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カテゴリ:TRPG講座・考察( 99 )

【クトゥルフ神話TRPG】技能の英語名

職業名もそうだが、技能名も意外と名前に引っ張られて内容を誤解していやしないだろうか?という記事。元の英語名の方がニュアンスが分かりやすい物も幾つかあるので、その辺りを紹介する。

Spot hidden(目星)
直訳すると「隠された物を見つける」。目星は絶妙な翻訳だが、技能の内容そのまんまな元の英語名も割と捨てがたい。偶に暗闇で物が見えたり、とっさの動体視力みたいな、視力の良さを表現する技能と勘違いしている人を見かける。どうでもいいが、ウォーリーを探せなんかは正しく目星技能だ。

Listen(聞き耳)
「聞こうとする、耳を貸す、聞き耳を立てる」。ルールブックに書いてある話だが、元の英語名からも分かるように、能動的なスキルである。音を聞いて、その音に対して聞き耳を立てる。聞こえてもいない音に対しては、聞き耳は立てようがないのである。受動的に使用する場合は、音は聞こえているが、寝ていたり、他の事をしていたりで、スルーしてしまうかどうかみたいな判定を行うパターンだろうか。

Dodge(回避)
「さっと避ける、ひらりと身をかわす、(質問や義務を)巧みに回避する」。ドッジボールのドッジである。ルルブには自分への攻撃や待ち伏せを本能的に避ける技能と書かれているが、物理的なダメージ以外にも、都合の悪いことを回避するという意味もある様だ。職業サンプルのスポークスマン(広報担当)がなぜか回避技能を持っている事に気付いているだろうか。これはおそらく、記者会見で投げつけられた靴を回避するというよりは、都合の悪い質問を事前に察知して上手く回避するみたいなニュアンスだと思われる。

逆に、スリップなどのとっさの体の反応に関しては、回避では無くDEXを使って判定する事が多い。敏捷性というよりは、予測による危機回避的なニュアンスの方が大きいのかもしれない。この辺りを汲み取れば、回避は戦闘以外でももっと使い道がありそうに思える。

Library use(図書館)
「図書館の利用」。図書館をしっかり活用して情報を入手できるとかという技能。現代日本だと、図書館よりインターネットを使う事が多いので、図書館技能をネット検索に応用させて扱うケースが多いが、そのうちInternet use(インターネット)技能なんかが追加されるかもしれない。ちなみにコンピューター技能は、Computer useになっている。

Locksmith(鍵開け)
「鍵屋」。鍵開け技能という日本語名だと、名前からどんな鍵でも開けれそうなイメージを受けてしまうが、実際は鍵屋技能である。鍵開けという名前にも関わらず、開けれない鍵もあるのは、シナリオの都合上の問題だけでは無く、本当は鍵屋技能なので開けれない物は開けれないだけなのだ。ルルブの技能の説明に、錠の修理や、合い鍵の作成も含まれているのもその為である。

Credit rating(信用)
「信用格付け」。相手に自分を信頼させる技能では無く、自分の社会的信用度(身分や名声)を表現する技能である。この辺りはルルブを読めば理解できるが、ルルブを読まずに遊んでいる人が多いのか、信頼を勝ち取る技能だと思っている人は割と見かける。ちなみに、口先だけで自分を信頼させるのは「言いくるめ」技能である。

Natural history(博物学)
「博物学、自然史」。博物学という単語自体、なんじゃそりゃと思う人もいるのではなかろうか。博物という響きから、何でもかんでも博物学で分かりませんか?というプレイヤーは割と見かける気はする。基本的には、自然観察から得られる知識といった意味合いである。日本語のニュアンスとしては、自然知識とかの方が分かりやすいかもしれない。伝道者、農夫、木こり、部族、放浪者といった職業のサンプル技能に博物学があるのは、ド田舎の辺境とかで自然に接する職業だからだろう。直接触れて学んだ動植物の種類や簡単な生態についての知識は博物学、遺伝子とか成分の話になると生物学や地質学みたいな区別をすると分かりやすい。

