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【シナリオ案】悪書追放

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どういう話か

テーマは表現規制で、実際にその作品が魔導書の様に読んだ人間を狂わせる力があるとしたら。自分だけがそれに気付いたらどうすべきかを問うだけのシナリオ。

探索者の1人は漫画編集者で、もう1人は弁護士。後の探索者は、出版社の同僚だったり、調査を手伝う探偵だったり、警察であっても良い。弁護士役をNPCにする場合は、1人でもプレイは出来るはず。

導入パート

数日前に、変質者が殺人事件を起こして逮捕される。犯人はとあるエロ漫画に影響された犯行に及んだと逮捕後に警察に証言し、テレビでそれが話題になり表現規制問題へと発展する。

探索者の1人は漫画編集者である。その問題になった漫画の担当者は騒動を巡るストレスで突然退職してしまった為に、新しく担当者に任命される。出版社はこの騒ぎはビジネスチャンスだと考えていて、探索者に対して漫画家が委縮しない様にサポートする様に命令する。

探索者のもう1人は、逮捕された変質者の弁護士として雇われる。男は問題のエロ漫画に操られたと主張し、漫画に何か原因があるはずだと調査を依頼する。

調査パート

編集者の探索者は、漫画家を訪問する。漫画家の仕事場にはマスコミや猟奇的な表現の規制を求める抗議団体が訪問したりする。

弁護士の探索者は、問題のエロ漫画と、その作者について調査する。調査の結果、その漫画家の作品が原因で発生した猟奇事件は今回が初めてでは無く、別のペンネームで過去に書いた作品でも同様の事件が起きたと知らされる。

危機パート

その事実を裏付けるかの様に、同じような事件が再び発生する。事件は探索者が住む家の近所で発生し、今度は犯人が逮捕されないままになる。

編集者の探索者は、漫画家が悪意を持って読者の精神に異常をきたさせる目的で作品を作っていた事に気付くが、漫画家は姿をくらます。

2件目の事件の犯人は、漫画家の元の編集者で、探索者を襲撃したりする。

クライマックス

元編集者の所持品から、漫画家の逃亡先を突き止める。漫画家は、この先も人を狂わせる漫画を描く事は止めないと宣言する。漫画家が作品を通じて人を狂わせている事実は、状況証拠しかないので証明しようはない。探索者たちは、この漫画家をどうするか決断を迫られる。

結末

漫画家を殺すにしろ、野放しにするにしろ、漫画家自身も何かしらの作品の影響を受けて、こうした行動に出ていたらしいことが判明する。

探索者たちが家に帰ると、自分の子供が問題の漫画を読んでいたりする。


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by cemeteryprime | 2017-09-06 00:36 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】キャンペーンのデザイン、その2

ホラーTRPGにおけるキャンペーンの在り方を考える記事。

キャンペーン形式、その1

基本的にキャンペーンとは、一連の謎を追いかけるドラマシリーズである。このドラマの主人公はプレイヤーキャラクターだが、プレイヤーたちが飽きてどうでも良くなるまで、主人公を新たに投入したり交代させたりして、キャンペーンは続く。

この点は人気がある限り新しいシーズンが作られ続ける海外ドラマと構造は似ている。最初に用意しておいた一連の謎が解消された段階でシリーズは綺麗に終わらせても良いし、新たな謎を付け足しても良い。

連続ドラマと同じで、キャンペーンの面白さは結局の所、シナリオの面白さよりもキャラクターの魅力が鍵となる。もっと観ていたいキャラがいれば、キャンペーンは継続される。

キャンペーン形式、その2

もう一つは、一定のルーチンを繰り返す1話完結型のドラマシリーズである。警察ドラマだったり、弁護士ドラマだったり、医療ドラマだったり、そういった職業ジャンル系ドラマに多い。毎回、新しい事件が発生して、チームで解決する過程で色んなドラマが発生する。

この形式は安定感があるが、ホラーとの相性はあまり良く無い。というのも、これは非日常的な業界における、日常ドラマだからだ。ホラーは非日常だからホラーである。

一話完結型ドラマでは、確かに観客にとって毎回非日常的な事件が起こるのだが、それは主人公たちにとっては日常の一環である。

例えばアメコミヒーローだとか仮面ライダーみたいな日常的にモンスターと戦う人種のドラマシリーズだと、どうしてもホラーにはなり難い。最初はモンスターに怯えるかもしれないが、日常的に遭遇すると嫌が応でも慣れてしまう。なので、この形式でホラージャンルのキャンペーンを成立させるにはかなりホラー的バランス感覚が必要になる。

