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【クトゥルフ神話TRPG】数値イメージ参照表

クトゥルフ神話TRPGにおいて、キャラクターの数値イメージを汲み取るのが苦手だという人の為に、簡単なイメージ参照表を作ってみた。

多少は独断も入っているものの、ルルブやソースブックに登場する複数のキャラクターのイメージと数値を参照する形で作ったので、それなりに妥当ではあるはず。

既存の自キャラに適用してみて、本当はどんな姿なのか答え合わせしてみるのも面白いのでは無かろうか。


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by cemeteryprime | 2017-09-22 18:32 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】POWに関する考察

以前、INTに関する記事を書いた。今回はPOWに関する考察。

POWに関して

POWは意志の強さや、精神力を表しており、POWが高いほど魔術を使う能力は高くなる。POWが高いと魔術的な攻撃や催眠術に対しての抵抗力が高くなる。POWが0の人間はゾンビの様な人間で、魔術は使えない。POWの高さとリーダーシップの高さは関係が無い。

以上が、ルルブから読み取れるPOWに関する情報である。

POWの高さと人物像

以下の表はクトゥルフ・ガスライトに掲載されている19世紀末を舞台にしたフィクションに登場する有名キャラクターのデータからPOWだけを抜粋して比較したものだ。

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まず注目してもらいたいのは、アラン・クォーターメインである。クォーターメインはH.R.ハガードが生み出した探検家ヒーローで、ガスライト世界を舞台にした19世紀末版アベンジャーズみたいな作品である映画リーグ・オブ・レジェンドでは、超人チームのリーダーをやっている。そんなリーダーキャラなのだが、POW13とそこまで高くないことが分かる。

確かにこの表を見る限り、POWの高さとリーダーシップの高さには関係が無さそうだ。リーダーシップの高さで言えば、アラン・クォーターメインはこのリストの中ではトップクラスのはずである。また、クォーターメインは不屈の探検家でもあるので、単純に精神力の高さとリンクしているとも言い難い。

キャラクター性を踏まえると、リストの上位にランクインしているのは、どちらかと言えば天上天下唯我独尊的な人の言う事を聞かないキャラクターである。フー・マンチューは悪の秘密結社の首領だし、モリアーティ教授も似たようなキャラだし、ドラキュラ伯爵は魔王キャラである。キャラクター性としての共通点は我が道を行くタイプで、職業としては悪の首領や異端の科学者が多い。またリストを観る限りは、人の言う事を聞かないPOWの高さは、犯罪者傾向にも繋がっている様にも思える。

ちなみに、クトゥルフ・ガスライトには、クォーターメインの人物像として勇敢だが控え目で、友人には献身的でアフリカ人にも寛容という記述がある。クォーターメインは人の話を聞けるキャラであり、だからこそ高いリーダーシップを持っているのである。その点を踏まえると、平均値よりちょい高め程度のPOW13は妥当に思える。また、同じ様に温和で献身的なイメージがあるホームズの助手のワトソンもPOW12で平均値に近い。

POWの高さをロールする

以上からPOWが高ければ高いほど、人の話を聞かず、自分の道を突き進む傾向があることが分かる。ある意味で、不屈の精神力とも受け取れるが、忍耐力とは関係が無いようにも思える。あくまで唯我独尊なだけである。

なので、人当たりの良さと共存できるのは、せいぜいPOW13程度が上限値だろう。それ以上となると異端者傾向が出て来るのはリストからはっきりと読み取れる。クトゥルフ・ガスライトのデータを公式値として受け取るならの話だが。

ちなみに、POWが高いと正気度も高いがこれは、自分に絶大な自信を持っているのであまり動じないという表現だろう。他人の意見に耳を傾ける人は、それだけ他人に影響されやすく、メンタルも傷つきやすい。現実がどうかはともかく、システム上はそういう形になっている。

また、システム上、POWの高さは魔力の高さなので、魔術師は基本的にはPOWが高い。フィクションだと魔術師は邪悪な王様に仕えている事も多いが、このシステムの場合、優秀であればあるほど、異端で孤高の傲慢な研究者みたいなキャラになるので、その辺の人間に従う事は無さそうだ。しかしながら、邪神はPOWが極端に高いので、魔術師もあっさり操られて従者キャラになることはありそうである。

動物のPOW

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ついでに動物のPOWにも触れて置く。とはいえ、動物の場合は単に従順さや、使役し難さを表現しているだけにも思える。狂暴な動物は従順度が低い=POWが高い。また、サイズが小さくなるにつれてPOWも下がる。あと何となく、草食動物の方がPOWが低い気もする。

動物のPOWをロールする場面があるかどうかは不明だが、狂暴な人喰い動物なんかを登場させる場合は、POWは高めに設定しておいても良い気はする。人懐っこい犬の場合はPOWも低いだろう。


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by cemeteryprime | 2017-09-15 19:21 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】内面性のシミュレーション

最近は、TRPGの『発生したドラマを楽しむ遊び』という側面に専ら関心がある。理由は主に海外ドラマを観過ぎているせいだ。如何にもホラー的な体験や、得体の知れない存在が引き出す根源的な感情としての恐怖よりも、人間関係における葛藤だとか、内面的な葛藤から発生する濃い感情に魅力を感じるのである。

だからこそ、敢えて言う。RPGの目的はキャラクターのドラマだ。ドラマを面白くする為には、多彩なキャラクターと、的確なロールプレイが必要になるのだ。

RPGの難しさ

より上手なロールプレイを目指して遊ぶことは、間違いなくロール・プレイング・ゲームの醍醐味だろう。

このキャラクターならどう行動するか?を考えるのは面白い。架空のキャラの行動を巡るこの問いに答えは無いが、リアリティがあるか無いかという感触は確実に存在する。フィクションの中の存在に過ぎなくても、その言動にリアリティを感じなければ、興味も失せる。