Electronics(電子工学)
「電子工学、エレクトロニクス、電子装置」。日本人の場合、電子工学よりはエレクトロニクスという単語の方が馴染みはあるのでは無かろうか。「エネルギーとエレクトロニクスの東芝が~」のエレクトロニクスである。情報端末や家電も全部エレクトロニクスの製品だ。名前のイメージの掴みにくさからか、あまり電子工学が活躍している場面は見かけないが、現代日本が舞台ならエレクトロニクスは溢れているので、本当はもっと活躍の場があっても良いかもしれない。
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by cemeteryprime | 2016-04-20 18:31 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】狂信者という職業

クトゥルフ神話TRPGのサンプル職業に出てくる狂信者に関して。

単語の意味
狂信者と訳されているzealotとは〈軽蔑的〉狂信者、熱狂者、政治や宗教に熱中する人、みたいな意味の単語だ。過激な愛国者みたいなのもZealotである。

狂信者
クトゥルフで狂信者というと、直ぐに邪神崇拝者を想像してしまいがちだが、サンプル技能として提示されている物を見れば、化学、電気修理、薬学、法律、ライフルといった邪神崇拝とはあまり関係ない技能が並んでいる事に気付ける。

これらの技能から連想されるのは、毒ガスや爆弾やアサルトライフルなどを扱うテロリストである。テロリストには極左や極右といった政治的なタイプや、オウム真理教やイスラム原理主義の様な正しく狂信的なタイプも存在している。いずれにせよ、何かしらの思想に熱狂してテロを画策している様な連中であって、孤独に邪神を崇拝している様な変人とはニュアンスが事なる。

また、アイドルやアニメの熱狂的ファンみたい人物もある意味狂信者と言えるかもしれないが、化学や電気修理やライフルとは関係が無いはずなので、別物と考えるべきだろう。

聖職者
ちなみに、所謂カルトに嵌って、その教えを広めようとしているタイプの狂信者は職業サンプルで言えば聖職者が近い。聖職者のサンプル技能は、説得や心理学といった対人交渉系と図書館、歴史、外国語といった研究系で構成されている。基本ルルブには登場しないが、ミスカトニック大学のサプリには【宗教・哲学:5%】という技能も紹介されている。それ以外にも、【キリスト教:5%】だとか【イスラム教:5%】だとかの宗教知識を表現する技能を適当に追加すると良いかもしれない。

伝道者
宗教系っぽいサンプル職業としては伝道者という物もある。こちらは、サンプル技能が医学、応急手当、機械修理、博物学と妙にサバイバルに特化している事が分かる。これは要するに僻地に布教に出向くフランシスコ・ザビエル的な人々を表現している。現代の都会で宗教を伝道する上では、医学も博物学も必要は無いだろう。

ロールプレイングと職業選択
クトゥルフの職業選択には特に何の制限も無い。ルールブックに記載されている職業もあくまでサンプル職業にすぎない。なので、そのキャラで何がしたいのか、どういう特技を持ったキャラだろうかという点をよく考えて職業は選択しよう。

新興宗教にはまって宗教の勧誘をしまくる人をイメージしているのに、取得した技能的にはテロリストだと、まともなロールプレイングは出来そうもない。職業名に囚われず、何が出来るのか、何をさせたいかをよく考えてキャラ作成をする様にしよう。
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by cemeteryprime | 2016-04-19 18:42 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】キャラの肉付け

ささっとキャラクターの背景を肉付けをする為のランダム表。

求める物は、キャラの行動原理であると同時に、なぜそれを求めているのかという背景設定にも繋がる。過去のトラウマは、現在抱えている問題や、職業にリンクさせると設定がより立体的に。過去の奇妙な体験はオマケ。

こういう感じで簡単にでも骨組みがあると、割とキャラのイメージが具体的になってロールプレイングはしやすくなる。導入段階での主人公が抱えている問題は、セッション中でのイベントと上手く絡める事ができれば、うまい具合にオチにつなげることが出来るのでお勧め。

