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【クトゥルフ神話TRPG】NPCを肉盾にする

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 クトゥルフ神話TRPGで中途半端な経験者がやりがちな、NPCを盾とする行為。キーパーが認める認めない以前に、この行為はRPGとして下手糞なプレイである。どういう点において下手なプレイであり、どうするのがベターなのかについて記事にしてみた。

そもそもの間違い
 まず大前提としてこれをやるプレイヤーはTRPGをゲーム的な遊びだと考えているパターンが多い。ゲームであれば、出来るだけ有利にプレイを進めたいという思考は判らなくも無い。負けない為に全力で手を尽くすべきである。

 しかし、TRPGという遊びにはそもそもプレイヤーの勝ちも負けも存在しない。有利も不利も無いのである。また、TRPGはキャラを死なせない事が目的の遊びだろうか?現実世界であれば、死なない為に生きるというのはある種の真理であり、人生の目的かもしれないがTRPGはそういう遊びでは無い。TRPGの目的はストーリーを発生させて楽しむ事である。主人公がNPCの影に隠れてこそこそ生きながらえるだけのプレイは、ストーリーを面白くするという目的から考えれば明確に下策である。便利な呪文や道具は探索者の活躍の機会を奪ってしまうという注意点はルールブックに明記されている通りだが、便利なNPCも同じである。

 RPG的なバランスでは無く、ゲーム的なバランスで遊びたいという場合であれば、盾となるNPCやアイテムなどリソースを入手する際に何らかの対価を設定した方が良い。無条件で有利になれる選択肢が存在しているゲームなんて普通は存在しない。あったとすれば、そればゲームバランスの崩壊した糞ゲーであるといえる。

NPCを盾にしたい場面
 探索者の活躍の機会が減り、ストーリーが面白く無くなるのであればNPCの使用は控えるべきだが、逆にそれで探索者のストーリーが面白くなるのであればNPCはどんどん活用すべきである。

 例えば、外道な探索者であることを表現したいのであれば、冷酷にNPCを盾に使うという演出はなかなか効果的である。悲劇を演出したいのであれば、恋人や親友等のNPCが探索者の盾となって目の前で死亡するというのも良さ気である。死なせなくても、病院送りになるだけで探索者と敵の因縁は深まるはずである。

 この様にNPCは有利不利という基準では無く、演出として活用するのがストーリーを盛り上げる上で有効である。勿論こうした演出は、キーパーと上手く連携しなければ成立しないので、思いついた場合は事前に提案しておく必要がある。

巻き込まれやすいNPC
 ストーリーの流れ的に肉盾になってしまいやすいNPCという物は存在する。警官である。特にシティシナリオの場合、事件を通報されれば警官が現場に出動しない方が不自然になる展開は時折発生する。

 警察を極端に無能にしたり、不親切にするという手段はリアリティを損なうか、警察にあらぬ疑惑を与えるだけなので下策である。キーパーは気をつけよう。警察には頼らないで欲しいとプレイヤーに直接指示するというのはそれよりはマシであるが、上策では無い。舞台を電波も届かないど田舎の山奥だとか孤島にしたり、閉鎖空間にして物理的に警察が介入出来なくしてしまうのは、それなりに意味のある手段である。ホラーにはもっとベターな方法がある。事件化させない事だ。

 背後に神話的存在が関与してようがしていまいが、殺人事件にしてしまえば警察は否応無く捜査せざるを得ない。同じ死人が出るにしても、交通事故だとか転落事故的な死に方であれば、警察が積極的に捜査を続けない理由にはなる。

 もっともスマートな方法は、死体を出さない事である。せめて失踪に留めておこう。幸い、クトゥルフ神話TRPGはミステリーでは無くホラーなので、惨殺死体が探索者の目の前で跡形も無く消失したって構わないのである。他にも発狂させたり、謎の昏睡状態に陥ったりと、事件化しない形で犠牲者を登場させる手法は無数に存在する。警察がまともに相手にしてくれない被害妄想と紙一重な内容であれば、探索者も通報を思いとどまるはずである。

基本姿勢
 …以上が、プレイヤーがNPCを肉盾として扱うのが宜しく無い理由である。TRPGに肉盾を禁止するルールなど特には無いが、その理由はここまで読めばすでに理解出来ているはずだ。プレイヤーのモラルよりも、RPGという遊びに対する理解度の問題であると考えるのがベターである。単に禁止するのでは無く、駄目な理由をきちんと説明してやれば遊び方に対する理解度も深まってよりよいTRPG環境が作れるはずだ。
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by cemeteryprime | 2015-06-29 00:25 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG考察】RPGとセッション

TRPGがどういう遊びなのかを捉えやすくする為のベン図を考案してみた。TRPGを理解するには、RPGであるという点と同時に、セッションであるという点がかなり重要では無いだろうかという記事である。

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by cemeteryprime | 2015-06-27 10:15 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】魔術の運用

CoCにおける魔術は運用ルールがはっきり言って面倒くさい。セッション動画やリプレイでもまともにルールブック通りに運用している人はあまり見かけない。ただ、よくよく読み込んでみると、これらの運用ルールは魔術が魔術たる由縁というか、厄介かつ邪悪な代物である事をリアルに表現している事に気付ける。こうした要素を無視して、単なるチートとして魔術を運用してしまうと勿体無いと言わざるを得ないのではなかろうか。今回は、ちょっとリプレイ風に魔術の運用をシミュレートしてみた記事になっている。

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探索者
 主人公の名前は花塀織多(はなべい・おるた)。ハーベイ・ウォルターズの捻りの無いもじりである。データは、幾つか前の探索者作成工程のリプレイ記事で作ってみた物をそのまま流用している。新興宗教団体の職員として働く24歳の気弱な若者だ。

