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カテゴリ:TRPG講座・考察( 125 )

【TRPG】ミニマムなシナリオ生成

これまでにもシナリオのミニマムな生成方法を考えてきたが、今回はもっともシンプルだ。主人公の属性と敵の属性の2つの要素を用意して、それを組み合わせる。それだけである。

ストーリーのコアになるのは言うまでもなく、主人公と障害(敵)である。なので、この2つの属性さえ決めてしまえばシナリオの内容はある程度方向性が固まるので、それをたたき台にするという寸法である。


主人公の属性とシナリオ

これまではあまり着目してこなかったが、主人公の属性というのはかなり大きな要素である。例えば同じ吸血鬼モノでも、農民VS吸血鬼と、宇宙飛行士VS吸血鬼と、調査隊VS吸血鬼と、神父VS吸血鬼と、母親VS吸血鬼と、社畜VS吸血鬼と、童貞VS吸血鬼では予想されるシナリオの内容はガラッと変わる。

農民VS吸血鬼の場合は、村に吸血鬼がやってきて死人が出始め…といった内容になるだろう。イメージとしてはスティーヴン・キング呪われた町だとか、それを元ネタにした小野不由美の屍鬼だとかそういう感じだ。

一方、宇宙飛行士VS吸血鬼の場合は、舞台はどこかの惑星か宇宙船内になるだろう。後者の場合は、映画『エイリアン』の様な、宇宙船内に侵入した敵と戦う感じのシナリオになる。

調査隊VS吸血鬼の場合は、南極だとかジャングルだとか古代遺跡だとかの僻地に出かけた調査隊が恐ろしいモンスターに襲われる話になるだろう。宇宙飛行士VS吸血鬼と混ぜるなら、火星だとか未知の惑星を調査する話になる。

農民VS吸血鬼の場合は、吸血鬼は外部から侵入してきた侵略者のイメージだが、調査隊や宇宙飛行士の場合は、好奇心猫を殺す的な自ら余計な場所に踏み込んでしまって襲われる話になる。

神父VS吸血鬼の場合は、依頼を受けて吸血鬼を殺しに行くストーリーになるはずだ。母親VS吸血鬼の場合は、子供を狙う吸血鬼的な存在と戦う話になるかもしれない。社畜VS吸血鬼の場合は、おそらく吸血鬼は搾取する鬼としての経営者かもしれない。童貞VS吸血鬼の場合は、吸血鬼は童貞の生き血を狙うエロ吸血鬼か、処女の生き血を狙うヤリチン吸血鬼になるはずで、どうあがいてもB級ホラー感が漂う。

…とまぁ、こんな感じで主人公の属性を変えるだけでストーリーの毛色はかなり変わる。

メジャー所の主人公属性としては、刑事や探偵や医者なんかが使い勝手が良い。刑事VS吸血鬼なら、正体は吸血鬼な連続殺人鬼を追うシティシナリオになるだろうし、医者であれば謎の奇病に苦しむ患者(吸血鬼の被害者)を救う為に探索するシナリオになる。有名なドラキュラにおけるヘルシング教授も医者として呼び出される探索者である。


探索者のレギュレーション

主人公の属性というシナリオ要素を使用しないシナリオ…要するにお化け屋敷の様に箱だけを用意するタイプは、いろいろシナリオに変化を持たせようとしても、どうしてもキャストや内装が違うだけのお化け屋敷になりがちである。

今回のシナリオの探索者は農民にして下さいとか、宇宙飛行士にして下さいとか、調査隊のメンバーですといったちょっとしたレギュレーションを設定するだけで、シナリオのニュアンスが大幅に変化するのは先に述べた通りである。TRPGの場合、シナリオソースとして個性あふれるモンスターのアイデアは豊富に与えられている。主人公の属性に関しては、オリジナリティも糞も無い要素なので、後は組み合わせの問題でしかない。幾らでもシナリオパターンは作れるはずである。

多くのキーパーは、モンスターの設定を掘り下げたり、お化け屋敷の作りを拘ろうとするものの、主人公属性との絡みを忘れてしまいがちだ。主人公と敵の2つの要素は常にストーリーの両輪なので、主人公と無関係にモンスターの設定だけ掘り下げても、ストーリーが豊かになることは無いという事は覚えておいた方がいいかもしれない。


冒険者という主人公の属性

ファンタジー系TRPGの場合は冒険者という万能すぎる主人公属性が存在している。冒険者は危険があれば飛び込み、敵がいれば倒すという属性であり、万能ではあるがかなり無個性になりがちなである。

冒険者属性は、何かを攻略する遊びであるゲームには向いているが、ストーリー性という意味では冒険者であるかぎり、毎回そういう話にしかならない。更にはゲーム的な存在であるが故に効率重視の非人間的なストーリーを作りがちな原因にもなる。


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by cemeteryprime | 2017-08-08 23:11 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】経済状態の分類方法

クトゥルフ神話TRPGには、探索者の年収と財産を1D10で決定するシステムがある。…あるのだが、正直ロールプレイには反映しにくいというか、キャラ設定として活かし難い部分ではある。年収4500ドル(約500万円)と55000ドル(約600万円)の違いなんてどう表現しろというのか?