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by cemeteryprime | 2016-04-17 23:26 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】アイテム用ハンドアウト

以前に作るだけ作ってみた、武器用のハンドアウトの一部。アイテムもイラスト付きだと、若干リッチな感じがするかなと思って作ってみたけど、アサルトライフルが登場するシナリオなんか、まず無かろうという理由で活用されたことは無い。でも一応ルルブに載っている範囲からのピックアップだったりする。

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by cemeteryprime | 2016-04-15 23:58 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】ストーリーの流れ

ストーリー構成の大雑把な流れをイラストで説明してみるという試み。日常パートA~C+Xと、非日常パート①~④で構成されている。
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スタートは、探索者(主人公)の日常パートからはじまる。どういう仕事をしていて、どういう生活(家庭)を持っているのか。
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次は導入パート。主人公は何か必要が生じて行動を起こす。この段階では軽い気持ちで行動している。
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異変に気付くパート。助けを求められたり、事件に巻き込まれたりする。

ここからが、非日常パート。一旦、非日常パートに入ってしまえば後はどこで切り上げても構わない。
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ホラーの第一段階では、まだミステリーとホラーの境界といった所。超自然的要素が絡んでいるという話を聞くが、あくまで伝聞であって、探索者本人が確信できるレベルでは無い。
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ホラーの第二段階では、明らかに超自然的要素が絡んでいると確信に至る。幽霊やモンスター(らしき物)が、はっきりと探索者の目の前に姿を現す。人の手に対処できるのかという疑問が浮上し、興味本位だった良識ある探索者であれば引き返すポイントになる。
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ホラーの第三段階では、恐怖度と危険度が上昇し、探索者の心身が脅かされる。場合によっては重傷や発狂で病院送りになったり、死亡する。よほどの事情がなければ、探索者はこの段階で引き返す。
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ホラーの第四段階。狂気の世界。追いかけていた謎は想像以上に異常で、人間にどうこうできない強大な影響力を持ち、最終的にどうあがいても理解不能で対処不能だという事実を突きつけられる。所謂、邪神との遭遇であるが、邪神はあまりにも見た目が恐ろしく物理的に最強な怪獣…ではなく、あまりにも強大で理解不能な謎のメタファーだと捉えると陳腐化し難い。それまでに経験した恐ろしく危険な事件も、氷山(邪神)の一角に過ぎなかったと思い知らせる為の存在である。ホラーの本質は、怪獣では無く謎なので、当事者以外には認識もされないし、対処も出来ないという構図が重要になる。

ストーリーの真のオチは、常に主人公の日常パートとなる。ただし、これは非日常パートにおける経験で変化した新しいバランスでの日常パートである。ストーリーを閉じる為には最終的に日常パートに戻るので、非日常パートをどこまで掘り下げたかとは関係なく成立する事が出来る。
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ホラーの場合、完全に発狂しないにしても、シナリオを通して探索者の心身は摩耗する。心身へのネガティブな影響は、基本的に探索者の生活を悪い方向へと変化させる。しかし、犠牲も顧みずシナリオ中で何か大きな事を成し遂げた場合は、逆に心が成長するという事もありうる。また、心身は消耗しても、関係者との絆や、特別な経験、獲得したアイテムなど、有形無形の得られる物は存在する。

ストーリーのオチは、得たものと失ったものを明確にしてから、それによって起こった人生の変化を考えると綺麗にまとまりやすい。
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by cemeteryprime | 2016-04-15 18:22 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】クトゥルフのしっぽ

以下のイラストは、ホラーRPGのシナリオを概念的に表現した物だ。プレイヤーとして、ホラーを作って遊ぶとは具体的に何をすれば良いのかという部分を分かりやすく説明する為に描いたイラストである。
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解説
これが何を表現しているかと言うと、ホラーというストーリー独特の構造についてである。端的に言えば、ホラーとは謎を追いかけるストーリーである。ちなみに以前に書いたホラーシナリオのタマネギ構造や、タワー構造の話と本質的には同じ内容だ。

