blogを書天則。Twitter:@idea51


by cemeteryprime

プロフィールを見る

マイブーム

・クトゥルフ神話TRPG
・レゴ
・海外ドラマ

最新のコメント

最近の国産なら最も実際の..
by 太郎 at 01:24
アナログ(会話中心)で遊..
by cemeteryprime at 08:31
国産のTRPGでも、会話..
by 祟り屋 at 16:12
TRPG全般では、進行役..
by 祟り屋 at 16:07
TRPG全般では、進行役..
by 祟り屋 at 16:06
1行目の『クトゥルフ神話..
by cemeteryprime at 08:03
【クトゥルフ神話TRPG..
by さいたま at 14:37
はじめまして。非常に勉強..
by naochaland at 01:03
コメント、ありがとうござ..
by cemeteryprime at 21:52
楽しく読ませてもらってます
by 海に棲むもの at 11:50

最新の記事

【TRPG】12星座のアーキ..
at 2018-01-17 23:32
【ゲーム感想】フォールアウト..
at 2018-01-10 10:47
【クトゥルフ神話TRPG/日..
at 2018-01-07 10:06
【TRPG】RPGと世界観
at 2017-12-25 19:27
【TRPG/雑記】コンテンツ..
at 2017-12-21 19:24

タグ:クトゥルフ神話TRPG ( 125 ) タグの人気記事

【クトゥルフ神話TRPG/日記】TRPG納会

c0325386_10264758.png
昨年の1231日に久々にクトゥルフ神話TRPGで遊べる事になったので、シナリオも新しく作った。その感想と個人的な反省点。勿論、セッション自体は楽しかったです。

シナリオ概要

ほぼ座間事件。犯人は10年前に死後の異世界転生を信じるカルト教団の集団自殺儀式に参加したが、1人だけ死ねなかった男。最近になって本格的に狂気に囚われ、SNSで自殺志願者を集めては、自分なりのやり方で異世界に送るという行為を繰り返すようになった。ちなみにそうした異世界転生カルトは、エドガー・R・ナロウズという作家の描いたSF小説を教典としているので、ナロウズ系カルトと呼ばれている…という設定。

探索者は失踪した女性の家族もしくは恋人というレギュレーション。最終的に女性は犯人の家のクーラーボックスの中でバラバラになった状態で発見される。被害者たちは本当に異世界(ドリームランド)に行ったのか?という謎と、犯人が定期的に被害者たちのバラバラ死体を誰か(グール)に渡していたという2点が、キャンペーン用のフックになってお終い。

失踪した女性の足取りを追うと、実は女性には闇があった明らかになっていき、悪質なスカウトマンと交際していた上に麻薬密売の片棒を担いでいた事や、更には自殺願望まであった事が分かっていく。…みたいな感じで探索パートは『渇き。』と『新宿スワン』みたいな要素が強い。勿論犯人は元スカウトマン。

実際のセッション

探索者は2名。被害者の恋人(製薬会社子会社勤務の研究員)と、被害者の弟(美術部の高校生)。恋人の方はキャラクター背景ランダム決定表を使ってもらった結果、失踪した女性にDVを振るっていた事が判明した。

そのせいで、『ゴーンガール』的な要素もプラスされた。DVを受けているという設定が加わったせいで、失踪した女性には悪い男に惹かれるというキャラ設定が加わって、更にはその父親も若干威圧的なキャラになった。

DVを振るっていた恋人と、彼女の弟という組み合わせのせいで、事件とは関係ない部分で謎の緊張感が発生したが、弟の方はマイペースなおっとりキャラだったので特に衝突は発生しなかった。

最終的に、新たな犠牲者を部屋に招いて殺した犯人のアパートに警官が送り込まれ、犯人は現行犯で暴れて射殺されてしまい、オカルト方面の話は特に掘り下げられず犯人の動機もいまいち不明のまま終わったが、最後は探索者たちは犯人のアパートで絞殺されたばかりの死体を目撃し、クーラーボックスの中にいたバラバラの恋人(&姉)を発見する形にはなった。エピローグとして異世界からの胡散臭いこっちは良い所で元気にやってます的な夢がとって付けられて終了。

プレイヤーには完全にストーリーの主人公を作るつもりで探索者を作ってとお願いしたので、キャラ作成はたっぷり1時間強かけてもらい、プレイ自体は3時間未満という感じ。

反省点

あまりにも超自然的要素が少なかった。夜の繁華街をうろついてドラッグを購入したりだとか、ヤバそうなバーに入って半グレ集団に接触したりだとかで事件性はあったが、ホラーだという分かりやすい演出が無かった。もうちょっと分かりやすい目くばせ的な演出が必要。

あとセッションとして笑いどころはあったが、シナリオとしての笑える要素は少なかったという気もする。シリアス一辺倒だとメリハリが無くてどうしても疲れるので、ギャグ要因となる様なNPCを出しても良かった。

あとフリースタイルなシティシナリオに発生しがちな問題として、プレイヤーが技能を活かせず殆ど説得や言いくるめで突破するという展開に甘んじてしまったのがキーパーとして特に反省しておきたい。使いたい技能があるかを積極的にプレイヤーに聞いていってそれに合わせたイベントを用意するというセッション的な創発性をもっと引き出せれば更に面白くなっていたはずだ。

シナリオの改良点

(地獄の様な)ドリームランドで苦しむ、姉のビジョンが毎晩悪夢として挿入されてもよかったのかなと思う。最終的にストーリー中の経過時間は3日間くらいあった。今回は犯人との会話シーンが発生しなかったが、犯人は姉は天国の様な異世界に行ったと説明するが、ビジョンでは地獄にしか見えなかったみたいな違和感が出せるのと、そもそも失踪に気付いて捜査を開始するきっかけが探索者全員が同じ夢を見た事にすればよりホラー要素のあるシナリオになっていたかなと思える。

感想

楽しかった。あと、やっぱりこう実際にセッションをしてみて初めて練れる部分はあるなという部分を再認識できた。

今回は1名が完全初心者でしかもこれから始めようとルルブまで買っている様子だったので、あまり自分好みに遊び方を勝手にコーディネイトしすぎない様に注意した結果、システムはオーソドックスなままに、シンプルかつストーリーテリング重視な本来のCoCの可能性を引き出せた…様な気もする。

