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【クトゥルフ神話TRPG】キャンペーンのデザイン

コール・オブ・クトゥルフ(d20)の内容で、参考になる部分をピックアップして紹介・考察する記事。今回は、キャンペーンの構成について。

導入としての冒険:イントロ

何かしらの事件にまきこまれる。事件は解決したが、超自然的な物に関わる謎は残されたままという状態で、とりあえず冒険は終わる。

追加調査としての冒険:フットワーク

残された謎について、追加調査する為の冒険。

導入としての冒険で遭遇したもの以外にも、複数の超自然的な事件があることを知り、それらをつなぐキャンペーン要素が浮き彫りになる。

キャンペーンを引き延ばしたい場合は、手掛かりになりそうな要素を調査して、キャンペーンとは直接関係なく進行していた事件に巻き込まれたりする冒険を挿入する。

キャンペーンの核心へ:ナーバス

キャンペーンの全容は見えて来たが、解決方法は分からないという状態に突入する。

新たに発生する事件の全てが、核心に繋がるヒントの様に思えるが、関係の無い事件も多いという状態になり混乱する。ここで1つ以上のキャンペーンとは関係の無い冒険を行い、迷走感を与える。

そしてキャンペーンの黒幕が誤誘導によって探索者たちを妨害してきたり、直接刺客が送り込んできたリする様な冒険を挿入し、クライマックスの冒険へと移行する。

最終対決:クライマックス

何らかの核心につながる事件を解決して手掛かりを得たか、もしくは誘導による突然のブレイクスルーよって、迷走状態からクライマックスの冒険へと突入する。

全ての謎が解き明かされ、予想外の脅威も知ることになる。

終わり方についてのデザイン

基本的に、プレイヤーがキャンペーンに飽きてしまった場合はずるずると引き延ばすよりも、とっとと終わらせてしまうに限る。

もし、全ての謎を解明しキャンペーンを満足のうちに終了した場合は、新たな謎を探索者の目の前に提示しよう。ただし、次のキャンペーンに移る前に先のキャンペーンについてはせめて重要部分の謎についてはきっちり解決しておくこと。

クライマックスにおいて、何かしらの事故が発生してキャンペーンが終了せざるを得なくなってしまう場合もある。その場合は、残された時間の中で探索者たちの先が無い故の絶望的で悲劇的な末路を丹念に描いて、キャンペーンを閉じよう。

考慮しておきたいクトゥルフ神話としてのバランス

基本的にクトゥルフ神話TRPGのキャンペーンにおいて、ハッピーエンドなどは無い。探索者の冒険の先に待ち受けているのは冒険者としての栄光では無く、常にクトゥルフ神話の混沌と破壊であり、最終的に狂気や忌まわしい死が待ち受けている。

クトゥルフ神話の世界に染まった探索者は、自分たちが守ろうとしている人々よりも、戦う敵であるカルト教団の狂信者たちと多くの共通点を持つ様になってしまう。狂った敵と戦う過程で、やがては自身も狂気や暴力に染まっていくのである。一般的な人々は、探索者たちをヒーロー視しない。無関心であるか、むしろ潜在的に探索者たちが精神的な穢れている事を感じて、疑惑の目を向けたり、距離を置こうとさえするかもしれない。こうした変貌も意識的に描写に汲み取れるようにしてみよう。


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by cemeteryprime | 2017-02-25 00:31 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】シナリオのデザイン

コール・オブ・クトゥルフ(d20)の内容で、参考になる部分をピックアップして紹介・考察する記事。

シナリオ(冒険)をデザインする

シナリオの中核となる秘密が出来たなら、それがストーリーの形になる様に、必要な情報を肉付けしていこう。

①きっかけとなるイベントを考える

まずはどういう形で、探索者がその秘密に興味を持つのかという入り方を考えよう。切っ掛けとなるイベントは、好奇心をそそる内容で、多少エキサイティングな方が良い。

②動機のデザイン

なぜ、探索者たちがその事件を負う必要があるのかを考えよう。一番簡単なのは、探索者たちの共通の知人を助けるという動機である。より良い方法として、特定のグループを探索者として想定しておくというやり方もある。警察であったり、神秘愛好家であったり、特定の物に関心を持つグループをあらかじめ想定しておき、セッション時にそれを前提として探索者をデザインしてもらうのがベストだ。