モンスターを登場させたり、不気味なシーンをたくさん用意しているのに、いまいち全体としてホラーな雰囲気が出ないと悩んでいる人もいるのでは無かろうか。そういう人は、この構造を参考にしてみて欲しい。一本の謎が欠けていたりはしないだろうか。

ホラー
クトゥルフ神話のホラーとは、宇宙モンスターだと考えている人は、本質的な部分を見落としているので、もう一度ルルブを読み直す様に。ホラーとは恐怖である。そしてクトゥルフ神話が扱う恐怖とは、未知なる物についての恐怖だ。大いなるクトゥルフは単なる蛸の化け物では無く、深海や宇宙といった得体の知れない未知なる世界についてのメタファーなのである。ちなみに、西洋人は得体の知れない存在についての記号としてよく蛸を用いる。007に登場する悪の秘密結社のマークも蛸だ。

未知なる物についての恐怖とは、端的に言えば謎が生む恐怖である。クトゥルフとは要するに答えの無い(=人間には理解できない)謎である。人はモンスターに理由(どうして生まれたのか、何が目的なのか、どうやれば退治できるのか)を求めようとする。なぜなら怖いからだ。しかし、真のモンスターには答えなどない。ただし、ホラーにおいてそれが判明するのは最後の最後だ。調べれば、徐々に理解出来そうな気がしてくるが、結局最後には理解不能な存在だと判明して絶望が待っている。ルルブのシナリオ作法にも、謎を一つ用意しろと書いてあるが、それは要するにこの4コマでいう所のクトゥルフのしっぽである。
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by cemeteryprime | 2016-04-13 00:36 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】ストーリーテリング形式の違い

ストーリーの主人公は誰か問題
クトゥルフ神話TRPGのシステムをフルに活用する為には、キャンペーンの中心はシナリオだが、各ストーリーの中心はあくまで各探索者という形でのストーリーテリングが重要だと考えている。こういったストーリーテリング形式の違いという部分は、いまいち理解し難い話らしいので簡単な図解で説明してみよう。

事件が主人公のパターン
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まずこの図の形式を、仮にA方式と呼ぶ。とある事件が、探索者の介入でどう変化したかというストーリー形式である。このA方式は、主人公が入れ替わり立ち代わりするキャンペーンにおいて、事件の経過を説明する際には都合の良い形式だと言える。

ただし、基本的にはこの方式が用いられるのは、群像劇的な長編シリーズのあらすじを説明する時や、何かしらのニュースくらいの物だろう。普通は事件を主語(主人公)にストーリーテリングはしない。

探索者が主人公のパターン
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小説でも映画でも漫画でも、一般的にストーリーの主人公は探索者(人間)である。こちらをB方式と呼ぶ。基本的にはストーリーの主語は主人公であり、主人公の変化=ストーリーと考えて差し支えは無い。事件は、主人公に変化を促すための触媒として機能する。ちなみに主人公が個人ではなく、チーム(パーティー)のパターンも同様である。

謎解きゲームとA方式
なのでクトゥルフ神話TRPGで遊ぶ際も、ストーリーを作って遊ぶなら当然B方式になる。そもそも論として、RPGのシステム自体が、キャラクターを動かしてストーリーを作るB方式を前提にしている。

ただし、謎解きゲームとしてクトゥルフ神話TRPGを遊ぶ場合は、強引にA方式が採用される場合が多い。理由は謎解きゲーム特有の形式にある。

謎解きゲーム(クイズ)は、『出題された謎』に対して、『プレイヤーが回答』して、『正解or不正解』という流れを踏む。この『出題された謎』という部分を『事件』に、『プレイヤーが回答』を『探索者による介入』に、『正解or不正解』の部分を『事件が解決されたかorされなかった』に置き換えれば、そのままA方式の構造に変換する事が出来る。一方、B方式は構造的に互換性が無い。