誤解も多いがロールプレイ(役割を演じる)というのは、与えられたキャラクターを演じる(シミュレーションする)という事である。俳優がやる演技も基本的には同じ事だ。そして、だからこそロールプレイは難しくもある。

プレイヤー本人と全く同じ経歴とステータスを持ったキャラをロールプレイするなら別だが、基本的にプレイヤーは、与えられた(たいていの場合はダイスを振って決めた)ごく僅かな能力値などからキャラクター像を組み立てる事になる。俳優の場合、そのキャラクターの人物像だとか過去だとか色んな背景情報を与えられて演技プランを組み立てるんだろうけども、RPGの場合は与えられるのは身体的特徴くらいだ。後は頭が良いとか、精神的にタフだとか、教育レベルは低いだとか、その程度だ。

…体は大きく運動も出来るけど、頭はあまり良くはない。でもそれなりに教養はある。そして人の言う事は聞かない頑固さがある。与えられた能力値に関する数値から、何となく人物像をプロファイリングすることは可能だが、ドラマを作る上で真に役立つ情報は殆ど与えられていない。どういうものが好きなんだろうとか、暴力に対してどういう反応を示すのかとか、これまでどういう経験をしてきたんだろうといった、内面性に関する情報である。

内面性をシミュレーションする

ところで、クトゥルフ神話TRPGには、キャラクターの内面性をシミュレーションする画期的なシステムが存在する。正気度判定システムだ。

クトゥルフ神話TRPGが画期的だったのは、正気度という概念を導入してホラー表現を可能にしたからなのは周知の事実だが、これが意味する重要性はあまり深く考えられていない気もする。それ以前も知力だとか精神力といった、そのキャラが何が出来るかといった能力面に関わる部分の内面性は幾らかシミュレーション可能になっていた。しかし、正気度の導入によって、一部ではあるがキャラクターがどう感じるかという感情をシミュレーション可能になったのである。

どう考えるか、どう感じるかという要素は、明らかに行動原理に関わる部分なので、ロールプレイにおいては大きな要素である。実は全く感動していないのに感動したフリをしたり、敵に立ち向かっていったが内心は恐怖でパニックになっていたり。こうした内面的な感情面での葛藤がもし、システムで可視化されシミュレーション可能になったなら、ロールプレイはより手軽に、より高度な内容になりはしないだろうか。

このキャラはこの状況でこう感じているというヒントをシステムが算出してくれるなら、プレイヤー自身もかなりキャラクターを掴みやすいはずである。

内面の数値化

こうしたキャラクターの内面に関するシミュレーションに対する1つのアイデアが、以前にも記事で取り上げた情動値の導入である。

そのイベントに心が動かされるかどうかを判定するだけのシステムだが、こういう状況でどういう反応をするかというヒントが与えられるだけでもロールプレイは大きく違って来るはずである。

繰り返しになるが、キャラクターをより上手にシミュレーションする事は、ドラマをより面白くする事でもある。最近の海外ドラマを観ていると、過去の経験によるトラウマや家庭環境といった要素がパーソナリティーに及ぼす影響なんかも、かなり正確にシミュレーションしてキャラクターの設定などに盛り込まれているのが分かる。クトゥルフ神話TRPG自体、精神医学に関するアイデアを内面表現に活用している作品である。


例えば、映画やドラマに出て来る極端な行動に走る主人公なんかは、たいてい過去にトラウマを負っていて、自分を罰したいという想いが根底にあったりする。こういう過去とパーソナリティも上手くシステムとして運用出来ないかなとは思う。

例えば、トラウマの数だけ何かに対する執着を設定するみたいな。トラウマと執着のバランスが取れている間は正常な行動が出来るけど、トラウマが悪化したり追加されてバランスが崩れると不定の狂気の様な状態になったり。過去に雪山で遭難して餓死しかけたことがトラウマで、食に執着しているキャラクターなら、異常な飢餓感に襲われて変わった物を食べようとみたいな。あと、興味技能なんかはこうした執着の内容と関係があって然るべきだし。

今はPOWINTくらいしか無いけども、例えば自尊心だとかのステータスを追加すれば、自己肯定感が低くて破滅的で攻撃的な性格の人間と、傲慢で攻撃的な人間の違いをステータス設定レベルで表現できたりしないかなとか。

クトゥルフ神話TRPGは、正気度システムの導入によって、感情をシミュレーションするという新しい方向性を示した。ドラマ的な面白さを追求するなら、この方向性にシステムを進化させていくというのは自然な流れでは無かろうか。

ただシステムが複雑になりすぎる感はある。


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by cemeteryprime | 2017-09-08 01:41 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【シナリオ案】悪書追放

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どういう話か

テーマは表現規制で、実際にその作品が魔導書の様に読んだ人間を狂わせる力があるとしたら。自分だけがそれに気付いたらどうすべきかを問うだけのシナリオ。

探索者の1人は漫画編集者で、もう1人は弁護士。後の探索者は、出版社の同僚だったり、調査を手伝う探偵だったり、警察であっても良い。弁護士役をNPCにする場合は、1人でもプレイは出来るはず。

導入パート

数日前に、変質者が殺人事件を起こして逮捕される。犯人はとあるエロ漫画に影響された犯行に及んだと逮捕後に警察に証言し、テレビでそれが話題になり表現規制問題へと発展する。

探索者の1人は漫画編集者である。その問題になった漫画の担当者は騒動を巡るストレスで突然退職してしまった為に、新しく担当者に任命される。出版社はこの騒ぎはビジネスチャンスだと考えていて、探索者に対して漫画家が委縮しない様にサポートする様に命令する。