これまでのあらすじ
 ある日、花塀は地元で不動産業を営む信者から、購入した屋敷で発生する心霊現象について調べて欲しいという相談を受ける。NOと言えない気弱な花塀は、怯えながらも問題の屋敷を調べる。ポルターガイスト現象に見舞われたりするものの、その辺りは割愛。屋敷の物置を調べていると一冊の古い手記を発見した。

古びた手記
 手記は外国語で書かれていた。知識ロールの判定結果は[51]。花塀の知識は45しか無かったので失敗である。花塀は手記の内容どころか何語で書かれているのかすら判別が付かなかった。

 仕方無く、花塀は幾らか海外経験もある同僚を頼ることにした。同僚は花塀の無学っぷりに呆れなが手記が英語であると教えてくれた。花塀はついでにどういう内容が書かれているかを代わりに読んで教えて貰えないか聞いてみた。しかし、手記は手描きで読みにくいので数時間はかかる作業になると思われたので同僚には断られてしまった。

手記の斜め読み
 気が弱く交渉が苦手な花塀はそのまま引き下がり、図書館で英語の辞書を片手に手記と格闘することにした。手記は全部で50ページ。英語が読める場合は5時間もあれば斜め読み可能であるが、花塀の場合は全く英語ができず辞書片手の作業となる為に倍の10時間は必要となる。一度に困難を覚えずに斜め読み出来る時間は5時間である。花塀は苦戦しながら2日間かけて手記の斜め読みを終えた。

手記の概要
 手記はかつて屋敷に住んでいた外国人が残した魔術の研究ノートである事が分かった。ノートには『必中の投擲』『刀身に霊力を込める』『卜占』というタイトルの魔術について記されている事も分かった。ただし斜め読みなので、呪文の名前と手記の概要しか判らない。

呪文の習得
 手記の内容を研究しようと思えば、最低でも2D6週間は掛かる。英語が読めない花塀の場合であれば倍の4D6週間は掛かるはずである。今回の依頼は1週間後という期限付きであったので、花塀はとりあえず魔術の実践方法について書かれたページだけコピーを取ることにした。

 卜占に関してはクトゥルフ神話の魔術というよりは、オカルト的な魔術の要素が強いのでオカルト技能でも幾らか内容については推測出来そうである。判定の結果は[48]。残念ならが花塀のオカルト技能は45しか無かったので、卜占の効果については何の心当たりも無かった。

卜占
 どうすれば屋敷で起こる心霊現象を解決出来るのか判らない花塀は、とりあえず内容を理解しないままに『卜占』の魔術を手順通り試してみることにした。呪文ロールの結果は[73]。INT×1%の数値13を大幅に超える結果となったので、呪文は何も起こらず失敗に終わった。具体的には花塀は紅茶占いを試みたのだが、何も読み取れずに終わった。やってみた手法が正しいのかもイマイチ確信が持てない。

刀身に霊力を込める
 卜占が不発に終わった花塀は、幽霊が出た時に何かしらの効果がある事を期待して『刀身に霊力を込める』魔術も試してみることにした。呪文ロールの結果は[37]である。成功目標であるINT*1%は越えてしまったが、幸か不幸かINT*3%の39以下に収まる結果となった。この場合、呪文自体は失敗だが魔術めいた何らかの予期しない効果が発動する事になる。

 もっと酷い事が起こっても良いのだが、今回は刀身がまるでライトセーバーの様に数秒間青白い光を放つという効果に留まった。魔術は失敗に終わったのだが、この魔術の効果は、霊体を斬りつけられる様になるという物なので実際に使ってみるまで花塀には確認しようがない。

 この魔術の為に花塀はSIZが10以上の動物の血と、POW1ポイントと、1D4の正気度を捧げた。POWが下がった事で、元々低かった花塀の正気度は20に低下した。更に1D4の結果として2ポイントの正気度を失う。刀身が発光するという明らかに魔術めいた現象を目撃した花塀は、包丁に何らかの霊力が宿ったと確信し、再び幽霊屋敷へと向かう。

幽霊との遭遇
 幽霊屋敷を探索していた花塀は恐ろしい老婆のゴーストと対面してしまう。正気度判定の結果は[08]。正気度が18しかない花塀にとっては奇跡的な結果である。花塀は自分を頼ってくれた依頼人の期待に答えようと勇気を振り絞り恐怖に打ち勝ったようだ。花塀は包丁で、老婆の幽霊に斬りかかる。しかし、刀身はすり抜けかけたはずの魔術は何の効果も無かったと判明する。絶体絶命の窮地に陥った花塀の運命や如何に!?

シナリオフックとしての魔術
 やってみて思ったのが、CoCにおける魔術は便利な能力や攻撃手段では無く、1つ1つがシナリオフック要素なのでは無いだろうかという事である。魔導書を発見し、研究して、儀式などの準備を整え、実践してみて成功か失敗かの結果を受け止めるという工程をたどると、ハッキリとそこだけで1つのホラー的なストーリーが形成される。今回は省略したが、刀身に霊力を込める魔術の過程で必要になるSIZ10以上の動物の血という部分だけでも、入手には幾らかの困難とホラーが予想される。習得しないまま魔術を実践してみる際のルールはハッキリ言って面白い。特にパルプンテ的な中途半端な魔術暴走ルールは、事態をより悪化させ面白い物にするポテンシャルがありそうだ。

 何より魔術が正しく発動するかどうか判らない方が、スリリングで面白い。所詮は魔術である。人間が頼るべきものでは無いのだ。それに霊力の宿った包丁で斬りつけて格好良く悪霊退治するよりも、血みどろの儀式をした割に意味が無かった事が幽霊に斬りかかった後に判明する方が断然ホラーっぽくて良い。
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by cemeteryprime | 2015-06-22 10:43 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【映画感想】予告犯