そこで代替案として思いついたのが、マズローの欲求段階説に基づいた経済レベル表現である。マズローの欲求段階は、人間の欲求を5段階で表現したものだ。詳しくはwikipediaでも何でも参照してほしい。これはあくまで人間の欲求が階層構造を持っているという話だが、人間の欲求は経済状態に合わせてより大きくなるという法則と重ねれば、差し迫った欲求の内容から経済状態の段階を表現できるのではないかという発想である。

そこで、マズローの欲求階層図をベースに、欲求に応じた探索者の経済レベル階層図を作ってみた。それが以下の図である。

c0325386_23251780.jpg

マズローの5段階の内の経済状態と比較的分かりやすくリンクしている4つを、細かく6つに分けた。6つにしたのは1D6のランダム決定をしやすくする為だ。分布にシュミレーション性を導入したいなら1D100で判定して最上位は1~5で、二番目は6~15で、三番目は16~35で…みたいな感じにすると良かろう。

レベル1、飢えに悩むレベルの貧乏

マズローの欲求段階ではこの最下層を生理的欲求としている。食欲とか睡眠欲とか排泄欲とかの生存の為の本能レベルの欲求のことである。

経済状態のせいで、排泄が出来ないとか眠れないってことは無いので食欲のみに注目してみた。今日の食事にも困るぐらいの貧乏という段階である。

全人類レベルで考えれば、この段階に位置している貧困層は多い。が、発展途上国と違って日本の場合は一応、生活保護制度等があるので飢餓レベルの貧乏な家庭というのはあまり聞かない。とはいえ、ごくまれにそういった保護を受けるという発想に至らず孤立して死んでいる人はいてニュースになったりする。それ以外にも、ネグレクトや虐待を受けていて満足に食事を与えられていない子供なんかは存在する。

レベル2、住む場所が無い、家が欲しい

取りあえず食事に困らなくなったら、人は安全な生活環境を求めるようになる。マズローは、これを安全の欲求として表現している。ちゃんとした住む場所が無い人というのは、そこまで珍しくもない。完璧なホームレスは貧困というよりは半ばそういう性癖でやっている人もいるらしいが、例えば仕事が無くなって家賃が払えずに住む場所を追い出された人だとか、日雇い仕事で食いつなぐネットカフェ難民なんかはこのレベルの貧困と言える。住む場所が無く、住所不定状態だと、社会的サービスを受けるのが困難になったり、就職も難しくなったりする。ネットカフェ難民では無くとも、自分で家を借りられるほどには稼ぎがまだなくて、知人の家に下宿している人間や、あまりにもボロボロのアパートなんかに住んでいてマシな家を探したいと思っている人なんかも含めるともっと数は多くなるかもしれない。アメリカによくいるトレーラーハウスに住んでる人たち辺りが境界線の様な気はする。

レベル3.マシな仕事に就きたい

これも安全の欲求の1つであるが、住む場所が確保できれば次の段階として、安定した収入や、仕事面での安全性や、健康的な生活だとか、福利厚生とった物を求める様になる。これに関しては、質を求めるとキリがないので、パーフェクトにこれが満たされている人間は少ないかもしれないが、たいていの人はある程度は満足出来ている。

仕事にはついているが、長時間労働&低賃金とかで、まともな食生活ができていないだとか、不規則な睡眠サイクルで体を壊しつつあるだとかの、数年後には確実に病気になっていそうなブラックな労働環境にある人だとか、短期の仕事しかなく定職を探している人だとか、危険な労働環境で働いている人だとか。

諸々の事情で、もっといい仕事を探さざるを得ない状態の人たちがこのレベルにあると言える。アメリカだと、日本の様に国民健康保険の類が無い(オバマケアが出来たが)ので、まともな仕事につけず会社の健康保険等が無ければ、病院にも禄にいけない状況があるので、こうした問題はより深刻かもしれない。

レベル4、人間関係

マズローはこれを社会的欲求と呼ぶが、生活がある程度安定したら、次は人との繋がりを求めるようになる。周囲の人間とより良い関係を構築し、恋人をつくり、家族を持つことを考える。

少なくとも、家や仕事に不満が無い段階の人々である。レベル2の段階の課題に囚われている間は、なかなか人間関係のことまで気は回らない。

親と同居している未成年の場合は、余程貧乏でない限り食べ物や住居の心配をする必要は無いので、このレベルからスタートする。家族との関係改善や、学校で友達を作ろうとし、恋にも悩む。

レベル5、名声

周囲との人間関係にもある程度満たされれば、次は社会的な承認欲求を満たそうと望むようになる。世間から一目置かれたいと考えるようになる欲求である。

レベル5がどこまで経済状態に左右されるかは難しい所ではあるが、人間は経済的に豊かで余裕があればレベル4はある程度満たされるものである。莫大な資産を受け継いで金は持っているものの、社会的には孤立しているというような特殊なケースでない限りはそうだろう。

レベル5に位置する人間は、経済的に自立しており、恋人や家族もいる人間である。端的に言えばリア充と呼べる人間である。こうした人間は、社会的な地位を向上させる為により一層仕事に打ち込んだり、地域や社会に貢献をする為に時間やお金を使うようになる。

レベル6.実績

それなりに社会的名声も手に入れた人間が次に何を目指すのか、それは自分が社会において重要な人間であると自分で確信することである。ビジネスで成功を収め名声を手に入れたた人間は、次の段階として、政治に参加したり、社会的に意義のある事業に独自の投資をしたりしはじめる事がある。

既に十分に名声を獲得し、金にも困っていないであろう人間がこうした活動を行うのは、世間の評価ではなく自分自身で自分の影響力を確信したいからだと考える事が出来る。

レベル6は社会的名声を獲得した成功者である。レベル6は経済的な面だけ評価することは難い。金はあっても名声を獲得することに終始する人間もいるだろう。ビジネスで一発当てただけでは無く、安定した社会的地位を築いてこそレベル6に進む。

総論

まとめると、レベル1は食べるものに困るくらいの貧乏。レベル2は住む場所に困るくらいの貧乏。レベル3はブラックな仕事に就いている人。レベル4は一人で生きていく分には問題無いが、誰かを養う甲斐性には欠ける程度の経済状態。レベル5は世間の評判を気にするリア充生活者。レベル6は、社会的地位を気付いている成功者。…とまぁ、こんな感じである。

かなり大雑把な分類ではあるが、生活状況とか、人生におけるその段階での課題といったものは明確なので、ロールプレイングはしやすいのでは無かろうか。




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by cemeteryprime | 2017-08-02 23:34 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】連続ドラマにおける変化パターン