システムを足したり変更したりするのも面白いが、既存のシステムを乗りこなすというのも改めてやると面白い。なので、CoCの可能性追求おじさんとしても満足度は高かった。


[PR]
by cemeteryprime | 2018-01-07 10:06 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】RPGと世界観

RPGのシステムやシナリオを考える上で重要な要素とは何だろうか。という点に関して思った事があるので書きまとめてみる。

世界観とキュレーション

RPGにおいて重要なのは世界観である。』…と言うと、漠然とし過ぎている上に当たり前だろ感が強いので、もうちょっと突っ込んで言うと、『RPGが提供しているモノは世界観であり、世界観とはリアリティのバランスと取捨選択である。』という話になる。

ストーリーを作るゲームであるRPGは、ストーリーのバランスや素材として、こうした世界観を売っているのである。世界観というとどうしても壮大なイメージが伴ってしまうが、例えばダメージ1つにしても、建物の2階相当の高さから転落した際に怪我をするのかどうかというのも世界観だし、骨折した際に魔法や回復薬でサクッと治療できるかどうかも世界観の大きな要素だろう。

RPGはゲームシステム的にはシミュレーションゲームというジャンルに属する。そこには、どういうバランスの世界をシミュレーションするのかというデザインが常に存在している。ストーリーを作る上での素材となるデータ提供の仕方にも、何が存在して何が存在しないのかというデザインセンスが必要になってくる。

こうした点を踏まえた上でRPGにおいて一番重要になるのは世界観であり、何を切り取るかという取捨選択(キュレーション)のセンスが重要になるという話である。

RPGとシナリオ

シナリオのデザインにも、こうしたキュレーションのセンスが必要になってくる。基本的にRPGとはストーリーを作るゲームであり、どういうストーリーを作るシステムなのかという点で、製品は差別化されている。

それを踏まえると、シナリオに求められる役割は、『それっぽいストーリーを作る為のシチュエーション素材』の提供であると言える。シナリオ(クエスト)の内容は、王道ファンタジーなRPGであるスカイリムならドラゴンや魔法使いや山賊の討伐になるし、ポストアポカリプトなRPGであるフォールアウトならミュータントや人造人間や世紀末感のある略奪者の討伐という形になる。

後者には食べると体力は回復するが、放射能ダメージが蓄積される汚染された食品や水なんかが登場するが、前者にそうした物を登場させても誰も喜ばないだろう。逆に、後者の世界でその辺に転がっている食べ物やクリーチャーの肉を食べても何の健康被害も無ければ、それはそれで違和感を生んでしまいプレイヤーが求める世界では無くなってしまう。

悪霊の家

こうしたキュレーションという観点からクトルゥフ神話TRPGの代表的『悪霊の家』を分析してみよう。このシナリオには以下の様な要素が登場する。

・心霊現象が発生する呪われた屋敷

・精神病院に入院している屋敷の元住人

・カルト教団

・焼け落ちた教会

・ネズミの群れ

・腐った階段

・怪しげな手記

・地下室に隠された墓

・邪悪な吸血鬼の魔術師

・屋敷の過去の歴史を調べる為の公文書記録所

クトルゥフ神話固有のユニークな邪神なんかも登場していないので、クトゥルフ神話をよく知らないプレイヤーでも理解しやすく遊びやすいデザインになっており、オーソドックスな呪われた屋敷を巡るホラーを作る為のシチュエーションが過不足なく提供されているのが分かる。

これまでに一度も幽霊屋敷モノの作品を消費した経験が無ければ話は別だが、これだけのシチュエーション素材があれば、基本的には誰でも幽霊屋敷モノのストーリーを作って遊べるだろう。それが本格ホラーになるのか、B級パロディになるのかはプレイヤーのセンス次第なのでともかくとして。

シナリオが提供するのも基本的には世界観である。アドベンチャーゲーム嗜好が強い人の場合は、暗号キーで開く地下室の隠し扉だったり、吸血鬼を倒す為の武器の存在が仄めかされたりするだろうし、吸血鬼はファンタジー色が強すぎるという人の場合は吸血鬼じゃなくて文字通りの悪霊に変更したり、もしくは悪霊の魂が宿った肖像画みたいなものを登場させるかもしれない。吸血鬼と化した魔術師が存在するという点も世界観における大きな要素なのである。因みに吸血鬼と化した魔術師って何だそれ?と思っていたが、最近遊んだスカイリムにも普通に出てきていたので海外RPG的には特に珍しくない存在なのだろう。

クトゥルフ神話TRPGと世界観

クトゥルフ神話の世界観は特殊である。というのも、クトゥルフ神話という何か単一の世界観があるかのような印象を受けるが、クトゥルフ神話というのは実際の所はキーワード共有の遊びで生まれた作品群であって、アメコミの様なユニバース(世界観の共有)的な仕組みの上で成立している作品群ではないのである。

なので、クトゥルフ神話TRPGのルールブックに羅列されているモンスターたちは厳密には異なる世界観の上で成立している存在なのだ。確実に同じ世界観の上に存在していると言えるのは、自然界のクリーチャーの所にいる奴らくらいだろう。

あまり言及されているシーンを見た事が無いが、クトゥルフ神話TRPGが初心者にとって一番理解し難い点は実はここなのではなかろうか。ルールブック的には幽霊がいてネッシーがいて狼男がいて半魚人がいて宇宙人もいるみたいなカオスな状態になっているが、ホラー作品としてそこまでカオスな世界観のものは無い(と思いたい)のである。スティーブン・キングはイットという相手の恐怖の形をとる怪物を使ってそういう状況を再現したけども、そういうのはまず特殊な例だろう。ライトノベルだと日本でも海外でも吸血鬼種族と人狼種族が同時に存在している世界観も珍しくないが、ああいった作品のジャンルはホラーじゃなくてファンタジーである。

なので、ホラーを作って遊ぶRPGなのに、ルールブックの内容をそのままクトゥルフ神話というユニバースの世界観だと捉えると、まともなホラーにはならないという罠があるのだ。この点は、総合的なホラーRPGとして作ってしまったが故の弊害とも言うべきだろう。ホラーというジャンルは、SFやファンタジー以上に世界観のバラつきが激しいのである。