謎解きゲーム形式とRPGの相性問題
それ故に、謎解きゲームとして遊ぶ場合はA方式が採用されるという事態が起こり得るのである。ただし、これには1つ問題点がある。謎解きゲームとして遊ぶ以上、オチは『事件が解決されたかorされなかった』の2択になる必要があるのだが、RPG(シミュレーション)として遊んだ場合、必ずしもそうなるとは限らない。事件自体が成立しなくなったり、事件を解決する必要が無くなってしまった等の、イレギュラーな結末も起こり得るのである。

クトゥルフ神話TRPGに限った話では無いかもしれないが、この様に途中で事件が成立しなくなってしまったり、あっさり解決されてしまうパターンを、シナリオ崩壊と呼ぶ。A方式の場合、事件がストーリーの主人公なので、その主人公が崩壊(死亡)してしまえばセッションが継続できなくなるという弱点を抱えている。

故に謎解きゲームとして最後まで全うさせたい場合は、RPGとしてのシミュレーション性を制限して上手くプレイヤーを2択に誘導する必要がある。しかし、シミュレーション性を制限するならRPGのシステムを使う意味合いも薄れてくる。こうしたジレンマをどう処理するかというのは、RPGで謎解きゲームを試みる際のポイントだろう。

セッションとシナリオ
A方式とB方式の違いは、セッションの持続時間にも関係してくる。A方式の場合、主人公である事件が崩壊すると、ストーリーも終わりだし、セッションも終了になる。一方B方式の場合、主人公である探索者が死ぬと、いったん探索者のストーリーは終わるがセッション自体は事件が未解決である限り、新しい探索者を投入して続けることが出来る。

事件が解決してしまえば、A方式でもB方式でも同じ事だと考えるかもしれないが、B方式の場合、解決できない事件であっても遊ぶ上では全く問題無いという点で大きく異なっている。A方式で謎解きゲームをする場合、フェアなゲームとして成立させる為に、当然事件は解決できる内容である事が前提条件となる。

ミステリーとホラー
この違いは、特にホラーRPGを遊ぶ上では大きい。解ける謎をミステリー、解けない謎をホラーとするならば、A方式で遊ぶ場合は、得体の知れないモンスターも登場するし、命の危険も高いが、何だかんだで人間の頑張り次第で解決できるミステリーにしておく必要がある。しかしながら、ホラーの本質は、人間の手には負えない事件である。A方式にしてしまうと、どうしてもホラーとしては矮小化されてしまうのである。

どれだけ危険な邪神が登場しようとも、ホイホイ事件解決をしてハッピーエンドになってしまうのは、もしかしたらこういった部分に原因があるのかもしれない。この機会に是非、ストーリーテリング形式について見直してみてはいかがだろうか。
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by cemeteryprime | 2016-04-11 18:43 | TRPG講座・考察 | Comments(2)

【クトゥルフ神話TRPG】ストーリーテリング型RPGの問題点

原理主義的な遊び方を目指して
RPGでアドベンチャーゲームをしたり、謎解きゲームをすると、どうしても構造的に矛盾がでる。基本的にはキーパーが手心を加えないと成立しない。しかしながら手心を加えてもらわないと成立しないアドベンチャーゲームや、謎解きゲームは、そもそもクリアすべき課題として成立しているのだろうか。

一方であくまでストーリーテリングを目的としたキャラクターのシミュレーションゲームであるというバランスならどうだろうか。ストーリーを作る遊びとしてのRPGである。この場合、キャラクターをシミュレーションしていれば自然とストーリーが発生するので、構造的に何の矛盾も発生しない。

構造的欠陥

しかし、本日遊んでみた結果、1つの致命的な弱点が見つかった。プレイ時間が異常に長くなるという点である。

今日はプレイヤーに5名も集まって貰えて良かったのだが、そのせいでこの欠陥はより顕著になった。プレイヤーが5人の場合、各キャラクターを主人公とした5本のストーリーが群像劇的に並行展開される形になる。単純計算で所要時間は5倍だ。冒頭30分程の導入シーンも、5人分続けば単純計算で2時間半になってしまう。事実、本日のセッションでは2時間は経過しているのだが、事件の兆候はあるものの事件に直面しないままという状況になっていた