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映画として
 冒頭に出るWOWOWの表示の時点でTVドラマの映画版かな?みたいな感じはするんだけど、実際に演出はあまり映画的では無い。何でもかんでもセリフで過剰に説明したり、演出もちょっとクドかったり。なので映画的な感動や面白さがあるかと聞かれれば、正直ちょっと微妙な所だ。期待しないで良い。

 そんな感じでストーリーテリングは微妙なのだが、ストーリーのテーマ自体はなかなか面白い。確かにこのテーマは映画では表現し難いのでは?という気はする。ただそれ故に、やむを得ず説明過多なテレビ的表現になってしまったのだとすると、ちょっと力不足感は否めない。

 ただし、丁寧にテーマを描いているという点では個人的には好感は持てた。最初から最後までテーマをブレずに一貫させているので、テーマ性とストーリー性は維持されていたと感じる。映画的な面白さには溢れていたが、脚本が糞過ぎてテーマ性だとかストーリー性を崩壊させていた『映画:新宿スワン』とは真逆な作品である。

テーマ性
 映画ポスターには、『正義か?悪か?』みたいな煽り文句が書いてあるんだけど、劇中では明確にその辺りのギミックは表層的なフェイクとして扱われている。この映画が本当に描いているのは、現代的な弱者の姿であり、悲劇性である。経済的にも社会的にも這い上がれず、尊厳まで踏みにじられて生まれた弱者が、ある種の最早一般人には理解できないレベルの異形として描かれている。

 このストーリーの面白さは弱い人間そのものをテーマに描いている事だろう。主人公の弱さ"も"描いた作品や、弱さを肯定する様な作品は珍しくもないが、ここまで弱さを一種の異形として前面的に描いた作品はなかなか無いのではなかろうか。少なくとも個人的には新鮮に感じた。

異形としての弱者
 この映画に登場する弱者は、基本的には理解不能な存在として描かれている。主人公や、主人公を庇って警察に逮捕されるバイト店員なんかがそうだ。彼らは自己犠牲じみた行動を見せる。その動機はヒロイックな物では無く、少しでも誰かの為に役立てるなら…という切実な承認欲求に近いものである。自己犠牲は本来であれば究極の利他的な選択であるはずが、彼らの場合は犠牲にする自己が恐ろしく軽いのだ。

 また、彼らは生まれつき特殊な人達では無いのもポイントである。かつては一般人だったのだ。同じ一般人に追い詰められ望まず異形と化した存在である点は只々悲しい。

主人公
 普通の映画における弱者的な立場は、むしろこれから逆転する為のカタルシスの布石である。この映画の場合は違う。ある程度、観客には理解しやすい様にヒロイックに共感しやすく描かれているが少なくとも劇中では最後まで主人公は理解されない異形として描いている。一番の理解者に見える一般人サイド代表の戸田恵梨香が演じる刑事を観ていればその辺りは良く分かる。同情はしてくれるが、理解はしてもらないのである。

 主人公は文字通り命がけで世間を騒がせるような大事件を起こすのだが、その理由は驚くほどに詰まらない物である。何故そんな事の為に、命まで捨てて行動できたのかは一般人には理解不能なのだが、理解不能であればあるほど主人公にとって自分の命の価値が低かったという話でもあり悲劇なのである。

 おそらく主人公はシンブンシのメンバーの中でも、飛び抜けて弱い人間だったのでは無いだろうか。タコ部屋での何が欲しいか語る場面でもそれは現れている。他のメンバーがある程度前向きな夢を持っているのに対して、主人公が欲しいのは友達だ。タコ部屋で主人公はそれらしきモノと出会い、事件を通じて念願の仲間を手に入れている。主人公は弱いからこそ死ぬ前に何か一つくらい誰かの為に何かを成し遂げたくてああいう行動に出たのでは無いだろうか。可哀想な死んだ友人の為にという目的を手に入れたのである。最後に自分だけ死んだのも、ヒロイックな行動では無くある種の弱さだと考えれば理解しやすい。実際、あの計画は主人公の計画である。主人公は計画を通じて、念願の友達と達成感を入手している。また、主人公には自分の計画に仲間を道連れにするほどの強い人間では無かったのだろう。

良かった点
 唯一の救いと感じたのは、主人公の行動が少なくとも行動を共にした仲間にとっての救済となった事である。彼らは主人公という犠牲を受け止め、人間的な尊厳の重みを取り戻した様に思える。希望的観測かもしれないが。

 シーンとして好きなのは、メタボという名前のキャラがタコ部屋のオーナーをぶん殴る場面だ。一番、オーナーに怯えて従順だったメタボが真っ先にブチ切れるあのシーンがあるだけでキャラの厚みが全然違って来る。方言が出るところもなかなか良いギミックである。

 凄いどうでも良いけど個人的に印象に残っているシーンとしては、栄養ドリンクの運搬車を茶番で足止めするシーン。シーンがどうとかいうより、単にロケ地が前に住んでた所のすぐ裏くらいの場所だったので見覚えがありまくりで印象に残っただけなのだが。映像的にはうつってないけど確か人材派遣会社の前あたりの道路じゃないかなとか。あの道を歩いてスーパーマルエツに行っていた思い出(どうでもいい)。
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by cemeteryprime | 2015-06-21 23:54 | 作品・感想 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】能力値に関して 後編

 キーパーが説明を省略しがちではあるが、地味に重要な基本事項についての参考用記事。初心者プレイヤーは押さえて損は無いはず。詳しく知りたければ基本ルールブックを買って読もう。

