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カテゴリ:作品・感想( 127 )

【ドラマ感想】デアデビル(シーズン1)

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舞台はニューヨーク、ヘルズキッチン地区。多分アベンジャーズ1の戦闘が原因で街が半壊している。マーベル・シネマティック・ユニバースとの関連は今のところその程度だが、一応関連作品らしい。

ストーリー
デアデビルは、超人的な感覚を持った盲目のクライムファイターだ。昼は弁護士をしていて、夜はコスチュームで街の犯罪と戦う。シーズン1ではデアデビルが誕生するまでが描かれる。おなじみの赤いコスチュームは13話目にして登場する。それまでは、名も無き黒覆面の男として活動している。

宿敵であるウィルソン・フィスク(キングピン)との因縁や、盲目の戦士であり武術の師匠であるスティックとの過去、弁護士事務所の仲間達とのドラマが1シーズンを通して丁寧に描かれている。ヒーローの誕生譚というのは、結構盛り上がる部分である。バットマンでも言えばコウモリスーツを開発する以前の危なっかしい新人ビジランテ時代の話は、ビギンズなんかで映像化されたが、デアデビルはその部分を全13話でやってくれているのである。面白くない訳がない。

作風
デアデビルはクライムファイター物である。少なくともシーズン1にはコスチュームを着たスーパーヴィランは登場しない(ヤクザ忍者とは出て来たが)。対決する敵は街に巣食うマフィアやギャングなどの組織犯罪である。絵面的には特殊なガジェットを一切持たないバットマンという感じだ。シーズン1では、特殊なコスチュームとかも持っておらずスポーツウェアみたいな物しか着てないので、常にボコボコになりながら戦っている。普通の犯罪組織と戦う上ではバランスがとれていて良いというレベル。

ドラマ
主人公はデアデビルことマット・マードックなのだが、ストーリーの軸としては宿敵のウィルソン・フィスクももう一人の主人公として機能している。二人の志は共に自分が生まれた街であるヘルズキッチンを再興することだが、方向性が真逆という構図だ。デアデビルは住人を犯罪から守る方向性で戦い、ウィルソン・フィスクは街を犯罪で牛耳り、強引な再開発によって復興させようとしている。

ウィルソン・フィスクのドラマが結構秀逸で、外道でサイコな悪役なのだが、様々な悲劇に見舞われ打ちのめされながらも奮闘する様子が描かれるので、つい応援したくなる。コミックや映画版のデアデビルでも、ウィルソン・フィスクは怪物じみた巨漢で非情な大ボスという感じだったので、メンタルが揺らぎまくるドラマ版での描写は結構新鮮だった。ちなみに、演じているのはヴィンセント・ドノフィリオという俳優でフルメタル・ジャケットの微笑みデブである。この人の情緒不安定なキャラ演技が実に良い。

最近の海外ドラマでは、ブレイキング・バッドを皮切りに主人公が目的の為には犯罪にも手を染める悪人というタイプのドラマが流行っているらしいので、そういう要素をキングピンに盛り込んでいるのかなと思う。キングピン以外にも、悪人主人公特有のふとしたことから秘密を抱えてしまい、大切な人に嘘を重ねてしまって泥沼化するドラマがちょこちょこと盛り込まれる。デアデビルも仲間に嘘を重ねたせいで関係性がこじれて犯罪と戦うどころでは無くなっていたりするのが面白い。
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by cemeteryprime | 2015-09-07 10:06 | 作品・感想 | Comments(0)

【小説感想】特等添乗員αの難事件

特等添乗員αの難事件I (角川文庫)

松岡 圭祐 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

スコア:


スピンオフ
 特等添乗員αとは、万能鑑定士Qの事件簿シリーズ全12巻の後に万能鑑定士Qの推理劇シリーズと平行して出版されていた別主人公のシリーズである。この2作品はちょくちょくクロスオーバーしているので、推理劇シリーズを読むならこちらも一緒に読んでおくとより面白い感じ。

コンセプト
 万能鑑定士Qシリーズの主人公、凜田莉子が論理的思考を武器とするのに対して、特等添乗員αの主人公、浅倉絢奈が武器にするのは水平思考(ラテラル・シンキング)だ。垂直思考(論理的思考)と水平思考という感じでこの二人は対になっている。このコンセプトがなかなか良くて、ハッキリと両者に得手不得手が存在する形になるので、結果的に主人公の超人化に歯止めが掛かるという効果を生んでいる。

あらすじ
 主人公の浅倉絢奈は中卒のお馬鹿なニートであったが、派遣添乗員試験の面接会場でたまたま知り合った観光庁の若きエリート壱条に、そのラテラルシンキングの才能を見出される。試験は馬鹿すぎて余裕で不合格だった浅倉だが、壱条家に支える使用人で彼の家庭教師でもあった能登の下で一般教養とラテラルシンキングを指導される。

 壱条の様な官僚には論理的思考が求められ、トラブルに直接対応する現場の人間にはラテラルシンキングの才能こそが求められると考える壱条にとって、浅倉は最高のパートナーであった。こうして最強のトラブルシューターとなった浅倉絢奈は人気の派遣添乗員として仕事先や壱条の依頼で遭遇した様々な事件を解決していく。みたいな話。

水平思考
 確実に物証を抑えながら根拠ある道筋をたどって真実に行き着く凜田莉子のスタイルとは異なり、浅倉絢奈の場合はラテラル・シンキングなので速攻で真相に到達するのだが根拠も物証も無い。なので、毎回詐欺師的な手口で逆に敵を罠に嵌めて自爆させる手法をとる。なので、同じく詐欺事件を扱った人の死なないミステリーなのだが、万能鑑定士Qと結構テイストは異なっている。