ちなみに実体のあるモンスターでは無く、人に憑りつく悪霊と戦い続けるエクソシストの話とかなら、シリーズ化されても割とホラーとして成立しやすい気はする。私見ではあるが。

複合パターン

その1とその2の複合パターンは連続ドラマにおいては、特に珍しくない。基本は一話完結型だが、偶に一連の謎を追う大きなストーリーも進展するタイプだ。キャンペーンにおいても似た構造を作る事は出来るかもしれない。

世界一ついてない男、ジョン・マクレーン

ジョン・マクレーンとは、映画ダイハードの主人公である。1作目では運悪くテロリストに一人で立ち向かう羽目になったついてない男だったのだが、人気が出て何本も続編が作られてシリーズされてしまった結果、何故か何度も運悪くテロ事件に巻き込まれるという世界一ついてない男になってしまった。どういう確率だ。

キャンペーン形式ではない、トーナメント形式のシナリオというのは基本的には一話完結の映画型ドラマである。こうしたトーナメント形式のシナリオに参加した探索者を、生き残る度に使いまわしてまた別のトーナメント形式のシナリオに参加させると、このジョン・マクレーンに似た状態が発生する。どういう訳か、何度も超自然的な事件に巻き込まれる男(もしくは女)の誕生である。

ジョン・マクレーンの場合は、巻き込まれる事件はテロなのでまだギリギリセーフという感じだが、ホラーTRPGでこれをやった場合、半魚人に遭遇した男が今度は宇宙人に攫われて、更には幽霊に取りつかれて、邪神の復活を阻止するみたいな、かなり脈絡の無い人生を送ることがある。

こうなってくると、もはや怪物との遭遇はそのキャラクターの日常の一環になってしまう上に、かなり脈絡が無いので、最早何と遭遇しても驚かないほうが自然になってくる。こういうキャラクターが、実は過去にも色々経験しているとか言い出したら、新しく参加したシナリオまでギャグみたいなそのキャラクターの人生に組み込まれてしまい、ホラーでは無くなってしまう可能性すらある。

ちなみに日常的に事件に巻き込まれたり、モンスターと何度も戦う事に違和感がないファンタジー世界を冒険するタイプのTRPGの場合は、こうしたトーナメント形式のシナリオに引継ぎ参加しても支障は出ない。ホラーTRPGの場合だけが特殊だと考えるべきだろう。


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by cemeteryprime | 2017-09-05 01:26 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】ミニマムなシナリオ生成

これまでにもシナリオのミニマムな生成方法を考えてきたが、今回はもっともシンプルだ。主人公の属性と敵の属性の2つの要素を用意して、それを組み合わせる。それだけである。

ストーリーのコアになるのは言うまでもなく、主人公と障害(敵)である。なので、この2つの属性さえ決めてしまえばシナリオの内容はある程度方向性が固まるので、それをたたき台にするという寸法である。


主人公の属性とシナリオ

これまではあまり着目してこなかったが、主人公の属性というのはかなり大きな要素である。例えば同じ吸血鬼モノでも、農民VS吸血鬼と、宇宙飛行士VS吸血鬼と、調査隊VS吸血鬼と、神父VS吸血鬼と、母親VS吸血鬼と、社畜VS吸血鬼と、童貞VS吸血鬼では予想されるシナリオの内容はガラッと変わる。

農民VS吸血鬼の場合は、村に吸血鬼がやってきて死人が出始め…といった内容になるだろう。イメージとしてはスティーヴン・キング呪われた町だとか、それを元ネタにした小野不由美の屍鬼だとかそういう感じだ。

一方、宇宙飛行士VS吸血鬼の場合は、舞台はどこかの惑星か宇宙船内になるだろう。後者の場合は、映画『エイリアン』の様な、宇宙船内に侵入した敵と戦う感じのシナリオになる。

調査隊VS吸血鬼の場合は、南極だとかジャングルだとか古代遺跡だとかの僻地に出かけた調査隊が恐ろしいモンスターに襲われる話になるだろう。宇宙飛行士VS吸血鬼と混ぜるなら、火星だとか未知の惑星を調査する話になる。

農民VS吸血鬼の場合は、吸血鬼は外部から侵入してきた侵略者のイメージだが、調査隊や宇宙飛行士の場合は、好奇心猫を殺す的な自ら余計な場所に踏み込んでしまって襲われる話になる。