ホラーというジャンル自体にある程度理解があれば、その辺りのバランス(魔法的な存在は原則1種類)も理解できるだろうが、そうでなければホラーRPGとしてクトゥルフ神話TRPGを使いこなすのは難しいのでは無かろうか。少なくともネット上でのクトゥルフ神話の扱いを観れば、ユニバース的な世界観として認識されているのが分かる。

クトゥルフ神話世界をユニバースだと捉えると、人間だけはリアル寄りのバランスなのに、世界は多種多様なモンスターで溢れているファンタジー世界である様に思えてしまう。加えて、RPGというのはモンスターを倒すゲームだという認識(偏見)があると、ゲームバランスが変じゃないか?という不満が生まれるのも無理も無い話だろう。

RPGの比較

複数のRPGを比較すると、差分からこうした世界観の違いというのが分かりやすくなる。どっちかというと剣や斧での近接格闘が主体のスカイリムには部位ダメージは存在しないが、銃撃戦が主体のフォールアウトだとまず脚を撃って動きを封じるというアクションの為に部位ダメージが存在している。

単なるホラーRPGなクトゥルフ神話TRPGにはアイテムに重量が無いが、アイテム収集や武器選択といった部分のシミュレーションが大きな意味を持つD&Dなんかだと、アイテムどころか貨幣にまで重量があり、クラスによって武器や鎧の重さの影響を受ける。スカイリムやフォールアウトでも強力な武器ほど重量が重くて、所持品容量を圧迫する。

クトゥルフ神話TRPGには精神汚染度を表現する正気度が存在する。フォールアウトには放射能汚染度を表現する数値がある。フォールアウトにも精神汚染度という概念があっても良いはずだが、いちいち心を病んでいたらそもそもあの世界では生きていけないだろうから不要であろう。むしろ狂人の方が多そうな世界である。

…とまぁ、そんな感じに世界観のデザインという観点から、何を採用するか(登場させるか)というキュレーションのセンスに注目してRPGを見るのも面白いのでは無かろうか。


[PR]
by cemeteryprime | 2017-12-25 19:27 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトルゥフ神話TRPG】ボディイメージと数値

クトルゥフ神話TRPGはダイスを振ってキャラクターを作る。色んなキャラクターをロールプレイングしてみた方が楽しいので、キャラメイクにこうしたランダム要素が採用されている。

とは言え、先にやってみたいキャラクターのイメージが何となくある場合もあるだろう。そんな人の為に、キャラクター身長と体格のイメージから数値を弾き出すテンプレートを作ってみた。

男性の筋肉隆々はプロレスラー並みの筋肉(アメコミ風)のイメージで、スリムは痩せた運動不足のホワイトカラーをイメージしている。女性の方の筋肉隆々は、ムキムキの女格闘家をベースにした。デブは、あきらかにこれはぽっちゃりを通り越してデブといえるくらいの肥満体のイメージしている(男性はBMI35、女性はBMI30で計算)。筋肉隆々に関しては、特に脂肪は加算していないので、脂肪の鎧をまとわせたい場合はSIZを上昇させていけばいい。


具体的な数値の計算方法としては現実のサンプルモデルの身長と体重のデータから目安のBMIを抽出して、各身長に適用してそこから重量(SIZ)を強引に弾き出した。関係無いけど、マーベル・アベンジャーズ事典にはキャラの身長と体重のデータも載っているんだけど、女性キャラは戦闘タイプのキャラでもだいたいモデル並みのBMIでした。

c0325386_16440907.jpg
c0325386_16441432.jpg
c0325386_16441859.jpg
c0325386_16442325.jpg
c0325386_16442738.jpg
c0325386_16443288.jpg
c0325386_16443548.jpg
c0325386_16444089.jpg

[PR]
by cemeteryprime | 2017-11-18 17:13 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】システムを考えてみる

クトゥルフ神話TRPGを個人的に補完するならどういう形が理想か?を具体的に考える為に、形にしてみた。多分これが一番分かりやすいので、探索者シートの形で表現する(小さくて見難いが)。

c0325386_01505311.jpg


技能値に関して

まず、技能値は能力値から算出させる5つのスキル適性をベースに経歴や執着によるボーナスを乗せる形で判定する。

例えば、格闘技の場合は身体能力のスキル適性に、ボクサーとしての経歴ボーナス(Lv.3なので+30%)と、暴力に対する執着ボーナス(Lv.1なので+10%)を加算する…みたいな感じ。

レベルはシンプルに3段階で、経歴の場合はLv.1が新米、Lv.2が中堅、Lv.3が熟練者みたいな感じ。執着の場合はLv.1が愛着もしくは嫌悪からの興味。Lv.2は日常的な依存。Lv.3が人生の目的にするレベルの異常な執着。

技能判定にこの様な方式を採用した理由は、細かく『鍵開け』だとか『値切り』みたいなスキル単位で技能を設定すると、例えば探偵であれば出来て自然な筈のスキルの設定漏れによって出来ないみたいな不自然な状況を回避する為だ。

加えて個人の能力値の差(魅力が低いだとか、運動神経が鈍いだとか)を技能値に反映したいというのと、技能値の高さがキャラ設定のイメージとズレにくい様にするというデザインも盛り込んでこうした形にした。

スキル適性で30%を超えつつ(平均15以上が必要)、経歴によるボーナスがベテラン級で、更にその行為に何かしらの強い執着を持っていないと、技能値が90%にならないデザインになっている。

あと、執着にはプラスとマイナスの方向性が設定してある。例えば暴力の場合はプラスだと暴力を好む方向性での執着で、マイナスだと嫌う方向性での執着になる。方向性を設定している理由は、例えば不定の狂気とかになった際に、執着の方向性が逆転したりすると面白いだろうという発想だ。好きが嫌いに反転するというのはよくある話なので、例えば片想い的に好きな相手を執着の欄に設定するのも面白いはずだ。

気力ゲージに関して

気力ゲージに関しては、先の記事で考察したので説明は省略する。基本的には消耗度を表現する為のゲージで、気力が0になると死にはしないが、技能判定などのあらゆるパフォーマンスが低下する。具体的には1/2を想定している。