キャラクター
 ラテラル・シンキングは、主人公の武器であり属性でもある。基本的には作中では水平思考とは、人の裏をかくような詐欺師向きの才能として扱われている。主人公の場合は、そうしたチート的というか詐欺師的な思考回路が身についてしまっている事に引け目を感じつつも、才能を受け入れ、正義の心で水平思考を詐欺師バスター的な方向に活かすという話になっている。

 浅倉絢奈の場合は、優秀で美人なキャビンアテンダントの姉がおり、姉ばかりが評価される家で育った為に、とにかく姉や家族から否定されたくないという勝負から逃げる方向に特化して思考回路が成長し、結果的に自然と水平思考を行う人格と化したという設定。そのせいで、まともな論理的思考能力が育たず、一休さんのトンチみたいな物でお茶を濁すので家族からも人格に難があると思われいてニート状態でも已む無しと放置されていたという…。

 ちなみに水平思考な部分以外は、万能鑑定士Qの凜田莉子も添乗員の勉強をしていたこともあって思いっきり知識が被っていたりしている。

シリーズ
 今のところは5巻まで出ていて、多分これ以上は続きは出ない気もする。面白いのは間違い無いが、主人公のキャラ的にも万能鑑定士Qありきな感じなので、基本的にはそちらを優先的に読んでおいたほうが良い。このシリーズ単体で読むのはちょっと勿体無い感じ。
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by cemeteryprime | 2015-08-31 16:19 | 作品・感想 | Comments(0)

【小説感想】万能鑑定士Qの事件簿

遂に12巻まで読み終えた。
 1巻と2巻が同時発売されたのが約5年前。当時、千里眼シリーズなどで松岡圭祐作品のファンだった私は速攻で購入したのだが、あまりの作風の変化と期待はずれな内容にディスりまくった記憶がある。ボリューム満点の娯楽エンタメ作品な作風から急に軽量級のライトノベルに変わっていたからだ。

 その後、しばらく糞作品認定していたのでこのシリーズは一切購入していなかったのだが、『探偵の探偵』を読んだのがキッカケでまた松岡圭祐作品を読みたくなったので続きを購入してみた。

 すると…なんと面白いではないか。あまりにもダークで少し辟易してしまう『探偵の探偵』の反動という面もあるかもしれないが、どこまでのライトでサクッと読めてしまうこのシリーズの魅力に気付くことが出来たのである。

作品概要
 万能鑑定士Qとは、主人公が経営するお店の名前である。主人公はまだ若い女性なのだが、高度な記憶術と論理的思考法を習得しており、あらゆるジャンルの物をその場で識別するのである。幾らかは名探偵的な博覧強記によるものだが、あくまで推理力を駆使する部分がミステリーの主人公らしい部分である。万能鑑定士というのはあくまで、屋号で資格などは持っていない。美術品から日用品、毒キノコの分類まで広範囲にカバーしているのである。

 このシリーズのセールスポイントは人の死なないミステリーだ。ただしありふれた日常的ミステリーを扱ったものでは無く、毎回異常でガッツリと世間を震撼させる詐欺事件と対決する話になっている辺りは松岡圭祐作品らしいサービス精神といった所だろうか。名探偵の行く所に殺人事件ありでは無いが、万能鑑定士の行く所に詐欺事件ありなのである。詐欺事件は割とありふれているのでそんなに不自然では無いかもしれない。

魅力
 このシリーズの一番の魅力は、何と言っても短時間で読める点だ。人がコンテンツを読んでいる際に感じる面白さというのは、時間辺りの物である。振り返るととても面白く心に残る作品であっても、読んでいる時は退屈を感じてしまう作品というのは存在する。それは主に消費時間が長すぎるという問題である。時間辺りに換算すると、面白さの密度がグッと低下しているのである。

 このシリーズはページ数もそんなに分厚く無く、構成的にも基本的に読みやすい。個人差はあるかもしれないが、推定所要時間は1時間くらいといった所だろうか。1冊の値段も税込みで550円程度と青年誌漫画と近い価格帯で、1冊毎で完結しているのもポイントである。同じ価格で、きちんと完結している方が満足度は高いし、小説なのでストーリー分量も多い。

 これは作風的な部分でもあるのが、トリビア的な要素が詰まっているので、ストーリーはライトなのだが情報量的にはそこそこボリュームを感じるというのもポイントだ。ストーリーがライトでドラマ性が薄くても、ミステリーの骨格を持っているのでグングン読み進められる点も良い。通勤や通学時間が片道30分もあれば毎日1冊購入していける感じなので、コンテンツ商品としてかなり上手く設計されている様に感じる。

印象の変化
 1巻+2巻を読んだ時と、ガラリと印象が変わったのは単に性格の変化なのだろうかと、改めて読みなおしてみた。すると、1巻と2巻は前後篇の分冊であり、ストーリーテリングの手法としても時系列を前後させたりのギミックが目立った。1話完結で読みやすいストーリーテリングという、ポイントが機能していないのである。もちろん、内容的には面白くないという事は決して無いのだが、その後に形成されたフォーマットと比べるとライトなコンテンツ商品としての完成度は低かったという印象である。

 過去のディスりまくった記事についてはアドレスを貼っておく。
http://rexmundi.exblog.jp/14062618/

 過去記事で指摘している様に、ドラマ性やキャラ性は正直薄い。のだが、シリーズ物として連作なのでそのあたりは読み進めていくと徐々に補完はされていく。これからは読み始める人は、まずは1巻と2巻をまとめ買いして、その後は3冊づつくらいまとめ買いしていく事をオススメする。本当にすぐに読めちゃうからだ。
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by cemeteryprime | 2015-08-26 11:57 | 作品・感想 | Comments(0)