POW(パワー)
 精神力を表す数値。意志の強さや、集中力の高さを表現していると考えても良い。POWが高いと何事にも動じない精神力や、忍耐力、執念深さを持っていると考えられる。性格としては自信に溢れた我の強い人物になる傾向がありそうだ。逆にPOWが低いと気が弱く、動揺しやすいイメージだ。集中力も低いと考えれば飽きっぽい投げ出しやすい性格かもしれない。意志が弱ければ、誘惑に弱く他人に追従しがちな性格になるかもしれない。ちなみにゾンビはPOWが0である。INTが高くてPOWが低ければ、好奇心は旺盛だがどれも長続きがしない性格かもしれない。INTが低くてPOWが高ければ、偏屈な頑固親父みたい性格かもしれない。

 意志の強さや弱さは、探索者がどう行動するかに影響するはずだ。意志が強ければ、ちょっとやそっとの障害でも諦めずに立ち向かっていくだろう。弱ければあっさりと逃げ出すかもしれないが、自分の意志が弱ければ簡単に説得されてしまうかもしれない。

DEX(デクステリティ)
 器用さや敏捷性を表す数値。身体の操作性といったイメージなので、足の早さというよりは運動神経がニュアンス的に近いはずである。運動選手であれば、確実にDEXは必要とされるはずである。DEXが低いと不器用でドン臭いイメージなので、反射神経が問われるような仕事には向いて無さそうである。

 手先の器用さが必要になる仕事でも、スピードが要求されない仕事の場合はDEXは低くても成立するかもしれない。その場合はどちらかと言えば根気強さとしてPOWが高い必要があるかもしれない。

APP(アピアランス)
 外見の印象を表す数値。容貌も含まれるが、初対面の相手にどの程度の好感や嫌悪感を与える外見をしているかと考えたほうがイメージは広がりやすい。顔はそれなりにイケメンでも、病的な体型だったり、不気味な声色をしていたり、全身に不気味な刺青を入れていたりすればAPPは低そうだ。逆に顔は整っていなくても、何となく好感を与えるタイプであればAPPは低くないはずである。極端な体型をしているのにAPPが高い場合は、笑顔が素敵だとか、美声であるとか、何か人に好感を与える要素を持っているはずなのでその辺りを色々と考えてみると面白いかもしれない。APPが最低値であれば、単に不細工という以上に、見ているだけで不愉快で殴りたくなるレベルの要素を持っているはずだ。

 APPが極端に高い人や、低い人はどういう職業を選ぶだろうか。人に嫌悪感を与えるレベルの人物であれば、接客業などの対面仕事にはなかなか雇って貰えないはずだ。逆にAPPが高ければそうした分野で活躍出来そうだし、極端に高ければアイドルや教祖といった個人的なカリスマ性が求められる仕事でも活躍出来るかもしれない。またそうした容貌は生き方にも影響を与えるはずだ。ホラーの場合、見た目は不気味だが実はいい人だったみたいなキャラは多い。苦労してきた分だけ他人に優しいかもしれないし、恨んでいるかも知れない。

EDU(エデュケーション)
 知識量や教育レベルを表す数値。基本的には通学年数と考えて良い。最低値は6なので、少なくとも小学校は卒業している計算になる。高校まで卒業しているなら12はあって然るべきだが、学校には通っていてもまともに勉強していないのであれば、年齢は19歳でも知識量は小卒レベルという事もありうる。EDUはその探索者が実際にどの程度の学識があるかを示す数値なので、先に述べた様に大卒だが実際は中卒レベルの知識しか無いというのもアリである。この辺りは性格的な部分との整合性を取りながら考えるべきだろう。

 EDUは高いのにINTは低いという、学歴は高いが頭は悪いタイプというのもありうる。INTが低ければそもそも勉強嫌いな可能性が高いので、学校を中退したり授業を聞かずに頭に入っていないという可能性もあるだろう。探索者の最低年齢はEDU+6で計算するので、大学院生並みの知識を持つ中学生みたいな特殊な探索者は作れない仕様になっている。あくまで探索者は一般人の範囲内である。

SAN(サニティ)
正気度の初期値を表す数値。POWから算出する値。あくまで正気度の初期値を表しているだけなので、正気度自体はSANよりも上昇したりする。
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by cemeteryprime | 2015-06-16 22:19 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】能力値に関して 前編

キーパーが説明を省略しがちではあるが、地味に重要な基本事項についての参考用記事。初心者プレイヤーは押さえて損は無いはず。詳しく知りたければ基本ルールブックを買って読もう。

STR(ストレングス)
 筋力を表す数値。基本的には平均値11.5との比較で相対的に強いか弱いかをイメージする感じで良い。STRが直接反映されるのは、主に重い物を持ち上げたり、投げたり、担いだりといった場面である。攻撃力に関してはSTRだけでは無く、SIZ(体格)も反映される。

 具体的な参考値が出ているSIZと比較することで、STRに関しても具体的なイメージは掴める。STR=SIZの場合、自分の体重と同じ重さの物を持ち上げるのに50%の確率で失敗する事になる。これを懸垂が出来るか出来ないかみたいなイメージで捉えれば、何となくの筋力が掴めるはずだ。

CON(コンスティチューション)
 健康度やスタミナを表す数値。窒息、毒、病気、疲労といった負荷にどこまで耐えれるかという判定に使ったりする。HPやライフといった耐久力に関してはCONだけでは無く、SIZ(体格)も反映される。

 CONが平均値以上なら、基本的に体は健康的なはずである。数値が18に近ければ、極めてタフであり、アスリート級にスタミナが鍛えられていると捉えることが出来る。最大値18だとスタミナ強化の為に筋肉の上に脂肪の鎧を纏っているレベルでは無かろうか。そのレベルだと、職業や趣味で何かしら体を鍛えている要素を持っていてもおかしくは無い。CONが平均以下であれば、運動嫌いでスタミナが無かったり、不健康だったり、痩せ型だったり、レベルによっては何かしらの持病を抱えているかもしれない。

