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カテゴリ:TRPG講座・考察( 127 )

【クトゥルフ神話TRPG】ノーデンス

クトゥルフ神話の他の邪神とはいまいち毛色の違う、ノーデンス。ノーデンスがどういうキャラなのかが、D20クトゥルフを読んでたら普通に書いてあったのでまとめてみる。

直接的にはケルト神話におけるノドンス、ノーデンス(Wikipedia参照)と呼ばれる神である。漁師、狩人、捕まえる者を意味する名前だという。またノーデンスは医療の神でもあった。ノーデンスの聖獣は犬であったとされていて、これは犬が傷を舐めて治してくれるという信仰から来ているらしい。ノーデンスの信者は、体を清めて夢の中で神託を得たと書かれているあたりも、ドリームランドと関連づけられるには十分な要素だろう。

またノーデンスは、アイルランドに伝わり、ヌアザとなった。ヌアザはトゥアハ・デ・ダナーン(ダーナ神族)の王である。ヌアザには、銀の腕のヌアザという厨二病精神をくすぐりそうな別名を持っている。銀の腕は、銀で造った義手から来ている。医療の神で、戦いの神である。

ケルトの神として、ノーデンスはキリスト教以前の異教の主神的なイメージを持っているのであろう。

さらにD20クトゥルフでは、ワイルドハント(西洋の百鬼夜行)との関連も書かれている(Wikipedia参照)。ワイルドハントとは、ヨーロッパで広く伝わる伝承で、伝説上の猟師の一団が、狩猟道具を携えて馬や猟犬と共に、空や大地を大挙して移動していくものである。このワルドハントの首領は、アーサー王であったり、オーディンであったりと各地で諸説ある。ワイルドハントの集団は、死者の魂であるともされている。ワイルドハントは、ハロウィーンとも関連があり、現世と霊界との壁が薄くなる時期に出現し、死者の霊を連れて行くのである。冥界からの死者であったワイルドハントは、時代が進むにつれて百鬼夜行の群れと化した。ワイルドハントが引き連れる猟犬や狼は、獣に変身する北欧神話のバーサーカーであるともされている。

ちなみに、面白いことに、8本脚の馬スレイプニルを駆り、馬車に乗って、死者の霊を引き連れて空を掛けるオーディンのイメージはやがて、8頭のトナカイが引くソリに乗り空を掛けるサンタクロースのイメージにもつながっていったらしい。暖炉のそばに靴下をぶら下げて置く風習も、元々はスレイプニルの為に干し草と砂糖をブーツに入れておくと、オーディンは施しへの見返りとして贈り物を残していたという風習だったらしい。

またワイルドハントの首領は、狩りの群れに遭遇した人物に何かしらの度胸試しを行い、この試練をクリアした者には黄金などの褒美が与えられるが、不合格だった者は命を奪われ連れていかれてしまうという話もある。

もし興味があればだが、『ヘルボーイ:滅びの右手』というアメコミに、この伝承を扱ったヴォルド王という作品がある。度胸試しとして、狩りの間、傷ついた1匹の狼の世話を頼まれるのだが、それをヘルボーイに押し付けて黄金を貰おうとする邪な男の話である。この狼は預けられた後に戦いに飢えたバーサーカーの姿へと戻り、ヘルボーイに襲い掛かる。

ノーデンスは、漁師や狩猟の神であるのでワイルドハントの首領のイメージとも合致する。百鬼夜行を引き連れるイメージは、夜魔の主人としてのノーデンスの姿である。

ノーデンスは、よくイルカが引くソリに乗ったイラストで描かれる為に、海と関連づけられポセイドンとかトリトン的なイメージを抱きやすいが、背景を知るとまた違った印象を抱く。D20クトゥルフには、ノーデンスの馬車を引く動物は、夜魔が変身した姿であると書かれている。イルカの正体は夜魔だったのだ。

こうしたイメージを踏まえれば、ノーデンスはもっと色んな所で登場させても良さそうである。イルカなら海限定な感じがするが、ワイルドハントのイメージならむしろ森だとか荒野が良く似合う。夜魔も最初から顔の無いデーモンの姿をしている必要は無いので、猟犬や狼の姿をしていて、敵に襲い掛かる際に変身するイメージの方が登場させやすそうではある。

お助けキャラとしての扱いも、善なる主神のイメージとしてではなく、試練に答えた見返りに褒美をくれるワイルドハントのイメージであればホラー感をギリギリぶち壊すことなく、扱えるのではなかろうか。勿論、試練に失敗すると悲惨な事になるが。


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by cemeteryprime | 2017-02-09 21:28 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】クトゥルフ以外での蛇人間

ヘビ人間というのは、現代では比較的ポピュラーなキャラクターである。

代表的な性質

ヘビ人間は、人類以前の超古代に文明を繁栄させていたしていた先住民族である。現在は衰退し、地下世界に追いやられているが、再び文明を復活させ地上の覇権を握るべく、時折陰謀を巡らせる。高度な知性を持ち、狡猾で魔術で人間に化けることが出来る。毒の扱いに長けている。