神父VS吸血鬼の場合は、依頼を受けて吸血鬼を殺しに行くストーリーになるはずだ。母親VS吸血鬼の場合は、子供を狙う吸血鬼的な存在と戦う話になるかもしれない。社畜VS吸血鬼の場合は、おそらく吸血鬼は搾取する鬼としての経営者かもしれない。童貞VS吸血鬼の場合は、吸血鬼は童貞の生き血を狙うエロ吸血鬼か、処女の生き血を狙うヤリチン吸血鬼になるはずで、どうあがいてもB級ホラー感が漂う。

…とまぁ、こんな感じで主人公の属性を変えるだけでストーリーの毛色はかなり変わる。

メジャー所の主人公属性としては、刑事や探偵や医者なんかが使い勝手が良い。刑事VS吸血鬼なら、正体は吸血鬼な連続殺人鬼を追うシティシナリオになるだろうし、医者であれば謎の奇病に苦しむ患者(吸血鬼の被害者)を救う為に探索するシナリオになる。有名なドラキュラにおけるヘルシング教授も医者として呼び出される探索者である。


探索者のレギュレーション

主人公の属性というシナリオ要素を使用しないシナリオ…要するにお化け屋敷の様に箱だけを用意するタイプは、いろいろシナリオに変化を持たせようとしても、どうしてもキャストや内装が違うだけのお化け屋敷になりがちである。

今回のシナリオの探索者は農民にして下さいとか、宇宙飛行士にして下さいとか、調査隊のメンバーですといったちょっとしたレギュレーションを設定するだけで、シナリオのニュアンスが大幅に変化するのは先に述べた通りである。TRPGの場合、シナリオソースとして個性あふれるモンスターのアイデアは豊富に与えられている。主人公の属性に関しては、オリジナリティも糞も無い要素なので、後は組み合わせの問題でしかない。幾らでもシナリオパターンは作れるはずである。

多くのキーパーは、モンスターの設定を掘り下げたり、お化け屋敷の作りを拘ろうとするものの、主人公属性との絡みを忘れてしまいがちだ。主人公と敵の2つの要素は常にストーリーの両輪なので、主人公と無関係にモンスターの設定だけ掘り下げても、ストーリーが豊かになることは無いという事は覚えておいた方がいいかもしれない。


冒険者という主人公の属性

ファンタジー系TRPGの場合は冒険者という万能すぎる主人公属性が存在している。冒険者は危険があれば飛び込み、敵がいれば倒すという属性であり、万能ではあるがかなり無個性になりがちなである。

冒険者属性は、何かを攻略する遊びであるゲームには向いているが、ストーリー性という意味では冒険者であるかぎり、毎回そういう話にしかならない。更にはゲーム的な存在であるが故に効率重視の非人間的なストーリーを作りがちな原因にもなる。


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by cemeteryprime | 2017-08-08 23:11 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】連続ドラマにおける変化パターン

事件の発生と解決を繰り返す連続ドラマ形式のストーリーに於けるパターンを適当にまとめてみた。

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その1:シナリオを通じて主人公が変化

主人公が何かを手に入れたり、もしくは失ったり、成長したりするパターン。キャラクターはストーリーを通じて変化・成長していくものではあるが、あまりに短期間でコロコロ変化し続ける訳にもいかないのでリアリティんやストーリー的な整合性との兼ね合いである程度の制限は受ける。また主人公の職場の変化(転職や栄転もしくは左遷)といった環境の変化なども面白い変化の1つである。

その2:シナリオを通じて主人公の人間関係が変化

シナリオを通じて主人公の友人や恋人との関係が変化するパターン。シナリオを通じて知り合った相手と恋愛関係になったり、逆にそうした相手が切っ掛けで既存の恋愛関係が終了したり。友人が死亡したり、信頼していた知人の暗黒面を見てしまって決別してしまうパターンなんかもありうる。

その3:シナリオを通じてチームの人間関係が変化

主人公が所属するチーム内の人間関係が変化するパターン。その2とも若干内容は被る。特に海外ドラマは長期化すると職場の恋愛関係におけるくっ付いたり別れたりの相関関係がどんどん複雑化していく傾向がある。人間関はどれだけ変化しても終わりは無い上に、葛藤や緊張感をストーリーに付与できるメリットがある。チームが結束してパワーアップすることもあれば、バラバラに引き裂かれることもある。