SIZ(サイズ)
 背丈や体重をひっくるめた体格を表す数値。ルルブには具体的な重量との比較表があるので、参考にするとイメージが掴みやすい。
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表を見ると判るが最低値のSIZ8でも50~55kgである。これは基本的にアメリカ人を基準にしているからだと思われる。最大値18は体重にして約120~130kg程度だ。身長190~200cmの総合格闘家くらいのイメージだ。相撲取りレベルだと余裕で200kgを超えてたりもするので、SIZ8~SIZ18はアメリカ基準のそこそこ一般人レベルでの範囲と言える。

 標準体重の計算方法なんかを参考にすれば、体重から逆算的に標準体型だった場合の身長なんかは割り出せる。CONが平均以下なら痩せている可能性もあるので、その場合は標準よりも身長は高くなるかもしてない。DEXが平均以下で鈍そうな印象があるなら、太っているかもしてない。その場合は、標準よりも身長は低くなるだろう。他のステータス値と合わせて考えてみると、より身長と体重のイメージは立体的になる。

INT(インテリジェンス)
 知性を表す数値。INTが高ければ、アイデアが閃きやすく、物覚えも良いはずだ。低いと物覚えが悪く、察しも悪い人物である可能性が高い。知性の高さは好奇心の強さや、想像力の高さ、推理力の高さ、状況判断能力に通じる。一般常識では測れない恐ろしい事実に最初に気付くのは、想像力に優れた人物である。

 INTが低いということは、馬鹿というよりは、素早い状況判断が苦手で、物覚えが悪く、想像力に乏しいというイメージだろうか。機転が効かないと捉えるなら、空気が読めなかったり、状況の先読みが出来なかったりするのでバカというよりは、ちょっとボケていたり、間抜けなイメージがあるかもしれない。偏見に凝り固まった人物なども、あまりINTは高くないだろう。

 こうした要素は確実に職業選択にも影響するはずである。好奇心が強く、閃きがあり、思考を得意とする人物はどういう職業を選ぶだろうか。逆に勉強したり、状況判断が苦手な人物であればどういう仕事を選ぶだろうか。勿論、身体的な特徴も影響するはずなので、その辺りも踏まえて考えよう


長くなったので後編に続く。
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by cemeteryprime | 2015-06-15 16:52 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】キャラ作成のイメージ

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 急いでいる時だと端折りがちな探索者の作成に関して、丁寧にやると多分こんな感じになるという自戒の意味も込めた記事。ルルブにも具体的な探索者を作成する際の工程イメージは書いてあるので参考にしよう。クトゥルフ神話TRPGにおける探索者作成は数値を振るだけなら15分もあれば十分なのだが、まともにロールプレイをしたいならキャラデータのイメージはきちんと把握しておいた方が良い。

SIZ、STR、CON 、DEX、APP
 SIZ11は体重でいうと約65~70kg。標準体型だとすれば身長は170~175cm位だろうか。STR7はSIZ11との対抗ロールだと30%しか無い。具体的なイメージとしては、懸垂がもしかしたら1回は出来るかも程度の筋力という感じだ。病的なレベルとまではいかないが、肉体労働には向いて無さそうだ。

 CONは13とSIZ値と比較してそこそこ高い。少なくとも不健康だったり、虚弱に痩せていたりは無さそうだ。DEX14は明確な基準は無いが、なかなか高い。CONと合わせて考えれば、体を動かす事自体は苦手では無さそうである。DEXの高さを考えれば、太っていたりも無さそうだ。APPは10とほぼ平均である。特に魅力も無いが、不快感も無いという中途半端な感じだろう。

 まとめると、外見は身長170cm~175cmの標準体型。容姿は限りなく平凡。それなりに機敏でスタミナもあるので、歩きまわる様な仕事はしているかもしれないが、腕力は無いので肉体労働者という感じは無い。身体的な特徴としてはこんな所だろうか。

POW、INT、EDU
 POW5という数値はかなり低い。優柔不断で恐ろしく気の弱い性格をしているはずである。ビビリなので、あまり精神的にハードな仕事には付いて無さそうだ。集中力もあまり無いかもしれない。

 INT13は平均より高いので、頭は悪くないはずだ。EDUは通学年数とほぼイコールで考えられるので、8の場合だと中学校を中退しているレベルである。学歴はシナリオの舞台にもよるが、現代日本シナリオであれば、何か事情があったとしか思えない数値だ。

 CONから考えて、病気で通学出来なかったという事は無いだろう。貧乏過ぎてバイトに精を出し、あまり授業を聞いていなかったという可能性はある。POW5の設定を活かすのであれば、気が弱くてイジメにあい不登校になっていたというのはどうだろうか。そこそこ背は高い方であるが、中学校時代はまだ背が低かったのかもしれない。

年齢
 EDU8なので最低年齢は14歳である。中学生にしては身長がデカすぎる気もするし、探索者としての行動しやすさを考えれば18~20歳くらいが妥当では無いだろうか。未成年だと探索がし難い場面も多かろう。この辺りは、シナリオと合わせて考えるのがベターである。技能などを考える上でも未成年だと職業技能を考えにくいという問題もある。年齢に+10歳することで、EDUに+1出来るという選択ルールが存在するので、此処では年齢を24歳にしておこう。修正値によりEDUは9になる。

職業
 出来ることなら、これまでに設定した身体的特徴や性格、学歴などの事情にあった職業を選びたい所である。ルルブの職業サンプルから選ぶなら、この探索者の場合は放浪者や聖職者なんかはどうだろうか。歩きまわってそうだし、腕力は必要無さそうだ。この探索者の一番の特徴は、POWの低さだ。POWが低いということは、幸運も低いはずだ。あまりの気の弱さからどこかの新興宗教に引っかかり、聖職者見習いとして教団で働いている感じにしておこう。今回はサンプル職業の中から無理やり選んでみたが、サンプルはあくまでサンプルなので、適当に職業を自作しても問題はない。新興宗教団体とまではいかなくても、胡散臭いNGO団体の見習い職員とかでもいいかもしれない。

