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【映画感想】トゥモローランド

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ディズニー映画。レトロフューチャー的な絵面が云々という言説を見かけたので観に行ってみた。

ロリターミネーター
 この映画がどういう映画だったかと一言でまとめると、ロリターミネーター映画でした。よく判らんトゥモローランドとかいう異次元からターミネーターみたいなクソ強いアンドロイドが来るんだけど、外見がシュワルツェネッガーじゃなくてロリ少女。

 なるほど、そういうのもアリか!と素直に感心。この手のイマジネーションはむしろ日本人の十八番な感じがするが、基本は二次元なのでこうして実写でみるとちょっと新鮮だった。実際に結構ターミネーターを意識したアクションをやってくれるのも面白い。

ストーリー
 正直よく判らなかった。トゥモローランドっていうレトロフューチャー感のあるネバーランドみたいな異次元が存在していて、選ばれた人間だけがそこに呼ばれるみたいな世界観が基本的にあるっぽい。で、主人公の発明が原因でトゥモローランドが荒廃していって、それが切っ掛けで現実世界の方でも未来に対してディストピアなイマジネーションしか受信しなくなってしまった。

 多分そんな感じの話だとは思うんだけども、トゥモローランドと現実世界の関係性とか、それぞれの因果関係なんかがイマイチ判らなかった。唐突に何十日後かに地球が滅亡するみたいな話が出てきてたけど、あれは何だったんだろうか。結構、イメージ先行というかフワッとしたストーリーテリングなせいで理解しづらくて面白くない。そんな感じ。

主人公
 主人公のジョージ・クルーニー(役名は忘れた)は、まさに少年時代にレトロフューチャーな未来を夢想した人間で、ロリターミネーターに誘われてトゥモローランドに行くんだけど、その内にトゥモローランドを追放されて、中年になった現在はパラノイアっぽい天才発明家オジさんとして地球で引き篭もって暮らしている。追放された原因は、多分純真な少年からちょっと成長してロリターミネーターがロボじゃねーか!って事に気付いてブチ切れたんだろう(適当)。

ジャンルとヒロイン
 主人公が中年オッサンでヒロイン役がロリなロボット少女な辺りは、監督がロリコンなのか?と邪推させるには十分だ。また、主人公役がロリコンでギークで結婚出来ない感じのダメ人間じゃなくて、独身貴族感しか無いジョージ・クルーニーなのも疑念を加速させる材料である。

 但し、こうも考えられる。ロボ少女アテナは、レトロフューチャーの擬人化なのではないかと。いつまでも変わらず、少年時代の美しい初恋(多分)の思い出そのままの姿で居続けるヒロイン(ロボ)というのは、懐古趣味的で理想主義的なレトロフューチャーの本質を表していると言えなくもない。

考察
 トゥモローランドで映画を作れと言われた際のアプローチとして、レトロフューチャーそのものをどうストーリーとして表現すれば良いのだろうか。レトロフューチャー風のセットを使っても、絵面だけの話である。でも、レトロフューチャーを擬人化したヒロインを用意して、主人公とそのヒロインのドラマを描いたら?これは確かにレトロフューチャーについてのストーリーになる。

 そう考えると、個人的には割と納得度は高かった。世界観などはガバガバだし、ストーリー展開も訳の判らない部分も多いが、主人公とヒロインのドラマ以外は瑣末な事なのだ。なので、基本的にオススメはしない。ストーリーは面白く無いからだ。でも、レトロフューチャーを体現したロリターミネーターは観れる。映画を体現するキャラだけあって、完成度は高いし魅力的に描かれていると思う。ロボ少女とかが好きな人にとっては、多分ハズレでは無いはずなので観に行けばいいんじゃないだろうか(適当なまとめ)。
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by cemeteryprime | 2015-06-10 22:58 | 作品・感想 | Comments(0)