事件の発生と解決を繰り返す連続ドラマ形式のストーリーに於けるパターンを適当にまとめてみた。

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その1:シナリオを通じて主人公が変化

主人公が何かを手に入れたり、もしくは失ったり、成長したりするパターン。キャラクターはストーリーを通じて変化・成長していくものではあるが、あまりに短期間でコロコロ変化し続ける訳にもいかないのでリアリティんやストーリー的な整合性との兼ね合いである程度の制限は受ける。また主人公の職場の変化(転職や栄転もしくは左遷)といった環境の変化なども面白い変化の1つである。

その2:シナリオを通じて主人公の人間関係が変化

シナリオを通じて主人公の友人や恋人との関係が変化するパターン。シナリオを通じて知り合った相手と恋愛関係になったり、逆にそうした相手が切っ掛けで既存の恋愛関係が終了したり。友人が死亡したり、信頼していた知人の暗黒面を見てしまって決別してしまうパターンなんかもありうる。

その3:シナリオを通じてチームの人間関係が変化

主人公が所属するチーム内の人間関係が変化するパターン。その2とも若干内容は被る。特に海外ドラマは長期化すると職場の恋愛関係におけるくっ付いたり別れたりの相関関係がどんどん複雑化していく傾向がある。人間関はどれだけ変化しても終わりは無い上に、葛藤や緊張感をストーリーに付与できるメリットがある。チームが結束してパワーアップすることもあれば、バラバラに引き裂かれることもある。

その4:シナリオを通じてチームのメンバーが変化

誰かが死んだり配置換えになったりして離脱したり、新しいメンバーが加入するパターン。長くシーズンを続けていくと新鮮味が無くなるので、こういうイベントはちょいちょい発生する。発生した事件の種類に応じて個性的なキャラクターをした専門のスペシャリストが助っ人として臨時に投入されることもある。

その5:シナリオを通じて家族との人間関係が変化

父親や母親や兄弟姉妹が出て来るパターンと、今の家庭がピックアップされるパターンがある。事件が切っ掛けで、関係が修復されたり、拗れたりする。特に親との関係の修復は、成長エピソードにも結び付き、キャラの掘り下げエピソードとしての機能がある。

その6:大きな謎が解明に近付く

連続ドラマのシーズンを通した謎や敵についての情報が明らかになるパターン。

ストーリーにこうした変化があれば、ブラックボックスとなるシナリオ部分は最小限でも幾らか形にはなる。子供のお使いみたいなシナリオ内容でも、劇的な変化があれば一応は意味のあるシナリオになる。

TRPGを遊ぶ時、キーパーはできるだけ凝った興味深いギミックや客引き要素のあるシナリオを用意しようとする。プレイヤーの方は如何に好き放題できるかや、活躍できるかを求める。ただし、こういった要素は連続ドラマの様なキャンペーン形式のストーリーの面白さのコアでは無い。

キャンペーン形式のストーリーのコアはキャラクターの面白さである。キャラクターの面白さとは、ピンチの時にどういう行動をするのかという人間性や、どういう人物でイベントを通じてどういう変化が起こるのかという要素である。

こうしたシナリオを通じてキャラクターをどう変化させるかという部分は、キーパーとプレイヤーが意識して協力しさえすれば、簡単に追加できる要素だ。それをしないが為に、シナリオの謎が解け、キャラクターの正気度が失われるだけの無味乾燥なセッションになってしまう事は多い。

親友だったキャラ同士が決裂して終わったり、恋人同士だったキャラが憎し見合う様になったり、ちょっと気持ちわるいがカップルになったりすれば、この先に二人はどうなるかという変化への期待で次回のセッションへの期待も一層高まるかもしれない。

キャラと関係性に注目してセッションを追うことで、キャラの死亡や発狂も劇的な意味を持つ。キャラへの没入感は、案外こうした観客目線での面白さを見えなくしてしまう事があるので忘れずにいたい。


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by cemeteryprime | 2017-07-27 03:15 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】ファック仮説

異世界転生ラノベに関して考察していて、ふとTRPGについても思い当たる部分があったのでまとめてみる。

異世界転生小説にみるファック精神

俗に言う異世界転生系小説とは、基本的にはイージーモードで異世界を蹂躙する話であり、どういう人物に転生するかに違いはあれど、手軽にハーレムを形成し、しょーもない敵を蹂躙し、人々の信用を勝ち取り、権力を手に入れる話であるという点は共通する。

端的に表現するならば、主人公が簡単に世界をファックできる異世界に飛ばされて、飽きるまで世界をファックしまくる話である。異世界転生というよりは、異世界ファック小説と表現するのが正確だろう。

ファックという言葉はここでは、攻略、蹂躙、レイプ、etc…の意味合いを雑にひっくるめた表現として使用している。

異世界ファック小説は、基本的には現実世界でファックされている作者が世界をファックしたいという願望を込めて作る作品であり、同じように現実世界にファックされている読者が共感する類のものである。なので特にメッセージ性やドラマ性といったものは希薄で、如何に気持ち良くファックをするかという点が追求される。そういう意味ではポルノに近く、実際作品としてポルノと親和性が高い。

余談になるが二次創作のジャンルとして、既存の作品世界のキャラに転生して作品世界をファックするというものもある。作品の実写化などの際に原作レイプと表現される事があるが、これこそ原作レイプそのものだと言えよう。

ゲームにおけるファック精神

異世界ファック小説の話はその辺にしておいて、ここからゲームについての話に移る。

ゲームは、実際の所、プレイヤーがゲームの世界をファック(攻略あるいは蹂躙)する遊びである。中には平和的なゲームも存在しているが、基本的にはファックすることで快感を得る遊びだ。

TRPGに関してもこうした事情は同じで、基本的にはプレイヤーたちはゲームをファックする為にやって来る。そして、キャラクターを自作してゲームに参加する時、結局の所、異世界ファック小説を楽しむ精神と似た心境でゲームに参加することになる。