技能値
 この探索者の場合、職業技能ポイントは160しかないので逆に割り振りやすい。性格的に臆病だろうから聞き耳に+40%、相手の顔色を伺う為に心理学に+60%、宗教関連の基礎知識として歴史に+40%、教団関係の事務経験で経理に+20%、なんて感じはどうだろうか。

 興味として振れるポイントは130ある。不登校の時期があったはずなので引き篭もってネットサーフィンをしまくっていたという事で図書館に+40%、ビビリ故に迷信深いという事でオカルトに+40%、そこそこ体を動かすことが得意そうな身体的イメージを活かして山歩きが趣味という感じでナビゲートに+30%と博物学に+20%しておこう。入信している宗教と絡めるなら、教団のほうもエコだとか緑だとかが大好きな感じの団体かもしれない。取り敢えずこれで、探索者は完成である。駄目そうではあるが、人畜無害な感じの新興宗教団体の職員だ。

ロールプレイ
 こんな感じで探索者を組み立てていけば、何が得意でどういう行動をとるキャラなのかは掴みやすい。ロールプレイングゲームにおいて、キャラクターと数値のイメージが合致しているに越したことはない。

 この探索者は能力的には貧弱であるけれど、基本的に頼まれたり命令されるとNOと言えない性格をしてそうなのでキーパー的にもシナリオには絡めやすそうだ。腕力が弱くて、気が弱いという特徴もホラーの主人公としてはむしろベターである。プレイヤーとしては、気が弱いがそれでも勇気を振り絞って何かに立ち向かったり、何かをやり遂げる様なストーリーを目指したいが、あまりの恐ろしさにみっともなく発狂してもそれはそれでOKである。何故なら、クトゥルフ神話TRPGだからだ。これで、この探索者でどういうロールプレイを目指すかの指針も出来た。後は、ダイスロールの結果を楽しむだけである。
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by cemeteryprime | 2015-06-14 21:21 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】戦闘ルールに関して

クトゥルフ神話TRPGにおける戦闘の扱いと、実はシンプルなのだがルルブの記述が判り難いせいかハウスルールが溢れてキーパー毎に全然別物になっている感のある戦闘ルールに関しての記事。

ゲームに非ず
 クトゥルフ神話TRPGの戦闘ルールを正確に理解する為の第一歩は、ゲームでは無いと理解する事だ。この戦闘ルールは、攻撃方法を工夫して勝利を目指すゲームの為に作られたのでは無く、リアルな戦闘シーンを表現する為に作られたシステムなのである。

 例えば、体重50kgくらいの痩せた男(SIZ8、STR8、CON8)が体重120kgの巨漢(STR18、STR16、CON16)と殴り合いをした場合、当たりどころが悪ければ巨漢のパンチ一撃でSIZ8の男は死んでしまう。一方でSIZ8の男のパンチは、最高に当たりどころが良くても6発は殴らないと巨漢を倒せない程度の威力しか無い。クトゥルフ神話TRPGにおいては、現実と同じレベルで小柄な男が巨漢に殴りかかるのは自殺行為に等しいのである。もっと巨大なモンスターの場合は言うまでも無い。

 このシステムが表現しているのは、リアリティである。ゲームとして楽しいバランスでは無い。ゲームとして楽しいバランスというのは工夫次第で何とか勝利が出来るバランスである。探索者が小柄な男である以上、巨漢に襲われれば逃げるのが唯一の正解であり、常識的な反応なのだ。

補足:ホラーとリアリティ
 何故ゲーム性よりもリアリティの再現を優先したシステムになっているかと言うと、これはホラーTRPGだからである。ホラーとは人間の恐怖だ。リアリティの無い世界に恐怖など発生しないのである。中学生レベルの小柄な男がプロレスラー的な巨漢を一方的にボコボコに出来るラノベ的な世界であれば、もっと巨大なモンスターをボコボコに出来てもおかしくは無い。そうなると、最早このモンスターはホラーとして成立出来ないのである。リアリティが成立しているからこそ、巨漢が襲ってくると怖いし、モンスターならもっと怖いのだ。

1ラウンドのイメージ
 1ラウンドは全体で、数秒~12秒程度である。このイメージがあるか無いかで戦闘ルールの理解度は全然異なってくるはずなので、まずはこれを念頭においておこう。これがイメージ出来ていれば、キーパーの処理的にはDEXが高いキャラから順番に行動を処理していく形になっていても、シーンとしては全員がほぼ同時に行動をしているというイメージが掴めるはずである。

 敵を殴ってから敵に殴り返されているというシーンでは無く、同時に殴りかかってどちらのパンチが先に入ったかをDEX順に処理していると理解しよう。だからこそ戦闘に参加している人数に関係なく、1ラウンド全体が僅か数秒に収まるのである。

 武器の射程などを確認すればより判り易い。近接戦武器の場合は射程はタッチである。殴りかかっている時点で相手は目と鼻の先にいると考えるべきだろう。根性比べ無い限り、殴られてから殴り返すという光景は発生しない。同時に行動しているからこそ、結果の処理は常にDEX順なのである。

1ラウンドに出来ること
 基本的に探索者は1ラウンドに1つの行動しか出来ないと考えておこう。攻撃なら攻撃だけ。受け流しなら受け流しだけである。基本的に同時に複数の事は出来ないものなのだ。