気力はダメージを受けたり精神的ショックを受けたりした際に減っていき、0になるとキャラがポンコツ化するので、自然と無理な探索が出来ず、休息が必要になるというデザインである。この仕組みは、睡眠時に無防備になるというホラー向けのシチュエーションを作り、気力が低下している際により危機感が高まるという効果を生む…と考えている。

ダメージ関連の閾値について

これはハッキリ言って、エクリプス・フェイズからの借用なのだが、ダメージに関して閾値を設けた。負傷値は、これ以上のダメージを受けると重傷となるという目安の値である。例えば、負傷値が3のキャラの場合は3~5点のダメージを受けると負傷を1つ受ける。6~8点のダメージを受けると負傷を2つ受ける。負傷を受けた場合は、負傷を受けた箇所を使用する技能判定の際に-10%のマイナス補正を受ける。1~2点のダメージの場合は、ダメージで気力は低下するものの、軽傷なのでマイナスの後遺症が残る負傷は受けない。負傷は応急手当等では治らず、一定期間の入院治療で初めて治る。

これは、ちょっと手を切ったレベルの1点のダメージを10回受けたらHP10の人間は死ぬのか?という些か奇妙な状況と、腕や足を折るレベルの重傷を受けたら後遺症が残って然るべきという違和感へのアンサーである。酷い怪我を負ったら、それでも探索を続ける場合は、少なくともその探索中は腕を吊ったり、脚を引きずったりした状態で探索を続ける羽目になる。

トラウマ値は負傷値のメンタルヘルス版で、トラウマ値を超えるショックを受けると、新たなストレスが追加されるか、もしくはそれに関する既存のストレスのレベルが1上昇する。一度に5ポイント以上の正気度を失うと一時的狂気判定を受けるシステムと基本的には同じだが、一律で5ポイントでは無く、個人差が出る様になっている。

感覚とエゴ

このTRPGシステムにおける人間の内部性のデザインとして、あらゆる執着の背景には、ストレスがあるという説を採用している。抱えている解決しない問題へのストレスへの代償行為として、何かに執着するという構造である。

なのでストレスと執着のレベルの合計は、常に同じになる。そして、この合計値はエゴという能力値の数でもある。

エゴは20から能力値の1つである感覚の数値を引いた値で算出する。なので抱えているストレスや執着の合計値は、この感覚の数値から算出する形になる。

エゴは、基本的に外的な圧力に怯まず立ち向かったり、周囲を無視して自分の意志を貫く際の力を表現する数値で、クトゥルフ神話TRPGにおけるPOWと同じである。

このエゴを使って反骨判定というものを行う事が出来る。これは社会的な圧力であるところの法律や常識を無視して行動したり、権力に逆らったり、恐ろしい敵に立ち向かったり、精神を操られたり説得されたりして不本意な行動を強いられた際に使用するものである。

またエゴはストレスや執着とリンクする形でデザインしている。これは抱えている問題が多ければ多いほど、ストレスから生じる衝動である所の欲望も大きくなり、外的な要因を無視しやすくなるというデザインである。

またエゴが高くなればなるほど、感覚という能力値が低下していくデザインにもなっている。感覚は五感だとか感受性だとかの、周囲の刺激に対する感度の良さを表現する数値である。これはストレスを受ければ受ける程、感受性や感覚が鈍っていくという神経的な消耗度を表現するデザインである。

感覚は身体能力や感知に関するスキル適性としても使用するが、単体では主に、何かしらのイベントに際して心が動かされたどうかの情動判定に使用する。クトゥルフ神話TRPGにおける正気度判定などもこの感覚で判定することになる。なので、ストレスを受ければ受ける程、動揺しやすくなっていったクトゥルフ神話TRPGとは真逆で、ストレスを受ければ受ける程、感覚が鈍って、周囲の出来事に反応しなくなっていくデザインになっている。

これだけだとメリットの様なイメージがあるが、気力を回復させるメイン手段として執着に関する行動を行った際に、それで十分に満足が得られたかどうかを判定する際にも情動判定は用いる。

なので、感覚が鈍くなると、気力が回復し難くなり、結果として気力を回復させる為に欲望を満たす行動をより頻繁に取る様になるという仕組みである。これもまたより自然なロールプレイングをサポートする為のギミックの1つだ。

衝動判定とストレス

ストレス&執着システムを補完する人間の内部性デザインがこの衝動判定である。これは、人間は常に自分の衝動と戦っていて、衝動を抑えることで理性的な行動が取れるという発想に基づいている。

ストレスが増えると執着も高まって技能値は上昇する形になり恩恵も発生するのだが、ふとした弾みで欲望に支配されて理性を失う確率も上昇するというデザインである。これはクトゥルフ神話TRPGにおける不定の狂気の発想に近いが、病気で頭がおかしくなったというよりは、飽くまで自分の衝動のコントロールを失った状態という解釈である。

なので暴走の内容も、執着の内容に従った形になる。執着の対象が暴力のキャラクターなら見境なく暴力を振るう形になるし、執着の対象が食事なら暴飲暴食という形で表現される。

ストレスは新たに追加もされるが、逆に原因となっている問題を取り除けば、減少もする。なので、自制心が低くて、衝動的になりやすい状態に陥っているキャラクターの場合は、自分の抱えているストレスを解決することが動機にもなる。ただし、その過程で新たなストレスが発生することもあるので、基本的には自転車操業的な状態に陥る。

知力と記憶

クトゥルフ神話TRPGの場合は、知力も記憶力も感覚もまとめてINTだった感じだが、このシステムでは敢えて分けている。記憶を分けた理由は、思考能力は高いが忘れっぽいとか、馬鹿だけど記憶力だけは良いみたいなパーソナリティーを表現する為である。あと人間以外の動物なんかの知能を表現する際に、記憶力の差という要素は結構大きいので分けた。また認知症的な状態異常も表現しやすくなるだろう。

教養と経済力

クトゥルフ神話TRPGの能力値にあったEDUが能力値から無くなっているが、これは経歴ボーナスで表現できるので除外した。

また、経済力を数値で表現するTRPGのシステムもあるが、経済力も教養と同じような仕組みで、金持ちとしての属性を活かして相手と交渉するみたいな形で表現できるので、経歴ボーナスの範囲内でカバーできるだろう。