その4:シナリオを通じてチームのメンバーが変化

誰かが死んだり配置換えになったりして離脱したり、新しいメンバーが加入するパターン。長くシーズンを続けていくと新鮮味が無くなるので、こういうイベントはちょいちょい発生する。発生した事件の種類に応じて個性的なキャラクターをした専門のスペシャリストが助っ人として臨時に投入されることもある。

その5:シナリオを通じて家族との人間関係が変化

父親や母親や兄弟姉妹が出て来るパターンと、今の家庭がピックアップされるパターンがある。事件が切っ掛けで、関係が修復されたり、拗れたりする。特に親との関係の修復は、成長エピソードにも結び付き、キャラの掘り下げエピソードとしての機能がある。

その6:大きな謎が解明に近付く

連続ドラマのシーズンを通した謎や敵についての情報が明らかになるパターン。

ストーリーにこうした変化があれば、ブラックボックスとなるシナリオ部分は最小限でも幾らか形にはなる。子供のお使いみたいなシナリオ内容でも、劇的な変化があれば一応は意味のあるシナリオになる。

TRPGを遊ぶ時、キーパーはできるだけ凝った興味深いギミックや客引き要素のあるシナリオを用意しようとする。プレイヤーの方は如何に好き放題できるかや、活躍できるかを求める。ただし、こういった要素は連続ドラマの様なキャンペーン形式のストーリーの面白さのコアでは無い。

キャンペーン形式のストーリーのコアはキャラクターの面白さである。キャラクターの面白さとは、ピンチの時にどういう行動をするのかという人間性や、どういう人物でイベントを通じてどういう変化が起こるのかという要素である。

こうしたシナリオを通じてキャラクターをどう変化させるかという部分は、キーパーとプレイヤーが意識して協力しさえすれば、簡単に追加できる要素だ。それをしないが為に、シナリオの謎が解け、キャラクターの正気度が失われるだけの無味乾燥なセッションになってしまう事は多い。

親友だったキャラ同士が決裂して終わったり、恋人同士だったキャラが憎し見合う様になったり、ちょっと気持ちわるいがカップルになったりすれば、この先に二人はどうなるかという変化への期待で次回のセッションへの期待も一層高まるかもしれない。

キャラと関係性に注目してセッションを追うことで、キャラの死亡や発狂も劇的な意味を持つ。キャラへの没入感は、案外こうした観客目線での面白さを見えなくしてしまう事があるので忘れずにいたい。


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by cemeteryprime | 2017-07-27 03:15 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【シナリオ考察】罪の所在を考える

因果応報ホラーにおける、『主人公たちがいつ罪を犯すか』もしくは『罪の所在がどこにあるか』という点に着目したシナリオの分類。

その1:むかしむかし・・・

罪の起源がはるか昔に遡るもの。例えば…大昔に村人が逃げて来た落ち武者たちを殺して金品を奪った結果、怨霊が出るようになった村の話だとか。モンスターとしての吸血鬼の起源なんかも、こうした遥か昔の罪と結び付けられる事が多い。性質的に伝奇ホラーに向いている。

その2:その昔、親が・・・

本人のあずかり知らない所で、親の罪によって恨みを買うパターン。ビッチな母親が家庭崩壊させた家の子供に復讐されるスクリーム、子供を狙う変態をリンチして焼き殺したら化けて出て来たエルム街の悪(どっちもウェス・クレイヴン作品)など。主人公たちは親の秘密や邪悪な側面を知ることになる。親の邪悪な側面は、自分も受け継いでいる性質かもしれない。

また、親世代の罪を子供世代が償うという形に拡大的に捉えれば、社会派なテーマを帯びる内容になる。

その3:主人公たちの忘れたい過去

罪悪感として重くのしかかって来るパターン。若気の至りでやらかした犯罪や、発覚していない隠蔽した犯罪など。主人公自身が罪人なので、この先のストーリーで罰せられるに違いないという強い説得力が生まれホラーと相性が良い。

弱点があるとするなら最後に主人公が死のうが生き延びようがある種のバッドエンドが確定している点で、バッドエンドが許せんという人には適していないかもしれない。

その4:主人公が冒頭で

ストーリーの冒頭でやらかすパターン。ある種のホットスター。モンスターとの対決以前にやらかしてしまった事実への対応に追われることになる。主人公たちが車でドライブ旅行中の一行なら、とりあえず人を撥ねてみるとか。

