VS吸血鬼の場合は、おそらく吸血鬼は搾取する鬼としての経営者かもしれない。童貞VS吸血鬼の場合は、吸血鬼は童貞の生き血を狙うエロ吸血鬼か、処女の生き血を狙うヤリチン吸血鬼になるはずで、どうあがいてもB級ホラー感が漂う。

…とまぁ、こんな感じで主人公の属性を変えるだけでストーリーの毛色はかなり変わる。

メジャー所の主人公属性としては、刑事や探偵や医者なんかが使い勝手が良い。刑事VS吸血鬼なら、正体は吸血鬼な連続殺人鬼を追うシティシナリオになるだろうし、医者であれば謎の奇病に苦しむ患者(吸血鬼の被害者)を救う為に探索するシナリオになる。有名なドラキュラにおけるヘルシング教授も医者として呼び出される探索者である。


探索者のレギュレーション

主人公の属性というシナリオ要素を使用しないシナリオ…要するにお化け屋敷の様に箱だけを用意するタイプは、いろいろシナリオに変化を持たせようとしても、どうしてもキャストや内装が違うだけのお化け屋敷になりがちである。

今回のシナリオの探索者は農民にして下さいとか、宇宙飛行士にして下さいとか、調査隊のメンバーですといったちょっとしたレギュレーションを設定するだけで、シナリオのニュアンスが大幅に変化するのは先に述べた通りである。TRPGの場合、シナリオソースとして個性あふれるモンスターのアイデアは豊富に与えられている。主人公の属性に関しては、オリジナリティも糞も無い要素なので、後は組み合わせの問題でしかない。幾らでもシナリオパターンは作れるはずである。

多くのキーパーは、モンスターの設定を掘り下げたり、お化け屋敷の作りを拘ろうとするものの、主人公属性との絡みを忘れてしまいがちだ。主人公と敵の2つの要素は常にストーリーの両輪なので、主人公と無関係にモンスターの設定だけ掘り下げても、ストーリーが豊かになることは無いという事は覚えておいた方がいいかもしれない。


冒険者という主人公の属性

ファンタジー系TRPGの場合は冒険者という万能すぎる主人公属性が存在している。冒険者は危険があれば飛び込み、敵がいれば倒すという属性であり、万能ではあるがかなり無個性になりがちなである。

冒険者属性は、何かを攻略する遊びであるゲームには向いているが、ストーリー性という意味では冒険者であるかぎり、毎回そういう話にしかならない。更にはゲーム的な存在であるが故に効率重視の非人間的なストーリーを作りがちな原因にもなる。


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by cemeteryprime | 2017-08-08 23:11 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

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