目を背けている問題、背けさせる理由

キャラクターは先に述べた様に自身の抱えている根本的な問題の解決の為に奔走する事もあるが、基本的には衝動を満たす為に行動する。

キャラクターが抱えている問題から目を背けて、対処療法的にストレス解消の為の執着を満たす限りは、そのキャラクターは永久に衝動に突き動かされて行動し続ける事になる。

なので、そのキャラクターに何かしらの個人的なストーリーオチを付けたい場合は、目を背けている問題と向き合う話を作るのが一番である。短く完結する映画の主人公なんかは、たいてい過去に何らかのトラウマを抱えていて、事件を通じてそれに向き合う事になり、最終的に成長してトラウマを乗り越えるというストーリー構造になりやすい。

TRPGの場合は、キャンペーン形式で遊ぶと連続ドラマ方式になるので、どのタイミングでそうした個人的なストーリーの消化をするかというタイミングを図る必要がある。なので、こうしてでっかく書いとけば常に意識できて良かろうというデザインだ。

総括

とりあえずの叩き台として作ってみただけなので粗しかないが、作ってみた感想として、人間の内面性の動きをシミュレーションする為のシステムを考えるのは楽しいということは言える。

人間の内面性を完璧にそれもアナログゲームの範囲でシミュレーションしようとするのはまず不可能だが、複雑な動きをシンプルに概念化してシミュレーション・モデルを作ろうとすると、結構作者の物の捉え方というか世界観が出て来るんだなと、やってみて分かった。


[PR]
by cemeteryprime | 2017-10-11 01:52 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】気力システムに関するあれこれ

以前にも何かの折にチラッと書いた気もするが、クトゥルフ神話TRPGに、あったら良いなと思うシステムの1つが疲労度に関するシステムである。

通常、人は1日の内でも調子の良い悪いがある。疲れていると、パフォーマンスはガクッと下がる。また、精神的なショックを受けた時や、怪我をした時、病気になった時もパフォーマンスは低下するはずだ。

現行のクトゥルフ神話TRPGのシステムだと、身体的なダメージやメンタルヘルスのダメージは表現されるものの、こうしたダメージ一歩手前の疲労や消耗は表現されない。そこで提案するのが気力ゲージの導入である。

気力ゲージ

  • POWCON1/2で算出する。
  • 行動に失敗すると1点減少する。
  • 行動に成功すると1点回復する。
  • 睡眠で一定量が回復する。
  • 1点消費することで行動成功率が最大10%上昇する。
  • 1点消費することでダメージを1点軽減できる。
  • 1点消費することで正気度減少を1点軽減できる。
  • 気力が0になると、行動成功率が半分になる。

基本的にはクトゥルフ神話TRPGにおいて、いまいち使い道の無いMPのシステムを流用した感じである。

これによって以下の様な行動が再現される。

  • できるだけ不得意な行動は避ける。
  • 気力を回復させる為に得意な行動をする。
  • 夜間にしっかり睡眠を取る。
  • 気力が低下している場合は、無理に探索を続行しない。

こうしたシステムがあると、入院レベルの精神障害を負ったり、重傷を負う前の段階で、気力が尽きて、自然と無理な行動にブレーキがかかる形になる。現行のシステムでは、撃たれて大怪我をしていても、次にダメージを受けた際により死にやすくなるくらいしか特にデメリットらしいデメリットは無いので平気で探索を続行できてしまう。大怪我をしたり、ショックな出来事があると、別に命に別状は無くとも、気力が萎えて家に帰りたくなる(休息を取りたくなる)のが自然なロールプレイングというものだ。その為のシステムという訳である。

魔術を使用する際も気力を消費する形にすれば、儀式に挑む前に十分に休息をとって気力を確保した状態で臨む様になるだろう。現行のシステムだと、死にかけていてもMPは基本的に使い道が無いので満タンだったりしてしまうが、それは些か不自然なのでリアリティという点では前者の方が好ましいだろう。

気力ゲージのシステムをより機能させる為には、例えば一定以上のダメージは重傷と判定されてマイナス補正を受ける様な仕組みと併用する事が望ましい。例えば、耐久力の1/5を超える場合は重傷。超えない場合は軽い傷みたいな感じで。こうすれば、ダメージが重傷になるのを避ける為に、より積極的に気力を消費してダメージを軽減する様になるだろう。

内面性に関するシミュレーション

クトゥルフ神話TRPGはシンプルで優れたシステムではあるが、再現性を考えるともう一工夫あっても良いんじゃないのかと思える余地はある。ホラーRPGとして、メンタルヘルスの状態を表現した正気度システムという画期的なシステムを発明してはいるが、では恐怖以外の感情はどうだろうか。

衝動的な感情(例えば怒りや何らかの依存症など)を抑えられるかどうかという様な判定もホラーであれは重要だろう。以前に『情動』判定という、心が動かされたかどうかという判定システムの是非についても記事で触れた事があるが、それも1つだ。

現状、恐怖以外の内面性の表現はプレイヤーのロールプレイングセンスに一任されているが、何かしらのサポートシステムがあっても良いとは思う。このキャラクターは、ここでこんな反応を示すのかという部分に意外なランダム性があると、プレイヤーとしても面白かったりするのではなかろうか。


[PR]
by cemeteryprime | 2017-10-10 23:26 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】数値イメージ参照表

クトゥルフ神話TRPGにおいて、キャラクターの数値イメージを汲み取るのが苦手だという人の為に、簡単なイメージ参照表を作ってみた。

多少は独断も入っているものの、ルルブやソースブックに登場する複数のキャラクターのイメージと数値を参照する形で作ったので、それなりに妥当ではあるはず。

既存の自キャラに適用してみて、本当はどんな姿なのか答え合わせしてみるのも面白いのでは無かろうか。


c0325386_17322954.jpg
c0325386_17323224.jpg


[PR]
by cemeteryprime | 2017-09-22 18:32 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】POWに関する考察

以前、INTに関する記事を書いた。今回はPOWに関する考察。

POWに関して

POWは意志の強さや、精神力を表しており、POWが高いほど魔術を使う能力は高くなる。POWが高いと魔術的な攻撃や催眠術に対しての抵抗力が高くなる。POWが0の人間はゾンビの様な人間で、魔術は使えない。POWの高さとリーダーシップの高さは関係が無い。