探索者のもう1人は、逮捕された変質者の弁護士として雇われる。男は問題のエロ漫画に操られたと主張し、漫画に何か原因があるはずだと調査を依頼する。

調査パート

編集者の探索者は、漫画家を訪問する。漫画家の仕事場にはマスコミや猟奇的な表現の規制を求める抗議団体が訪問したりする。

弁護士の探索者は、問題のエロ漫画と、その作者について調査する。調査の結果、その漫画家の作品が原因で発生した猟奇事件は今回が初めてでは無く、別のペンネームで過去に書いた作品でも同様の事件が起きたと知らされる。

危機パート

その事実を裏付けるかの様に、同じような事件が再び発生する。事件は探索者が住む家の近所で発生し、今度は犯人が逮捕されないままになる。

編集者の探索者は、漫画家が悪意を持って読者の精神に異常をきたさせる目的で作品を作っていた事に気付くが、漫画家は姿をくらます。

2件目の事件の犯人は、漫画家の元の編集者で、探索者を襲撃したりする。

クライマックス

元編集者の所持品から、漫画家の逃亡先を突き止める。漫画家は、この先も人を狂わせる漫画を描く事は止めないと宣言する。漫画家が作品を通じて人を狂わせている事実は、状況証拠しかないので証明しようはない。探索者たちは、この漫画家をどうするか決断を迫られる。

結末

漫画家を殺すにしろ、野放しにするにしろ、漫画家自身も何かしらの作品の影響を受けて、こうした行動に出ていたらしいことが判明する。

探索者たちが家に帰ると、自分の子供が問題の漫画を読んでいたりする。


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by cemeteryprime | 2017-09-06 00:36 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】職業技能に関するシステム考察

TRPGにおける技能(スキル)の在り方というのは、悩ましいポイントの1つだ。職業毎に習得できるスキルを設定するか、スキルの組み合わせで職業を表現するか。

現代に生きるキャラクターをシミュレーションする場合、2つの問題が付きまとう。1つは、職業の専門化が進んで、それに伴って技能が細分化されている事。もう1つは、働き方の自由度が高くなって、職業の形態もどんどん多様化している事だ。

技能の追加における問題点

こうした要素に対応する為に、新しい技能の追加を特に制限していないシステムも多い。しかし、技能を細分化して追加すれば技能ポイントは足りなくなる。

例えば野球選手であることを表現する為に単に野球70%とするのと、投球60%+捕球80%+バッティング50%+盗塁70%で表現するのとでは、割り振る技能ポイントは大きく異なる。ポイントの割り振りという的では前者が有利だが、後者の方がシミュレーション表現としては豊かではある。

職業自体をスキルにする

そうした状況の1つの突破口になるかもしれないのが、職業という大きな括り自体を技能として活用する方法である。例えばクトゥルフ神話TRPGにおける鍵開け技能なんかは、英語では単に“ロックスミス(鍵屋)”技能という名前になっている。操縦:技能も、“パイロット:”技能になっている。

複合的で専門的な技能に関しては、職業の括りをそのまま技能名にする形で表現している。鍵屋技能に関しては、鍵に関する知識、ピッキング技術、鍵の複製などをいちいち別の技能にしているとキリが無いのでまとめた形だ。

ちなみにD&Dでは“鍵屋”に相当するスキルは、“盗賊”という技能でまとめられている。ファンタジー世界なので、マイナーな職業だと思われる鍵屋より、一般的な盗賊を採用しているのだろう。“盗賊”という形でまとめられているので、こちらには鍵にまつわる技能以外にもスリだとかそういうスキルも含まれている。

職業を技能にすると

では例題としてクトゥルフ神話TRPGのルルブに掲載されているサンプルキャラのスティーブン・セント・ジョンを使って技能を職業名で括るとどうなるかを実際にみてみよう。

裕福な事務弁護士であるスティーブンの技能は、以下の様な形だ。言いくるめ75%、運転(馬車)40%、回避50%、芸術(講義)45%、乗馬30%、信用80%、心理学65%、説得55%、図書館55%、値切り75%、法律75%、フランス語30%、ラテン語20%、ライフル55%

英米では弁護士は法廷弁護士と事務弁護士に別れている。スティーブンは弁護士だが法廷弁護士では無いという点が、説得や講義の技能値が微妙に低い所で表現されている。ビジネスで成功している裕福な法廷弁護士であるという点は、(社会的)信用が80%とかなり高い点で表現されている。

これを事務弁護士80%みたいな形でまとめてしまう。法律に関する知識や、値段の交渉や、適当な誤魔化しなんかは、弁護士の専門(偏見)なので、判定時には80%をそのまま適用する。図書館で資料を当たる場合や相手の顔色を伺う場合などは、専門分野では無いが、そこそこ仕事と関係しているので、‐10%~‐20%の若干の修正を加えた形で適用する。フランス語やラテン語に関しては、法学部を出ているはずなので多少は齧っているだろうという事で、1020%程度で判定する。

こんな感じで、“事務弁護士“技能80%を最初に設定して、後はその場のアドリブで運用する形でもそれなりに近い形で運用は出来る。また、特に明記されていなが、もしスティーブンが自分で事務所を開いて独立しているなら、経営者50%とかも付け加えておくべきだろう。

元のスティーブンの技能には“経理“は特に振られていないが、もし事業主であるなら本来はある程度、技能ポイントが振られていても良い部分ではある。財務に強い弁護士である事を表現したいなら会計士40%とかを付け加えると良さそうだ。

パーソナリティーを技能にする

より踏み込んだ表現方法として、職業よりもっと大きなパーソナリティー属性も技能に様に扱ってもいいだろう。例えば、スティーブンがイギリス出身でアメリカに住んでから5年みたいなキャラだったとする。

これをイギリス60%、アメリカ20%みたいな大雑把な感じで表現してやる。“アメリカ“技能というのは、アメリカ人なら共通認識として知ってそうな英語表現、アメリカの地理、風俗、みたいなものに対する習熟度を全部ひっくるめた表現である。