【ドラマ感想】探偵の探偵 (第1話~第6話)

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録り溜めしていたドラマ版の『探偵の探偵』をまとめて消化した。原作は松岡圭佑の小説、『探偵の探偵Ⅰ~Ⅲ』(講談社文庫)。正直、ネットでは視聴率が低迷している事くらいしか話題になっていなかったので、大した期待もせず今まで視聴を後回しにしていたのだが、実際に観てみるとかなり面白い。

あらすじ
主人公の紗崎玲奈は、妹を性犯罪者の前科者のストーカーに狙われた。警察にも相談し、妹は遠い親戚の元へと預けられる。しかし、ストーカーはもぐりの探偵を使って妹の位置を割り出し、妹を誘拐。無理心中を図りまんまと殺害されてしまった。邪悪なストーカーに手を貸した探偵は素性すら掴めず、罪にも問われなかった。紗崎玲奈はこの探偵に復讐する為に、自ら探偵となり犯罪者に手を貸す探偵と戦う事を決意する。復讐に燃える危険な紗崎玲奈を引き受けた探偵の須磨は、玲奈を対探偵課という悪徳同業者を告発する部署で働かせる事で完全に社会から逸脱した犯罪者になることに歯止めを掛けようとするが…。みたいな話。

探偵観
現代において特定個人の情報を入手するには非合法な手段無しでは成立しない。この作品に登場する探偵は大なり小なり違法行為に手を染める人間たちなのである。探られると痛い腹しか持っていない探偵たちは、警察の介入を嫌うので探偵同士のトラブルは完全にイリーガルな世界で処理される。被害にあっても警察に駆け込めない人種なのだ。基本的に主人公も含め逮捕されるだけの証拠さえ残さなければ、何をやっても問題ないと考える連中なのだ。探偵の中には、そもそも看板を出していない連中も多い。妻に逃げられたDV夫や、ストーカーや、詐欺師などの犯罪者相手に、個人情報収集能力を金で売る人間は看板を掲げない方が都合が良いのである。主人公の紗崎玲奈が戦うのはこうした犯罪者相手に商売を行う悪徳探偵たちである。

ジャンル
ハッキリ言って、バットマンやパニッシャーの系譜に連なると言っても良いクライムファイター作品だ。警察の捜査が及ばない犯罪を違法な手段で捜査し、容赦なく私刑を加える。

アメコミのビジランテたちは、フードで正体を隠すことでビジランテとして成立しているが、この作品の場合は探偵としての知識と技術を活かして、逮捕されるだけの証拠を残さない事でビジランテ活動を成立させている。警察も主人公の法律を無視した違法な活動に気付いてはいるが、証拠が残っていないのである。なにせ被害者側の悪徳探偵も、警察には絶対に泣きつかないので事件化しないのだ。主人公は探偵業界では嫌われ者であり、多くの悪徳探偵の恨みを買って命も狙われている。

見どころ
この作品に登場する警察は無能では無いが、探偵たちは平気で住居侵入や窃盗などの違法な捜査手段を駆使出来るという点で幾らかのアドバンテージを持っている。探偵物なのだが、所謂名探偵的な探偵は登場しない。基本的に情報収集に長けた犯罪者である。主人公もどちらかと言えばジェフリー・ディーヴァー作品に登場する様なプロの殺し屋に近い。

基本的に主人公は悪徳探偵への復讐心で行動するクライムファイターなので、警察に突き出してお終いなんて事は無い。バイオレンスな制裁が伴う。鉄パイプで頭を殴打くらいは序の口で、拷問を加えたり、即席で釘爆弾を作成して使用したこともある。TVドラマの主人公としては近年まれに見る凶悪さでは無かろうか。暴力の基準は死ななきゃセーフくらいの感じである。あと、主人公が女性なので女の悪人に対しても全く容赦が無い。ただ、その分敵の攻撃も容赦は無くて、基本的に主人公は女性なのでフィジカル的にはそこまで強くは無い。

ドラマ化の是非
元々、原作小説が犯罪&バイオレンスで実写化向きな内容だったというのもあるのだが、それ以上にかなり制作スタッフが頑張っている印象だ。視聴率的に成功しているかどうかは知らないが、ドラマ化としてのクオリティという意味ではかなり高水準だと感じる。

まず第一にキャスティングが、かなり良い。主役である紗崎玲奈役の北川景子と峰森琴葉役の川口春奈のコンビが凄くキャラにハマっているのに加えて、脇役も、敵役もほぼ全てがツボを押さえたキャスティング。単に人気タレントを出しましたとか、大物俳優だしてみましたみたいな要素は今のところ皆無。ユースケサンタマリア演じる限りなくムカつく外道探偵とか、高岡早紀演じる糞みたいな女医とか、ぶん殴りたくなる感じの悪役勢が最高。まぁ、実際にぶん殴られるんだけども。

シナリオ改変
原作は松岡圭祐作品の中でも極端にバイオレンス要素が強い感じで、陰鬱なオーラがエンタメ性を阻害している印象すらあって個人的にはイマイチ好きじゃない。ドラマ版は、バイオレンスの要素が強いクライムファイター物という原作のテイストを残しつつも、もうちょっと大衆エンタメ路線に寄せている感じの改変をしていて、どちらかと言えばこっちの方が好き。原作改変というと、変な設定ねじ込んだり、キャラ設定を大幅に変えちゃったりという物が多い中、エンタメとしての路線をTVドラマ向きに上手く調整している感じで、脚本の人が結構良い仕事してるなと感じた。