③第1層の冒険

きっかけとなるイベントに対して、何を調べたいと感じるかを客観的に考えてみよう。基本的には5W1Hを明確にすることをイメージすると良い。

プレイヤーが5W1Hを明確にする為の、調べるべき場所や情報を用意しよう。次に進むべき調査のステップを1つ以上用意しておくことがポイントである。また、本筋に関係の無い無意味な物も含めて、できるだけ細かい情報を沢山用意してあげるのが良い。ストーリーが終盤に近付くにつれて、プレイヤーは細かい情報を気にしなくなるので、色々と盛り込みたいならこの段階に用意すること。

④第2層の冒険

プレイヤーは、この段階における調査において、事件の真相が異常なものであることに確信を深める。調べる内容についても、些か異常性をおびたものになる。

また、核心に近付いている事を実感させる為に、ちょっとした危険を用意しよう。黒幕が秘密をかぎまわる探索者に向けて刺客を放ったり、秘密を知る人物にアクセスする為に危険な場所へと潜入したりする。

この段階で、プレイヤーはちょっとした危機とちょっとした勝利を体験することになる。端的に言えば、中ボス的な存在を用意してあげれば良い。

⑤クライマックスへの手掛かり

2層の冒険をクリアしたことで、入手できる情報を考えよう。基本的にはクライマックスの場所に向かう為の情報である。クライマックスでは、更なる驚きが待っている必要があるので、全ての情報は明らかにしては行けない。

⑥クライマックス

冒険のクライマックスは、恐怖と暴露を混ぜ合わせたものにする必要がある。クライマックス中に明かされる質問は2つくらい用意しておくこと。そして、それらの疑問は最悪な形で明かされるようにデザインしよう。

クライマックスは、主要な戦闘が起こる場面でもある。探索者が状況を打開する為の方法は、複数用意しておこう。

⑦後始末

探索者がクライマックスを乗り越える為にとりそうな手段に対する、影響の処理方法について幾つか考えておこう。そして、クリア報酬についても考えよう。

最後に、何らかの新たな疑問を1つは残しておく事。これは、もし更なる冒険をする場合の、キャンペーンの手掛かりになったりする。


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by cemeteryprime | 2017-02-24 23:59 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】秘密をデザインする

コール・オブ・クトゥルフ(d20)の内容で、参考になる部分をピックアップして紹介・考察する記事。

秘密をデザインする

クトゥルフ神話の物語は、秘密を解明する話だと言っても良い。シナリオ(冒険)の中核は秘密である。なので、まずは秘密をデザインしよう。

①秘密の内容を考える

基本的に秘密の内容は、口にしたくない様な不快な内容である。クトゥルフ神話なので、おぞましい超自然的な存在が絡む話であった方が良い。

②その秘密を知っているのは誰かを考える

誰がその秘密に関与しているのか。あるいは、既に秘密を知る人間はいなくなっており、古い手記やビデオテープに記録として保管されているだけかもしれない。

③秘密の陰で進行中している計画を考える

その秘密が発覚すると、誰のどういった計画に支障が出るのだろうか。秘密の陰には、それを秘密にしておこうとしている人物がいる。

④層を作る

真実の上に説明の層を2つ用意しよう。

探索者が秘密にアクセスする事になるには、まずは最初の切っ掛けが必要になる。それは、ちょっとした奇行や事件などの興味を引く内容である必要がある。まずは簡単な調査で、世間一般が納得する様な説明がつけられる。ただ、その説明だけでは疑問が残ることに探索者は気付く。これが第一層である。