以上が、ルルブから読み取れるPOWに関する情報である。

POWの高さと人物像

以下の表はクトゥルフ・ガスライトに掲載されている19世紀末を舞台にしたフィクションに登場する有名キャラクターのデータからPOWだけを抜粋して比較したものだ。

c0325386_10220274.jpg

まず注目してもらいたいのは、アラン・クォーターメインである。クォーターメインはH.R.ハガードが生み出した探検家ヒーローで、ガスライト世界を舞台にした19世紀末版アベンジャーズみたいな作品である映画リーグ・オブ・レジェンドでは、超人チームのリーダーをやっている。そんなリーダーキャラなのだが、POW13とそこまで高くないことが分かる。

確かにこの表を見る限り、POWの高さとリーダーシップの高さには関係が無さそうだ。リーダーシップの高さで言えば、アラン・クォーターメインはこのリストの中ではトップクラスのはずである。また、クォーターメインは不屈の探検家でもあるので、単純に精神力の高さとリンクしているとも言い難い。

キャラクター性を踏まえると、リストの上位にランクインしているのは、どちらかと言えば天上天下唯我独尊的な人の言う事を聞かないキャラクターである。フー・マンチューは悪の秘密結社の首領だし、モリアーティ教授も似たようなキャラだし、ドラキュラ伯爵は魔王キャラである。キャラクター性としての共通点は我が道を行くタイプで、職業としては悪の首領や異端の科学者が多い。またリストを観る限りは、人の言う事を聞かないPOWの高さは、犯罪者傾向にも繋がっている様にも思える。

ちなみに、クトゥルフ・ガスライトには、クォーターメインの人物像として勇敢だが控え目で、友人には献身的でアフリカ人にも寛容という記述がある。クォーターメインは人の話を聞けるキャラであり、だからこそ高いリーダーシップを持っているのである。その点を踏まえると、平均値よりちょい高め程度のPOW13は妥当に思える。また、同じ様に温和で献身的なイメージがあるホームズの助手のワトソンもPOW12で平均値に近い。

POWの高さをロールする

以上からPOWが高ければ高いほど、人の話を聞かず、自分の道を突き進む傾向があることが分かる。ある意味で、不屈の精神力とも受け取れるが、忍耐力とは関係が無いようにも思える。あくまで唯我独尊なだけである。

なので、人当たりの良さと共存できるのは、せいぜいPOW13程度が上限値だろう。それ以上となると異端者傾向が出て来るのはリストからはっきりと読み取れる。クトゥルフ・ガスライトのデータを公式値として受け取るならの話だが。

ちなみに、POWが高いと正気度も高いがこれは、自分に絶大な自信を持っているのであまり動じないという表現だろう。他人の意見に耳を傾ける人は、それだけ他人に影響されやすく、メンタルも傷つきやすい。現実がどうかはともかく、システム上はそういう形になっている。

また、システム上、POWの高さは魔力の高さなので、魔術師は基本的にはPOWが高い。フィクションだと魔術師は邪悪な王様に仕えている事も多いが、このシステムの場合、優秀であればあるほど、異端で孤高の傲慢な研究者みたいなキャラになるので、その辺の人間に従う事は無さそうだ。しかしながら、邪神はPOWが極端に高いので、魔術師もあっさり操られて従者キャラになることはありそうである。

動物のPOW

c0325386_10221812.jpg

ついでに動物のPOWにも触れて置く。とはいえ、動物の場合は単に従順さや、使役し難さを表現しているだけにも思える。狂暴な動物は従順度が低い=POWが高い。また、サイズが小さくなるにつれてPOWも下がる。あと何となく、草食動物の方がPOWが低い気もする。

動物のPOWをロールする場面があるかどうかは不明だが、狂暴な人喰い動物なんかを登場させる場合は、POWは高めに設定しておいても良い気はする。人懐っこい犬の場合はPOWも低いだろう。


[PR]
by cemeteryprime | 2017-09-15 19:21 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】内面性のシミュレーション

最近は、TRPGの『発生したドラマを楽しむ遊び』という側面に専ら関心がある。理由は主に海外ドラマを観過ぎているせいだ。如何にもホラー的な体験や、得体の知れない存在が引き出す根源的な感情としての恐怖よりも、人間関係における葛藤だとか、内面的な葛藤から発生する濃い感情に魅力を感じるのである。

だからこそ、敢えて言う。RPGの目的はキャラクターのドラマだ。ドラマを面白くする為には、多彩なキャラクターと、的確なロールプレイが必要になるのだ。

RPGの難しさ

より上手なロールプレイを目指して遊ぶことは、間違いなくロール・プレイング・ゲームの醍醐味だろう。

このキャラクターならどう行動するか?を考えるのは面白い。架空のキャラの行動を巡るこの問いに答えは無いが、リアリティがあるか無いかという感触は確実に存在する。フィクションの中の存在に過ぎなくても、その言動にリアリティを感じなければ、興味も失せる。

誤解も多いがロールプレイ(役割を演じる)というのは、与えられたキャラクターを演じる(シミュレーションする)という事である。俳優がやる演技も基本的には同じ事だ。そして、だからこそロールプレイは難しくもある。

プレイヤー本人と全く同じ経歴とステータスを持ったキャラをロールプレイするなら別だが、基本的にプレイヤーは、与えられた(たいていの場合はダイスを振って決めた)ごく僅かな能力値などからキャラクター像を組み立てる事になる。俳優の場合、そのキャラクターの人物像だとか過去だとか色んな背景情報を与えられて演技プランを組み立てるんだろうけども、RPGの場合は与えられるのは身体的特徴くらいだ。後は頭が良いとか、精神的にタフだとか、教育レベルは低いだとか、その程度だ。

…体は大きく運動も出来るけど、頭はあまり良くはない。でもそれなりに教養はある。そして人の言う事は聞かない頑固さがある。与えられた能力値に関する数値から、何となく人物像をプロファイリングすることは可能だが、ドラマを作る上で真に役立つ情報は殆ど与えられていない。どういうものが好きなんだろうとか、暴力に対してどういう反応を示すのかとか、これまでどういう経験をしてきたんだろうといった、内面性に関する情報である。