【映画感想】新宿スワン

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世界観
 舞台は新宿歌舞伎町。主人公たちの職業は水商売系のスカウト。仕事を求めて歌舞伎町にやってきた女の子をスカウトして就業先を斡旋したり、店から店への転職を斡旋したりして、紹介先の店からキックバックやスカウト料を受け取る感じである。

 より泥臭いしアンダーグラウンド感も強いが、企業のヘッドハンターの世界と基本的には同じだ。ジャンル的にはあまり世間一般に馴染みの無い職業を面白く描く業界モノという感じ。

面白さ
 基本的に風俗だとかキャバクラだとかの職業斡旋なので普通あまり良いイメージは持てないし、主人公のスタンスも最初はそんな感じ。ただそんな感じの主人公が、スカウトとして生きていく中でその世界のポジティヴな面や魅力的な側面が見えてくるみたいな構造を、しっかり説得力のある形でみせてくれる所は映画的に100点。街や登場人物たちは魅力的で、主人公が憧れるその世界の先達なんかもちゃんと格好良く見える。

 どのくらい魅力的かと言うと、映画を観終わった後にすぐに本屋に行って原作漫画を買ってみる程度には魅力的だった。原作的には4巻までの内容だったので、映画を観て気になった人は買って比べてみてもいいかもしれない。

駄目な所
 世界観やキャラの描写は良いんだけども、1本のストーリーとしてはかなり微妙。恐らく脚本の悪さが原因だと思うのだが、軸が弱くてストーリーが全体的に散らかっている印象。映画として新宿スワンの世界は魅力的に観せてもらえるんだけど、主人公のストーリーを観せて貰えないみたいな感じなのだ。

 特に脚本が酷いなと感じたのは、アゲハというキャラクターの絵本関連シーン全般。アゲハの心情を説明する為だけの架空の絵本を用意して、その絵本や朗読のシーンをいちいち挟むというクドすぎる演出は観ていてゲンナリした。正直、アゲハ役の沢尻エリカの演技だけでちゃんと成立しているので邪魔だなーとしか。また、説明だけの為に作られた不自然な絵本だから、内容が主人公が束の間の幸せな幻覚をみて最後に目が覚めて絶望して入水自殺するとかいうストーリーになってて、どういう絵本なんだよと。ここまで来るとノイズでしか無い。

 それ以外にも、やたらと回想シーンを被せてくる演出が多用されていて、しかもそれが説明臭い割には説明になっていないという。

原作との比較
 漫画原作と比較すると、映画版のストーリーテリングの下手さがより明確になる。クドすぎる絵本演出も映画オリジナルだった。

 原作の方は、割りと救いの無い世界ではあるがスカウトという仕事に対して胸を張れる様になりたいというその道での正義を目指す昔気質的な主人公と、所詮は金の為に働くんだからスカウトという仕事を利用してとことん汚い事でも何でもやって稼いでやるというヒデヨシ(ライバルキャラ)という二人の対比構造を軸にしたストーリーテリングになっている。

 映画の方は、ヒデヨシが全国制覇だとか言い出して暴走した挙句に最終的に破滅する話と、ヒデヨシが主人公に対してコンプレックスを抱いていたという話と、主人公にとって凄いポジティブに見えたスカウトの世界だけど実はネガティブな要素もありました(誰でも知ってる)という話が混在する感じ。

 映画版だと主人公とヒデヨシの関係性が、過去の因縁でヒデヨシが一方的に根に持っているだけでしか無くて、ライバルとして成立してないのが致命的な改悪な気がする。原作だと同じ会社で成績を競うスカウトとしてもライバルだし、汚い手段で主人公の業績を横取りしたり、主人公の顧客に覚醒剤を流したりなんかの経緯もあるから最後に破滅に向かうヒデヨシと主人公の対決が燃える訳で。ビルからビルに飛び移る下りも、原作だと明確に演出意図があったのに映画では無くなっていたのもビックリした。改悪したせいで対比構造になっていなかったせいだと思うが。あれじゃ単に主人公が馬鹿なだけじゃねーか。

