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【クトゥルフ神話TRPG】クトゥルフ神話要素に関して

コール・オブ・クトゥルフ(d20)の内容で、参考になる部分をピックアップして紹介・考察する記事。

クトゥルフ神話としての正確さ

実際の所、ラブクラフトには首尾一貫した神話世界を創造しようという考えは無かった。クトゥルフ神話自体は、神話でも哲学でもなく、ストーリーのプロットを作るための手段一式でしかない。

敢えて言うなら、クトゥルフ神話は人類の持つ神話が如何に無意味であるかを明らかにすることによって、それらの神話を破壊してしまう為に存在している、アンチ神話である。クトゥルフ神話はただ混沌と破壊だけを提供する。そこに神話としての首尾一貫したビジョンなど無いのである。

ファン向けの内輪受けネタ要素としてのクトゥルフ神話要素という考え方もある。未知なるものに対する恐怖を扱うホラーという要素と、お約束ネタという要素は、基本的に相反する。クトゥルフ神話ファン向けの内容にする事と、ホラーにする事は、余程のテクニックが無ければ、最初から分けて考える必要があるだろう。

作中におけるクトゥルフ神話的要素の扱い

クトゥルフ神話に登場するカルト教団は、そもそもが狂人の集団である。彼らの教団における教義や信仰は勝手に作ったものであり、首尾一貫した歴史の道筋を辿っているものでは無い。狂人たちが、勝手にそう信じているだけである。なので彼らが持つ信仰や魔導書の内容が、所謂クトゥルフ神話として共有されている設定と矛盾していても、何ら問題は無い。

現在共有されているクトゥルフ神話についての接待は、所詮は、そういう設定で作品を書いた作家が過去にいたというだけの話なのだ。なので大いなる火の神クトゥルフという存在を崇拝するカルト教団があっても、何ら問題は無いのである。

クトゥルフ神話の設定は、プロットを作る為のフリー素材として提供された道具に過ぎないので、些末な整合性に気を取られて、作品が作れないならいっそのこと無視した方が良い。


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# by cemeteryprime | 2017-02-24 20:36 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】恐怖に関するデザイン

コール・オブ・クトゥルフ(d20)の内容で、参考になる部分をピックアップして紹介・考察する記事。

恐怖に関するデザイン

恐怖のシーンには『驚き』と『独創性』と『詳細さ』の3つの要素が必要になる。

探索者がモンスターに遭遇する事を予期しながら真夜中に幽霊屋敷に出かけて、モンスターに遭遇したとしても、そこに恐怖は生まれない。

恐怖には驚きが重要になる。予期していなかったものを登場させ、それまでの仮説を覆すことで、探索者の足元はグラつき、先行きに不安を覚える様になる。

独創性もまた、驚きを強調する為のギミックとして重要になる。全くの初心者であればともかく、クトゥルフ神話に馴染みのあるプレイヤーであれば、墓場の近くや洞窟をうろつく不気味な生物として、グール(食屍鬼)が登場した所で今更驚きはしない。「やっぱりそうだったか」と、むしろよく知ったモンスターの登場に安堵すらするかもしれない。

驚きと恐怖の関係は、先の記事でも触れた通りである。同じモンスターを何度も登場させるのは、驚きを薄れさせ、折角のモンスターとの対面も退屈にしてしまう。データ上はグールでも、名前や外観を全くの別物にしてしまうだけでも効果的なので覚えておこう。

詳細さはプレイヤーのイメージを膨らませ、更なる恐怖を喚起する上で活躍する。例えば襲い掛かって来たのが、単なるナイフを持った狂人よりも、ナイフを持ち返り血を浴びた狂人である方が恐ろしい。ついさっき人を殺して来たところかもしれないし、現れた場所が探索者の家の2階の寝室なら殺既に探索者の家族が殺されているかもしれない。更に口元が血まみれで何かの肉を咀嚼していたりすると、一層恐ろしくなる。食べているのは冷蔵庫にあった残り物か、それとも…。

視覚情報と恐怖

一方で、クリーチャーの外観は詳細に描写すればするほど、恐ろしくなるという物でも無い。触手が8本だろうが、10本だろうが、違いは無い。目玉が6つでも8つでもどうでも良い話である。ディティールの全てが恐怖に繋がる訳では無い。不気味さや恐ろしさが伝われば良いので、敢えてぼかした描写をするというのも手段である。

…カラスでもなく、モグラでもなく、ハゲタカでもなく、蟻でもなく、腐乱死体でも無い。何か私には思い出せない、いや思い出してはいけない生き物だった…これはビヤーキーに関する描写だが、とりあえずこの世ならざる不気味な存在だったという事だけは伝わる。身長は3mくらいで、脚が5本で、腕が4本、赤く光る目が4つというような、妙に具体的で中途半端な説明をするくらいなら、ある程度はぼかして表現すること。

如何にも恐ろしいイラストを探すことに労力を割いても、実際の所はそこまで恐怖には寄与しない。絵は絵である。単に凄いイラストだなと感心するだけで、その状況における恐怖感の増幅にはつながらない。