内面性をシミュレーションする

ところで、クトゥルフ神話TRPGには、キャラクターの内面性をシミュレーションする画期的なシステムが存在する。正気度判定システムだ。

クトゥルフ神話TRPGが画期的だったのは、正気度という概念を導入してホラー表現を可能にしたからなのは周知の事実だが、これが意味する重要性はあまり深く考えられていない気もする。それ以前も知力だとか精神力といった、そのキャラが何が出来るかといった能力面に関わる部分の内面性は幾らかシミュレーション可能になっていた。しかし、正気度の導入によって、一部ではあるがキャラクターがどう感じるかという感情をシミュレーション可能になったのである。

どう考えるか、どう感じるかという要素は、明らかに行動原理に関わる部分なので、ロールプレイにおいては大きな要素である。実は全く感動していないのに感動したフリをしたり、敵に立ち向かっていったが内心は恐怖でパニックになっていたり。こうした内面的な感情面での葛藤がもし、システムで可視化されシミュレーション可能になったなら、ロールプレイはより手軽に、より高度な内容になりはしないだろうか。

このキャラはこの状況でこう感じているというヒントをシステムが算出してくれるなら、プレイヤー自身もかなりキャラクターを掴みやすいはずである。

内面の数値化

こうしたキャラクターの内面に関するシミュレーションに対する1つのアイデアが、以前にも記事で取り上げた情動値の導入である。

そのイベントに心が動かされるかどうかを判定するだけのシステムだが、こういう状況でどういう反応をするかというヒントが与えられるだけでもロールプレイは大きく違って来るはずである。

繰り返しになるが、キャラクターをより上手にシミュレーションする事は、ドラマをより面白くする事でもある。最近の海外ドラマを観ていると、過去の経験によるトラウマや家庭環境といった要素がパーソナリティーに及ぼす影響なんかも、かなり正確にシミュレーションしてキャラクターの設定などに盛り込まれているのが分かる。クトゥルフ神話TRPG自体、精神医学に関するアイデアを内面表現に活用している作品である。


例えば、映画やドラマに出て来る極端な行動に走る主人公なんかは、たいてい過去にトラウマを負っていて、自分を罰したいという想いが根底にあったりする。こういう過去とパーソナリティも上手くシステムとして運用出来ないかなとは思う。

例えば、トラウマの数だけ何かに対する執着を設定するみたいな。トラウマと執着のバランスが取れている間は正常な行動が出来るけど、トラウマが悪化したり追加されてバランスが崩れると不定の狂気の様な状態になったり。過去に雪山で遭難して餓死しかけたことがトラウマで、食に執着しているキャラクターなら、異常な飢餓感に襲われて変わった物を食べようとみたいな。あと、興味技能なんかはこうした執着の内容と関係があって然るべきだし。

今はPOWINTくらいしか無いけども、例えば自尊心だとかのステータスを追加すれば、自己肯定感が低くて破滅的で攻撃的な性格の人間と、傲慢で攻撃的な人間の違いをステータス設定レベルで表現できたりしないかなとか。

クトゥルフ神話TRPGは、正気度システムの導入によって、感情をシミュレーションするという新しい方向性を示した。ドラマ的な面白さを追求するなら、この方向性にシステムを進化させていくというのは自然な流れでは無かろうか。

ただシステムが複雑になりすぎる感はある。


[PR]
by cemeteryprime | 2017-09-08 01:41 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【シナリオ案】悪書追放

c0325386_00324964.png

どういう話か

テーマは表現規制で、実際にその作品が魔導書の様に読んだ人間を狂わせる力があるとしたら。自分だけがそれに気付いたらどうすべきかを問うだけのシナリオ。

探索者の1人は漫画編集者で、もう1人は弁護士。後の探索者は、出版社の同僚だったり、調査を手伝う探偵だったり、警察であっても良い。弁護士役をNPCにする場合は、1人でもプレイは出来るはず。

導入パート

数日前に、変質者が殺人事件を起こして逮捕される。犯人はとあるエロ漫画に影響された犯行に及んだと逮捕後に警察に証言し、テレビでそれが話題になり表現規制問題へと発展する。

探索者の1人は漫画編集者である。その問題になった漫画の担当者は騒動を巡るストレスで突然退職してしまった為に、新しく担当者に任命される。出版社はこの騒ぎはビジネスチャンスだと考えていて、探索者に対して漫画家が委縮しない様にサポートする様に命令する。

探索者のもう1人は、逮捕された変質者の弁護士として雇われる。男は問題のエロ漫画に操られたと主張し、漫画に何か原因があるはずだと調査を依頼する。

調査パート

編集者の探索者は、漫画家を訪問する。漫画家の仕事場にはマスコミや猟奇的な表現の規制を求める抗議団体が訪問したりする。

弁護士の探索者は、問題のエロ漫画と、その作者について調査する。調査の結果、その漫画家の作品が原因で発生した猟奇事件は今回が初めてでは無く、別のペンネームで過去に書いた作品でも同様の事件が起きたと知らされる。

危機パート

その事実を裏付けるかの様に、同じような事件が再び発生する。事件は探索者が住む家の近所で発生し、今度は犯人が逮捕されないままになる。

編集者の探索者は、漫画家が悪意を持って読者の精神に異常をきたさせる目的で作品を作っていた事に気付くが、漫画家は姿をくらます。

2件目の事件の犯人は、漫画家の元の編集者で、探索者を襲撃したりする。

クライマックス

元編集者の所持品から、漫画家の逃亡先を突き止める。漫画家は、この先も人を狂わせる漫画を描く事は止めないと宣言する。漫画家が作品を通じて人を狂わせている事実は、状況証拠しかないので証明しようはない。探索者たちは、この漫画家をどうするか決断を迫られる。

結末

漫画家を殺すにしろ、野放しにするにしろ、漫画家自身も何かしらの作品の影響を受けて、こうした行動に出ていたらしいことが判明する。

探索者たちが家に帰ると、自分の子供が問題の漫画を読んでいたりする。


[PR]
by cemeteryprime | 2017-09-06 00:36 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】職業技能に関するシステム考察