あと、原作だと割とダーク一辺倒なのであまりテンポが良いとは言いがたいんだけど、TV版はちょっとコミカル寄りな場面も作って上手くⅠ時間ドラマのメリハリを作ることに成功している。シナリオのテンポが良いので、6話分をまとめて観たけど全く苦にならなかった。1時間ドラマって、ザッピングとか、何かをしながら観るのとかを前提にして意図的に緩い作りになっている物が多い中、このドラマの作りはなかなかガチだと言える。単純なエンターテイメント性で言えばむしろ良くなっている印象すらある。

キャラ改変
主役2名のキャラクターも大衆エンタメ向けにするという路線において、なかなか適切な改変が施されている。一番大きいのは、峰森琴葉の扱いだろうか。琴葉が殺された玲奈の妹、咲良の親友だったという設定になっている。原作では単に琴葉は死んだ妹と年齢が近くて妹に相手を重ねてしまう程度の弱い関係性で、それを百合要素で補強していたのだが、この改変で原作以上に二人の関係性が因縁レベルで強化されている上に、宿敵である死神が二人にとっての共通の敵として機能する構図になっている。結果として、琴葉はもう一人の主役にランクアップしており、玲奈のバディとしての存在感も増しているのである。

二人の年齢設定が高めになったのも良い改変ポイントで、二人とも若さゆえの不安定感みたいな要素は払拭されている。琴葉もまだまだ未熟ながらも、単なる玲奈への依存心では無く自分が支えねばというハッキリとした大人としての意志を感じさせるキャラになっており、キャラとしての魅力は上昇している様に思える。玲奈の方も、演じている北川景子の効果もあってカッコイイお姉様感が増しており、あくまでボロボロになりながら戦うヒロインだった原作と比較して、戦う女主人公へと成長している。琴葉はバディ枠であり、ヒロイン枠も兼ねている。女主人公としての玲奈のキャラ造型はなかなか見事で、主人公としての格好良さに加えてきちんと女性としての弱さや優しさも描写されている。一方の琴葉を演じている川口春奈は、姉を支える健気な妹キャラが良く似合っていて、コンビとしての完成度がなかなか高い。

以上。とにかく面白いので、今からでも観て損は無いはず。
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by cemeteryprime | 2015-08-17 21:48 | 作品・感想 | Comments(0)

【ボドゲ感想】ヤミー

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5分くらいのインストで遊べる手軽なカードゲーム。

ルールのイメージ
 3枚の手札のうち1~3枚を順番に場に出して、都度補充していく。カードには3~7の数字が書いてあって、3なら3枚。7なら7枚で、その数字の勝利点になる。

感想
 出すか出さないかみたいなカードを出すタイミングを図るゲーム。同じカードを2枚抱えていれば、当然確保出来る可能性は高くなるが、手札は3枚しかないのでどれを抱えるかという問題もあるし、何点を狙いに行くかという問題もある。あと、毎ターン1枚は出さないといけないので、案外低い点数のカードなら1枚でも取りに行ける可能性はある。

 さくさく遊べるし、そこそこ駆け引きの余地もある。みたいな感じ。
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by cemeteryprime | 2015-07-26 11:47 | 作品・感想 | Comments(0)

【ドラマ感想】戦慄怪奇ファイル コワすぎ!

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 Twitterでニコニコ動画で無料生放送している『コワすぎ!』という作品がとても面白いと評判になっていたので観ている。現在4話まで視聴。確かに、これはとても面白い。また一挙放送とかもあるらしいし、DVD買っても良いかなレベルの作品なので、ちょっと内容を紹介してみる。

モキュメンタリー風の連続ドラマ
 基本的にはこの作品は、擬似ドキュメンタリー(モキュメンタリー)形式を取っている。実録ホラー物DVDを制作しているチーム(ディレクター、アシスタント、カメラマン)が、投稿者から送られてきた怪奇映像から、現地調査をして本物の怪奇映像を押さえようという流れになる。映像は基本的にカメラマンの手持ちカメラ視点である。

 モキュメンタリーなのだが、シリーズとして連続ドラマみたいになっているのがこの作品の面白い所だ。言ってみれば心霊現象版のX-ファイルみたいな感じで、全ての話が徐々にリンクしていって壮大なストーリーになっていくあたりが最高にぶっ飛んでいる。回を重ねるごとに、クトゥルフ神話知識技能みたいなのが蓄積されていく感じで、怪奇現象の背後に一定の何らかの力が存在しているのがハッキリしてくるのである。

作風
 いちおうモキュメンタリー風なので、毎回冒頭は大人しいのだが、正体は現代伝奇モノといっても過言では無い内容なので、ハッキリいって漫画チックである。結構な頻度で本物の異能者が登場したりするのが面白い。

 内容はカオスすぎるのだが、結構オカルト的なお約束とか考察がちゃんとしているのも面白い要因である。あと、制作チームは毎回探索者ばりに滅茶苦茶するのだが、それでも怪異はハッキリと人間の常識を超えた物として描かれているのはホラーとして評価出来るポイントだと個人的には思う。ギャグになりかねないカオスっぷりなんだけど、モキュメンタリー風の作風で登場人物たちの恐怖というか困惑がハッキリ描かれるので作中のリアリティとしては案外気にならない感じ。一歩引いてみると笑っちゃうんだけども。
 