色んなヘビ人間

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比較的メジャーなシーンだと、アニメ化されているレゴ・ニンジャゴーにも、ヘビヘビ族という古代に地下世界に封印されていた種族が登場する。

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D&Dにも、ユアンティというヘビ人間種族が登場する。ユアンティは毒と暗殺を司るゼヒーアという悪の蛇神を信奉し、毒蛇でいっぱいの穴に生贄を捧げる。

蛇神信仰

実際の所、蛇は世界各地の文化において死と再生のシンボルであり、蛇神を祀る風習は世界中に存在する。古代エジプトにおいても、王権や神性の象徴として王冠に蛇を抱いている。古代中国における始祖も伏羲と女媧も蛇身人首の存在である。インドにおけるナーガも有名だ。日本にも蛇神信仰は多い。蛇神との異種間交配に関する伝承も、世界各地に存在する。

毒と再生のイメージから、蛇は医療は薬学のシンボルにもなった。ヘビが巻き付いたアスクレピオスの杖は、欧米で医療や医学を意味するシンボルであり、世界保健機関のマークにもなっている。

一方で、悪魔のシンボルとしても使用されてきた。そうした古代の信仰における蛇のイメージと、悪のシンボルとしての蛇のイメージから、衰退した神であり悪の種族としてのヘビ人間像が構築されたのは自然なことだろう。

レプタリアン

ヘビ人間はレプタリアンと呼ばれ、地下世界ではなくエイリアンと関連づけられて語られる事も多い。人類は太古に飛来した宇宙人によってデザインされた説と、ヘビ人間が融合した生まれた言説である。レプタリアンもまた、人間に化け、人間社会を操作する世界的陰謀の黒幕として語られる。

総論

ヘビ人間は、零落した古代の神族であり、世界征服を企む悪の侵略者でもある。要するに分りやすい人間の敵、悪役軍団なのだ。

悪の侵略型宇宙人種族と若干異なるのは、古代の伝承や神秘的な力と結びついる点である。ヘビ人間は、UFOに乗って襲来したり、ビーム兵器を使うことは稀かもしれない。既に人間社会に潜り込んでおり、科学兵器よりも、怪しげな毒や魔術を使用する。

こうした性質から考えると、ヘビ人間は、おどろおどしい呪いに纏わるホラーに登場させるよりも、悪の軍団を壊滅させる派手目なシナリオ向きかもしれない。


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by cemeteryprime | 2017-02-09 18:47 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】コールオブクトゥルフd20

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D20モダンのルールブックがあまりにも面白かったので、直ぐに注文してみた。他の絶版サプリと違って、システムが異なるからか、幸いにも大したプレミア価格はついていなかった。

まだ、ざっと目を通しただけではあるが、目についた部分を紹介してみる。まず、第一にこれはクトゥルフ神話TRPGD&Dを融合させて作られたシステムであるということなのだが、これは要は、若干古臭くなっていたクトゥルフ神話TRPGに、当時D&Dに導入された最新システムであったD20システムでアップデートした代物であるということだ。単にD100D20に変換しましたよというだけではなく、アップデート版であることがポイントで、クトゥルフ神話TRPGのルルブに抜けている、物足りない部分の補完もされているという点は、もっと注目されても良いのでは無かろうかと思う。

クトゥルフ神話TRPGには何故か無い、技能の能力値修正システムが組み込まれていたり、基本技能にあっても良いのになと思っていたあれやこれやがあったりするのも興味深い。銃器に関しても、データだけではなくちゃんと個別に解説があったりする。

あと面白いなと思ったのは、魔導書に関する項目の中で、調査研究中に発生する不可解な出来事のランダム表なんてものがあった事だ。


シナリオの作り方に関しても、より細かく説明してくれている。テーマのパターン、動機のパターン、NPCのパターンなど、具体的に挙げてくれている。また、舞台となる時代ごとのイメージやアイデアを挙げてくれているのもありがたい。更には、サブジャンル毎の導入アイデアまで出してくれている。

また、この辺りは、D&Dのパーティ的なイメージからの影響かもしれないが、PCを最初からグループにしてしまうというやり方はなかなか役に立つアドバイスだなと思った。大学関係者グループだとか、捜査官グループだとか、カルト教団グループだとか、探偵グループ、科学者グループみたいな感じで、テーマ別で導入しやすいグループに設定してしまうというやり方である。

どうでもいいが、グレート・オールド・ワンに関してはそもそも能力値もクソも無いのでデータなんか要らないとはっきり書いてあるのは良いなぁと思った。とはいえ、D&Dとの互換性があるので、神話級のバトルをしたいならということで、一応データは用意してくれているという。D&Dから連れてこれそうなモンスターのリストなんかもあった。


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by cemeteryprime | 2017-02-08 22:09 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】D20 モダン

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去年に秋葉原のイエサブで見かけて購入。ようやく、中身を読んでみたのだが、なかなかに面白い。