さらに調査をしてみると、世間には秘密にしておきたい様な隠していた事情があったことが判明する。ただ、その調査の過程で、それだけでは説明がつかないような異様な点に気付いてしまう。これが第二層である。

そして異様な発見について、更なる調査を進めた結果、探索者はとても信じられない様な、恐ろしくおぞましい秘密の真相に到達するのである。


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by cemeteryprime | 2017-02-24 23:46 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】クトゥルフ神話要素に関して

コール・オブ・クトゥルフ(d20)の内容で、参考になる部分をピックアップして紹介・考察する記事。

クトゥルフ神話としての正確さ

実際の所、ラブクラフトには首尾一貫した神話世界を創造しようという考えは無かった。クトゥルフ神話自体は、神話でも哲学でもなく、ストーリーのプロットを作るための手段一式でしかない。

敢えて言うなら、クトゥルフ神話は人類の持つ神話が如何に無意味であるかを明らかにすることによって、それらの神話を破壊してしまう為に存在している、アンチ神話である。クトゥルフ神話はただ混沌と破壊だけを提供する。そこに神話としての首尾一貫したビジョンなど無いのである。

ファン向けの内輪受けネタ要素としてのクトゥルフ神話要素という考え方もある。未知なるものに対する恐怖を扱うホラーという要素と、お約束ネタという要素は、基本的に相反する。クトゥルフ神話ファン向けの内容にする事と、ホラーにする事は、余程のテクニックが無ければ、最初から分けて考える必要があるだろう。

作中におけるクトゥルフ神話的要素の扱い

クトゥルフ神話に登場するカルト教団は、そもそもが狂人の集団である。彼らの教団における教義や信仰は勝手に作ったものであり、首尾一貫した歴史の道筋を辿っているものでは無い。狂人たちが、勝手にそう信じているだけである。なので彼らが持つ信仰や魔導書の内容が、所謂クトゥルフ神話として共有されている設定と矛盾していても、何ら問題は無い。

現在共有されているクトゥルフ神話についての接待は、所詮は、そういう設定で作品を書いた作家が過去にいたというだけの話なのだ。なので大いなる火の神クトゥルフという存在を崇拝するカルト教団があっても、何ら問題は無いのである。

クトゥルフ神話の設定は、プロットを作る為のフリー素材として提供された道具に過ぎないので、些末な整合性に気を取られて、作品が作れないならいっそのこと無視した方が良い。


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by cemeteryprime | 2017-02-24 20:36 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】恐怖に関するデザイン

コール・オブ・クトゥルフ(d20)の内容で、参考になる部分をピックアップして紹介・考察する記事。

恐怖に関するデザイン

恐怖のシーンには『驚き』と『独創性』と『詳細さ』の3つの要素が必要になる。

探索者がモンスターに遭遇する事を予期しながら真夜中に幽霊屋敷に出かけて、モンスターに遭遇したとしても、そこに恐怖は生まれない。

恐怖には驚きが重要になる。予期していなかったものを登場させ、それまでの仮説を覆すことで、探索者の足元はグラつき、先行きに不安を覚える様になる。

独創性もまた、驚きを強調する為のギミックとして重要になる。全くの初心者であればともかく、クトゥルフ神話に馴染みのあるプレイヤーであれば、墓場の近くや洞窟をうろつく不気味な生物として、グール(食屍鬼)が登場した所で今更驚きはしない。「やっぱりそうだったか」と、むしろよく知ったモンスターの登場に安堵すらするかもしれない。

驚きと恐怖の関係は、先の記事でも触れた通りである。同じモンスターを何度も登場させるのは、驚きを薄れさせ、折角のモンスターとの対面も退屈にしてしまう。データ上はグールでも、名前や外観を全くの別物にしてしまうだけでも効果的なので覚えておこう。