ざっくり、あらすじ紹介
 第一話は口裂け女。映像に映った不審な女は本当に口裂け女なのかという検証を地道にやっていく過程が面白い。脚の早さを検証したり、周囲を地道に聞き込みしたりして、口裂け女らしき不審者の身元を最終的に割り出す所まで行くのが素晴らしい流れ。やっぱホラーは探索パートがあってナンボな感じ。探索パートがあることで、単なるビックリ映像な心霊ホラー以上の現代伝奇ホラーになっているのだ。具体的には口裂け女らしき女ホームレスが残した、不気味な髪の毛で作った呪具を民族学者に調べてもらってどっかの田舎の呪術の宗派まで辿り着く。

 第二話は震える幽霊。廃墟モノの心霊ホラー映像としても面白いんだけど、徐々に投稿者サイドの得体の知れない女がいた事が判ってそいつを追跡していく内にヤバい事になっていくという話。シリーズ物としての世界観を明確に打ち出して来ている作品で、色々と面白い。無敵かと思われた粗暴な主人公格のディレクターがあっさりやられて昏睡状態になったりして、異界はヤバい!という部分も明確に打ち出される。

 第三話は河童。序盤はUMAとしての河童を調査していくんだけど、実はこれまでにも遭遇して来た異界関連の呪術的な存在である事が判明する。河童に娘を殺されて復讐を誓い、陰陽道をマスターしたというカオスな設定の農民が出てくる辺りが秀逸。河童殺スベシ!な陰陽師と、あくまでも捕獲したい制作チームの共闘スタイルが面白い。

 第四話はトイレの花子さん。なぜか花子さんの正体は時空ポータルで、まさかのタイムループネタが展開される。時空が歪んだ廃校舎を舞台に、呪いで死んでしまう運命にある投稿者の親友を救うために何度もタイムループを繰り返すという謎の感動回。この回は霊能者が優秀すぎて制作チームの探索パートが弱めでホラーとしては微妙な感はあるが、ネタが壮大で面白かった。心霊モノなのに、タイムループSFとして地味に頑張ってて、未来の自分達に遭遇したりみたいな小ネタが楽しい。

 ・・・と、まぁそんな感じで凄い面白いのである。本格オカルト特撮ドラマって感じ。時間があれば是非観てみて欲しい。
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by cemeteryprime | 2015-07-24 21:59 | 作品・感想 | Comments(0)

【映画感想】アリのままでいたい

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それなりに有名らしい昆虫カメラマンの人が世界初のアリ視点カメラを開発して、今までに観たこと無い昆虫の映像を見せますみたいな触れ込みだったので、観に行ってきた。テレビの番宣映像で観ると確かに、昆虫というか、大型の動物って感じの映像になっていて面白そうだった。

結論
 が、映画としてはウンコだった。確かに昆虫の映像は素晴らしいんだけど、一本の映画にする際にコケてる。そんな感じ。正直途中で眠くなってヤバかった。監督がバラエティ番組とかの製作の人で映画は初監督らしいので、多分そのせいだろう。同じテレビ番組でもドキュメンタリー制作の人持ってこいや!と思わなくもないが、TBSだし仕方無いのかな。

パッケージ詐欺
 映画のパッケージとしては昆虫のドキュメンタリーっぽい要素を押している割に、実際見てみるとムシキングっぽいしょうもないCG入れたり、何故か地獄のミサワのしょうもないアニメが入っていたりと寒い演出が入りまくってコレジャナイ感が半端ないのだ。子供向けにターゲットを絞りたいなら、もうちょっとパッケージもそういう感じにしろよと言いたい。ポスターにミサワキャラ出しとくとか。それなら多分観に行って無かったはず。

 実際、映画館行ったらその時間帯は結構子供でいつも以上に混雑していたんだが、アリのままでいたいの客層は全然子供が少なくて年配の人とかオッサンが目立っていた。

昆虫映像
 そんな感じだったので、エンディングで何故か本編で使われなかった昆虫映像が小さく映っていたのは割と殺意すら湧くレベルだった。こっちは昆虫映像観に来てるのに、何でそれを本編で大きく観せてくれないんだよ!みたいな。

 ただメインのアリ視点カメラの映像は迫力があってどれも凄かった。昆虫が飛ぶところも、鳥みたいにバッサバッサ羽ばたく様子がハッキリ見えるので躍動感が凄い。カブトムシとクワガタの格闘も重量感がある。この辺りは素直に凄い。映像提供してくれてる昆虫カメラマンの人が凄いだけな気もするが。

作品として
 ただ、それ以外の部分が昆虫映像を余裕で打ち消しにくるレベルで酷いので映画としては、ウンコなんだよね。正直、観に行かなくてもいいと言える。DAIGOも嫌いじゃないけど、こいつにナレーションやらせるか普通?DAIGOがカブトムシのバトルの実況しながら、声までアテレコさせられてて正直キツイものがあった。話題性用にタレントを声優起用して炎上している案件があるが、こういう形のタレント起用も如何なものか。ファンも得しないんじゃねーのか感。

 あと、ラストには何故か福山雅治のいい感じの曲が流れる。DAIGOがナレーションをして、地獄のミサワのコントアニメが流れ、EDは福山雅治。色々とチグハグな映画だ。プロデューサーはどういうセンスしとんねん。

 昆虫カメラマンの人のインタビューもちょいちょい挟まれるんだけど、正直昆虫目線でよく判らんストーリー組むよりは、昆虫カメラマンの人を中心にしてガンガン昆虫映像を盛り込むドキュメンタリーの形にしてくれた方が観やすいし、面白かったと思う。
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by cemeteryprime | 2015-07-24 17:37 | 作品・感想 | Comments(0)