具体的な運用方法についてのアイデア

そうしたパーソナリティー属性としての技能は、細かく技能ポイントを割り振るとなるとイメージがし難いので、新米(20%)、そこそこ(30%)、ベテラン(40%)くらいに熟練度で3段階程度に分けてやる。

先ほどのスティーブンの例で言えば、ベテランの事務弁護士で、そこそこの経営者で、そこそこのイギリス人で、新米のアメリカ人という感じ。

ただこれだけだと、ベテランの弁護士間で技能値に個人差が無くなる。なので、個人の資質としての能力適性をボーナスとして上乗せしてやる。例えば、同じベテラン弁護士でも、頭が良いキャラなら+30%、普通なら+20%、馬鹿なら+10%といった形で差をつける。

スティーブンは、頭は良くて勉強もできる(INTEDUは高い)が、あまり魅力的ではない(APPは低い)キャラだったとする。これを仮に、学術系スキル適性+30%、交渉系スキル適性+10%と表現しておこう。

弁護士としての経験を活かす時、法律知識を参照する場合は弁護士スキルの40%に学術系スキル適性+30%の補正を加える。70%で判定を行う計算だ。法律知識を活用して交渉を行う場合は、交渉系スキル適性+10%を適用して、50%で判定を行う。

この方法なら、細かく技能を設定することなく弁護士キャラをロールできるし、頭が良いだとか、交渉が下手だとか、運動が得意だとかの個人差も表現できる。…と思うのだが、どうだろうか。


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by cemeteryprime | 2017-09-04 21:35 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】経済状態の分類方法

クトゥルフ神話TRPGには、探索者の年収と財産を1D10で決定するシステムがある。…あるのだが、正直ロールプレイには反映しにくいというか、キャラ設定として活かし難い部分ではある。年収4500ドル(約500万円)と55000ドル(約600万円)の違いなんてどう表現しろというのか?

そこで代替案として思いついたのが、マズローの欲求段階説に基づいた経済レベル表現である。マズローの欲求段階は、人間の欲求を5段階で表現したものだ。詳しくはwikipediaでも何でも参照してほしい。これはあくまで人間の欲求が階層構造を持っているという話だが、人間の欲求は経済状態に合わせてより大きくなるという法則と重ねれば、差し迫った欲求の内容から経済状態の段階を表現できるのではないかという発想である。

そこで、マズローの欲求階層図をベースに、欲求に応じた探索者の経済レベル階層図を作ってみた。それが以下の図である。

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マズローの5段階の内の経済状態と比較的分かりやすくリンクしている4つを、細かく6つに分けた。6つにしたのは1D6のランダム決定をしやすくする為だ。分布にシュミレーション性を導入したいなら1D100で判定して最上位は1~5で、二番目は6~15で、三番目は16~35で…みたいな感じにすると良かろう。

レベル1、飢えに悩むレベルの貧乏

マズローの欲求段階ではこの最下層を生理的欲求としている。食欲とか睡眠欲とか排泄欲とかの生存の為の本能レベルの欲求のことである。

経済状態のせいで、排泄が出来ないとか眠れないってことは無いので食欲のみに注目してみた。今日の食事にも困るぐらいの貧乏という段階である。

全人類レベルで考えれば、この段階に位置している貧困層は多い。が、発展途上国と違って日本の場合は一応、生活保護制度等があるので飢餓レベルの貧乏な家庭というのはあまり聞かない。とはいえ、ごくまれにそういった保護を受けるという発想に至らず孤立して死んでいる人はいてニュースになったりする。それ以外にも、ネグレクトや虐待を受けていて満足に食事を与えられていない子供なんかは存在する。

レベル2、住む場所が無い、家が欲しい

取りあえず食事に困らなくなったら、人は安全な生活環境を求めるようになる。マズローは、これを安全の欲求として表現している。ちゃんとした住む場所が無い人というのは、そこまで珍しくもない。完璧なホームレスは貧困というよりは半ばそういう性癖でやっている人もいるらしいが、例えば仕事が無くなって家賃が払えずに住む場所を追い出された人だとか、日雇い仕事で食いつなぐネットカフェ難民なんかはこのレベルの貧困と言える。住む場所が無く、住所不定状態だと、社会的サービスを受けるのが困難になったり、就職も難しくなったりする。ネットカフェ難民では無くとも、自分で家を借りられるほどには稼ぎがまだなくて、知人の家に下宿している人間や、あまりにもボロボロのアパートなんかに住んでいてマシな家を探したいと思っている人なんかも含めるともっと数は多くなるかもしれない。アメリカによくいるトレーラーハウスに住んでる人たち辺りが境界線の様な気はする。

レベル3.マシな仕事に就きたい

これも安全の欲求の1つであるが、住む場所が確保できれば次の段階として、安定した収入や、仕事面での安全性や、健康的な生活だとか、福利厚生とった物を求める様になる。これに関しては、質を求めるとキリがないので、パーフェクトにこれが満たされている人間は少ないかもしれないが、たいていの人はある程度は満足出来ている。

仕事にはついているが、長時間労働&低賃金とかで、まともな食生活ができていないだとか、不規則な睡眠サイクルで体を壊しつつあるだとかの、数年後には確実に病気になっていそうなブラックな労働環境にある人だとか、短期の仕事しかなく定職を探している人だとか、危険な労働環境で働いている人だとか。

諸々の事情で、もっといい仕事を探さざるを得ない状態の人たちがこのレベルにあると言える。アメリカだと、日本の様に国民健康保険の類が無い(オバマケアが出来たが)ので、まともな仕事につけず会社の健康保険等が無ければ、病院にも禄にいけない状況があるので、こうした問題はより深刻かもしれない。