詳細さはプレイヤーのイメージを膨らませ、更なる恐怖を喚起する上で活躍する。例えば襲い掛かって来たのが、単なるナイフを持った狂人よりも、ナイフを持ち返り血を浴びた狂人である方が恐ろしい。ついさっき人を殺して来たところかもしれないし、現れた場所が探索者の家の2階の寝室なら殺既に探索者の家族が殺されているかもしれない。更に口元が血まみれで何かの肉を咀嚼していたりすると、一層恐ろしくなる。食べているのは冷蔵庫にあった残り物か、それとも…。

視覚情報と恐怖

一方で、クリーチャーの外観は詳細に描写すればするほど、恐ろしくなるという物でも無い。触手が8本だろうが、10本だろうが、違いは無い。目玉が6つでも8つでもどうでも良い話である。ディティールの全てが恐怖に繋がる訳では無い。不気味さや恐ろしさが伝われば良いので、敢えてぼかした描写をするというのも手段である。

…カラスでもなく、モグラでもなく、ハゲタカでもなく、蟻でもなく、腐乱死体でも無い。何か私には思い出せない、いや思い出してはいけない生き物だった…これはビヤーキーに関する描写だが、とりあえずこの世ならざる不気味な存在だったという事だけは伝わる。身長は3mくらいで、脚が5本で、腕が4本、赤く光る目が4つというような、妙に具体的で中途半端な説明をするくらいなら、ある程度はぼかして表現すること。

如何にも恐ろしいイラストを探すことに労力を割いても、実際の所はそこまで恐怖には寄与しない。絵は絵である。単に凄いイラストだなと感心するだけで、その状況における恐怖感の増幅にはつながらない。

イラストに頼り過ぎると、そのモンスターがそれ以上でも以下でも無い形に定型化してしまう問題もある。変に形状を定型化させてしまうと、そういう生物なんだなと矮小化させてしまうことにもなりやすい。そもそも異界のクリーチャーは、生物であるかどうかも怪しいので、定まった形状をしている必要すら無いのである。前回チラッと目撃した時は、手足が2本だったのに、次に会った時は手足が10本になっていたとしても、別に問題は無い。

まとめ

・恐怖は常に予期せぬ形にすること。

・完全に予想通りの展開に恐怖は無い。

・詳細さはイメージを膨らませる為に用いること。


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by cemeteryprime | 2017-02-24 20:15 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】戦闘に関するデザイン

コール・オブ・クトゥルフ(d20)の内容で、参考になる部分をピックアップして紹介・考察する記事。

戦闘に関するデザイン

クトゥルフ神話TRPGにおける戦闘は、メイン要素では無いが、ほとんど全ての戦闘は主要なシーンにはなる。まず、戦闘を準備する為には重要な2つの物を用意しておく必要がある。①戦う場所の図(マップ)と、②戦う相手である敵である。

戦う場所

何もない四角い部屋で戦うのと、荷物だらけの隠れる物陰が多い場所で戦うのでは、戦闘中に出来ることも、生まれるドラマも変わって来る。吊り橋の上だったり、巻き込まれると死にそうな巨大な輪転印刷機がある場所だったり。大きな戦闘は、大抵クライマックス近くで起こる。どういう場所で戦うかは、ストーリー全体の印象を大きく左右する。

暗闇や、濃霧、森、沼地などは、探索者の行動を制限すると共に、見てはならない存在であるモンスターの姿をベールに包む機能も持っている。

敵に関するデザイン

基本的にモンスターと遭遇するのは、冒険の中核に到達した時か、どうしようもなくストーリーから脱線してしまった時のみである。そして登場させたからには、NPCくらいは殺害させること。クトゥルフ神話TRPGにおいて、モンスターとの遭遇は致命的な結果をもたらすということは徹底させないと緊張感が薄れてしまうことになる。