今日はゲームスペースで遊んでいた関係上、事実上のタイムリミットが存在し、最終的に事件の謎はほとんど解明されないまま途中でストーリーを閉じる事になった。探索者たちは謎が謎を呼ぶ状況に恐怖し、逃げ出したというエンディングである。

元々、ホラーなストーリーを作る事を目的に遊び、途中参加も途中退場もOKな非謎解きゲーム型という前提だったので、キーパー的には、謎が謎のまま放置されたホラーとして終わっても特に問題は無かったのだが、プレイヤーには消化不良感を残す形になってしまった様だ。

割り切り問題
実際の所、この遊び方でも、続きはまた来週なキャンペーン形式が出来るなら何ら問題はない。ただし、限られた時間内でやる場合は、時間が伸びすぎると強制エンディングとなってしまう。

導入が過ぎて一旦ホラーになってしまえば、どこで切ってもホラーなので、どこのタイミングで主人公が逃げ出してストーリーを終わらせようが、展開的には特に矛盾は無いのがポイントだ。ストーリーの完成度としては下がってしまうが、まぁ致し方は無い。当初の目的であったホラーなストーリーを作るという部分は達成できる訳である。

ただし、プレイヤー視点でみると、ホラー小説を読んでいたのに途中で打ち切られてしまった的な消化不良感はどうしても残ってしまう。これは、主人公に感情移入していればいるほど、そう感じてしまう物である。

解決策として、事前にストーリーを作る事が目的の遊びであって、謎解きだとかシナリオクリアだとかは度外視して欲しいと説明してみたのだが、RPGでプレイヤーにキャラに過度に感情移入するなというのは難しい注文なのかもしれない。特にキャラにハッピーエンドを迎えて欲しがるタイプのプレイヤーにはそうだろう。この辺りは何をストーリーに求めるかという部分にも関わるので難しい課題である。

時間問題の解決策
1つのシンプルな解決方法としては、プレイヤー人数を少なく設定するという方法がある。普通、TRPGでプレイヤー人数を1人か2人に制限する場合は、シナリオがイージーすぎるケースが多いが、このスタイルの場合は時間が長くなりすぎるので制限する形になる。

キャラクター中心のストーリーテリングとは、あくまで謎を解けるかどうかでは無く、謎に遭遇してそのキャラクターの人生がどう変化したかなので、参加人数で難易度がどうこう変化する訳ではない。セッションのタイムリミットがある場合は、人数が少ない方が綿密なストーリーにすることが出来るはずである。

謎解きゲーム型プレイヤーに対する課題
ストーリーテリング型における謎は、ホラーの為の謎なので、基本的に解くべきクイズとして設計された謎では無い。これは謎解き型の遊び方意識が抜けていないと、異常に不可解なクイズか、理不尽なクイズとして映るだろう。

ホラーの謎はあくまでストーリーの進行と共に明らかになっていく物なので、プレイヤーにはクイズ的な難易度は要求されない。だがしかし、勝手にクイズとして解こうとすれば超難問と早変わりするのである。謎そのものにこだわると、ストーリー展開も袋小路になる。

場荒らし型プレイヤーに対する課題
ストーリーテリングに全く興味が無く、変わった事を色々したいだけのプレイヤーというタイプも一定数存在する。主人公では無く、変わった脇役をやりたがるプレイヤーである。変わった事をやりたがる部分は、シミュレーション性とは相性が良いが、基本的に単体でのストーリー性は意味不明な物になりやすいのが難点だろうか。

そういった辺を踏まえると、ストーリーテリング型の遊び方は構造的な矛盾は少ないものの、かなりプレイヤーを選んでしまうのも事実だろう。
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by cemeteryprime | 2016-04-10 01:50 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】シナリオ構造の考察