レベル4、人間関係

マズローはこれを社会的欲求と呼ぶが、生活がある程度安定したら、次は人との繋がりを求めるようになる。周囲の人間とより良い関係を構築し、恋人をつくり、家族を持つことを考える。

少なくとも、家や仕事に不満が無い段階の人々である。レベル2の段階の課題に囚われている間は、なかなか人間関係のことまで気は回らない。

親と同居している未成年の場合は、余程貧乏でない限り食べ物や住居の心配をする必要は無いので、このレベルからスタートする。家族との関係改善や、学校で友達を作ろうとし、恋にも悩む。

レベル5、名声

周囲との人間関係にもある程度満たされれば、次は社会的な承認欲求を満たそうと望むようになる。世間から一目置かれたいと考えるようになる欲求である。

レベル5がどこまで経済状態に左右されるかは難しい所ではあるが、人間は経済的に豊かで余裕があればレベル4はある程度満たされるものである。莫大な資産を受け継いで金は持っているものの、社会的には孤立しているというような特殊なケースでない限りはそうだろう。

レベル5に位置する人間は、経済的に自立しており、恋人や家族もいる人間である。端的に言えばリア充と呼べる人間である。こうした人間は、社会的な地位を向上させる為により一層仕事に打ち込んだり、地域や社会に貢献をする為に時間やお金を使うようになる。

レベル6.実績

それなりに社会的名声も手に入れた人間が次に何を目指すのか、それは自分が社会において重要な人間であると自分で確信することである。ビジネスで成功を収め名声を手に入れたた人間は、次の段階として、政治に参加したり、社会的に意義のある事業に独自の投資をしたりしはじめる事がある。

既に十分に名声を獲得し、金にも困っていないであろう人間がこうした活動を行うのは、世間の評価ではなく自分自身で自分の影響力を確信したいからだと考える事が出来る。

レベル6は社会的名声を獲得した成功者である。レベル6は経済的な面だけ評価することは難い。金はあっても名声を獲得することに終始する人間もいるだろう。ビジネスで一発当てただけでは無く、安定した社会的地位を築いてこそレベル6に進む。

総論

まとめると、レベル1は食べるものに困るくらいの貧乏。レベル2は住む場所に困るくらいの貧乏。レベル3はブラックな仕事に就いている人。レベル4は一人で生きていく分には問題無いが、誰かを養う甲斐性には欠ける程度の経済状態。レベル5は世間の評判を気にするリア充生活者。レベル6は、社会的地位を気付いている成功者。…とまぁ、こんな感じである。

かなり大雑把な分類ではあるが、生活状況とか、人生におけるその段階での課題といったものは明確なので、ロールプレイングはしやすいのでは無かろうか。




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by cemeteryprime | 2017-08-02 23:34 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】ホラーシナリオ作成における段階論

ホラーの分類方法は幾つかあるが、ホラーシナリオを創るという観点から、製作難易度に着目してホラーを3種類に分類してみた。

レベル1、因果応報ホラー

シンプルに云うなら、タブーに触れた人間が恐ろしい目に遭う…というのが因果応報ホラーだ。これは、悪い事をしたやつ、忠告を聞かない奴、調子に乗ったムカつく奴は酷い目に遭うべき!…という、人間の願望に沿う形で展開されるストーリーである。

例えば、立入禁止の廃墟とかに忍び込んだ若者たちが酷い目に遭う話だとか、酒やドラッグやセックスを楽しむイケイケな若者たちが殺人鬼にブチ殺される話だとか、危険な遺伝子操作実験で生まれたモンスターが暴走して博士を殺す話だとか。

因果応報ホラーにおいてモンスターは、ある種の天罰を与える存在であり、それ故に超自然的なパワーが許されている。因果応報ホラーにおいて、注意するべきルールは1つ、作中で描かれる罪が深ければ深いほど、モンスターは強くなるという法則である。

因果応報ホラーの強みはそのシンプルさだ。極端な事を言えば、罰せられるべき奴が死ぬことでオチがつく。ミステリー要素と絡めるなら、モンスターを生み出した罪だとか、被害者に共通する罪だとかの秘密を暴きつつ、モンスターが復讐したり天罰を下したりするストーリーになる。

多分ネットとかでも検索すればすぐに見つかる、ホラー理論として有名な小中理論(参考文献『恐怖の作法』)なんかだと因果応報があるホラーは怖くないとされている。確かにそうかもしれないが、ストーリーとしてまとまりやすいという点は圧倒的に魅力である。なので、シナリオ制作の初心者なら背伸びせずに因果応報ホラーから始めるべきだろう。実力のある作家の本格ホラーはともかく、それなりに楽しいB級ホラーには因果応報ホラーが多いイメージがある。

レベル2、侵略者ホラー

侵略者ホラーとは、因果応報とは関係なく理不尽に襲い掛かって来る恐怖を描くストーリーである。

古くはドラキュラなんかはこの典型だし、クトゥルフ神話のラヴクラフトが書いたホラーも殆どこれに属している。突然、宇宙から襲来して人を殺しまくる火星人なんかはこの典型だろう。話が全く通じないサイコパスが襲い掛かって来る話なんかもこれに通じる。

侵略者ホラーの難しさは、あまりにも理不尽なパワーを持ったモンスターが人々を蹂躙するだけの話を見せられて面白い?の一言に集約できる。

なので、モンスターを何かしらの現実的な脅威を想起させる存在として描写するだとか、モンスター以外の部分をとことん詳細に描いて恐怖にリアリティを持たせるだとかのテクニックが必要になって来る。

例えば何にも似ていない、未知なるものの恐怖を描こうとしたラヴクラフトの場合は、謎によって不安を煽るミステリー要素を駆使する後者の手法で、宇宙的恐怖を形にした。

侵略者ホラーのモンスターはパワフルで魅力的なのだが、恐怖の本質がモンスターそのものでは無く、それを想起させる現実の恐怖だとか、リアリティ描写上のテクニックだとかの外部に依存しているので、安直にモンスターだけ抜き出した場合ホラーにならないという性質を持っているので注意が必要になる。