それ以外で敵の襲撃によって緊張感を高めたい時などは、極力人間を使う事。金で雇われたチンピラ、狂人、狂信者、などである。野犬や蛇など危険な動物を使うという手段もある。

また、砂漠で半魚人を登場させてしまったりといった、場所と敵の性質が合わないミスキャストには注意すること。

登場の仕方に関するデザイン

戦う相手の登場のさせ方にも工夫の余地がある。一度に敵の集団を登場させるのではなく、最初に下っ端の雑魚が、その次にカルトの狂信者が現れ、最後に召喚されたモンスターが到着するという様に段階を踏ませるのも一つの演出となる。工夫次第で、戦闘の中にもオープニングやクライマックスといった流れを作る事ができる。


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by cemeteryprime | 2017-02-24 19:20 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】発見に関するデザイン

コール・オブ・クトゥルフ(d20)の内容で、参考になる部分をピックアップして紹介・考察する記事。


発見に関するデザイン

クトゥルフ神話TRPGにおいて、探索者は恐ろしい真実を発見する。大抵は超自然的な存在が実在することを知る訳だが、そうした場面の恐ろしさは、発見の仕方一つで大きく変化してしまう。


まず避けたいのが、探索者の前にポンとモンスターを登場させる事である。モンスターの見た目が酷く気味が悪く恐ろしい場合は、ギョッとするかもしれないが、それは恐怖の中でもかなり低レベルなものである。節分のイベントなんかは、丁度そんな感じだが、そうした恐怖でパニックになって泣き出すのは、小さい子供くらいの物である。


直接モンスターを目撃したというだけなら、実際の所はそこまで恐ろしくは無い。まともな大人の場合は、恐怖よりも、どういうイベントなんだろ?とか、どういう生き物なんだこれ?といった疑問が前面に出る。


ホラーにおける発見は、直接的な提示では無く、あくまで恐ろしい事実の示唆である必要がある。


恐怖のトリガーとしての発見

d20クトゥルフでは、例としてラブクラフトの短編『闇に囁くもの』を挙げている(ミ=ゴが出てくる作品)。


ラストで語り手はさっきまで話していた男の蝋で造られた顔と手を発見する。会話していた相手は人間に化けた何かだったと判明するシーンである。


この時、登場人物の目の前にあるのは単なる偽物の顔と手である。それ自体が恐ろしいのではなく、それが意味している事が恐ろしいのだ。


良い発見とは、過去の記憶を全く新しい物に書き換えるものである。単なるAという情報や体験が、Bという新情報(発見)によって、全く異なる恐ろしい記憶に変化する。真の恐怖とは、目の前で起こる事では無く、頭の中で起こるのである。


発見の役割

この時、重要なのはこの頭の中で発生する変化は、登場人物だけでなく、読者や観客やプレイヤーにも同時に起こる変化だという事だ。


登場人物の目の前にモンスターが出現しても、所詮は他人事であるが、この頭の中でおこる変化による驚きと恐怖は共感できる。驚きを伴う発見は、共感によってグッとストーリーに引き込まれる場面でもある。なので、クライマックスの直前やクライマックスにおいて、驚きを伴う発見が投入される。どんでん返しと呼ばれる手法である。


発見をデザインする

重要な発見は、取って付けた様に与えるのではなく、他の手掛かりや詳細との組み合わせでデザインすることを意識すること。


重要な真実は、単体で成立させずに、プレイヤーがそれまでに獲得していた手掛かりと、新たに与えられた手掛かりを自分で頭の中で組み合わせて、発見する形にするのがベストである。

単体では、ちょっと引っ掛かるがそれ単体では別にそれ以上の意味を持たない情報にしておくこと。こうした前振りとしての手掛かりは、伏線とも呼ばれる。


まとめ

・モンスターを直接登場させて怖がらせるのは低レベル。

・頭の中で組み立てられる恐怖こそ共感できて恐ろしい。

・発見は既存の情報を上書きするトリガーであること。

・恐ろしい発見には、伏線を張っておく事。


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by cemeteryprime | 2017-02-24 18:44 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】シティシナリオ