【映画感想】ターミネーター:ジェニシス

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ターミネーターシリーズのリブート企画の様な感じで宣伝されているが、実際の所はターミネーター1の二次創作作品という感じ。しかもハッキリ言って駄作である。猿の惑星ジェネシスみたいなタイトルなので、神リメイクを期待してしまうと痛い目を観るはずだ。

二次創作
 序盤は完全にターミネーター1作目の二次創作的なストーリーである。宣伝でもここが使われているが、旧作ファンに対する掴みとしてはなかなか良い感じである。サラ・コナーを殺害するために送り込まれたT-800を追って、カイル・リースが1984年の世界へ送り込まれる。ここまでは概ね1作目と同じである。そこからが異なる。なんとT-800は待ち受けていたジジイT-800とサラ・コナーのコンビによってあっさりと返り討ちにあうのだ。

 一方カイル・リースは、サラ・コナーを発見する前に警官に化けたT-1000に襲われる事になる。T-1000に襲われているカイル・リースは、助けに来たはずのサラ・コナーに助け出される。この時間軸のサラ・コナーは幼少期に送り込まれてきたT-800によって戦士として訓練されていたのである。

 とまぁ、序盤はターミネーター1作目や2作目ありきの二次創作的な面白みを持った展開をする。ただ、ギリギリ面白いのは残念ながらそこまでなのである。

糞シナリオ
 1作目の二次創作である1984年篇は最終的にタイムマシーンでサラ・コナーとカイル・リースが2017年に向かう形で終了する。それ以降は、オリジナル展開なのだが、明確にシナリオが破綻しており、つまらなくなる。

 T-800が独力で1984年の時点で調達出来る機材でタイムマシーンを作れているのも謎なのだが、2017年に二人が飛ぶ理由も謎である。当初は、スカイネット誕生を阻止する為にサラ・コナーはターミネーター2作目の1997年世界に飛ぼうとする。ところが、カイル・リースが歴史が変わってしまったので2017年に飛ぶのが正解だと言い始めるのである。2017年にスカイネットが誕生した別時間軸の記憶が発生したと言い始めるのだ。

 タイムパラドクス的な話はさて置き、普通に考えれば未来を変えるのにわざわざ未来にタイムトラベルする必要はどこにも無い。つまり、オリジナル展開はその発端からして破綻しているのである。

 ついでに当然の如く2017年世界にタイムトラベルしてみれば、スカイネット誕生は数時間後に迫っている。なぜ敢えて誕生を阻止する為に、誕生した年にタイムトラベルするのだろうか。サラ・コナーもカイル・リースも恐ろしく気が短いに違いない。これに関してはジョン・コナーの誕生を阻止するためにT-800を敢えて1984年に送り込んだスカイネットも同じなので、この世界のお約束なのかも知れないが。

ターミネーター
 今作では、全身ナノマシンみたいな新型が登場するのだが正直T-1000と変らんというか何というか。絵的にもアイデア的にも目新しさ皆無な感じ。あと、T-800が何故か1984年であっさり完成させたタイムマシンを2017年でめちゃくちゃ金をつぎ込んだ挙句に結局完成させれなかったという無能。どないなっとんねん。

 見どころといえば、やはりシュワちゃん演じるジジイT-800だろう。人間の味方である様にプログラムされたってのを通り越して、AIが滅茶苦茶進化している。何故かサラ・コナーのお父さんとしての自我が芽生えている上に、最終的には普通のお爺ちゃん風に。生態パーツな表面が老化して見た目が老ける設定はともかく、AIまで老化しているのは笑った。コメディ的には面白かったが。T-800が完全に単なるシュワちゃんになってしまっていたのは、あーあな感じ。過去作をリスペクトするというよりも、単にシュワちゃんをヨイショしまくる内容になっていたのは普通に映画として詰んなかった。

ジェニシスの謎
 2017年篇は、何とかジェニシス(スカイネット)の誕生を阻止するという話だったんだけど、どうも観ていた限りはサービス開始の時刻が迫っていただけで、プログラム自体は完成していたんだよね。サーバーを破壊した感じだったけど、完成していたんなら余裕で復旧出来んじゃないのかこれ感。

 1997年ならともかく、2000年代なら余裕でインターネット普及してるしわざわざOSとして世界的に普及するという周りくどい事する必要あったのかという気が。ジェニシスが成長してそのうち人類に叛旗を翻すという話なら、サービス開始が人類のタイムリミットというのも変な話だし。未来から来たんならスカイネットのデータだけ持ってきてインストールすれば済む話やろと思わなくもない。

ほのぼの映画
 基本ガバガバな糞映画なんだけど、実はT-800お爺ちゃんが時間を遡って悲惨な未来を変えるために頑張るターミネーターのほのぼのパロディ映画だと捉えると、案外納得出来るバランスになっている。この映画では、オチでシュワとの悲しい別れなど無い。なんと逆にパワーアップしてしまう始末である。

 ドラマについても、父親代わりのT-800お爺ちゃんがポンコツ化していく様を娘には悟られたくないとするイジマしい様子が描かれていたりと、ロボットに過ぎないT-800に無駄にドラマが用意されているのである。娘に近寄ってきたカイル・リースにムキになって張り合ったりもする。その辺りに注目して観れば案外面白いかも知れない。
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by cemeteryprime | 2015-07-16 14:54 | 作品・感想 | Comments(0)

【ドラマ感想】仮面ライダードライブ (~36話)