ツッコミどころ満載でも因果応報という説得力の一点で成立してしまえる因果応報ホラーと違って、侵略者ホラーの場合はツッコミどころが目立ちすぎると一気に白けてしまうので、リアリティのデザインにある程度自信がついてからチャレンジしてみるべきだろう。

レベル3、ヒューマニズムホラー

ヒューマニズムホラーとは、人間の心の闇や、社会の闇を浮き彫りにするタイプのストーリーである。ヒューマニズムホラーにおいて、モンスターなどの超自然的な要素は、こうした人間の闇を浮かび上がらせるギミックに過ぎない。モンスターで怖がらせるのではなく、それによって浮き彫りになる身近な人の内面に潜んでいた闇で怖がらせるホラーである。

スティーブン・キングの作品で言えば、悪霊に憑りつかれたホテルが原因で父親がアル中のDV殺人鬼と化すシャイニングだとか、笑うセールスマンみたいな悪魔が原因で町中の人間がいがみ合うニードフルシングスなんかはこのタイプである。

ヒューマニズムホラーを上手く成立させるには、リアリティデザインに加えて、丁寧な人間描写やドラマ描写がスキルとして必要になるので、最も描写が難しいホラーとして位置付けた。

ただし映像作品の場合は、フェイク・ドキュメンタリー的な手法を用いる事でこうしたリアリティや人間描写の難易度をブレイクスルーできる事を白石監督作品なんかが教えてくれていたりもする。

総論

なぜ、こうした段階論を考えてみたかというと、侵略者ホラーの出来損ないみたいなシナリオが溢れているからだ。私もそうだが、初心者がホラーシナリオを創ってみようとした時に、魅力的なモンスターに惹かれていきなり侵略者ホラーを作ろうとして失敗するパターンはあまりにも多い。

実はちょいと弄って因果応報ホラーにするだけで、改善されるタイプのシナリオは多い。例えば、寝て起きたら変な異世界にいて良く分からないモンスターに蹂躙されるだけの話も、探索者たちが過去に犯罪をおかして罪悪感に囚われている人たちであるみたいな設定を取って付けるだけで一気にストーリーとして納得感というか締まりが出て来る。

真似したくなる様な優れたホラーというのは、侵略者ホラーであったり、ヒューマニズムホラーであったりするが、そうしたホラーは成立させる為にはモンスターの設定や恐ろしいストーリーのアイデア以前に、作家としてのスキルが要求でされてしまう。適当に造ったモンスターでも簡単に成立するのは因果応報ホラーなのだが、因果応報ホラーはB級ホラーに多いのでホラー好きでもなければ逆にあまり触れないジャンルだったりもする。

因果応報ホラーはホラーとしてはいまいちだけど、成立させやすいので、初心者にはオススメですみたいな身も蓋も無いアドバイスは、個人的にはあまり聞いたことがない無いのでまとめてみた次第である。


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by cemeteryprime | 2017-07-12 18:53 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】ホラーシナリオの要素

ホラーシナリオに求められる要素について雑にまとめてみた。


エンタメ×ホラーのポイント

  1. 主人公の目的が明確or逃げられない理由がある。
  2. クライマックスにサプライズがある。
  3. 人が死ぬ。
  4. 人の心の闇、もしくは社会の闇を覗ける。
  5. 恐怖一辺倒ではなく、笑えるポイントもある。
  6. モンスター登場への期待と恐怖をきっちり煽ること。
  7. 恐ろしいモンスターの背景には恐ろしい罪がある。
  8. テンポの悪さは全てを台無しにする。


対立構造について

対立構造はストーリーのシンプルな推進力である。対立構造つまりは目的があってそれを邪魔する敵がいるという状況があれば、プレイヤーは次にやる事に迷わないで済む。

主人公の目的が曖昧だと、ストーリーの方向性が見えないのでプレイヤーはキーパーの指示を待つだけになる。主人公の目的を明確にすること、逃げられない理由を用意することは、どちらもプレイヤーに向かうべき方向性を迷わせない為に必要な要素だ。

例えば『自分の子供を助ける為に、幽霊屋敷を探索する。』という明確な動機と逃げられない理由があれば、確実にプレイヤーは探索者に少なくとも子供を助けるまでは、何があろうと幽霊屋敷の探索を続けさせるはずである。

サプライズ要素について

所謂どんでん返しである。ストーリーの構成単位としては必ずしも必要ではないが、エンタメとしては確実にあった方が良い。

味方と思っていた人物が敵でしたとか、その逆で敵と思っていた人が味方でした等。こうしたサプライズ要素は、別に凝った内容にする必要は無いが、無いと肩透かしを食らってしまう類のものなので、様式美として忘れないようにしたい。

見世物小屋要素について

結局の所、エンターテイメントと見世物小屋要素は不可分である。特にホラーは親和性が高い。人はホラーに何を期待するのかというと、身も蓋も無い言い方をするなら人が死ぬ所であり、それ以外の日常においてタブーとして隠されがちなものを観たがる。

殺人事件、恐ろしい事故、業界のおぞましい裏側、崩壊した家庭、いじめ、奇形、キチガイ、変態、キモい人!