タマネギ構造
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ルルブのキーパーガイドにもある様に、ホラーシナリオの基本はタマネギ構造である。自主的に謎めいたキーワード(例えばクトゥルフだとかルルイエだとか)、不可解なアーティファクト(誰が何の目的で作ったのか)、意味不能な超自然現象…等を追求する事でより深層へと到達する事が出来る。

シナリオを作成する際は、まずは表層から深層までを貫くコアになる謎を考える必要がある。表層における謎の形 (ちょっとした違和感や事件の予兆)を思いついたなら何が原因なのかを遡り、より深層(根源的な元凶である所の邪神等)までアイデアを掘り下げていくと良い。逆に深層における謎の形(どういった邪神を絡めるか等)を先に思いついたなら、逆算的に怪異のランクを下げてそこに至るまでに出くわす兆候の形を考える。クトゥルフだったら悪夢に悩む精神病患者が入り口になったり、ダゴンだったら奇妙な魚臭さだとか偽の黄金が入り口になるかもしれない。

基本的にはタマネギ構造のどこから着手しても問題は無く、全体像としてのタマネギ構造が把握でれば良い。

タワー構造
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タマネギ構造をよりイメージしやすい形にしてみたのがタワー構造である。基本的にはタマネギの外側-内側モデルを、高さによる表層-深層モデルに置き換えただけだ。

概要は図の通りである。地上から地下へと伸びるタワーがストーリーそのものの形を表現している。下のフロアへと続く階段は、ストーリーの最深部へと主人公を導く謎である。地上部はストーリーでいうと導入部であり、内部には非日常の世界に続く階段(謎)を内包しているが、あくまで日常世界に位置しているイメージだ。そこから主人公は自らの意志で下のフロアへと潜っていく形になる。冒険譚にするなら、地下に降りてまた地上(日常)に帰ってくる形にする必要があるが、ホラーなのでそのまま地下で野垂れ死んでも良い。ホラーにおける中心は、タワーそのものだからだ。

基本的にプレイヤーは下のフロアへと潜る動機を持ったキャラクターを送り込む事で、タワーを成長させ、ストーリーを作っていく形になる。タワーを攻略する為に人を送り込むのでは無く、タワーをより邪悪にする為に生け贄を送り込んでいるイメージが近いだろう。より恐ろしいストーリーに成長させるという事はそういう話だ。

フロアデザイン
フロアの違いは、怪異の根源への距離によって区別される。そしてキャンペーン形式を前提にしていて、各エピソードは各フロア単位で完結する。なのでエピソードの内容や結末がどうなってもタワー自体には支障は無いし、フロア内をどれだけ自由に行動しても、訳もわからず邪神の前に放り出される事はない。

各フロアで発見される、次のフロアへの階段を降りるか降りないかは、主人公に任される。タワーさえ掘り下げていけば良いので、同一の主人公を使い続ける必要は無い。主人公に下に降りる動機がなくなれば、新たに付け足すか、別の主人公を持ってくる形になる。

タワーの延長
ちなみに、見切り発車的に一旦セッションをスタートさせても、深層方向になら幾らでもシナリオは掘り下げていくことができる。先の事件に残された謎や、背景にある物を掘り下げれば次のエピソードのテーマは決まる。次へ掘り下げずに同じ層で、同じテーマの幾つかのエピソードを重ねるのもアリだ。
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by cemeteryprime | 2016-03-30 21:11 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】ラテン語

ウィキペディア
いまいち運用の仕方がピンとこない、ラテン語の立ち位置について適当にウィキペディアで調べてみた。以下、雑なコピペ抜粋。

古代
元々は古代ローマ共和国の公用語として広く普及した古代言語。ローマ帝国の公用語となったことにより、ヨーロッパ大陸の西部や南部、アフリカ大陸北部、アジアの一部といった広大な版図に伝播した。