剣と魔法の世界を舞台にしたTRPGの場合は、勇者の物語なので、こうしたファック精神とは相性が良い。プレイヤーは自分の分身になるキャラを作り、異世界をファックして遊ぶので、異世界ファック小説と似た快感を味わうことが出来る。しかも、TRPGなので完璧に主人公の行動を自分好みにコントロールできる。

異世界ファック小説は、基本的には剣と魔法のファンタジー世界に転生する話なので、こうしたジャンルの愛好者と冒険者系TRPGの愛称は凄く良いはずである。

ホラーゲームにおけるファック精神

一方、主人公が世界をファックするのでは無く、主人公が徹底的にファックされるジャンルという物も存在する。ホラーである。ホラーというのは基本的に、肉体的にも精神的にもファックされまくりボロボロになる話である。

ホラーTRPGの場合、先の様に異世界をファックするゲームにしてしまうとホラーでは無くなってしまうという構造的な問題がある。

テレビゲームにおけるホラーゲームの場合は、コンティニューやセーブ機能によってこうした構造的な問題をクリアしている。何度もファックされ死亡しながらも、コンティニュー機能によって最終的には世界をファックするというホラーとゲームの両立が可能になっているのだ。

だがホラーTRPGの場合は、基本的にコンティニュー機能は無い。代わりにあるのは死亡したキャラの意思を別のキャラが引き継ぐというシステムである。クローズド系シナリオの場合は、こうした引継ぎが不可能になっている場合があり、その場合は構造的な不具合は深刻だ。

ホラーTRPGを成立させる場合は、容赦なくファックしつつも、死んでも引継ぎ続行できる仕様にしておくか、死なない程度にファックしまるテクニックを構築するかのどちらかが重要になるだろう。


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by cemeteryprime | 2017-07-23 23:28 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【シナリオ考察】罪の所在を考える

因果応報ホラーにおける、『主人公たちがいつ罪を犯すか』もしくは『罪の所在がどこにあるか』という点に着目したシナリオの分類。

その1:むかしむかし・・・

罪の起源がはるか昔に遡るもの。例えば…大昔に村人が逃げて来た落ち武者たちを殺して金品を奪った結果、怨霊が出るようになった村の話だとか。モンスターとしての吸血鬼の起源なんかも、こうした遥か昔の罪と結び付けられる事が多い。性質的に伝奇ホラーに向いている。

その2:その昔、親が・・・

本人のあずかり知らない所で、親の罪によって恨みを買うパターン。ビッチな母親が家庭崩壊させた家の子供に復讐されるスクリーム、子供を狙う変態をリンチして焼き殺したら化けて出て来たエルム街の悪(どっちもウェス・クレイヴン作品)など。主人公たちは親の秘密や邪悪な側面を知ることになる。親の邪悪な側面は、自分も受け継いでいる性質かもしれない。

また、親世代の罪を子供世代が償うという形に拡大的に捉えれば、社会派なテーマを帯びる内容になる。

その3:主人公たちの忘れたい過去

罪悪感として重くのしかかって来るパターン。若気の至りでやらかした犯罪や、発覚していない隠蔽した犯罪など。主人公自身が罪人なので、この先のストーリーで罰せられるに違いないという強い説得力が生まれホラーと相性が良い。

弱点があるとするなら最後に主人公が死のうが生き延びようがある種のバッドエンドが確定している点で、バッドエンドが許せんという人には適していないかもしれない。

その4:主人公が冒頭で

ストーリーの冒頭でやらかすパターン。ある種のホットスター。モンスターとの対決以前にやらかしてしまった事実への対応に追われることになる。主人公たちが車でドライブ旅行中の一行なら、とりあえず人を撥ねてみるとか。

緩いタブー侵犯の場合だと、肝試しなんかで入っちゃいけない場所に侵入する所から始まるストーリーだとか、ドント・ブリーズの主人公たちの様に泥棒に入った先で酷い目にあう話だとか。

出会い系で知り合った女性に会いに行ったら薬が入ったビールを飲まされて拉致監禁されるのはレッドステイトという映画だが、目が覚めたら拉致監禁されてた系の脱出シナリオでもちょっとした罪と絡めることは出来る。

その5;主人公が中盤で

非日常的な世界を堪能し、調子に乗って来たあたりで、やらかしてしまうパターン。犯人だと思って追い詰めた相手が自殺してしまい、その後に真犯人が襲い掛かって来るパターンであれば、意外性と罪悪感がダブルで襲い掛かることになる。

真犯人に踊らされて、まんまと何かをやらかしてしまうパターンだと、どんでん返しのインパクトが強くなる。時間移動モノのシナリオの場合、悲劇を食い止める為に時間に介入したはずが、自分たちの介入が悲劇の原因となった事が判明してしまうだとかそういうパターンは割と多い。

その6:誰かが過去に

一般的なミステリーのパターン。どっかの悪徳企業が汚染物質を垂れ流したせいで突然変異モンスターが出現したり、どっかの誰かが悪魔を召喚したりみたいなパターン。モンスターを調査する過程で、そうした過去の罪も明らかになる。

主人公と関係が無いので、あまりホラー要素として機能せずもっぱらモンスター誕生のディティールとして機能する。モンスター登場の原因を作った誰かは、ストーリー開始時に死んでいるか、途中で派手に死ぬか、最後の最後についでに罰を受ける。

総論

ざっくりとまとめてみただけだが、因果応報ホラーといっても、罪の所在が異なるだけでかなり印象が違うストーリーになるのが分かる。

絶対に因果応報ホラーは避けたいという何かしらの強い主義があるなら別だが、たいていのストーリーには、1~6のどれかのパターンは設定可能なはずだ。


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by cemeteryprime | 2017-07-17 01:21 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】内面に関するシステム追加案

情動値

これは、キャラクターの感情の豊かさや共感性を表現する為の数値である。情動値を導入することで、正気度が表現するメンタルヘルスに留まらない、キャラクターの内面性がシュミレーションできる様になるのではないだろうか。