我々がホラーに求めるものは、基本的にはテレビの情報番組や週刊誌が日々扱う内容でもある。ホラーにはそれらの要素がより露骨に、残酷に、邪悪に登場することが期待されている。こういう物が一切登場しなかったら、なんだか詐欺にでもあった様な肩透かし感を受ける。誰もホラーに高尚なものは求めていないのだ。

ホラーと笑い

ホラー映画や小説の場合、観客は内容に干渉の仕様が無いが、ホラーTRPGの場合は干渉出来る。人は笑うことで恐怖を払拭しようとする。その結果、プレイヤーは内容が恐ろしいと思えば思うほど、笑いに走ろうとしてしまう。

とんでもなくホラーリテラシーが高いプレイヤーでも無い限り、恐ろしいシナリオを恐ろしい雰囲気でプレイすることは難しい。恐ろしければ恐ろしいほど、台無しにする力が働くという困った現象が起こる。

また、恐ろしいだけの話はメリハリが無くてつまらないという側面もある。恐ろしいだけのホラーは、唐辛子しか入っていない料理みたいなものである。良いホラーというものは、笑えたり、感動させたりする要素も必ず入っている。だからこそ、メリハリが効いて恐ろしい部分がより恐ろしく感じるのである。

なので、良いホラーにしたいなら、こうしたメリハリを意識する必要がある。ギャグキャラや、ドラマ要素がある人間関係などNPCを上手く活用するのが近道である。

モンスターの本質

ホラーの主役はやはりモンスターである。しかしながら、ホラーのモンスターと、ゲームのモンスターは混同してはいけない。ゲームのモンスターというのは、言ってみれば戦闘シミュレーション上の障害物でしかない。ゲームにおける恐ろしいモンスターとは、高レベル・高スペックの倒しにくい障害物と同義だ。

ホラーにおける恐ろしいモンスターは異なる。ホラーにおけるモンスターの本質は恐怖である。現実に存在する何かしらの恐怖を誇張したメタファー的な存在である。

エイリアンの恐ろしさは機敏な動きや腐食性の血液よりも宇宙レイプ魔な部分だし、エクソシストなんかの悪魔のヤバさは悪魔がどうというより身近な人が変貌してしまう恐怖である。シャイニングは幽霊屋敷がどうというより、スランプでアル中になったDV親父の恐怖だった。ITのピエロは少年を殺しまくったホモのシリアルキラーのピエロおじさんをモデルにしている。クトルゥフにおけるディープワンだとか混血のクトゥルフ教団の信者たちといったモンスターの背景には、外国人へのラヴクラフトの偏見があったのは有名な話だ。

またストーリーにおけるモンスターの恐ろしさは、スペックでは無く、登場するまでに高められた恐怖感に起因する。遭遇する前からプレイヤーは伝聞なり、痕跡なりで、ヤバい存在であることを知っているからこそ、恐ろしいモンスターとして機能するということを覚えておこう。

モンスターと罪

人は恐ろしい事件の背後には、必ず恐ろしい罪がある(あって欲しい)というオカルトじみた妄想を抱く。恐ろしい目に遭うのは、恐ろしい罪を犯した天罰であって欲しいのである。こうしたオカルト的発想は、よく犯罪被害者へのバッシングなどの形をとるが、ホラーにおいても有効である。

ホラーにおいては、モンスターの出自にまつわる形で機能する。主人公の罪で生まれたモンスターが生まれた場合、主人公は何らかの形で罰を受けるべきであるというバイアスが働く。そうすると、主人公が死ぬまでモンスターが何度理不尽に蘇ろうが、誰も気にしない。主人公が罰を受けない事の方が許されざる結末だからだ。

人類による環境破壊だとか、放射能汚染なんかで誕生したモンスターは、人類を罰する役割を期待されている故に、理不尽に強いのである。


ホラーの主人公が犯しがちな罪として以下の様なものがある。

  1. 入るなと言われた場所に侵入した
  2. 人を見殺しにしたor死なせてしまった
  3. ふざけて悪魔を召喚した
  4. 何かを盗んだ
  5. 人を蘇らそうとした
  6. 迷信を馬鹿にした
  7. 行きずりのセックスor浮気
  8. 調子に乗って相手を舐めてた
  9. アルコール中毒、もしくは薬物中毒
  10. 本人では無く、親が悪い事をしていた


嫌な奴ほど酷い死に方をするというのもこうした法則に乗っ取っている。嫌な奴が碌な死に方をしないことを観客は望み、モンスターはそれに答えるのである。


テンポの良さと面白さ

話のテンポが悪いと、どんな面白い話もつまらなくなる。というより面白い話が面白いのは、内容による物というよりは、むしろ構成とテンポが良いからというのが殆どだ。

内容は同じでも、喋りが下手な人の話はつまらないが、上手な人が話せば面白い。教えている内容は同じはずの塾講師に人気不人気があるのも、こうした理由だろう。なので同じシナリオでもキーパリング次第で、つまらなくなったり、面白くなったりというのは大いにあり得る話である。

話がどこに向かっているのか分かり難い、内容が頭に入ってきにくい、長時間過ぎて疲れる…こうした要素はシナリオの内容以前の問題なので注意すること。


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by cemeteryprime | 2017-07-10 22:29 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】微妙なシナリオ

以前記事でまとめた、シナリオを作成する際に注意した方が良さそうなポイントについての掘り下げ記事。

明確な動機がない

ストーリーにおいて重要なのが主人公への共感である。主人公に共感できないと、ストーリーはどうでも良くなる。

主人公に共感させる為の一番の方法は明確な動機を用意してやることだ。恋人を殺された主人公が敵に復讐しようとする。経済的に困窮した主人公が金を奪おうとする。個人的に賛同はできなくても、主人公の動機と行動は理解できる。これが共感である。

しかし、例えばこんな場合はどうだろうか。主人公は銀行員である。主人公は知人から怪しい事件の噂を聞き、僅かな報酬と引き換えに3日間ほど仕事を休んで命懸けの探検をする。

このままでは全く探索者の動機が理解できない。入り口で共感出来ないと、その後のストーリーも全体的にどうでも良くなってしまう。

このストーリーを成立させるには、何か主人公の過去と怪しい事件の間に密接な関係性を用意したり、もしくは引き受けないと仕事を失う等の逃げられない事情を用意してやる必要がある。