結論
 基本的に登場人物は魅力的に描かれているので、俳優ファンであれば観に行って損は無いはず。一方で原作ファンには地雷が多いんじゃなかろうか。ただ、世界観はいい感じに描かれているので販促映画としては十分合格している気もする。
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by cemeteryprime | 2015-06-05 17:11 | 作品・感想 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】予備探索者と道具

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プレイヤー専門でルルブを持っていない人向けに、ルルブに書かれている遊び方のヒントを大雑把な意訳文章の形で紹介する。ルルブにはゲームルール以外の記事も満載なので、興味があれば買って読むべし。今回の記事は予備探索者と道具に関するあれこれ。 

死んでもいい
 クトゥルフ神話TRPGの探索者は途中で何人か死ぬのが普通と言われる事もあるが、それは単にホラー作品という内容上、登場人物に死人が出やすいし、出たほうがストーリーが面白くなりやすいという話である。投げやりなプレイを推奨するものでは無いし、プレイヤーの何人かが途中でゲームオーバーになって最後まで参加できない遊びであるという話でも無い。

 遊び方にもよるが、基本的にはクトゥルフ神話TRPGという遊びに勝敗やゲームオーバーは存在しない。面白いストーリーを目指して、エンディングに向かって全力で取り組むだけである。シナリオ目標は存在するが、話のオチとしては目標達成で終わっても良いし、達成失敗で終わっても良いのだ。

 ホラー作品の主人公は、たいてい当初の目標は途中でどうでも良くなり、生還出来ればそれで良いという状況になりがちだ。場合によってはそれすら叶わず死ぬ場合もあるが、ホラーであればそれでも面白いストーリーとして成立しうるのである。そういう意味で探索者は途中で死んでも問題が無く、場合によっては死ぬことでストーリーをより面白くする事が出来るという話だ。死んでしまっても、新しい探索者を使ってセッションには参加できるのでプレイヤー自体はゲームオーバーにはならないのだ。勿論、無理に死なせる必要は無く、探索者の命が惜しければ尻尾を巻いて逃げだしても別に構わない。

探索者のスイッチ
 キーパー次第ではあるが、基本的にプレイヤーが担当する探索者の数に制限は特に無い。やれるなら同時に2名以上の探索者を担当しても良いとルルブには書かれている。2名以上の探索者を担当するなら、探索者グループが二手に別れていてもプレイヤーは常にシーンに参加出来て退屈しないで済む。ただし複数を担当することで、個々の探索者をまともにロールプレイ出来なくなる位なら止めたほうが良いだろう。2体のモブとして参加するくらいなら、1体の主人公級を目指すべきである。モブが沢山増えてもストーリーはあまり面白くはならないはずだ。

 探索者のストックを用意していれば、探索者が発狂したり死んでしまっても、すぐに新しい探索者でセッションに参加する事が出来る。同じ理屈で、どうしても死なせたく無い探索者であれば、恐怖のあまり逃げ出したという形にしてセッションから離脱させ、別の探索者に切り替えても良いのである。勿論、探索者もまたストーリーの一部なので無闇矢鱈にスイッチを行えばストーリーが散らかるだけなので注意すること。またこうしたスイッチはストーリー全体の進行を管理するキーパーの許可を得てから行うようにすること。

人間賛歌
 最後に道を切り拓くのは自分自身の力であるべき…というのは、『ジョジョの奇妙な冒険』のテーマである人間讃歌であるが、これはロールプレイにおいても基本的に正しい姿勢である。便利すぎる道具や都合の良い万能な援助者は、シナリオ目的の達成には役立っても、ストーリーを面白くする上では邪魔な存在なのだ。何故なら、探索者の活躍の場を奪うからである。