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 長らく溜めていた仮面ライダードライブをようやく観た。溜めていた理由はシンプルで、5話くらいまで観たものの、一向に面白くならなかったからだ。最近ネタ的な形ではあるがちょくちょく話題に上がるようになっていたので、試しにまとめて消化した次第である。

結論
 結論から言えば、仮面ライダードライブはいつの間にか面白くなっていた。ただし、個人的にはちょっと面白くなってきたなと感じたのは20話目からだ。なので、シリーズとしては正直オススメし難い作品である事も確かである。20話目までは、正直つまらない。序盤で観るのが苦痛になって迷っている人がいるなら、取り敢えず20話目まで頑張って観ることをオススメする。

テーマ
 今作のテーマは機械だ。敵はロイミュードと呼ばれる機械生命体で、AI的な要素が強い。近年、AI技術は急速に発達してきており、映画等でも人工知能の叛乱は再びホットなネタになって来ている。

 敵であるロイミュードの目的は進化だ。ただし、ロイミュード達は機械生命体とは言うものの、結局の所は機械である。生物では無いので、進化や成長をもたらす強い衝動や欲求という物を持っていないのである。そこでロイミュードは人間を欲望ごとコピーし、進化の切っ掛けを掴もうとする。結果的に人間の欲望に従って暴れ回り、社会に混乱をもたらす構図になる。

人工知能と欲望
 平成ライダーシリーズには、過去に人間の欲望をテーマにしたオーズという作品が存在している。今作は、機械という切り口から、改めて欲望というテーマについても語る形になっており、人工知能ネタという点でもなかなか面白いアイデアに感じる。思考は欲望から生じる。欲求を自給自足出来ない限り、AIの自己進化はあり得ない。

 映画『チャッピー』では、ロボットボディにAIを固定し擬似的に寿命を与える事でこの辺りの問題をクリアしていた。あの映画でもチャッピーが急成長し始めるのは、自身の寿命を認識してからである。死にたくないという強烈な欲求がチャッピーのAIを成長させていた。

第20話
 ロイミュードの場合は、この問題を人間をトレースすることで解決した。ロイミュードがコピー元に犯罪者をよく選ぶのは、衝動が強烈だからか、刑事ドラマという都合上の物なのかは判らない。第20話では仮面ライダーの正体を探るという都合上、ロイミュードは捜査チームのメンバーであるオタクをコピーした。その結果、無害なロイミュードが誕生してしまった。ただ能力的にロイミュードだったので、オタク案件でブチ切れてしまって事件を起こし正体が露見してしまうのだが。

 このエピソードは、人間を守る使命を持ったロイミュードであったチェイスの味方フラグを示唆する物なのだが、同時に先に述べたようにロイミュード自体に善悪は無く、進化の為に人間をトレースした結果、犯罪を引き起こしているという人工知能故の特性を明確に示している。それ故に、このエピソードが個人的にはターニングポイントとして感じている。また、この辺りからストーリー自体もシリアス寄りになり、ストーリーテリング的にも攻めた演出が増える。クリフハンガーで次週につないでおいて、次週の冒頭で肝心のそのシーンを飛ばす演出は結構好き。

仮面ライダー
 今作の仮面ライダーは車がモチーフである。どこか得体の知れない人工知能と対比させる形で、人間の相棒としての機械の象徴になっている。と思われる。仮面ライダードライブが、もはやライダーじゃなくてドライバーな事は当初から色々とツッコミが入っていたが、しばらく観ていてば意図的な物であったことが判る。なぜなら、バイクがモチーフな仮面ライダーもちゃんと登場するからである。

 登場する仮面ライダーは全部で3名だ。仮面ライダードライブ、仮面ライダーマッハ、仮面ライダーチェイサーで、ドライブ以外はバイクに乗って戦う正真正銘のライダーである。

二人のライダー
 マッハとチェイサーは、はっきりと過去の仮面ライダーらしさを踏襲したキャラクターになっている。チェイサーは、人間を守るという使命感の下に戦うロイミュードだ。人外であり、反逆者であり、人間の守護者である。1点新しいのは、彼が正真正銘の人外である点だろう。人間の守護者である事をプログラムされた機械生命体というのは、正義の味方の在り方としてはなかなか合理的で斬新かもしれない。

 マッハは復讐者タイプだ。彼の父親はロイミュードを誕生させる切っ掛けを作った研究者であり、その事実を未だ知らない姉を悲しませない為にも一刻も早くロイミュードを皆殺しにして、過去を精算しようとしている。マッハは、自分の信じる正義の為に戦っており、独断専行的で、他人の誤解も厭わない。ビジランテ的で平成ライダーっぽいライダーだと言える。全てのロイミュードを憎んでいるので、当然マッハはチェイサーにもちょくちょく襲い掛かるのである。

仮面ライダードライブという試み
 従来の仮面ライダー像は、上記の様にライダーである2名がきちんと踏襲している。では、ドライブはどういう新しいヒーロー像を構築しようとしているのだろうか。

 主人公は刑事で、仮面ライダーだ。過去にも仮面ライダー剣や仮面ライダー響鬼という、仮面ライダーを職業にしていた作品が存在していたが、今作の場合はあくまで警察としての活動の一環として、仮面ライダーを活用している点で異なっている。仮面ライダーアギトにおけるG3ユニットと扱い的には近い物がある。ただ、G3の場合と違って、あくまで主人公の目的は犯人逮捕であってロイミュード討伐では無い。

職業ライダーとしての面白さ
 仮面ライダードライブでは、敵が間接的な攻撃をして来る事が結構多い。心理攻撃や、警察組織に圧力を掛けたりという様な手法である。主人公が圧力を受けて謹慎処分になって変身禁止にされたり、犯罪者の汚名を着せられたりもする。こうした間接攻撃は、職業ライダー要素と親和性が高く、ストーリーをより面白くしていると感じる。