緩いタブー侵犯の場合だと、肝試しなんかで入っちゃいけない場所に侵入する所から始まるストーリーだとか、ドント・ブリーズの主人公たちの様に泥棒に入った先で酷い目にあう話だとか。

出会い系で知り合った女性に会いに行ったら薬が入ったビールを飲まされて拉致監禁されるのはレッドステイトという映画だが、目が覚めたら拉致監禁されてた系の脱出シナリオでもちょっとした罪と絡めることは出来る。

その5;主人公が中盤で

非日常的な世界を堪能し、調子に乗って来たあたりで、やらかしてしまうパターン。犯人だと思って追い詰めた相手が自殺してしまい、その後に真犯人が襲い掛かって来るパターンであれば、意外性と罪悪感がダブルで襲い掛かることになる。

真犯人に踊らされて、まんまと何かをやらかしてしまうパターンだと、どんでん返しのインパクトが強くなる。時間移動モノのシナリオの場合、悲劇を食い止める為に時間に介入したはずが、自分たちの介入が悲劇の原因となった事が判明してしまうだとかそういうパターンは割と多い。

その6:誰かが過去に

一般的なミステリーのパターン。どっかの悪徳企業が汚染物質を垂れ流したせいで突然変異モンスターが出現したり、どっかの誰かが悪魔を召喚したりみたいなパターン。モンスターを調査する過程で、そうした過去の罪も明らかになる。

主人公と関係が無いので、あまりホラー要素として機能せずもっぱらモンスター誕生のディティールとして機能する。モンスター登場の原因を作った誰かは、ストーリー開始時に死んでいるか、途中で派手に死ぬか、最後の最後についでに罰を受ける。

総論

ざっくりとまとめてみただけだが、因果応報ホラーといっても、罪の所在が異なるだけでかなり印象が違うストーリーになるのが分かる。

絶対に因果応報ホラーは避けたいという何かしらの強い主義があるなら別だが、たいていのストーリーには、1~6のどれかのパターンは設定可能なはずだ。


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by cemeteryprime | 2017-07-17 01:21 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】ホラーシナリオ作成における段階論

ホラーの分類方法は幾つかあるが、ホラーシナリオを創るという観点から、製作難易度に着目してホラーを3種類に分類してみた。

レベル1、因果応報ホラー

シンプルに云うなら、タブーに触れた人間が恐ろしい目に遭う…というのが因果応報ホラーだ。これは、悪い事をしたやつ、忠告を聞かない奴、調子に乗ったムカつく奴は酷い目に遭うべき!…という、人間の願望に沿う形で展開されるストーリーである。

例えば、立入禁止の廃墟とかに忍び込んだ若者たちが酷い目に遭う話だとか、酒やドラッグやセックスを楽しむイケイケな若者たちが殺人鬼にブチ殺される話だとか、危険な遺伝子操作実験で生まれたモンスターが暴走して博士を殺す話だとか。

因果応報ホラーにおいてモンスターは、ある種の天罰を与える存在であり、それ故に超自然的なパワーが許されている。因果応報ホラーにおいて、注意するべきルールは1つ、作中で描かれる罪が深ければ深いほど、モンスターは強くなるという法則である。

因果応報ホラーの強みはそのシンプルさだ。極端な事を言えば、罰せられるべき奴が死ぬことでオチがつく。ミステリー要素と絡めるなら、モンスターを生み出した罪だとか、被害者に共通する罪だとかの秘密を暴きつつ、モンスターが復讐したり天罰を下したりするストーリーになる。

多分ネットとかでも検索すればすぐに見つかる、ホラー理論として有名な小中理論(参考文献『恐怖の作法』)なんかだと因果応報があるホラーは怖くないとされている。確かにそうかもしれないが、ストーリーとしてまとまりやすいという点は圧倒的に魅力である。なので、シナリオ制作の初心者なら背伸びせずに因果応報ホラーから始めるべきだろう。実力のある作家の本格ホラーはともかく、それなりに楽しいB級ホラーには因果応報ホラーが多いイメージがある。

レベル2、侵略者ホラー

侵略者ホラーとは、因果応報とは関係なく理不尽に襲い掛かって来る恐怖を描くストーリーである。

古くはドラキュラなんかはこの典型だし、クトゥルフ神話のラヴクラフトが書いたホラーも殆どこれに属している。突然、宇宙から襲来して人を殺しまくる火星人なんかはこの典型だろう。話が全く通じないサイコパスが襲い掛かって来る話なんかもこれに通じる。