 クトゥルフ神話TRPGにおいて、探索者が銃や呪文を使用することがあまり推奨されていないのはそういう理由である。万能な道具は誰が使っても万能なのだ。また、それに頼る限り探索者が折角活かすべき個性を持っていたとしても使う場面は失われる。活かすべきキャラ設定はあっても、活かす場面が無くなれば無個性なモブと変わらなくなるので注意しよう。

道具の使用
 道具には頼るべきでは無いが、道具がロールプレイに必要なのであればどんどん活用すべきである。野球選手なのであれば、バットやボールがあった方がその特技をストーリー中で活かし易いはずだ。刑事であれば拳銃技能を持っていた方が自然だし、それを活かすには拳銃を使ったほうが良いに決っているのだ。

 基本的に道具は、有利になる為に使用するというよりは、探索者のキャラを活かすために使用するべきである。ガンマンであれば、むしろ銃撃戦をしなければガンマンである意味が無い。ボクサーであれば目の前にマシンガンが転がっていても、拳で殴りかかった方がストーリー的には面白くなるのだ。

 同じ理屈で、プレイヤーが技能判定において何かしらのボーナスが欲しい場面では道具に頼るよりも、自分の特技を活かす方向を考えた方が良いのである。プレイヤーが頑張るべきはロールプレイであって、便利な道具を紹介する事では無いのだ。
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by cemeteryprime | 2015-06-03 23:23 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】ロールプレイについて

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プレイヤー専門でルルブを持っていない人向けに、ルルブに書かれている遊び方のヒントを大雑把な意訳文章の形で紹介する。ルルブにはゲームルール以外の記事も満載なので、興味があれば買って読むべし。今回の記事はロールプレイについて。

なりきり会話は必要か?
 プレイヤーは自分が担当する探索者のキャラを演じた方が良いだろうか?答えはYESである。ストーリーを作るというTRPGの目的を考えれば、登場人物の会話はかなり重要なファクターである事が理解できるはずだ。サイレントで成立しうる映画や漫画であっても、会話シーン自体が無い訳では無い。

 ただし登場人物が延々と会話シーンを続ければストーリーが面白くなるという物では無い。会話シーンがストーリーのテンポや緊張感を台無しにする事も珍しくは無い。なりきり会話は重要だが、キーパーの指示に従い用法用量を守って活用するように心掛けよう。

キャラシ作成の重要性
 ロールプレイの際に気をつけなければいけないのは、その探索者のパーソナリティや能力の範囲を越えない事である。キャラシートは行動成功率を参照する為だけの物では無く、どう行動すべきかを参照する為の物なのだ。適切に参照出来ているだろうか?埃が被った状態の設定は無いだろうか?

 基本的にここぞという場面で、苦手な技能で挑戦しようとする人間は居ない。極力特技を活かす方法を考えるのが自然である。技能ポイントが高いという事は、普段よくとる行動である事を意味している。例えば、交渉技能が低くて、戦闘技能が高いキャラクターであれば、暴力で物事を解決して来た人間である事を意味している。この探索者であれば、交渉が必要な場面で取るべき行動は、暴力を駆使するか説得が得意な他人に任せるかのどちらかが自然である。失敗のリスクが特になくても、敢えて苦手な説得に挑むのはこの探索者に限っては不自然な行動と言える。

 自分が思い描く探索者のキャラとキャラシート上の設定にはズレが無いように注意すること。ギャップのあるキャラを作るのも良いが、キャラ設定とパラメーター設定の間にギャップを出しても特に意味は無い。ダイスロールで行動結果を確定させる限りは、探索者はパラメーター設定の範囲で行動するのである。

なりきり演技の目的
 プレイヤーができるだけキャラを上手に演じた方が良い理由は、他の参加者にそのキャラのパーソナリティ(何が得意で、どういう行動傾向があるか)を判りやすく伝える為である。他の探索者がどういうパーソナリティを持っているかが明確であれば、各プレイヤーは自分が担当するキャラクターのストーリー上のポジショニングが取りやすくなる。