端的に言えば、現代アメリカを舞台にした魔術あり超能力ありSFありモンスターありの伝奇アクションストーリーを再現する為のTRPGシステムである。スーパーナチュラルだとか、バフィ・ザ・バンパイア・スレイヤーだとか、あとカルト教団なんかが敵として登場する大抵のアメコミの世界観なんかとも近い感じ。特務機関のサイオニック捜査官として、現代の都市に巣食う闇の者たちを狩るみたいなストーリーが簡単に遊べる。

基本的なシステムは、D&Dなので、経験値デザインだとか、ミニチュア戦闘ルールだとかも、作り込まれている感じ。あと、海外TRPGルルブの特徴として、設定集なんかがボリュームがあって良い。D&Dのシステムは、経験値デザインがあるので、敵キャラのレベルデザインもシステムで細かくサポートされているので、バランス崩壊させない形でのカスタムも可能になっている。

怪異相手にヒーローが大活躍する様な、現代伝奇アクションをクトゥルフ神話TRPGのシステムでやるのは無理があるので、そういうのをやりたい人はこちらのシステムがお勧めである。ちなみに、現代伝奇モノ的なシナリオに関する素材も色々とサポートされているので、見かけたら参考資料として買ってみても損は無いはず。


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by cemeteryprime | 2017-02-06 18:18 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】パーセンテージ判定

D100での判定は、パーセンテージ・ロールとも呼ばれ、成功率がイメージしやすいという特徴がある。基本的には、どれも目標値以下の目が出れば判定成功の形を取るが、システム毎に微妙に細かい差異がある。

クトゥルフ神話TRPGの場合…

D100を振る。判定結果は1100。目標値以下であれば成功、そうでなければ失敗。

目標値の1/5以下で成功した場合は、スペシャルと呼ばれ、少しだけ結果にボーナスが加わる。更に、0105の場合は、決定的成功(クリティカル)。9699の場合は大失敗(ファンブル)となり、結果に大きなボーナスやペナルティが加わる。

ガンドッグ・ゼロの場合…

D100を振る。判定結果は1100。目標値以下であれば成功、そうでなければ失敗。

更に判定結果の10の位(ダイスA)1の位(ダイスB)を合計する、2D90~18)での判定を同時に行う。これは達成値と呼ばれるもので、これに更にキャラクター毎の能力値による補正が加わる。数字が大きいほど、より上手に成功した事になる。

また、最初の1D100判定で100だった時は、ファンブルとなる。01だった時は、ベアリーと呼ばれ、ギリギリ成功だったという扱いになる。他には、成功時で1の位が0の場合はクリティカルという扱いになり、達成値は20の扱いになる。

エクリプス・フェイズの場合…

D100を振る。判定結果は099。目標値以下であれば成功、そうでなければ失敗。

更に、出目がゾロ目の時は特別な意味を持つ。成功時でゾロ目の場合はクリティカル、失敗時でゾロ目の場合はファンブルとなる。また、成功度と失敗度という概念があり、判定成功時はその出目がそのまま成功度となる。失敗時は、目標値からどれだけ離れているかが、失敗度となる。

成功判定と達成値

どのシステムにおいても、成功判定の方法は大差はないが、達成値判定の方法に違いがある。達成値は、基本的に技能同士を競わせる際に使用される。

クトゥルフ神話TRPGの場合、こうした対抗ロールは50%±目標値の差分×5%という、特殊な計算でまとめて1回で判定を行う。ガンドッグやエクリプスの場合は、それぞれ成功判定をした上で達成値でどちらがより上手だったかを比べる形を取る。

クトゥルフ神話TRPGでは、成功結果はクリティカルか、スペシャルか、普通の3パターンでしか区別されない。ガンドッグの場合は、達成値の概念があるので、同じ成功でもどちらがより上手だったかという部分が反映される。エクリプスの場合も、クリティカルもしくは成功度の大きさという形で、出来栄えが反映される。

システムの方向性

大した計算では無いものの、クトゥルフ神話TRPGの対抗ロールは、いちいち計算してからダイスロールを行う必要があるので面倒と言えば面倒である。その点、ガンドッグとエクリプス・フェイズの場合は単純に成功判定時のダイスの出目の比較で判別できるのでシンプルだ。

またクトゥルフ神話TRPGの場合、スペシャルの確率は元の技能値によって変動するものの、クリティカル率とファンブル率が固定なので、例えば技能値が30%しかない場合と90%ある場合で、変わらないという問題がある。ガンドッグの場合は、クリティカル率は変動するものの、ファンブル率は固定という形になっている元々、ファンブル率は1%しかないので、変動しなくてもそこまで気にはならない。エクリプス・フェイズの場合は、この問題が完全に解消されており、技能値によってクリティカルとファンブルの両方とも確率が変動する形になっている。