以下は、公式HPで無料公開されているD&Dのキャンペーンの1つをざっくりとまとめてみたものである。より一般的になるように内容は部分的に改変しているが、読むと別に現代が舞台でもやれなくは無い内容になっている事が分かる。


シナリオの概要

田舎にある小さな町が舞台。

近年、町には新興宗教を信奉している住民が増えてきている。古くからの地元の宗派から改宗する人間も出てきており、新旧の宗教間で緊張感が増している。中には兄弟間で宗派対立が起こり、険悪なムードになっている一族もいる。

近々、町では町長選挙が行われる。ここにも古くからの宗派と新興宗教のコミュニティ間での対立構造が発生している。

町から少し離れた場所に廃墟がある。その場所に、ギャングの一団が住み着いた。これによって周辺の治安は悪化している。

町から森を越えた大渓谷に洞窟群がある。その辺り一帯に住む狂暴な野生の猿が近年、統率のとれた行動を取る様になってきており、町の牧場や農場が襲われる被害が頻発している。

最近、町では不穏な暴力事件や失踪事件が多発している。また猿による深刻な被害から、町を離れる住民も増えている。失踪者の中には、深刻な宗教間対立のせいで町を捨てて駆け落ちしただけの若者もいる。

町で発生している事件の背後には、今まさに復活しようとしている邪神と、邪神を崇拝するカルトの暗躍がある。

宗教対立の原因になっている新興宗教団体は、全国規模の知名度のある普通の真っ当な宗教組織であり、邪悪なカルトでは無いが、町にある教団支部の副支部長が邪神に魅入られ、新興宗教団体を隠れ蓑にして邪悪なカルト教団を組織している。

町に住む新興宗教の信者には、何も知らない信者と邪悪なカルトに密かに帰依する狂信者がいる。また古くからある宗派へのしがらみから、新興宗教の信者になったことを隠している住民もいる。

町には幾つか簡易ホテルを兼ねた食堂がある。そのうち一軒が、邪教カルトに属する新興宗教信者のコミュニティの溜まり場になっている。ホテルの主人は、定期的に旅行者や町の人間を拉致して、ホテルの地下にある隠し部屋から、地下通路を通って、邪教の地下寺院へと生贄を運び込んでいる。

町の保安官はカルトに買収され見て見ぬふりを決め込んでいる。

キャラクターは、新興宗教団体の支部長からのSOSを受けて、町へと向かう。同じく何か異変を感じとった古い宗派のSOSで呼ばれる。町の行政の人間も、密かに町の異変を調査しているが、派遣した人間はカルトに拉致されことごとく失踪している。

町の近郊に住み着いたギャング団の首領も、実は邪神に魅入られた人間である。更に、町を襲っている猿たちは、洞窟群に住み着いた邪神崇拝者によって使役されている。


概略図

ざっくりとシナリオ進行を図にしてみるとこんな感じ。

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セッションは1回が90~120分を想定されている。基本的にキャンペーンで、フルに探索をするなら、全部で8セッションくらいが想定されている感じ。シティなので基本は自由探索だが、1本道で遊ぶ時の推奨ルートも書かれている。

ちなみに今回例に使用したのは、『混沌教団を討て』というタイトルのシナリオである。PDFで全56ページのボリューム。シティシナリオを作る場合は、こうした無料で公開されている完成度の高い公式シナリオを参考にしてみるのも良いかもしれない。確かに、ゲームシステムもストーリーのジャンルも異なるので、そのまま使用することは出来ないのだが、ストーリーにミステリー要素を与えるギミック部分に関しては普遍性があるので、そのまま拝借出来るよ。


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by cemeteryprime | 2017-02-20 18:09 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】ハウスルール