 誰かが主人公的な行動をするなら、自分はサポート役に回るだとか、ライバル的な役回りに走るだとか、そういったストーリー内での役割分担は重要だ。クトゥルフ神話TRPGの場合は特に、職業などで立ち回り方が明確に定義されないので、そうしたロールプレイを通じて行動方針を明確にする必要があるのだ。

 演じる事そのものが重要なのでは無いので、目的は見失わない様に。キャラが分かりやすければ良いだけなので、別に上手な演技を目指す必要は無い。ロールプレイに慣れない間は、下手に等身大のキャラをプレイするよりはステレオタイプなキャラをプレイするのが良いかもしれない。等身大のキャラは演技はしやすくても、余程気心が知れた仲間内でも無ければパーソナリティは複雑過ぎて伝わり難いはずである。

ロールプレイを磨く
 TRPGの醍醐味は創発性であるが、それはダイスロールによるものだけでは無い。一番の面白さはプレイヤー間の相互作用から生じる創発性である。複数人で取り組むストーリーだからこそ、個人の想像力以上の何かが生じうるのである。

 まずは各プレイヤーが上手なロールプレイを目指そう。ストーリーの主要登場人物である探索者がどういう人物で、どう行動するのかというのは言うまでも無くストーリーにおいて重要な要素だ。そして次に探索者同士が上手く噛み合ってより大きな面白いストーリーを紡ぎだす事を目指すのである。その為にはプレイヤーとキーパーでの適切な連携が重要になり、ロールプレイはその為の必要条件である。全員が全員、他の探索者が何をしようとしているのか判らない手探り状態では適切な連携は不可能なのだ。

 ロールプレイを磨くには、自分が好きな作品を思い浮かべて、キャラクター達がどういう形で機能していたかを思い出してみれば参考になる。ヒーローはヒーローなりに、外道は外道なりに、被害者は被害者なりにストーリーを盛り上げていたはずだ。
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by cemeteryprime | 2015-06-03 18:15 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】探索者の創造

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プレイヤー専門でルルブを持っていない人向けに、ルルブに書かれている遊び方のヒントを大雑把な意訳文章の形で紹介する。ルルブにはゲームルール以外の記事も満載なので、興味があれば買って読むべし。今回の記事は探索者の創造について。

探索者の創造と乱数性
 ダイスで各ステータスを乱数決定し、その数値からキャラクター像を読み取る。この工程はプレイヤーにとっての最初のゲームであり、ストーリー創作の一部でもある。この時、ステータスとキャラにズレが生じない様に注意しよう。この工程は慣れない内は案外難しいが、毎回ランダムで目新しいキャラクターを創造出来るので、マンネリ化を防ぐ意味ではベストな手法である。

 ルルブにはどうしてもやりたい職業があるというプレイヤーの為に、先に職業を決定してから数値をキャラに寄せていく手法なども紹介されている。数値からキャラを読み取るのが難しいというTRPGプレイヤーにとっては、こちらの手法が取っ付き易いのでは無かろうか。もっとキャライメージが具体的に先行して存在するのであれば、ダイスを一切使わず完全に任意でキャラに合わせて数値を設定しても特に問題は無いはずだ。

ダイスと創発性
 ダイスロールは基本的に創発性を楽しむ為の手段である。プレイヤーが楽しめる手法を優先するに越したことは無いが、この創発性がTRPGの醍醐味であるという事は忘れない様にしておこう。ステータス面での乱数による振り幅が大きいのは、クトゥルフ神話TRPGの個性でもあるのだ。ダイス結果に修正を加えるのも良いが、より面白くする為にダイスを取り入れているという事は常に意識しておいた方が良いだろう。

 そもそもクトゥルフ神話TRPGにおいては、レベルシステムが存在せずキャラのステータスを成長させていく要素も薄い。ステータスの強化や成長を目指すのであれば、始めから高いスペックな方が有利なのは言うまでもない。成長型RPGの場合は、ポイント購入制であったり、規定値割り振り制であったり、ダイスロールで決定する場合もできるだけ極端な数値にならない手法が取られる。