ただしラテン語が支配的な地域はローマ帝国の西半分に限られ、東半分はギリシャ語が優勢な地域となっていた。やがてローマ帝国が東西に分裂し、ゲルマン民族の大移動によって西ローマ帝国が滅び西ヨーロッパの社会が大きく変動するのに従い、ラテン語は各地で変容していき、やがて各地の日常言語はラテン語と呼べるものではなくなり、ラテン語の流れをくんだロマンス諸語(イタリア語やフランス語、スペイン語、ポルトガル語など)が各地に成立していった。東ローマ帝国においても7世紀に公用語はギリシア語に転換された。

西ローマ帝国滅亡後もラテン語はローマ文化圏の古典文学を伝承する重要な役割を果たした。西ヨーロッパに相当する地域においてはローマ帝国滅亡後もローマ・カトリック教会の公用語となり、長らく文語の地位を保った。

中世
勢力を伸ばすキリスト教会を通してカトリック教会の公用語としてヨーロッパ各地へ広まり、祭祀宗教用語として使用された。ルネサンスを迎えると、自然科学・人文科学・哲学のための知識階級の言語となった。さらに、読書き主体の文献言語や学術用語として近世のヨーロッパまで発展・存続した。

中世においては公式文書や学術関係の書物の多くはラテン語(中世ラテン語、教会ラテン語)で記され、この慣習は現在でも残っている。例えば、生物の学名はラテン語を使用する規則になっているほか、元素の名前もラテン語がほとんどである。また法学においても、多くのローマ法の格言や法用語が残っている。19世紀までヨーロッパ各国の大学では学位論文をラテン語で書くことに定められていた。

近代
ヨーロッパではラテン語は長い間教会においても学問の世界においても標準的な言語として用いられてきたが、ルネサンスと共に古典古代の文化の見直しが行われ、古典期の文法・語彙を模範としたラテン語を用いようとする運動が人文主義者の間で強まった。これにより中世よりもむしろ「正しい」ラテン語が教育・記述されるようになる。共通化が進んだラテン語は、近代においても広く欧州知識人の公用語として用いられた。

現代
現在においてもラテン語の知識は一定の教養と格式を表すものであり、国や団体のモットーにラテン語を使用したり、記念碑などをラテン語で刻んだりする。欧州諸国では第二次世界大戦前までは中等教育課程でラテン語必修の場合が多かったが、現在では日本での「古典」「古文」ないし「漢文」に相当する科目として存在する程度である。

現在、ラテン語を公用語として採用している国はバチカン市国のみである。これは、現在でもラテン語がカトリック教会の正式な公用語に採用されているためであるが、そのバチカン市国でもラテン語が用いられるのは回勅などの公文書、コンクラーヴェの宣誓、「ウルビ・エト・オルビ」など典礼文などである。今日に至るまで数多くの作曲家がラテン語の典礼文に曲をつけており、クラシック音楽の中では主要な歌唱言語の1つになっている。ちなみに日常生活ではイタリア語が用いられる(バチカンはローマ市内にある)。

また各種学会・医学・自然科学・数学・哲学・工業技術など各専門知識分野では、世界共通の学名としてラテン語名を付けて公表する伝統があり、新発見をラテン語の学術論文として発表するなど、根強く用いられ続けている。

現代医学においても、解剖学用語は基本的にラテン語である。そのため、日本解剖学会により刊行されている『解剖学用語』も基本的にはラテン語である(ラテン語一言語主義)。ただし、臨床の場面では、医師が患者に自国語で病状説明をするのが当然であるため、各国ともラテン語の他に自国語の解剖学専門用語が存在する(ラテン語・自国語の二言語主義)。近年では、医学系の学会や学術誌の最高峰が英語圏に集中するようになったため、英語の解剖学用語の重要性が上がった。日本では、ラテン語(基本)・英語(学会用)・日本語(臨床現場用)の三言語併記の解剖学書も増えている(ラテン語・英語・自国語の三言語主義)。
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by cemeteryprime | 2016-03-22 20:14 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

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