イラストに頼り過ぎると、そのモンスターがそれ以上でも以下でも無い形に定型化してしまう問題もある。変に形状を定型化させてしまうと、そういう生物なんだなと矮小化させてしまうことにもなりやすい。そもそも異界のクリーチャーは、生物であるかどうかも怪しいので、定まった形状をしている必要すら無いのである。前回チラッと目撃した時は、手足が2本だったのに、次に会った時は手足が10本になっていたとしても、別に問題は無い。

まとめ

・恐怖は常に予期せぬ形にすること。

・完全に予想通りの展開に恐怖は無い。

・詳細さはイメージを膨らませる為に用いること。


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# by cemeteryprime | 2017-02-24 20:15 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】戦闘に関するデザイン

コール・オブ・クトゥルフ(d20)の内容で、参考になる部分をピックアップして紹介・考察する記事。

戦闘に関するデザイン

クトゥルフ神話TRPGにおける戦闘は、メイン要素では無いが、ほとんど全ての戦闘は主要なシーンにはなる。まず、戦闘を準備する為には重要な2つの物を用意しておく必要がある。①戦う場所の図(マップ)と、②戦う相手である敵である。

戦う場所

何もない四角い部屋で戦うのと、荷物だらけの隠れる物陰が多い場所で戦うのでは、戦闘中に出来ることも、生まれるドラマも変わって来る。吊り橋の上だったり、巻き込まれると死にそうな巨大な輪転印刷機がある場所だったり。大きな戦闘は、大抵クライマックス近くで起こる。どういう場所で戦うかは、ストーリー全体の印象を大きく左右する。

暗闇や、濃霧、森、沼地などは、探索者の行動を制限すると共に、見てはならない存在であるモンスターの姿をベールに包む機能も持っている。

敵に関するデザイン

基本的にモンスターと遭遇するのは、冒険の中核に到達した時か、どうしようもなくストーリーから脱線してしまった時のみである。そして登場させたからには、NPCくらいは殺害させること。クトゥルフ神話TRPGにおいて、モンスターとの遭遇は致命的な結果をもたらすということは徹底させないと緊張感が薄れてしまうことになる。

それ以外で敵の襲撃によって緊張感を高めたい時などは、極力人間を使う事。金で雇われたチンピラ、狂人、狂信者、などである。野犬や蛇など危険な動物を使うという手段もある。

また、砂漠で半魚人を登場させてしまったりといった、場所と敵の性質が合わないミスキャストには注意すること。

登場の仕方に関するデザイン

戦う相手の登場のさせ方にも工夫の余地がある。一度に敵の集団を登場させるのではなく、最初に下っ端の雑魚が、その次にカルトの狂信者が現れ、最後に召喚されたモンスターが到着するという様に段階を踏ませるのも一つの演出となる。工夫次第で、戦闘の中にもオープニングやクライマックスといった流れを作る事ができる。


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# by cemeteryprime | 2017-02-24 19:20 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】発見に関するデザイン

コール・オブ・クトゥルフ(d20)の内容で、参考になる部分をピックアップして紹介・考察する記事。


発見に関するデザイン

クトゥルフ神話TRPGにおいて、探索者は恐ろしい真実を発見する。大抵は超自然的な存在が実在することを知る訳だが、そうした場面の恐ろしさは、発見の仕方一つで大きく変化してしまう。


まず避けたいのが、探索者の前にポンとモンスターを登場させる事である。モンスターの見た目が酷く気味が悪く恐ろしい場合は、ギョッとするかもしれないが、それは恐怖の中でもかなり低レベルなものである。節分のイベントなんかは、丁度そんな感じだが、そうした恐怖でパニックになって泣き出すのは、小さい子供くらいの物である。


直接モンスターを目撃したというだけなら、実際の所はそこまで恐ろしくは無い。まともな大人の場合は、恐怖よりも、どういうイベントなんだろ?とか、どういう生き物なんだこれ?といった疑問が前面に出る。


ホラーにおける発見は、直接的な提示では無く、あくまで恐ろしい事実の示唆である必要がある。


恐怖のトリガーとしての発見

d20クトゥルフでは、例としてラブクラフトの短編『闇に囁くもの』を挙げている(ミ=ゴが出てくる作品)。


ラストで語り手はさっきまで話していた男の蝋で造られた顔と手を発見する。会話していた相手は人間に化けた何かだったと判明するシーンである。


この時、登場人物の目の前にあるのは単なる偽物の顔と手である。それ自体が恐ろしいのではなく、それが意味している事が恐ろしいのだ。


良い発見とは、過去の記憶を全く新しい物に書き換えるものである。単なるAという情報や体験が、Bという新情報(発見)によって、全く異なる恐ろしい記憶に変化する。真の恐怖とは、目の前で起こる事では無く、頭の中で起こるのである。