 ドラクエ等のコンピューターRPGの戦闘シークエンスを思い出してみれば戦闘処理はより判りやすくなる。ターン制のコンピューターRPGでは基本的にプレイヤーはターン開始時にパーティ全員分の行動を入力し、その後DEX順に行動結果が処理されていく。それ故に殴る予定だったキャラが既に死んでいたりして攻撃が空振ったりもする。また、ターンの途中で慌てて攻撃を止めて回復に切り替えるなんて事も不可能である。

例外パターン
 刀剣に関しては、同じラウンドに攻撃と受け流しが出来る。これは、2回の行動ができるというよりは攻防一体の1回の剣術アクションと考えるのが自然である。フェンシングでは相手の剣先を弾きつつ斬りかかるという攻撃を行うが、あれは攻撃と受け流しをほぼ同時にやっていると理解出来る。刀剣にしかこのルールが適用されていない点からも、剣術ルールと捉えるべきだろう。

 受け流しに関しては、同じラウンドに回避と両立が出来る。これはシーン的にイメージすれば判り易いが、受け流しは予備動作としては武器を構えて相手の攻撃に備えるだけである。回避に関しても特に予備動作は必要がない。それ故に、受け流しからの回避や、回避から事前に備えていた攻撃を武器でガードしたりはほぼ同時に出来てもおかしくは無いと考えられる。

 一方で、攻撃は回避と両立出来ない。バットなどを想像すれば判り易いが、攻撃の場合は対象に向かって武器を振りかぶって殴りかかっていくような大きな予備動作が必要になる。バットをフルスイングしている途中で、咄嗟の攻撃に飛び退いたりすれば攻撃はキャンセルされるはずだ。

その他の技能
 ルルブにも技能の所要時間は勝手に決めたら良いという事になっている。戦闘ラウンド中に技能を使用する場合は、よりシーン的なイメージが重要になるはずである。

 怪我の治療などの複雑な動作が必要になる行動であれば数ラウンドが必要になると考えられる。何故なら手榴弾のピンを外して投げるアクションですら2ラウンドかかるのである。一方で、治療では無く気絶状態から回復させる様な活を入れる程度の応急手当なら1ラウンドで可能かもしれない。

 基本的に時間が掛かかりそうな技能であれば、戦闘から離れた位置でやれば良い。何もパンチやキックが届く位置で、ジャムった銃の修理や、治療行為に及ぶ必要は無いのである。

原則
 基本的にクトゥルフ神話TRPGの戦闘ルールは、ゲームルール的な読み方をすると不完全な部分が多い。だが、どういうシーンを再現しようとしたシステムなのかを考えると比較的理解しやすい。単なる数値のやり取りにならない、面白いシーンが発生する戦闘ラウンドを工夫してみよう。
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by cemeteryprime | 2015-06-13 12:59 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】受け流し

今回の記事は受け流しに関する考察。

受け流し
 受け流しは、刃物と素手(パンチ、キック、頭突き)による攻撃を手持ちの道具で逸らすというガード行動である。受け流しをするにはある程度の長さや大きさを持った道具が必要になり、ナイフ、フォーク、スプーン、拳銃といった小型の道具では基本的に受け流しは不可能である。

 想像してみれば判るが、日本刀で襲い掛かってくる敵の攻撃をナイフやフォークや拳銃等で受け止めようとする奴は居ない。普通は避けるか、余裕があれば武器を奪い取りに行く。キックやパンチに付いても同様で、手の平サイズの道具で攻撃を受け止めようとする奴は居ないだろう。キックを拳銃で受け止めようとすれば持っている手の方を蹴られて、拳銃を吹っ飛ばされるのがオチである。

受け流しの例外
 例外的にパンチやキックといった素手の攻撃に関しては、道具が無くても素手で受け流しが可能になっている。

 組み付きに関しては特殊で、道具では受け流しが出来ない。タックル的に全身で突っ込んで来ているので、鈍器の攻撃と同じく道具で逸らすというというのが不可能なイメージだろう。組み付きは組み付きでのみ受け流しが可能である。

受け流しの役割
 受け流しについては、ルールブックでハッキリと最初に対象を指定しておく必要があると書かれている。この理由を考える上では、一般的なコンピューターRPGにおける戦闘との違いを理解しておく必要がある。

 コンピューターRPGと少し異なるのは、基本的にパーティ全員が戦闘に強制参加する必要が無いということだ。少なくとも近接戦闘に関しては間違いなくそうである。クトゥルフ神話TRPGの戦闘ルールにおいては、近接戦闘が発生しているという状況は、探索者と敵がお互いに手足の攻撃が届くレベルの位置にいる状況を意味している。

 近接戦闘に参加したくないのであれば、逃げるかちょっと離れた位置にいれば良いのだ。気付いたら敵が至近距離にいるという状況はそうそう無いだろう。ルールブックには遊ぶ上で用意した方が便利な物にマップや駒も書かれているが、それらは主に戦闘ラウンドで活躍するはずである。武器表を見れば細かく射程が明記さているのが判る。無視されがちではあるが射程の概念は、クトゥルフ神話TRPGの戦闘ルールの一部である。

 そうした前提を踏まえれば、クトゥルフ神話TRPGにおける受け流しとは、回避の代わりに行う受身的な行動では無く、刃物や素手による敵の攻撃を潰す為の戦略的な行動だと考えることができる。である以上、最初に受け流しの対象を指定するのは当然だ。攻撃されたから仕方無しにガードするのでは無くて、ガードで敵の攻撃を潰しに行っているのである。

受け流しの使いドコロ
 受け流しの使いづらさは、敵が攻撃してこなければ空振りに終わる点にある。上手く攻撃を惹きつける事が出来るのであれば、受け流しと回避で2名分の攻撃を潰すことが出来る。使い所のイメージとしては、一人が先頭に立って敵を食い止めて時間を稼ぐとかそういう感じだろうか。一人で攻撃を食い止めて、仲間に遠距離攻撃を加えてもらうという連携プレーも成立しうる。