モラルの判定

例えば、人を見捨てるかどうかや、やむおえず人を殺害するかどうかなどのキャラクターのモラルが問われる場面などで判定を行う。情動判定に成功すると、同情的になり人を見捨てられず、どんな悪人であろうとも殺害をためらう。みたいな感じで使用する。

感動の判定

また、芸術技能などに対する反応にも使用する。例えば誰かが『芸術:ピアノ演奏』に成功したとする。とりあえずは、上手にピアノを弾けたことになる。しかし、それに心を動かされるかどうかは個々のキャラクターによって反応が違っていても良いはずである。そこで情動で判定する。成功すれば、感動したという事だ。この判定を導入することで、場合によっては、ピアノの演奏は失敗したが、心は動かされたというパターンも発生する。人は上手な演奏だけに心を動かされる訳では無いので、こうした場面もシュミレーション出来れば、より各探索者のキャラクターが立体的になり深まるのでは無かろうか。

嘘をつく/演技する

上記の応用で、実は目の前の人間を見捨てるべきだと内心では思っているのに、敢えて助けるべきだと偽善的な発言をするといったロールプレイも可能になる。情動による判定結果は、あくまでそのキャラクターが内心どう思っているかという部分のシュミレーション結果だからだ。同様に、全然感動していないのに、相手に気を使って感動したフリをするという行動を取ることも出来る。こうした演技は心理学ロールによって見破られたりする場面を設けても面白いかもしれない。

サイコパス

そのキャラクターが冷血であるとか、あるいはサイコパスであるだとかの性格的なキャラ付けも、情動値の低さで数値として表現されるので、ロールプレイにも自然と一貫性が求められる様になる。冷血なキャラは終始冷血だし、情熱家は常に情熱家として振舞うことになる。プレイヤーの匙加減でコロコロとキャラがブレなくなるので、初心者にとってはロールプレイはしやすくなるのでは無かろうか。


また、情動値が低いからといって、あからさまにサイコパスの様に行動する必要は無い。内心まったく他人に共感できないキャラであっても、INTが高ければ周囲の反応に合わせて親切心溢れるキャラクターを演じることくらいはするだろう。

ただし情動値の低さは、物事に感動したり高揚することが機会が少ない事を意味しているので、刺激を求めて反社会的な行動や危険な行動に惹かれやすいというサイコパス的な傾向はあるかもしれない。またこうした人物が、情動判定に成功した時、めったに無い経験ゆえに普通の人よりも感動を覚え、執着を覚えるかもしれない。上手く機能すれば、冷血漢が心を動かされる場面、情に熱い人物が冷酷な判断を下す場面といったドラマチックな場面が生まれるかもしれない。

動揺の判定

ショッキングな出来事が発生した時、基本は正気度によって判定を行うが、情動によって判定を行うことを提案してみたい。感情豊かな人間はよりショックを受けやすく、冷血な人間はショックを受けにくいという差異が表現できる。もしショックを受ける事が決定したら、正気度が減少する形になる。


動揺しやすさと正気度を分ける利点は、感情豊かで動揺しやすいが健全な精神を持つ人間や、もしくは冷酷で動揺し難いが狂気に限りなく近い人間など、これまでの正気度のみでは表現し難かったパターンのメンタリティ表現が可能になることである。





…と言った形で、キャラクターの情動に関するシュミレーションシステムの導入を提案してみた。面白そうだと思うので、もうちょっとブラッシュアップ出来ないか考えていきたい所である。


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by cemeteryprime | 2017-07-12 23:56 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】ホラーシナリオ作成における段階論

ホラーの分類方法は幾つかあるが、ホラーシナリオを創るという観点から、製作難易度に着目してホラーを3種類に分類してみた。

レベル1、因果応報ホラー

シンプルに云うなら、タブーに触れた人間が恐ろしい目に遭う…というのが因果応報ホラーだ。これは、悪い事をしたやつ、忠告を聞かない奴、調子に乗ったムカつく奴は酷い目に遭うべき!…という、人間の願望に沿う形で展開されるストーリーである。

例えば、立入禁止の廃墟とかに忍び込んだ若者たちが酷い目に遭う話だとか、酒やドラッグやセックスを楽しむイケイケな若者たちが殺人鬼にブチ殺される話だとか、危険な遺伝子操作実験で生まれたモンスターが暴走して博士を殺す話だとか。

因果応報ホラーにおいてモンスターは、ある種の天罰を与える存在であり、それ故に超自然的なパワーが許されている。因果応報ホラーにおいて、注意するべきルールは1つ、作中で描かれる罪が深ければ深いほど、モンスターは強くなるという法則である。

因果応報ホラーの強みはそのシンプルさだ。極端な事を言えば、罰せられるべき奴が死ぬことでオチがつく。ミステリー要素と絡めるなら、モンスターを生み出した罪だとか、被害者に共通する罪だとかの秘密を暴きつつ、モンスターが復讐したり天罰を下したりするストーリーになる。

多分ネットとかでも検索すればすぐに見つかる、ホラー理論として有名な小中理論(参考文献『恐怖の作法』)なんかだと因果応報があるホラーは怖くないとされている。確かにそうかもしれないが、ストーリーとしてまとまりやすいという点は圧倒的に魅力である。なので、シナリオ制作の初心者なら背伸びせずに因果応報ホラーから始めるべきだろう。実力のある作家の本格ホラーはともかく、それなりに楽しいB級ホラーには因果応報ホラーが多いイメージがある。

レベル2、侵略者ホラー

侵略者ホラーとは、因果応報とは関係なく理不尽に襲い掛かって来る恐怖を描くストーリーである。

古くはドラキュラなんかはこの典型だし、クトゥルフ神話のラヴクラフトが書いたホラーも殆どこれに属している。突然、宇宙から襲来して人を殺しまくる火星人なんかはこの典型だろう。話が全く通じないサイコパスが襲い掛かって来る話なんかもこれに通じる。