ガンドッグのシステムは、1D20を使って達成値の大きさ比較のみで判定するタイプのシステムに、1D100のパーセンテージ表示の分かりやすさを組み込んだイメージである。加算型の達成値比較システムは、達成値に上限が無いという点で、キャラ成長型のシステムと相性が良い。また、システム的に達成値へのキャラクタークラスによる補正値の存在が大きい。

こんな風に成功判定の仕組み1つをとっても、ゲームデザインの方向性が読み取れるので、プレイする機会が無くとも色々なTRPGのシステムを比較してみるだけでも面白い。


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by cemeteryprime | 2017-01-31 19:08 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】技能の追加

TRPGにおいては割と一般的なのに、何故かクトゥルフ神話TRPGには無い技能を幾つかピックアップしてみる。まぁ、TRPGの技能なんて無ければ勝手に追加してOKなので、勝手に追加しろやという事なんだろうけども。

脅迫

脅迫は結構使いどころが多い割に存在していない。もしかしたら言いくるめと被る部分があるからかもしれない。因みに言いくるめは、他のTRPGだと「はったり」や「虚言」といった名前になっていて、上手いこと嘘をつく技能としてのニュアンスが強い。クトゥルフ神話TRPGの場合、基本的に舞台がファンタジー世界ではなく、法治国家の街中なので、本来それはどうなのかとは思うが、何だかんだで無法者的なロールプレイをする人は多い。だったら最初から脅迫を用意していても良さそうである。パワー系の脅迫と、詐欺的なニュアンスの頭脳系な言いくるめで、同じ犯罪者でも差別化出来たりしそうだ。

手先の早業・手業・スリ

要するにサッと相手のポケットから何かを盗む技能。映画などでもお馴染みの技で、犯罪者だけじゃなく刑事だって時には使ったりするので結構ポピュラーだが、なぜかクトゥルフ神話TRPGには基本技能として登場しない。手品師的なテクニックを表現するのにも使える。

動物調教

動物を手懐ける技能。クトゥルフ神話TRPGの場合、シティが多いので野生のモンスターというか、動物と遭遇する事がまずないので、あまり活躍の出番は無いのかもしれないが、番犬がいる家に侵入したりとか、そういう場面もあるかもしれないので、あっても良さそうではある。ペットを飼っているキャラである事を表現する為に持たせても良さそうである。

嗅覚、視覚、味覚、触覚

一般的なTRPGでは、五感の鋭さは「知覚」としてまとめられている事の方が多い。クトゥルフ神話TRPGの場合、聞き耳として聴覚と、目星として一部視覚を使った技能が、独立してしまっているので、逆に嗅覚や味覚や触覚といった、それ以外の感覚を判定する手段が無くなっている。異種族が混在するTRPGの場合は、感覚自体が鋭いといった特徴が成立するので一緒くたに出来るが、クトゥルフ神話TRPGの場合は、あくまで職業的な物として存在しているので、独立させているのだろう。触覚に関しては使い勝手が分からないが、盲目のキャラとかなら視覚の変わりに高くしておくのもあり得るのかもしれない。

サバイバル

クトゥルフ神話TRPGの場合、シティがメインでダンジョンや森に野営したりすることがまず無いので省略されたと思われる技能。クローズドサークルが便利な都合上から山奥の山村とかが舞台になる事は珍しくないので、あっても良さそうではある。

物真似

声真似や、特定の人物になりすます技能。本人と直接面識が無い相手なら変装との組み合わせで騙せるかもしれない。クトゥルフ神話TRPGには変装はあるものの、物真似までは搭載されていない。芸術技能の一種として取得しておくのも面白いかもしれない。ネット上でのなりすましも恐らくこれ。

聞き込み

街中での情報収集に使う技能。クトゥルフはシティ系で調査が多いので、あっても良さそうではある。それなりの職業であれば信用で代用できなくは無いだろうが、技能として独立させていた方が、キャラの特徴になって良いのではなかろうか。

偽造

手紙や許可証の偽造をする技能。犯罪者系の職業の特徴としても良さげである。現実寄りの世界観ならそこそこ活躍の場もあるのでは無かろうか。

軽業

体操やパルクール的な動作を表現する為の技能。跳躍技能には、落下ダメージ軽減の役割があるが、跳躍と軽業で分れているタイプもある。

と、幾つか挙げてみた。芸術だとか製作で、面白い技能を追加しているのは偶にみかけるが、そうでない技能も自由にガンガン追加していって、楽しいロールプレイングを実践してほしい。


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by cemeteryprime | 2017-01-26 22:26 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】技能名に関して

複数のTRPGのシステムを比較していると、同じ内容の技能でも呼び方が異なっていたりする。中には、こっちの方が分かりやすい名前だなとか思うのもあるので、クトゥルフ神話TRPGに登場する技能で、名前のせいで内容が誤解されやすいので、名前を変更しても良いのになというものをピックアップしてみる。因みにピックアップした物の中には、過去に個別で記事にしている既出の物もある。

ただ、基本的にはルールブックでその技能についての説明文がありそこを読めば誤解の余地は無いという点は押さえておいて欲しい。ちゃんと読まずに、技能名などの字面のイメージだけでプレイしている人が多いというだけである。