ハウスルールというよりは、システム改変に近いが。まず、ダイス判定まわりはごそっとエクリプス・フェイズ式のD100を採用する。
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次に、能力値の大小を技能判定に修正値として影響させる、能力値ボーナスのシステムを採用する。こんな感じで。
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例えば、登攀【40%】の判定を行うとする。この時に関連しそうな能力値を1つキーパーが選んで、その数値に応じたボーナスを乗せる。例えば運動神経に関連するDEXを選択したとする。DEXが5しかなかった場合は、ボーナスは-20%となる。なので目標値は40%-20%の20%で行う。DEXが17だった場合は、40%+20%で60%となる。これが能力値ボーナスのシステムだ。明らかにドン臭い運動音痴(DEX5)と、アスリート級の運動神経(DEX17)の差が反映された形だ。

このシステムの利点は、キャラクターの得意な能力(適性)に応じた技能の取得が促進される点だ。ロールプレイングの促進システムでもある。また得意分野はより有利になり、苦手分野は技能を多めに振って初めて人並みなる。クトゥルフ神話TRPGの場合、マイナス補正が無かったので人より苦手という表現が出来無かったが、これで下手の横好き的な技能ポイントの振り方も出来るようになる。

更に例えばDEX5のキャラの場合、判定に成功しても目標値が30%以下なのでエクセレント判定にはならない。一方で、シビア判定は出やすくなる。となると、このキャラの場合は試しに登攀を試みると、高確率で悲惨な結果が待っている事になる。苦手なのにしゃしゃり出ると、周囲の足を引っ張りかねない事になるので自重した方が良くなる。ダイス任せにとりあえず全ての場面にしゃしゃり出るという行為が抑制されるのである。こうなると、チームでの役割分担がより意味を持つだろう。
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次の改変は、細分化されすぎていた初期値も0%~30%の4パターンにシンプル化すること。これの目的は、技能の追加や調整をしやすくすることだ。アメリカ人なら拳銃の初期値は20%、日本人なら10%みたいに、実際のイメージに合わせて柔軟に運用しやすくする事が目的である。ちなみに初期値の1%が無くなっているのは、ダイス判定が1-100では無く、00-99だからである。
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ついでに、明確な基準が無かった技能値のイメージ表もきっちり導入する。その探索者が大学の研究者なら専攻分野に関しては最低でも60%になる様にポイントを振る必要があるし(能力値ボーナス抜きで)、逆にその研究分野における権威やノーベル賞を取るレベルでなければ、80%や90%までは振るべきでは無いという形になる。これは自分がキャラに抱いているイメージと、データのズレを無くすことが目的である。

とまぁ、とりあえずはこんな感じか。



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by cemeteryprime | 2017-02-15 23:30 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】数値をどこまで汲み取るか

この記事は、クトゥルフ神話TRPGにおける数値の汲み取り方は実際の所はこんなもんだよという程度の内容であり、特に非難の意図は無い。

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まず、こちらは『御津門学園ゲーム部の冒涜的な活動(ファミ通文庫)』という、クトゥルフ神話TRPGのリプレイ小説に登場するキャラクターの島津君である。ストーキングが得意な高校生という痛い感じの設定はラノベのキャラだからである。晒し上げみたいな感じになるが、ちゃんと小説を買っているので許して欲しい。

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一方、こちらはクトゥルフ神話TRPGのルルブに乗っているサンプルキャラクターのガムシューさん。タフガイな私立探偵という如何にもなケツアゴのアメリカン・マッチョである。

ところで、この2人の能力値をよく見てほしい。CONはガムシューさんの方が高いので、よりタフである事が分かるが、それ以外は殆ど変わらない。体格(体重)も同等だし、なんなら筋力は島津君の方が高いのである…。