侵略者ホラーの難しさは、あまりにも理不尽なパワーを持ったモンスターが人々を蹂躙するだけの話を見せられて面白い?の一言に集約できる。

なので、モンスターを何かしらの現実的な脅威を想起させる存在として描写するだとか、モンスター以外の部分をとことん詳細に描いて恐怖にリアリティを持たせるだとかのテクニックが必要になって来る。

例えば何にも似ていない、未知なるものの恐怖を描こうとしたラヴクラフトの場合は、謎によって不安を煽るミステリー要素を駆使する後者の手法で、宇宙的恐怖を形にした。

侵略者ホラーのモンスターはパワフルで魅力的なのだが、恐怖の本質がモンスターそのものでは無く、それを想起させる現実の恐怖だとか、リアリティ描写上のテクニックだとかの外部に依存しているので、安直にモンスターだけ抜き出した場合ホラーにならないという性質を持っているので注意が必要になる。

ツッコミどころ満載でも因果応報という説得力の一点で成立してしまえる因果応報ホラーと違って、侵略者ホラーの場合はツッコミどころが目立ちすぎると一気に白けてしまうので、リアリティのデザインにある程度自信がついてからチャレンジしてみるべきだろう。

レベル3、ヒューマニズムホラー

ヒューマニズムホラーとは、人間の心の闇や、社会の闇を浮き彫りにするタイプのストーリーである。ヒューマニズムホラーにおいて、モンスターなどの超自然的な要素は、こうした人間の闇を浮かび上がらせるギミックに過ぎない。モンスターで怖がらせるのではなく、それによって浮き彫りになる身近な人の内面に潜んでいた闇で怖がらせるホラーである。

スティーブン・キングの作品で言えば、悪霊に憑りつかれたホテルが原因で父親がアル中のDV殺人鬼と化すシャイニングだとか、笑うセールスマンみたいな悪魔が原因で町中の人間がいがみ合うニードフルシングスなんかはこのタイプである。

ヒューマニズムホラーを上手く成立させるには、リアリティデザインに加えて、丁寧な人間描写やドラマ描写がスキルとして必要になるので、最も描写が難しいホラーとして位置付けた。

ただし映像作品の場合は、フェイク・ドキュメンタリー的な手法を用いる事でこうしたリアリティや人間描写の難易度をブレイクスルーできる事を白石監督作品なんかが教えてくれていたりもする。

総論

なぜ、こうした段階論を考えてみたかというと、侵略者ホラーの出来損ないみたいなシナリオが溢れているからだ。私もそうだが、初心者がホラーシナリオを創ってみようとした時に、魅力的なモンスターに惹かれていきなり侵略者ホラーを作ろうとして失敗するパターンはあまりにも多い。

実はちょいと弄って因果応報ホラーにするだけで、改善されるタイプのシナリオは多い。例えば、寝て起きたら変な異世界にいて良く分からないモンスターに蹂躙されるだけの話も、探索者たちが過去に犯罪をおかして罪悪感に囚われている人たちであるみたいな設定を取って付けるだけで一気にストーリーとして納得感というか締まりが出て来る。

真似したくなる様な優れたホラーというのは、侵略者ホラーであったり、ヒューマニズムホラーであったりするが、そうしたホラーは成立させる為にはモンスターの設定や恐ろしいストーリーのアイデア以前に、作家としてのスキルが要求でされてしまう。適当に造ったモンスターでも簡単に成立するのは因果応報ホラーなのだが、因果応報ホラーはB級ホラーに多いのでホラー好きでもなければ逆にあまり触れないジャンルだったりもする。

因果応報ホラーはホラーとしてはいまいちだけど、成立させやすいので、初心者にはオススメですみたいな身も蓋も無いアドバイスは、個人的にはあまり聞いたことがない無いのでまとめてみた次第である。


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by cemeteryprime | 2017-07-12 18:53 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】ホラーシナリオの要素

ホラーシナリオに求められる要素について雑にまとめてみた。


エンタメ×ホラーのポイント

  1. 主人公の目的が明確or逃げられない理由がある。
  2. クライマックスにサプライズがある。
  3. 人が死ぬ。
  4. 人の心の闇、もしくは社会の闇を覗ける。
  5. 恐怖一辺倒ではなく、笑えるポイントもある。
  6. モンスター登場への期待と恐怖をきっちり煽ること。
  7. 恐ろしいモンスターの背景には恐ろしい罪がある。
  8. テンポの悪さは全てを台無しにする。


対立構造について

対立構造はストーリーのシンプルな推進力である。対立構造つまりは目的があってそれを邪魔する敵がいるという状況があれば、プレイヤーは次にやる事に迷わないで済む。

主人公の目的が曖昧だと、ストーリーの方向性が見えないのでプレイヤーはキーパーの指示を待つだけになる。主人公の目的を明確にすること、逃げられない理由を用意することは、どちらもプレイヤーに向かうべき方向性を迷わせない為に必要な要素だ。

例えば『自分の子供を助ける為に、幽霊屋敷を探索する。』という明確な動機と逃げられない理由があれば、確実にプレイヤーは探索者に少なくとも子供を助けるまでは、何があろうと幽霊屋敷の探索を続けさせるはずである。

サプライズ要素について

所謂どんでん返しである。ストーリーの構成単位としては必ずしも必要ではないが、エンタメとしては確実にあった方が良い。

味方と思っていた人物が敵でしたとか、その逆で敵と思っていた人が味方でした等。こうしたサプライズ要素は、別に凝った内容にする必要は無いが、無いと肩透かしを食らってしまう類のものなので、様式美として忘れないようにしたい。

見世物小屋要素について

結局の所、エンターテイメントと見世物小屋要素は不可分である。特にホラーは親和性が高い。人はホラーに何を期待するのかというと、身も蓋も無い言い方をするなら人が死ぬ所であり、それ以外の日常においてタブーとして隠されがちなものを観たがる。

殺人事件、恐ろしい事故、業界のおぞましい裏側、崩壊した家庭、いじめ、奇形、キチガイ、変態、キモい人!