信用 ⇒ 信用度

名前のせいで勘違いされやすい最たる例がこれ。元になっている英語名はクレジット・レーティング。信用格付け度という感じで、内容も社会的な信用度を表現する技能なのだが、人に自分を信用(信頼)させる技能として使用されているのをよく見かける。因みに、口先で丸め込んで、人の信頼を勝ち取るのは、言いくるめ技能である。

心理学 ⇒ キネシクス

キネシクスとは、人の表情や仕草などから感情や本心を読み取る技術である。クトゥルフ神話TRPGにおける心理学は、学問としての心理学というよりは、技術としてのキネシクスに近い。ちなみに対象のストレス反応のパターンなどを観察して読み取る技術であって、超能力では無いので発言の内容の一つ一つが嘘かどうかなんて分からないし、ある程度長く観察していないと癖も読み取れないはずである。

人類学 ⇒ 民俗学

人類学という名称は、どうにも内容がイメージし難いからか、この技能を使われているのをあまり見ない。一方、民俗学者という職業はそこそこ見かける。厳密にいえば、民俗学は人類学の中の1つのジャンルではあるが、民俗学者的な知識を表現する為に用意された技能なのは間違いないので、いっそ名称を民俗学に変えても良いのではないかとは思う。

鍵開け ⇒ 錠前

鍵開けという名称なので、解錠するだけのスキルかと思われている事が多いが、本来の名前はロックスミスで、鍵屋スキルという内容の技能である。ルルブを読んでも分かるが、実際は鍵に関してもっと色々できる技能である。

目星 ⇒ 探知

目がついているからか視覚に関する判定全般に使われがちなこの技能であるが、元の英語名はスポット・ヒドゥンで、名前の通り、隠されているものを発見する技能である。部屋に隠されている物を見つけるとかなら捜索でも良いんだろうけど、物についてる痕跡に気付くとかなら捜索は大げさなので、探知くらいが丁度なんじゃないのかなと。

ちなみにクトゥルフ神話TRPGでは分けられているが、聞き耳や目星や嗅覚や触覚まで全部、知覚という感じでまとめられている物も多い。

図書館 ⇒ (情報)検索

ライブラリー・ユーズ(図書館利用)という名前の技能だが、意味するところは情報検索技能である。1920年代では、情報検索=図書館利用を意味しているので、図書館で問題ないが、現代なら検索とした方が分かりやすいだろう。なぜ図書館という名前を変えた方が良いかというと、ネット検索を図書館ではなく、コンピューター技能で判定しようとするキーパーが少なからず存在するからだ。図書館で情報を調べるのは得意だが、ネット検索が出来ない人間なんて余程の機械アレルギーな老人でもない限り現代ではそうそういないだろう。

追跡 ⇒ 野外追跡/トラッキング

追跡は名前のせいで、尾行技能だと勘違いしている人が偶にいるが、これは森でハンターが足跡や糞などから動物を探す時に使う追跡技術を意味する技能である。ハンター以外だと、森やジャングルで敵兵の痕跡を発見する必要がある兵士もこうした技術を習得することが多い。

博物学 ⇒ 自然知識

博物学もまた人類学と同じように内容をイメージし難い技能である。意味しているものは、自然観察から得られた経験に基づく科学知識である。現代で学問として博物学を習得している人はいないだろう。大抵は、何らかの愛好家か、野外で仕事をする人が職業知識として習得しているパターンだろう。

精神分析 ⇒ 心理療法

この技能が意味しているのは、サイコセラピーである。名前に分析がついているので、相手の精神状態を調べるのに使えそうだが、それは心理学技能である。

結論としては、もっとルルブ読めやって感じだけど、もっと自由に名前くらい弄っても問題なかろうとは思う。


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by cemeteryprime | 2017-01-26 18:24 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】エクリプス・フェイズ

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発売後すぐに購入していたものの、積んだままになっていたエクリプス・フェイズをようやく読み始めた。まだシステム回りを読んでいるだけだが、クトゥルフ神話TRPGにも参考になりそうな部分が多く、凄く面白いので紹介する。

まず、エクリプス・フェイズは人類がとっくの昔に太陽系全域に進出した後の未来世界を舞台にしたSF世界TRPGである。

クトゥルフ神話TRPGの参考になる部分が多い理由は、クトゥルフ神話TRPGと同じくD100判定システムを採用している点と、SFホラーも守備範囲内なのでストレスと狂気に関するシステムが存在しているからである。

D100システムに関して

クトゥルフ神話TRPGは思うに、シンプルな点は良いが、D100システムとしては些か旧式である。エクリプス・フェイズのD100判定はクリティカル判定の方法が若干異なっている。まず数値は1~100ではなく、0~99である。そして、00や11や88といった、ゾロ目がクリティカルやファンブルといった特別な目として扱われる。技能判定の目標値に対して、成功かつゾロ目ならクリティカル。失敗かつゾロ目ならファンブルの扱いとなる。