 刀剣を使っている場合は、もっと積極的に活用出来る。刀剣の場合は、剣術的なアクションとして攻撃と受け流しを同じラウンドに使用出来るからだ。刃物を持った敵や、素手の敵が相手であれば、取り敢えず攻撃相手を受け流しの対象に指定してしておけば良いのである。刀剣同士の対決であれば、お互いに相手の剣を弾きつつ斬りかかる様な、剣戟アクションが再現されるかもしれない。

 受け流しは、相手の武器や人数を見極めた上で活用すべき戦略的な行動である。マップ上でのキャラの立ち位置なんかも踏まえて、使い方を色々と工夫してみたい。
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by cemeteryprime | 2015-06-12 21:56 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】探索者とSIZ

今回の記事は、SIZ値に関する考察。ルルブのp.166(SIZと重量の比較表)を参照してもらえばわかるが、SIZに関しては案外具体的な参照データが用意されている。普段は相対値的な数値としてしか意識しないが、この辺りの数値イメージをもう少し的確に掴めば、探索者を作成する際のイメージがより明確になるはずである。

SIZと重量のイメージ
SIZ 重量
1  : 0.5 ~ 5.5 kg
4  : 17 ~ 23 kg
8  : 50 ~ 55 kg
12 : 71 ~ 76 kg
16 : 100 ~ 109 kg
20 : 141 ~ 154 kg
24 : 200 ~ 218 kg


 SIZは重量だけでは無く体積や高さも関係しているので通常の物質で構成されていないかもしれないクトゥルフ神話TRPGのクリーチャーに関してはこの数値を絶対的な基準にするべきでは無い。と、ルールブックには書かれているが、一般的な人間についてはだいたいのイメージはこれで掴む事が出来るのでは無かろうか。

探索者としての最低SIZ
 ちなみにルール上作成される探索者SIZの最低値は8になっている。アメリカ人の成人を基準に考えれば、十分に小柄かもしれないが、日本人の体格を基準に考えればそこまで小柄という訳でもない。なので日本人の探索者を作る場合は、[ 2D6+5 ]で算出するというハウスルールを適用してみても良いかもしれない。

探索者としての最大SIZ
 表から考えるとSIZ18は約120kg ~ 約130kg といった所だろうか。適当に調べてみると180~190cmくらいの外国人の格闘家とかプロレスラーがだいたいそんな感じの体重である。SIZ18はその辺りをイメージすると判り易い感じだろう。

 デカイ上に太った巨大な外国人レスラーだと、余裕で140kgを超えていたりするし、相撲取りの場合は200kgを超えていたりもする。全盛期の曙だと230kgを超えていたっぽいのでSIZ25という感じだろうか。+2D6のダメージボーナスが付いてもおかしくない領域である。

探索者以外でのキャラメイク
 探索者作成における8~18というSIZ範囲はあくまで特別にフィジカルを強化しまくっていない一般人レベルの体格という感じだろう。NPCとして登場させる分には、巨漢系であればSIZが19~25くらいあるキャラが居ても良いし、小学生くらいであれば5くらいでも普通だ。たまにTVに出てくるビックリ人間の動けないくらいのデブなんかもSIZ24くらいはあるはずだ。

 また、探索者であってもプロレスラーや相撲取りみたいなタイプの規格外にフィジカルを強化する格闘家をロールプレイしたい場合は、加齢によるEDUの上昇みたいな感じで、適当にSIZを上昇させるハウスルールを設けてもいいかもしれない。最初に作成した探索者のSIZが16~18くらいあれば、そこから道場に入門して更にSIZアップみたいな感じで。

応用
 こうした規格外サイズについてのSIZイメージはどういう形で活用出来るだろうか。正直使い道は良く判らないが、ジャバザハット的な動けなくなった肥満人間のSIZが具体的に24だとか25になるだろう事が判れば、ゲーム的な障害物として運用が出来る。ドアに鍵を掛けておくのも良いが、ドアの前にベッドを置いてジャバザハットを置いてみてもシナリオ内容によっては面白いかもしれない。SIZ24であれば、STR8の探索者が3人がかりでも運べるかどうかは怪しい数値だ。4人がかりでも対抗ロール的に10%の確率で運べない。

 また、SIZと体重のイメージがしっかり連動出来ていれば、どんどん痩せていくジプシーの呪いだとか、逆にどんどん太っていく呪いだとかも面白いかもしれない。SIZ10の人間が、1日に1づつSIZが太っていく呪いを掛けられれば、2週間でSIZは24になる。もともと身長2mの男が体重200kgになるのと、元は65kg程度の人間が200kgになるのでは状況は異なる。こうした要素は、探索者が状況をイメージ出来てこそ機能する。極端な肥満化で体重が2倍以上に太れば、APPも低下するかもしれないし、DEXも低下するかもしれない。

より高度な探索者作成
 同じ理屈で体重を認識してから身長を設定すれば、探索者の作成時にもう少し具体的に身体的特徴がイメージできる。SIZ12の男性探索者を作成する場合、身長170cmなら健康的だが、身長140cmならデブっている。身長180cmであれば、ちょっと細すぎる気がしないでもない。この辺りはSTRやCONの数値との兼ね合いで考えてみると良いはずだ。CONが低いなら体格はガリガリかもしれない。

 SIZ=身長としかイメージしていなければ、SIZ12のチビデブ探索者という選択肢は最初から存在しえない。ルルブに囚われて小さくまとまって遊ぶべきでは無いが、ルルブのデータを細かく参照することで、選択肢が増えるという場合も多い。色々と掘り下げてみるのも良いはずだ。
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by cemeteryprime | 2015-06-12 14:39 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

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