 その点においてクトゥルフ神話TRPGの場合は、そもそも探索者の寿命も短いので、極端なステータスのキャラになっても遊ぶ上で長期的な不都合は生じないという特性がある。乱数次第では本気でゴミスペックなキャラが誕生する可能性はあるが、ゴミスペックのキャラをロールプレイして遊べる余地があるというのも、クトゥルフ神話TRPGならではと考えればそれなりに挑戦し甲斐はあるはずである。勿論その場合は2体目の予備探索者を用意しておくに越したことは無い。

ヒーローでなくてもOK
 シナリオ目標はあくまでストーリーの方向性を示すものである。なので目標達成に囚われて、探索者のスペックは高くなければ駄目だと思い込む必要は無い。その結果、没個性的なキャラになってストーリーが面白くなくなっては本末転倒だからだ。ホラー作品の場合、主人公は女性だったり、病んだ人だったり、子供だったりする事も多い。ホラーに関しては、その方が面白くなりやすいからだ。主人公に超人性が求められるのは、少年漫画だとかアクション映画といったジャンルである。勿論、クトゥルフ神話系列作品にもそうした作品はあるが。

 基本的にはダイス目に素直に従ってキャラを作れば良い。が、妙に強そうなキャラになった場合は、敢えてアル中だとか失業者だとか借金を抱えているだとかのホラー作品の主人公らしいマイナス要素を加えるのもアリである。色々と工夫してみよう。

技能値の振り方
 技能ポイントの高さは、その探索者がその技能に対してどの程度の専門性を持っているかを表現する物である。なので基本的に振り方に有利も不利も存在しない。キャラクターに合わせて的確に振ることが重要になる。

 その分野のプロ中のプロというキャラ設定であれば99%振っていても問題無いが、キャラ設定的にはアマチュアなのに技能値は99%になっている場合は、キャラ設定を変更するか、技能値を変更した方が良い。キャラ設定と、ダイスロールを介した行動結果が一致しなくなるからだ。作品中に料理人として出てきたキャラが特に理由も無くナイフや銃火器の扱いが軍人よりも長けていたら違和感しか無い。元グリーンベレー的な設定が存在していて初めてキャラとして成立するのである。逆に元グリーンベレーという設定を付けたいのであれば、それを表現する為にそれっぽい戦闘技能などにちゃんとポイントを振っておく必要があるのだ。

 それ故に、中途半端な数値を振るという選択肢も重要になってくる。アマチュアだとか、学生だとかを表現したりなら30%や40%という微妙な調整が重要になる。この辺りはロールのし易さなどと天秤に掛けつつ工夫すべき所である。色々試してみてほしい。
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by cemeteryprime | 2015-06-03 17:25 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【書籍感想】メキシコ麻薬戦争

メキシコ麻薬戦争: アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱

ヨアン グリロ / 現代企画室

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概要
 町では生首が転がり、死体は吊るされ、警察が殺されまくるという世紀末状態らしいメキシコでは一体何が起こっていて、どういう経緯でそうなったのかというレポート。

 ナルコ(麻薬密輸人)が台頭してきた歴史や、武装化の背景、どういった経済基盤を持ち、国際的な麻薬市場とどう繋がっているのかなど細かく解説しており、メキシコだけじゃなくて中南米全体の麻薬・犯罪事情などが割りと良く分かる一冊。 コロンビアの麻薬戦争との絡みなども詳しいので、その辺りの事情に興味があるなら取り敢えず読んで損は無い。

歴史
 この本が素晴らしいのは現代のメキシコ麻薬戦争を解説する為に、メキシコと麻薬の歴史を19世紀まで遡った地点から解説してくれる点である(正確にはもっと以前も含まれるが)。なのでメキシコの事なんか全く知らなくても、歴史や地域性や住民気質まで丁寧に説明してくれる。単なる近年の麻薬戦争の経緯では無く、メキシコという土地と麻薬についての解説本なのである。