これの何が良いかというと、技能値が高い方がクリティカル率が高くなる点だ。例えば、技能値40だと00、11、22、33でクリティカルとなる。技能値60だと更に44、55もクリティカルになるので、クリティカルの目が増えるのである。そして逆を返せば、技能値が低い方がファンブルの目が増えるのである。スキルが高い人の方が大成功しやすく、低い人の方が大失敗しやすい。なかなか合理的なシステムである。ちなみに技能値は1からスタートして、最大値が98となる。なので00が絶対成功、99が絶対失敗となる。

クトゥルフ神話TRPGの場合はハウスルールではあるが大抵は1~5がクリティカルで、96~100がファンブルとして扱われる。技能値は1~99の範囲内で、1が絶対成功で、00が絶対失敗という感じ。これだと、96以上に技能値を振る意味がなくなる上に、技能の高さに関係なくクリティカルやファンブルの確率が等しくなる。

成功度と失敗度

もう一つ、特徴的なのがダイス判定は数値が大きいほど良い(成功の場合)という考え方だ。クトゥルフ神話TRPGの場合、出目は小さい方が良い。エクリプス・フェイズの場合、目標値が5032で成功した場合、成功値は3222で成功するよりも良い結果という事になる。一方、80で失敗すると、失敗度が30という事になる。

これだと、技能値が60のキャラの方が、技能値が30のキャラよりも、判定が有利というだけではなく、結果面でも優秀さを表現できる。1足りない状態だと、ギリギリ失敗。1足りた状態だと、真逆の大成功という結果になる。この辺りも、クリティカル判定の工夫と同じくかなり合理的である。

これはエクリプス・フェイズが、技能同士での対抗ロールを多用するシステムになっている点も関係しているのだろう。この判定方法なら、例えば歌の上手さを比較した場合で、どちらも技能判定自体には成功した場合、技能値30しかないキャラが、技能値60のキャラに勝つ確率は低くなる。どんなに頑張っても成功度30が上限だからだ(クリティカルを出せば別だが)。例えば、攻撃側の蹴りが成功して、防御側の回避が成功した場合でも、攻撃側の成功度の方が高ければ蹴りはヒットするのである。こうなると回避側が一方的に有利という訳でもなくなる。

ただし、エクリプス・フェイズはミニチュア・ゲーム的な戦闘要素が無いようなので、回避をすると、そのターンに攻撃が出来ない等の制約が無い。すべての判定に自動的に対抗判定が入るからそうなっているだけというのもある。この辺りは良しあしだろう。


狂気関連

エクリプス・フェイズは、ダメージ処理が肉体面も精神面もより詳細で、キャラの性能事に、幾ら以上のダメージを受けると傷つくというような、閾値のシステムが存在している。そして、狂気に関しても一定以上のストレスが蓄積して初めて発症する感じである。正直、ルルブを読む限りでは処理が複雑すぎる気もする。

ただ、1回目の一時的狂気では軽度の錯乱、2度目だと中度の錯乱、3回目だと重度の錯乱、4回目だとついに不定の狂気というか精神疾患として固定症状がでるという様なシステムになっているのが、よりリアルで面白い。しかも精神疾患の症例毎にどういうマイナス補正が生じるかまでデータベースとして用意されている。ので、狂気表の参考にするのは良さそうである。

技能値の初期値に関して

これはエクリプス・フェイズのシステムに関した話では無いが、全ての技能は能力値と紐づけられていて、能力値が初期値として機能する。クトゥルフ神話TRPGでも、回避だとか母国語だとか幾つかの技能が能力値に紐づけされているが、それが全部に及んでいる感じだ。クトゥルフで言うなら、学術や知識系の技能の初期値は全部EDUみたいな感じ。

確かにこの方法は納得がいく部分もありつつ、一長一短で、例えば全く知るはずもないフランス語がEDU18なら18%くらいの知識あるのかよみたいな感じにはなってしまう。でも英語なら初期値でもEDU%か、EDU2%くらいあってもおかしくは無い。ケースバイケースといった感じなので、技能によっては初期値を能力値基準にしても良い気はする。

技能の専門化

専門化は、エクリプス・フェイズや、デザイナーが同じなシャドウランなどにあるシステムで、ある特定の技能グループの内、専門化した技能だけボーナス補正が入るというものである。

例えば、同じ生物学でも虫の研究をしている人と、鳥の研究をしている人では別物である。それを、生物学(昆虫学)という形で表現する。こうすることで、専門化している昆虫に関する判定の場合にのみ、プラスの補正が得られるのである。そして、専門外の例えば鳥に関する判定でも、生物学の基礎値で判定できるという仕組みである。

この方法の良い所は、特徴を出す為に割り振る技能ポイントが少なくて済むという点である。基本的に、ロールプレイという面で考えた場合、ただ生物学者というよりも、昆虫学者だとか鳥類学者とかに専門化させた方が、キャラは立つというメリットがある。あなたのキャラは生物学者です、個性を活かして下さいと言われても選択肢が多すぎて難しいが、昆虫学者なら幾らか方向性が限定されるのでロールプレイもしやすい。また現実的な面を考えても、専門分野を持たない学者はいないので、リアリティの面でもより良くなる。