我々がホラーに求めるものは、基本的にはテレビの情報番組や週刊誌が日々扱う内容でもある。ホラーにはそれらの要素がより露骨に、残酷に、邪悪に登場することが期待されている。こういう物が一切登場しなかったら、なんだか詐欺にでもあった様な肩透かし感を受ける。誰もホラーに高尚なものは求めていないのだ。

ホラーと笑い

ホラー映画や小説の場合、観客は内容に干渉の仕様が無いが、ホラーTRPGの場合は干渉出来る。人は笑うことで恐怖を払拭しようとする。その結果、プレイヤーは内容が恐ろしいと思えば思うほど、笑いに走ろうとしてしまう。

とんでもなくホラーリテラシーが高いプレイヤーでも無い限り、恐ろしいシナリオを恐ろしい雰囲気でプレイすることは難しい。恐ろしければ恐ろしいほど、台無しにする力が働くという困った現象が起こる。

また、恐ろしいだけの話はメリハリが無くてつまらないという側面もある。恐ろしいだけのホラーは、唐辛子しか入っていない料理みたいなものである。良いホラーというものは、笑えたり、感動させたりする要素も必ず入っている。だからこそ、メリハリが効いて恐ろしい部分がより恐ろしく感じるのである。

なので、良いホラーにしたいなら、こうしたメリハリを意識する必要がある。ギャグキャラや、ドラマ要素がある人間関係などNPCを上手く活用するのが近道である。

モンスターの本質

ホラーの主役はやはりモンスターである。しかしながら、ホラーのモンスターと、ゲームのモンスターは混同してはいけない。ゲームのモンスターというのは、言ってみれば戦闘シミュレーション上の障害物でしかない。ゲームにおける恐ろしいモンスターとは、高レベル・高スペックの倒しにくい障害物と同義だ。

ホラーにおける恐ろしいモンスターは異なる。ホラーにおけるモンスターの本質は恐怖である。現実に存在する何かしらの恐怖を誇張したメタファー的な存在である。

エイリアンの恐ろしさは機敏な動きや腐食性の血液よりも宇宙レイプ魔な部分だし、エクソシストなんかの悪魔のヤバさは悪魔がどうというより身近な人が変貌してしまう恐怖である。シャイニングは幽霊屋敷がどうというより、スランプでアル中になったDV親父の恐怖だった。ITのピエロは少年を殺しまくったホモのシリアルキラーのピエロおじさんをモデルにしている。クトルゥフにおけるディープワンだとか混血のクトゥルフ教団の信者たちといったモンスターの背景には、外国人へのラヴクラフトの偏見があったのは有名な話だ。

またストーリーにおけるモンスターの恐ろしさは、スペックでは無く、登場するまでに高められた恐怖感に起因する。遭遇する前からプレイヤーは伝聞なり、痕跡なりで、ヤバい存在であることを知っているからこそ、恐ろしいモンスターとして機能するということを覚えておこう。

モンスターと罪

人は恐ろしい事件の背後には、必ず恐ろしい罪がある(あって欲しい)というオカルトじみた妄想を抱く。恐ろしい目に遭うのは、恐ろしい罪を犯した天罰であって欲しいのである。こうしたオカルト的発想は、よく犯罪被害者へのバッシングなどの形をとるが、ホラーにおいても有効である。

ホラーにおいては、モンスターの出自にまつわる形で機能する。主人公の罪で生まれたモンスターが生まれた場合、主人公は何らかの形で罰を受けるべきであるというバイアスが働く。そうすると、主人公が死ぬまでモンスターが何度理不尽に蘇ろうが、誰も気にしない。主人公が罰を受けない事の方が許されざる結末だからだ。

人類による環境破壊だとか、放射能汚染なんかで誕生したモンスターは、人類を罰する役割を期待されている故に、理不尽に強いのである。


ホラーの主人公が犯しがちな罪として以下の様なものがある。

  1. 入るなと言われた場所に侵入した
  2. 人を見殺しにしたor死なせてしまった
  3. ふざけて悪魔を召喚した
  4. 何かを盗んだ
  5. 人を蘇らそうとした
  6. 迷信を馬鹿にした
  7. 行きずりのセックスor浮気
  8. 調子に乗って相手を舐めてた
  9. アルコール中毒、もしくは薬物中毒
  10. 本人では無く、親が悪い事をしていた


嫌な奴ほど酷い死に方をするというのもこうした法則に乗っ取っている。嫌な奴が碌な死に方をしないことを観客は望み、モンスターはそれに答えるのである。


テンポの良さと面白さ

話のテンポが悪いと、どんな面白い話もつまらなくなる。というより面白い話が面白いのは、内容による物というよりは、むしろ構成とテンポが良いからというのが殆どだ。

内容は同じでも、喋りが下手な人の話はつまらないが、上手な人が話せば面白い。教えている内容は同じはずの塾講師に人気不人気があるのも、こうした理由だろう。なので同じシナリオでもキーパリング次第で、つまらなくなったり、面白くなったりというのは大いにあり得る話である。

話がどこに向かっているのか分かり難い、内容が頭に入ってきにくい、長時間過ぎて疲れる…こうした要素はシナリオの内容以前の問題なので注意すること。


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by cemeteryprime | 2017-07-10 22:29 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】キャラクターとストレス

ストレスやトラウマは、キャラクターにとって重要な要素だ。CoCにはストレス要素が実装されているが、一気に強いストレスを受けると精神病的な防衛機制の症状が出る。強いストレスを受けると、”正気”から”狂気”に近付いているという概念的でシンプルなものしかない。

そこで、もうちょっと踏み込んだシステムを考えてみた。それを以下の表にまとめてみた。発想としては、強い執着は強いストレスから生まれた代償行為であるという概念だ。

この表は、ハクソーリッジの主人公をサンプルに、過去や現在進行形で蓄積されたストレスと、執着のバランスを数的に表現している。イメージなので具体的な数値とかは適当だ。
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この表では均衡がとれているが、もし一時的なストレスや、新たなトラウマなどが加算され、均衡が崩れた場合、執着の態度がより強いものに進行するか、もしくは身体障害など病的な防衛機制が働くという形になる。