TRPGにおける技能(スキル)の在り方というのは、悩ましいポイントの1つだ。職業毎に習得できるスキルを設定するか、スキルの組み合わせで職業を表現するか。

現代に生きるキャラクターをシミュレーションする場合、2つの問題が付きまとう。1つは、職業の専門化が進んで、それに伴って技能が細分化されている事。もう1つは、働き方の自由度が高くなって、職業の形態もどんどん多様化している事だ。

技能の追加における問題点

こうした要素に対応する為に、新しい技能の追加を特に制限していないシステムも多い。しかし、技能を細分化して追加すれば技能ポイントは足りなくなる。

例えば野球選手であることを表現する為に単に野球70%とするのと、投球60%+捕球80%+バッティング50%+盗塁70%で表現するのとでは、割り振る技能ポイントは大きく異なる。ポイントの割り振りという的では前者が有利だが、後者の方がシミュレーション表現としては豊かではある。

職業自体をスキルにする

そうした状況の1つの突破口になるかもしれないのが、職業という大きな括り自体を技能として活用する方法である。例えばクトゥルフ神話TRPGにおける鍵開け技能なんかは、英語では単に“ロックスミス(鍵屋)”技能という名前になっている。操縦:技能も、“パイロット:”技能になっている。

複合的で専門的な技能に関しては、職業の括りをそのまま技能名にする形で表現している。鍵屋技能に関しては、鍵に関する知識、ピッキング技術、鍵の複製などをいちいち別の技能にしているとキリが無いのでまとめた形だ。

ちなみにD&Dでは“鍵屋”に相当するスキルは、“盗賊”という技能でまとめられている。ファンタジー世界なので、マイナーな職業だと思われる鍵屋より、一般的な盗賊を採用しているのだろう。“盗賊”という形でまとめられているので、こちらには鍵にまつわる技能以外にもスリだとかそういうスキルも含まれている。

職業を技能にすると

では例題としてクトゥルフ神話TRPGのルルブに掲載されているサンプルキャラのスティーブン・セント・ジョンを使って技能を職業名で括るとどうなるかを実際にみてみよう。

裕福な事務弁護士であるスティーブンの技能は、以下の様な形だ。言いくるめ75%、運転(馬車)40%、回避50%、芸術(講義)45%、乗馬30%、信用80%、心理学65%、説得55%、図書館55%、値切り75%、法律75%、フランス語30%、ラテン語20%、ライフル55%

英米では弁護士は法廷弁護士と事務弁護士に別れている。スティーブンは弁護士だが法廷弁護士では無いという点が、説得や講義の技能値が微妙に低い所で表現されている。ビジネスで成功している裕福な法廷弁護士であるという点は、(社会的)信用が80%とかなり高い点で表現されている。

これを事務弁護士80%みたいな形でまとめてしまう。法律に関する知識や、値段の交渉や、適当な誤魔化しなんかは、弁護士の専門(偏見)なので、判定時には80%をそのまま適用する。図書館で資料を当たる場合や相手の顔色を伺う場合などは、専門分野では無いが、そこそこ仕事と関係しているので、‐10%~‐20%の若干の修正を加えた形で適用する。フランス語やラテン語に関しては、法学部を出ているはずなので多少は齧っているだろうという事で、1020%程度で判定する。

こんな感じで、“事務弁護士“技能80%を最初に設定して、後はその場のアドリブで運用する形でもそれなりに近い形で運用は出来る。また、特に明記されていなが、もしスティーブンが自分で事務所を開いて独立しているなら、経営者50%とかも付け加えておくべきだろう。

元のスティーブンの技能には“経理“は特に振られていないが、もし事業主であるなら本来はある程度、技能ポイントが振られていても良い部分ではある。財務に強い弁護士である事を表現したいなら会計士40%とかを付け加えると良さそうだ。

パーソナリティーを技能にする

より踏み込んだ表現方法として、職業よりもっと大きなパーソナリティー属性も技能に様に扱ってもいいだろう。例えば、スティーブンがイギリス出身でアメリカに住んでから5年みたいなキャラだったとする。

これをイギリス60%、アメリカ20%みたいな大雑把な感じで表現してやる。“アメリカ“技能というのは、アメリカ人なら共通認識として知ってそうな英語表現、アメリカの地理、風俗、みたいなものに対する習熟度を全部ひっくるめた表現である。

具体的な運用方法についてのアイデア

そうしたパーソナリティー属性としての技能は、細かく技能ポイントを割り振るとなるとイメージがし難いので、新米(20%)、そこそこ(30%)、ベテラン(40%)くらいに熟練度で3段階程度に分けてやる。

先ほどのスティーブンの例で言えば、ベテランの事務弁護士で、そこそこの経営者で、そこそこのイギリス人で、新米のアメリカ人という感じ。

ただこれだけだと、ベテランの弁護士間で技能値に個人差が無くなる。なので、個人の資質としての能力適性をボーナスとして上乗せしてやる。例えば、同じベテラン弁護士でも、頭が良いキャラなら+30%、普通なら+20%、馬鹿なら+10%といった形で差をつける。

スティーブンは、頭は良くて勉強もできる(INTEDUは高い)が、あまり魅力的ではない(APPは低い)キャラだったとする。これを仮に、学術系スキル適性+30%、交渉系スキル適性+10%と表現しておこう。

弁護士としての経験を活かす時、法律知識を参照する場合は弁護士スキルの40%に学術系スキル適性+30%の補正を加える。70%で判定を行う計算だ。法律知識を活用して交渉を行う場合は、交渉系スキル適性+10%を適用して、50%で判定を行う。

この方法なら、細かく技能を設定することなく弁護士キャラをロールできるし、頭が良いだとか、交渉が下手だとか、運動が得意だとかの個人差も表現できる。…と思うのだが、どうだろうか。


[PR]
by cemeteryprime | 2017-09-04 21:35 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

カテゴリ

作品・感想
雑記
日記
TRPG講座・考察

タグ

(125)
(52)
(36)
(35)
(27)
(27)
(24)
(24)
(22)
(17)
(11)
(10)
(9)
(8)
(8)
(6)
(5)
(5)
(4)
(3)

以前の記事

2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 09月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月