ちなみに、エクリプス・フェイズが全部が全部、クトゥルフ神話TRPGより詳細化されているかというとそうでもない。例えば、クトゥルフ神話TRPGで分けられているキックとパンチと頭突きも、エクリプス・フェイズでは素手格闘にまとめられており、専門化の形でパンチやキックや組み付きが存在している。専門化のシステムが無いと、例えば格闘が得意であることを表現する為だけに、キックとパンチと組み付きと、更には武術にそれぞれポイントを振る嵌めになってしまう。例えば専門化で得られるボーナスが+10%だとするなら、格闘(キック):50(10)という形で振っておけば、キック技能に関しては60%でプロ級、自動的にパンチや組み付きに関しても格闘家として最低限はあるという形になる。

これが出来れば、技能値が節約されて他の技能ももっと専門化された特徴のある形で取得する事が出来る様になるのである。

デフォルティングと他技能でのサポート

専門化とセットのようなシステムであるが、直接的な技能が無い場合の代用ルールに関する、補正も幾らかシステム化されている。

例えば、森へ続く足跡があり、足跡の主を追跡したいとする。ピンポイントな追跡技能は持っていないが、若干近い目星技能は持っている。この場合、目星―30%で判定を行うという具合である。中には専門技能故にデフォルティング不可のものもある。

またこの場合、補足技能として、博物学を使用するとする。その場合、博物学の技能が30以下なら+103160以下なら+2061以上なら+30といった形で、他の技能でサポートする際の数値も決まっていたりする。

その他のボーナス基準

他にも、複数人で図書館などを行う場合。3人でそれぞれ図書館とかやると、無駄に感じる事も多いはず。その場合、代表を1名選んで、追加人数分だけ+10%するという手法をとる。上限は+30%である。これをやると、判定が1回で済む上に、ロールプレイ的に活躍する場面が被らなくて済む。勿論、初期値25%の探索者がそれぞれ判定をするなら、成功率が58%ほどであるのに対し、代表に加算する方式なら50%なので、それぞれ振った方が成功率の面では有利ではあるが。

それ以外にも、状況別の細かい判定時の補足基準なんかが表になっていたりするので、参考にしてみても面白いかもしれない。


それ以外にも、状況別の細かい判定時の補足基準なんかが表になっていたりするので、参考にしてみても面白いかもしれない。


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by cemeteryprime | 2017-01-26 18:00 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】TRPGの定義における混乱

TRPGという遊びは自由な遊びであり、楽しく遊べればそれで良いので明確な定義は無いという、意味不明な言説がまかり通っている背景には、日本におけるRPGという単語の意味の錯綜が関係しているのでは無いかという説。

まずは、ザックリとRPGという遊びが登場するまでの流れを図で説明しよう。
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簡単に系譜をまとめるとこんな感じ。コンピューターゲームが流行する以前は、日本におけるRPGの紹介のされ方は、シミュレーションゲームから発生した変り種的な文脈であった。

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やがて、コンピューターを使ったゲームというジャンルが登場。ウルティマやウィザードリィといったコンピューターRPGが登場する。ただし、この当時のコンピューターRPGでは、ストーリーテリング能力に限界がある為、戦闘シミュレーションゲームとしての要素が強い所謂ダンジョンアタック型であった。

そして日本においてファミコンが登場し、コンピューターゲームが大流行する。コンピューターゲームのジャンルとしてAVGが流行する中、ストーリー性のあるAVGと、コンピューターRPGを融合させた、ドラクエが登場し大ヒットする。AVGにRPG要素を組み合わせたJRPGは、日本においてRPGの代名詞となった。

ここで逆転現象が発生する。日本においてRPGとはJRPGを意味する単語になった。従来のRPGは、今のRPG(JRPG)の原型となった遊びとして認識される様になり、「アナログなRPG」と呼ばれる様になる。こうした後発の物が一般化した事による名称の逆転現象をレトロニムと呼ぶらしい。紙の本、汁なし担々麺、白黒テレビ、固定電話、固形石鹸、日本人力士、荒れない成人式、etc...。

ただ「アナログなRPG」という認識には、他のレトロニムには無い問題がある。日本人が「アナログなRPG」と呼ばれて想像する物は、実際には「アナログなJRPG」だからである。JRPGの一般化によって、そもそものRPGがどういう物か知らないという土壌が生まれていた事と、用語の混乱により、「アナログなJRPG」という物が登場するのである。

こうした日本におけるRPGという用語の混乱を正す為に、旧来のRPGを表現する「テーブルトークRPG」という新しい単語(これもまたレトロニムだ)も登場した。ただし、TRPGという単語が登場した頃には、市場には旧来のRPGとアナログなJRPGが存在している。これらをひっくるめてTRPGと呼ぶようになったのである。それ故に、現在のTRPGという単語が意味する遊びはかなり包括的になっている。