阿片
 遡ること19世紀。清朝政府は近代で最初に麻薬禁止令を出し。それに対抗して阿片を密輸しまくり最終的に軍事組織まで投入した元祖麻薬ギャングともいうべき存在はイギリスの東インド会社であった。アヘン戦争後、大量の中国人移民が鉄道建設の労働力(苦力)としてアメリカやメキシコに流入したが、アヘンも同時に流入したのだ。これは麻薬が昔から貧困労働者を蝕む存在であったことを示すエピソードでもあり、興味深い。

 意外な事にメキシコ初期のナルコは中華系であった。アヘン戦争は誰でも世界史で習うので知っているが、それがハッキリ現代の麻薬戦争まで直結する出来事であったと意識することはあまり無いだろう。現代では阿片中毒者という単語はあまり聞かないが、阿片から精製されるヘロインは現代でもキング・オブ・薬物である。

アメリカ
 メキシコの悲劇はアメリカという巨大な消費国と隣接していた点だろう。アメリカでアルコールが規制されれば酒の密輸が。ドラッグが規制されれば、麻薬の密輸産業が発展してしまう。アメリカに大量の消費者と需要が存在し、アメリカ国内で供給出来ない以上、市場原理的にメキシコで産業化せざるを得ないのだ。こうした構図があるので、麻薬撲滅はメキシコ内部で完結できる話では無い。ある意味、アメリカは法的な規制によってメキシコに間接的に麻薬産業をアウトソーシングさせていると言えなくも無い。本書で語られる、アメリカ政府とメキシコ政府の数々の麻薬撲滅運動の失敗を読めば、最近アメリカがマリファナ合法化に乗り出した経緯も理解できる。

文化
 麻薬マフィア絡みの音楽や映画に関しても色々と書かれていて面白い。ナルコは金持ちで見栄っ張りで金遣いが荒いので、パトロン的に色々な物に投資しているのだ。それ故に文化面でも色々な影響を持っている。一端のドンなら自分を称えるヒットソングの1つも持っているべき的な文化は特に面白い。一攫千金を夢見てマフィア組織の広告塔みたいになるミュージシャンは多いが、彼らは時折敵対マフィア組織によって蜂の巣にされる。何ともハードな世界である。

 宗教面も面白い。貧乏故に強盗や殺人や麻薬産業に走らざるを得ない人達にとっては、ド正論なキリスト教は救いにはならないのだ。貧困ゆえに誰よりも救いを求めているが、神は犯罪を認めてはくれないのだ。彼らには、命がけの犯罪の成功を祈る神がいるのだ。そうしたナルコ文化な宗教は、キリスト教と土着信仰や聖人崇拝の融合から新興宗教的に発生する。

中でも鎌を持った髑髏の女神、サンタ・ムエルテ信仰は面白い。アステカ伝来の髑髏信仰と地母神信仰なんかがキリスト教と融合した感じで、見た目的にも禍々しい。女神らしい骸骨をリカちゃん人形的に綺麗な衣装で飾るのだ。サンタ・ムエルテは死の女神である。サンタ・ムエルテ信仰はメキシコを飛び出して海外にも広がっているという。

犯罪
 本書では麻薬以外の犯罪も扱っている。麻薬マフィアの犯罪は多角化しているからだ。誘拐ビジネスだとか、みかじめ料ビジネスや、石油密売なんかも登場する。こうした犯罪がどういう形で機能し成立しているかなどが紹介されている。石油密売や誘拐ビジネス、みかじめ料などはISISなんかでも見受けられた犯罪だ。シチリアマフィアやヤクザなんかと比較してみても面白い部分である。
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by cemeteryprime | 2015-06-02 14:35 | 作品・感想 | Comments(0)

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