発見の役割

この時、重要なのはこの頭の中で発生する変化は、登場人物だけでなく、読者や観客やプレイヤーにも同時に起こる変化だという事だ。


登場人物の目の前にモンスターが出現しても、所詮は他人事であるが、この頭の中でおこる変化による驚きと恐怖は共感できる。驚きを伴う発見は、共感によってグッとストーリーに引き込まれる場面でもある。なので、クライマックスの直前やクライマックスにおいて、驚きを伴う発見が投入される。どんでん返しと呼ばれる手法である。


発見をデザインする

重要な発見は、取って付けた様に与えるのではなく、他の手掛かりや詳細との組み合わせでデザインすることを意識すること。


重要な真実は、単体で成立させずに、プレイヤーがそれまでに獲得していた手掛かりと、新たに与えられた手掛かりを自分で頭の中で組み合わせて、発見する形にするのがベストである。

単体では、ちょっと引っ掛かるがそれ単体では別にそれ以上の意味を持たない情報にしておくこと。こうした前振りとしての手掛かりは、伏線とも呼ばれる。


まとめ

・モンスターを直接登場させて怖がらせるのは低レベル。

・頭の中で組み立てられる恐怖こそ共感できて恐ろしい。

・発見は既存の情報を上書きするトリガーであること。

・恐ろしい発見には、伏線を張っておく事。


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# by cemeteryprime | 2017-02-24 18:44 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】シティシナリオ

以下は、公式HPで無料公開されているD&Dのキャンペーンの1つをざっくりとまとめてみたものである。より一般的になるように内容は部分的に改変しているが、読むと別に現代が舞台でもやれなくは無い内容になっている事が分かる。


シナリオの概要

田舎にある小さな町が舞台。

近年、町には新興宗教を信奉している住民が増えてきている。古くからの地元の宗派から改宗する人間も出てきており、新旧の宗教間で緊張感が増している。中には兄弟間で宗派対立が起こり、険悪なムードになっている一族もいる。

近々、町では町長選挙が行われる。ここにも古くからの宗派と新興宗教のコミュニティ間での対立構造が発生している。

町から少し離れた場所に廃墟がある。その場所に、ギャングの一団が住み着いた。これによって周辺の治安は悪化している。

町から森を越えた大渓谷に洞窟群がある。その辺り一帯に住む狂暴な野生の猿が近年、統率のとれた行動を取る様になってきており、町の牧場や農場が襲われる被害が頻発している。

最近、町では不穏な暴力事件や失踪事件が多発している。また猿による深刻な被害から、町を離れる住民も増えている。失踪者の中には、深刻な宗教間対立のせいで町を捨てて駆け落ちしただけの若者もいる。

町で発生している事件の背後には、今まさに復活しようとしている邪神と、邪神を崇拝するカルトの暗躍がある。

宗教対立の原因になっている新興宗教団体は、全国規模の知名度のある普通の真っ当な宗教組織であり、邪悪なカルトでは無いが、町にある教団支部の副支部長が邪神に魅入られ、新興宗教団体を隠れ蓑にして邪悪なカルト教団を組織している。

町に住む新興宗教の信者には、何も知らない信者と邪悪なカルトに密かに帰依する狂信者がいる。また古くからある宗派へのしがらみから、新興宗教の信者になったことを隠している住民もいる。

町には幾つか簡易ホテルを兼ねた食堂がある。そのうち一軒が、邪教カルトに属する新興宗教信者のコミュニティの溜まり場になっている。ホテルの主人は、定期的に旅行者や町の人間を拉致して、ホテルの地下にある隠し部屋から、地下通路を通って、邪教の地下寺院へと生贄を運び込んでいる。

町の保安官はカルトに買収され見て見ぬふりを決め込んでいる。

キャラクターは、新興宗教団体の支部長からのSOSを受けて、町へと向かう。同じく何か異変を感じとった古い宗派のSOSで呼ばれる。町の行政の人間も、密かに町の異変を調査しているが、派遣した人間はカルトに拉致されことごとく失踪している。

町の近郊に住み着いたギャング団の首領も、実は邪神に魅入られた人間である。更に、町を襲っている猿たちは、洞窟群に住み着いた邪神崇拝者によって使役されている。


概略図

ざっくりとシナリオ進行を図にしてみるとこんな感じ。

c0325386_10390837.jpg

セッションは1回が90~120分を想定されている。基本的にキャンペーンで、フルに探索をするなら、全部で8セッションくらいが想定されている感じ。シティなので基本は自由探索だが、1本道で遊ぶ時の推奨ルートも書かれている。

ちなみに今回例に使用したのは、『混沌教団を討て』というタイトルのシナリオである。PDFで全56ページのボリューム。シティシナリオを作る場合は、こうした無料で公開されている完成度の高い公式シナリオを参考にしてみるのも良いかもしれない。確かに、ゲームシステムもストーリーのジャンルも異なるので、そのまま使用することは出来ないのだが、ストーリーにミステリー要素を与えるギミック部分に関しては普遍性があるので、そのまま拝借出来るよ。


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# by cemeteryprime | 2017-02-20 18:09 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

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