この様に、シナリオの導入パートというのはストーリー全体の面白さを左右する重要な意味を持っている。キーパーが用意したシナリオ上の謎が解けるかどうかだけではストーリーは成立しないのである。

探索者に合わせて切っ掛けや動機作りの部分をキーパーがアドリブで調整する。もしくはそのシナリオに適した動機を持った探索者をプレイヤーに用意させよう。プレイヤーのやらされている感は主人公の動機とシナリオの進行がリンクしていない場合に生じるものである。

明確な対立がない

対立というのは例えば、『さらわれたヒロインを取り戻そうとする主人公』VS『そうはさせまいとするエネミー』…みたいな構図のことだ。

明確な対立があるとストーリーがどこに向かっていくのかが分かりやすくなる。上記の例で言えば、ヒロインの場所を探す探索があり、最終的にはエネミーと直接対決をして、ヒロインを取り戻すか、もしくは取り戻せないかの結末へ至るというのが分かる。

明確な対立が無いシナリオの場合、途中でグダグダになることが多い。例えば『さらわれたヒロインを取り戻そうとする主人公』VS『別にヒロインをさらった訳でもなかったモンスター』だったらどうなるだろうか。

探索者たちは勘違いでモンスターに襲い掛かるかもしれないが、話してみて誤解が解ければそれで終了である。もしくは普通にヒロインを発見してお終いである。こうなると肩透かし感しかない。モンスターの処遇に関しては完全にストーリーとは関係の無い要素なので本質的にどうでも良くなってしまい、プレイヤーは困惑する。この様に対立構造が無いと、エネミーとの対決というクライマックスが成立せず、オチの付け方も有耶無耶になる状況が出てきてしまうのである。

ちなみにクトゥルフの場合、モンスターは戦って勝てる相手ではないのでモンスターとの対立構造は避けたいかもしれない。その場合は、モンスターを操る人間との対立構造を用意してやれば良い。モンスターの対立構造にしてしまうと、クライマックスでモンスターが喋り出して真相を語るみたいな間抜けな状況が発生しやすくなる(=怖さが薄れる)ので、そういう意味でも対立の相手は人間にしておいた方が良い。

d20クトゥルフのシナリオ制作ガイドでは、『秘密を暴こうとする探索者』VS『秘密を守ろうとするエネミー』という対立構造を軸にしてシナリオを作ることが推奨されている。

・それはどういう秘密か?

・なぜ秘密が露見するとまずいのか?

秘密を巡る対立を軸にシナリオを肉付けしていく手法はホラーにおいては有効なので、良い感じの対立が思いつかない場合はまずはこのパターンで作ってみると良い。

他のメジャーな対立としては、

・死にたくないVS死なせたい

・世界を滅亡させたくないVS滅亡させたい

・子供や恋人を取り戻したいVS取り戻されたくない

等がある。対立構造は無限にあるので面白いものを考えてみよう。


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by cemeteryprime | 2017-05-24 18:49 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【書籍感想】クトゥルフ神話ガイドブック


クトゥルフ神話のここが分かる

  1. ラヴクラフトをはじめとする参加した作家達と、参加した時系列
  2. 押さえておきたいクトゥルフ神話要素と登場作品の概要
  3. その神格や魔導書はどの作家がどの作品で最初に登場させたか
  4. ラブクラフト作品の何が新しかったのか
  5. ラヴクラフト作品の影響について


資料性の高いクトゥルフ神話TRPGのルールブックやその他のソースブックも持ってるし、エンサイクロペディア・クトゥルフも読んでたし、東雅夫のクトゥルー神話事典も読んだし、ゲームシナリオの為のクトゥルー神話事典も読んだ、クトゥルー神話ダークナビゲーションも読んだ、H・P・ラブクラフト大事典だって押さえいる。

…なので別にこれ以上知りたいことも無いやと思って今まで買っていたなかったのだが、たまたま本屋で見かけて何となく購入。読んでみると、ガイドブックという名前だけのことはあって、クトゥルフ神話の入門書としてこれ以上ないくらいに分かりやすくて驚いた。

特にこのガイドブックの場合は、ラブクラフトが考えたのはこれで、次にこういう作風のこの作家がこの要素をこの作品で追加したみたいな形で、クトゥルフ神話の諸要素が形成されていった過程を分りやすく時系列で紹介してくれているのが分かりやすくて良い。

魔導書が誰の手によって登場したのかは、TRPGプレイヤーなら割と知っておきたい情報では無かろうか。これに関してはゲームシナリオの為のクトゥルー神話事典なんかの方が分かりやすくまとめられているが、ついでなので簡単に代表的な魔導書とその作者についてまとめておこう。

クトゥルフ作家と魔導書

  1. ラヴクラフト ー ネクロノミコン、ナコト写本、etc…
  2. CA・スミス ー エイボンの書
  3. RE・ハワード ー 無名祭祀書
  4. ロバート・ブロック ー 妖蛆の秘密、屍食教典儀
  5. オーガスト・ダーレス ー ルルイエ文書
  6. ブライアン・ラムレイ ー クタート・アクアディンゲン
  7. ラムジー・キャンベル ー グラーキの黙示録
  8. リン・カーター ー ポナペ教典

こうして並べてみると、それぞれのアイテムがどういう文脈というか、どういう内容の作品で登場したかはかなり重要な情報に思える。

あと、読んでいて思ったのは、クトゥルフ神話的な文脈ではディスられていることが多いダーレスだが、ヒロイックに邪神と戦う話が好きなTRPGプレイヤーの場合はむしろ相性が良さそうな気もする。まぁ、手軽に作品が手に入るブライアン・ラムレイで事足りる気もするが。

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by cemeteryprime | 2017-05-16 20:44 | 作品・感想 | Comments(0)

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