 これには、仮面ライダーとして変身した戦う時に敵に負けては駄目という様な無茶なスポンサー的要求が影響しているのでは無いかと考えている。ライダーとして無敵なら、人間部分を攻めるしか無いのだ。その点、ハッキリと社会にコミットしている職業ライダーは弱点が多い。人外で一匹狼なライダーではこういう面白さは難しいのでは無いだろうか。

 チームものとしての面白さや、コミカルな面白さも狙っているが、その辺りは正直イマイチな感が強い。
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by cemeteryprime | 2015-07-10 22:59 | 作品・感想 | Comments(0)

【映画感想】マッドマックス

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感想
 とにかく面白い。一言で表現するならサーカスやパレードの様な映画だ。とにかく画面が観ていて面白いのが良い。それでいて演出やストーリー描写も細やかだ。キャラも一人一人が活き活きとしている。テーマ性とエンターテイメント性と芸術性が見事に両立されている。

 兎に角、良く出来た映画であるという事は断言出来る。パッケージ的な絵面やコマーシャルの方向性を観ると、結構人を選ぶ作品に見えるが、実際は老若男女誰が見ても面白いバランスの作品になっている。よく出来た映画だというのはそういう事だ。映画には一部の観客にだけ強烈に刺さるタイプの作品という物も存在するが、この作品は違う。是非、観に行って見て欲しい。損はしないはずだ。

大まかなストーリー
 ストーリーはシンプルだ。フュリオサという女戦士が、叛乱を起こし産む機械として扱われている女性を連れてイモータン・ジョーという格好いいジジイが支配する街から脱走する。激しい逃走劇の末、フュリオサは目指していた故郷へと辿り着く。

 しかし、そこにかつての緑あふれる故郷の姿は無かった。フュリオサは、緑あふれる理想の場所を目指して更に遠くを目指して旅立とうとするが、そこで新たな道を示唆される。フュリオサが求める緑と水は逃げ出してきた街にこそ確実に存在している。

 フュリオサは、理想の場所を求めて逃げ出す勇気では無く、立ち向かい勝ち取る勇気こそが真に必要なのだと気付く。そしてフュリオサは、元来た道を引き返しイモータン・ジョーを倒し、街に王として凱旋する。

解説
 この作品のタイトルはマッドマックスであり、主人公マックスを軸にしたシリーズ作なのだが、先にも述べた様にストーリー的な主人公は女戦士のフュリオサである。邦題だとサブタイトルは『怒りのデスロード』となっているが原題では『フューリー・ロード』だ。フューリーには復讐の女神や、凶暴な女性という意味もあるらしい。

 この作品におけるマックスの役回りは、フュリオサの導き手である。どこにあるかも判らない理想の土地を求めて砂漠を彷徨う道を進みかけるフュリオサに、引き返して戦う道を示唆するのがマックスである。シリーズ物で、旧作の主人公がメンター的な役回りになるという事がそれほど珍しく無い。

 マックスを主人公と捉えると、フュリオサを主人公としたメインの枠組みが見えなくなってしまう。フュリオサは始めは逃亡者であり、罪人として追われ、旅の中で挫折を味わい、そこから再起して暴君を倒し、死にかけ、死の淵から蘇り、最後には王として街に帰還する。極めて神話的な力強いプロットを持ったストーリーであると言える。

 マックスにとっても、この旅路はフュリオサ程では無いにせよ幾らかは意味を持っている。マックスは過去の戦いで心を病んでおり、凶暴な動物同然になっている。それがフュリオサと同行し、共に戦う中で獣から戦士へと戻っていくのである。復活したマックスは、先達として迷うフュリオサを導き、フュリオサの復活に手を化し、フュリオサが王になったのを見届けて、街を去るのである。

テーマ
 この作品には明らかにフェミニズム的なテーマが含まれている。王位を簒奪する主人公は女性だし、倒されたイモータン・ジョーは極めて父権的な存在だ。イモータン・ジョーが築く秩序の中では女性は子供を増やす為の道具として明確に搾取されている。フュリオサが連れて逃げる女達の中には妊婦もいる。

 ただ、この作品で描かれるもっと大きなテーマは『戦うこと』だと個人的には考えている。マックスは戦う事で人間性を取り戻して行き、フュリオサは逃亡では無く戦う事を選択して王位を簒奪する。イモータン・ジョーも、自らハンドルを握って戦う格好いいジジイである。この戦いに経済的な損得などというチャチな理屈は存在しない。それぞれが秩序を回復させる為に戦っているのだ。
 
ウォーボーイズ
 この作品には、ウォーボーイズというハイテンションな白塗り軍団が登場する。ウォーボーイズとは、イモータン・ジョーに心頭し、戦って死ねば天国に行けると信じる若者たちである。ウォーボーイズは最高の音楽、最高のマシンに囲まれて喜んで死んでいく。彼らは秩序の為では無く、喜びの為に戦っている。それ故に本当に楽しそうに描かれているのだが、イモータン・ジョーに洗脳された可哀想な子供たちとしても描写されている。個人的には父権的な秩序に疑うこと無く組み込まれ、喜んで戦い早死していくウォーボーイズの姿はどうしても現代の社畜の姿がダブってしまう。Twitterなんかを見ていると、どうもウォーボーイズに同化してハイ担っている人がかなり多い様に見えるのがまた恐ろしい所である。
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by cemeteryprime | 2015-07-09 14:48 | 作品・感想 | Comments(0)

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