と、いうような感じで、日本のクトゥルフ神話TRPGシーンにおいてはあまり能力値は汲み取られていないのが普通なのである。

じゃあ、厳密に数値を汲み取ると島津君はどうなるかと言うと、身長171~5cm、体重71~5kgほど、筋力はアメフト選手並み、APP10でガムシューさんより低い。統合すると、身長はそこまで高くもない筋肉ゴリラ(顔も含めて)という感じだろう。ついでにDEX17とアスリート級なので、島津くんはゲーム部よりも運動部のエースとして頑張れる逸材であると言える。こんなゴリラにストーカーされた日には、速攻で交番に逃げ込むしかなかろう。

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ついでに、もう一人のキャラである伊丹君の場合は、SIZ16もあるので体重で言えば101~110kg、標準体型であれば、身長が191~195cmは余裕であると思われる。SIZ16と言えばアメリカ基準でもかなり体格が良い方だ。たまたまネットで見つけたダルビッシュが196cm,102kgらしいので筋力はともかく体格的にはそのレベルをイメージしてみよう。

つまり、イラスト上は島津君も伊丹君も華奢なイケメン学生であるが、その実態は超高校級のフィジカル・エリートなのである。威圧感しかないゲーム部である。

ちなみに、もっと致命的な点がある。島津君の場合、EDU11なので最低年齢が17歳である。本来なら高2か高3である。さらに伊丹君に至っては、最低年齢が20歳である。実は思いっきり留年しているオッサンなのである。

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次は技能値の方も見てみよう。島津君の技能値だが、割と恐ろしいことになっている。隠すとキックがプロ中のプロといったレベルに達している。機械修理技能と聞き耳も熟練の専門職レベルである。アマチュアレベルなのは追跡技能くらいだろう。

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こちらはガムシューさんの技能値。ルルブにはここから更にあと60ポイントを好きに割り振ってと書いてあるものの、計算してみたら、既に90ポイントほど技能値がオーバーしとるやんけ!という感じではあるが、各数値の高さには特に無茶な点は無い。

驚異的な値切りおじさんである点が気になるが、所詮は値切りなので凄まじく金に汚いのかなという印象だ。言いくるめや法律知識は探偵として日常的に使用するので50%を超えているのも当然だし、パンチ60%や拳銃65%は荒事も得意とするタフガイ性を表現している。

島津君の場合、属している世界観がラノベ寄りなので、ガムシューさんと同じ世界観で語るのは無理があるかもしれないが、超人的過ぎてとても高校生とは思えない。それ以上に、問題なのは技能値とキャラが厳密には一致していない点である。

ガムシューさんの場合、この技能をみれば職業が探偵であることが何となく分かる。一方、島津君の場合はキックが得意な忍者かな?といった感じである。とうてい高校生だとは思えない。明らかにキャラとデータが一致していないのである。

そもそもプレイヤーが演じる島津君という原型キャラがいて、シナリオの途中で発生する判定ポイントで使用する為だけに、島津君のキャラの一部を反映した技能パスを用意しましたよという感じにしかなっていないのである。ロールプレイングとキャラシートが分離してしまっているのだ。

こうなる原因は、特定の技能が無いとストーリーが進まないシナリオになっているケースが多いだろう。技能値が高い=判定に有利=取得する技能の数は少ない方が良いくらいの認識しかないと、シュミレーションゲームとしてロールプレイングゲームを遊ぶのは難しいだろう。勿論、その部分に比重を置かなければ良いだけの話でもある。


また、ついでに言っておくとこうしたリプレイ小説の場合、目的はクトゥルフ神話TRPGをプレイすることの面白さを伝える事である。別にリアルで恐ろしいホラーにする必要がそもそも無いので、キャラのリアリティも糞も無いという事情がある。なので超高校級の留年生でも特に問題はないのだ。ただ、クトゥルフ神話TRPGの本来のシステム目的である、クトゥルフ神話的なホラーを作ろうと思ったら、もうちょっと数値の意味を汲み取ってみた方が面白くなるとは思います。


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by cemeteryprime | 2017-02-15 22:11 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

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