TRPGとは何かを調べると、①本来のRPGという遊びについて言及する人、②アナログなJRPGだと思っている人、③包括的になり過ぎて最早定義不能だと考えて投げやりな説明をする人、の3パターンが見受けられる。③は確かに角が立たないし、現状理解という点では間違ってはいないが、更なる混乱を引き起こしている要因になっていると個人的には思っている。

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by cemeteryprime | 2017-01-24 18:51 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】TRPGと自由度

「型破り」と「型無し」

歌舞伎の名言か何かに『型をしっかり覚えた後に、初めて型破りになれる。型が無いままやるのは、ただの型無し』みたいな言葉があるらしい。

型破りがポジティブな意味を持っているのは、基本がしっかりしている人間が、溢れ出る創意工夫とオリジナリティで、既存の枠からはみ出している状態を意味しているからである。

ただし現代では、本来なら型無しと呼ばれていたものが、型破りと誤用される事が多い。単語レベルの誤用ならまだしも、型に嵌っていない=オリジナリティ=良きことという価値観が蔓延してしまっている為に、型無しがポジティブな意味を持ってしまってすらいる。

“型無し”の時代

型破りが基準以上のカスタム品であるとするなら、形無しは基準未達の不良品である。しかし、カスタム品が評価された結果、型通りである事が低評価(オリジナリティに欠ける)される様になった。その内に、評価基準が素人目に分かりやすいオリジナリティが有るか無いかという点にシフトしてしまった結果、本来なら淘汰されるべき不良品までもが型通りでは無いという点で評価されてしまう様になった。結果として、不良品が持てはやされ、不良品の更なる半端な模造品が粗製濫造される時代となったのである。

リバイバル

そもそも“型”とは何か。なぜか窮屈で退屈というイメージがついてしまっているが、言ってみれば間違いない方法の事である。王道、正攻法、定番、定石、呼び方は様々だ。王道は完成された確実なものであり、故に普及力を持っている。しかし、一旦普及してしまうと、市場は画一的になり、そこからの差別化が求められてしまう様になる。

すると王道からの脱却という点に価値が見いだされ、型破りと形無しが登場するようになる。そしてやがて、悪貨が良貨を駆逐するが如く、形無しが型破りを駆逐していくのである。

しかし、そういう状況になってしまえば、王道はもはや画一的な物では無くなっている。不良品しか蔓延していない状況が続けば、誰もがそもそも王道を知らない状況が生まれるのである。

TRPGにおける自由度

ここでようやくTRPGの話に移るが、TRPGにおいても、こうした同種の問題が蔓延している。

そもそもTRPGにおける自由度とは、何からの自由度なのか。こうした根本的な理解が無いままに、「自由度」という単語だけが独り歩きして、型が無い事自体を評価する、「形無し」が蔓延する状況が成立してしまっている。

言うまでも無く、遊びとは一定のルール(枠組み)の下に成立する行為である。ただ楽しければ良いというだけで、枠組みなど存在しないというのなら、それは遊び未満のお巫山戯でしか無い。遊びのジャンルとして成立している以上、そこには本来きちんとした型が存在するのである。

「型」を知る

TRPGにも勿論、型は存在している。RPGというジャンルとして確立されている以上、どういう遊びかという定義も存在している。ただし、残念ながらそれは今では簡単には知り得ない状況が存在している。

最初のTRPGであるD&Dが登場したのは1974年で、40年以上も前の事である。RPGというジャンルが登場した当初ならともかく、40年前から存在している最早古臭くなってすらいる遊びについて、基本的な仕組みを懇切丁寧に説明してくれる媒体は少ない。そもそもRPGという単語自体になまじ聞き覚えがあり、知っている気になってしまっているので疑問にも思わない可能性すらある。今更説明するまでもない、ご存知RPGという訳だが、悲しい事に日本人に馴染みのあるRPGという遊びの正体は、RPG風のアドベンチャーゲームなのである。

国産のTRPGシーンでは、TRPGとはアナログで遊ぶ自由度の高いコンピューターRPGという説明の仕方をしている物が多い。説明している様で、説明になっていないばかりか、そもそも間違っている。

一方で、翻訳されている海外製TRPGの場合は、最初にそもそもRPGとはどういう遊びかが説明されている物が多い。なので、もし最初にプレイするTRPGがクトゥルフ神話TRPGであるプレイヤーは幸いである。ルールブックをきちんと読めば、TRPGがどういう遊びなのか理解できるからだ。ただ、実際の所は面倒臭がってロクに読まずにプレイしている人が多い。“自由”に遊ぶのは良いが、所詮は「形無し」な遊び方である。「型」を知ってプレイすればよりTRPGは楽しいはずだし、「型破り」な遊び方にも到達できるはずである。


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by cemeteryprime | 2017-01-24 18:43 | TRPG講座・考察 | Comments(3)

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