このシステムは、執着の対象を明確して、動機や行動原理も明確にしやすくなり、依存症や強迫症の内容がキャラに合わせた形にしやすくなることを目的としている。また、そのキャラクターにとっての大切なものが攻撃しやすくなるという利点もある。

またこのシステムによって、生来のストレス耐性と、現在のストレス環境を分けて考える事が出来る様になる。元々、ストレス耐性は強いが、仕事上のトラブルや家庭のトラブルによって、一時的発狂状態になりやすくなっているみたいな状態も表現できるのではなかろうかと、そういう発想だ。

CoCプレイヤーは、何だかんだで狂信者的なキャラクターをロールするのが好きな印象があるが、こうしてそのキャラが何にどの程度執着しているのかをフレイバーではなく明確にゲーム的リソースとして設定することで、どういったストレスが原因でそこまで執着する様になったのか等も考える様になって、よりキャラの掘り下げが出来るのではなかろか。

キャラクターの成長とは、ゲーム的には技術や能力のレベルが上昇することだが、ストーリー的には過去のトラウマと向き合うことである。そうしたイベントもやりやすくなるのでは無かろうか。キーパーもキャラシートにこうした表があれば、キャラの過去のトラウマと絡めたり等はしやすくなる。

あと、キャラの職業や趣味なんかが、しっかりと執着の内容とリンクしていれば、しっかりと過去を持った立体感のあるキャラのロールが出来るのでは無かろうかという、ロールプレイ補助的な機能も期待している。表現すべき目標点が明確になることで、ロールプレイの難易度が明確になるのでは無かろうか。

みたいなことを思いついたのでメモっておく。

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by cemeteryprime | 2017-06-30 19:36 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】微妙なシナリオ

以前記事でまとめた、シナリオを作成する際に注意した方が良さそうなポイントについての掘り下げ記事。

明確な動機がない

ストーリーにおいて重要なのが主人公への共感である。主人公に共感できないと、ストーリーはどうでも良くなる。

主人公に共感させる為の一番の方法は明確な動機を用意してやることだ。恋人を殺された主人公が敵に復讐しようとする。経済的に困窮した主人公が金を奪おうとする。個人的に賛同はできなくても、主人公の動機と行動は理解できる。これが共感である。

しかし、例えばこんな場合はどうだろうか。主人公は銀行員である。主人公は知人から怪しい事件の噂を聞き、僅かな報酬と引き換えに3日間ほど仕事を休んで命懸けの探検をする。

このままでは全く探索者の動機が理解できない。入り口で共感出来ないと、その後のストーリーも全体的にどうでも良くなってしまう。

このストーリーを成立させるには、何か主人公の過去と怪しい事件の間に密接な関係性を用意したり、もしくは引き受けないと仕事を失う等の逃げられない事情を用意してやる必要がある。

この様に、シナリオの導入パートというのはストーリー全体の面白さを左右する重要な意味を持っている。キーパーが用意したシナリオ上の謎が解けるかどうかだけではストーリーは成立しないのである。

探索者に合わせて切っ掛けや動機作りの部分をキーパーがアドリブで調整する。もしくはそのシナリオに適した動機を持った探索者をプレイヤーに用意させよう。プレイヤーのやらされている感は主人公の動機とシナリオの進行がリンクしていない場合に生じるものである。

明確な対立がない

対立というのは例えば、『さらわれたヒロインを取り戻そうとする主人公』VS『そうはさせまいとするエネミー』…みたいな構図のことだ。

明確な対立があるとストーリーがどこに向かっていくのかが分かりやすくなる。上記の例で言えば、ヒロインの場所を探す探索があり、最終的にはエネミーと直接対決をして、ヒロインを取り戻すか、もしくは取り戻せないかの結末へ至るというのが分かる。

明確な対立が無いシナリオの場合、途中でグダグダになることが多い。例えば『さらわれたヒロインを取り戻そうとする主人公』VS『別にヒロインをさらった訳でもなかったモンスター』だったらどうなるだろうか。

探索者たちは勘違いでモンスターに襲い掛かるかもしれないが、話してみて誤解が解ければそれで終了である。もしくは普通にヒロインを発見してお終いである。こうなると肩透かし感しかない。モンスターの処遇に関しては完全にストーリーとは関係の無い要素なので本質的にどうでも良くなってしまい、プレイヤーは困惑する。この様に対立構造が無いと、エネミーとの対決というクライマックスが成立せず、オチの付け方も有耶無耶になる状況が出てきてしまうのである。

ちなみにクトゥルフの場合、モンスターは戦って勝てる相手ではないのでモンスターとの対立構造は避けたいかもしれない。その場合は、モンスターを操る人間との対立構造を用意してやれば良い。モンスターの対立構造にしてしまうと、クライマックスでモンスターが喋り出して真相を語るみたいな間抜けな状況が発生しやすくなる(=怖さが薄れる)ので、そういう意味でも対立の相手は人間にしておいた方が良い。

d20クトゥルフのシナリオ制作ガイドでは、『秘密を暴こうとする探索者』VS『秘密を守ろうとするエネミー』という対立構造を軸にしてシナリオを作ることが推奨されている。

・それはどういう秘密か?

・なぜ秘密が露見するとまずいのか?

秘密を巡る対立を軸にシナリオを肉付けしていく手法はホラーにおいては有効なので、良い感じの対立が思いつかない場合はまずはこのパターンで作ってみると良い。

他のメジャーな対立としては、

・死にたくないVS死なせたい

・世界を滅亡させたくないVS滅亡させたい

・子供や恋人を取り戻したいVS取り戻されたくない

等がある。対立構造は無限にあるので面白いものを考えてみよう。


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by cemeteryprime | 2017-05-24 18:49 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

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