侵略者ホラーの難しさは、あまりにも理不尽なパワーを持ったモンスターが人々を蹂躙するだけの話を見せられて面白い?の一言に集約できる。

なので、モンスターを何かしらの現実的な脅威を想起させる存在として描写するだとか、モンスター以外の部分をとことん詳細に描いて恐怖にリアリティを持たせるだとかのテクニックが必要になって来る。

例えば何にも似ていない、未知なるものの恐怖を描こうとしたラヴクラフトの場合は、謎によって不安を煽るミステリー要素を駆使する後者の手法で、宇宙的恐怖を形にした。

侵略者ホラーのモンスターはパワフルで魅力的なのだが、恐怖の本質がモンスターそのものでは無く、それを想起させる現実の恐怖だとか、リアリティ描写上のテクニックだとかの外部に依存しているので、安直にモンスターだけ抜き出した場合ホラーにならないという性質を持っているので注意が必要になる。

ツッコミどころ満載でも因果応報という説得力の一点で成立してしまえる因果応報ホラーと違って、侵略者ホラーの場合はツッコミどころが目立ちすぎると一気に白けてしまうので、リアリティのデザインにある程度自信がついてからチャレンジしてみるべきだろう。

レベル3、ヒューマニズムホラー

ヒューマニズムホラーとは、人間の心の闇や、社会の闇を浮き彫りにするタイプのストーリーである。ヒューマニズムホラーにおいて、モンスターなどの超自然的な要素は、こうした人間の闇を浮かび上がらせるギミックに過ぎない。モンスターで怖がらせるのではなく、それによって浮き彫りになる身近な人の内面に潜んでいた闇で怖がらせるホラーである。

スティーブン・キングの作品で言えば、悪霊に憑りつかれたホテルが原因で父親がアル中のDV殺人鬼と化すシャイニングだとか、笑うセールスマンみたいな悪魔が原因で町中の人間がいがみ合うニードフルシングスなんかはこのタイプである。

ヒューマニズムホラーを上手く成立させるには、リアリティデザインに加えて、丁寧な人間描写やドラマ描写がスキルとして必要になるので、最も描写が難しいホラーとして位置付けた。

ただし映像作品の場合は、フェイク・ドキュメンタリー的な手法を用いる事でこうしたリアリティや人間描写の難易度をブレイクスルーできる事を白石監督作品なんかが教えてくれていたりもする。

総論

なぜ、こうした段階論を考えてみたかというと、侵略者ホラーの出来損ないみたいなシナリオが溢れているからだ。私もそうだが、初心者がホラーシナリオを創ってみようとした時に、魅力的なモンスターに惹かれていきなり侵略者ホラーを作ろうとして失敗するパターンはあまりにも多い。

実はちょいと弄って因果応報ホラーにするだけで、改善されるタイプのシナリオは多い。例えば、寝て起きたら変な異世界にいて良く分からないモンスターに蹂躙されるだけの話も、探索者たちが過去に犯罪をおかして罪悪感に囚われている人たちであるみたいな設定を取って付けるだけで一気にストーリーとして納得感というか締まりが出て来る。

真似したくなる様な優れたホラーというのは、侵略者ホラーであったり、ヒューマニズムホラーであったりするが、そうしたホラーは成立させる為にはモンスターの設定や恐ろしいストーリーのアイデア以前に、作家としてのスキルが要求でされてしまう。適当に造ったモンスターでも簡単に成立するのは因果応報ホラーなのだが、因果応報ホラーはB級ホラーに多いのでホラー好きでもなければ逆にあまり触れないジャンルだったりもする。

因果応報ホラーはホラーとしてはいまいちだけど、成立させやすいので、初心者にはオススメですみたいな身も蓋も無いアドバイスは、個人的にはあまり聞いたことがない無いのでまとめてみた次第である。


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by cemeteryprime | 2017-07-12 18:53 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】ホラーシナリオの要素

ホラーシナリオに求められる要素について雑にまとめてみた。


エンタメ×ホラーのポイント

  1. 主人公の目的が明確or逃げられない理由がある。
  2. クライマックスにサプライズがある。
  3. 人が死ぬ。
  4. 人の心の闇、もしくは社会の闇を覗ける。
  5. 恐怖一辺倒ではなく、笑えるポイントもある。
  6. モンスター登場への期待と恐怖をきっちり煽ること。
  7. 恐ろしいモンスターの背景には恐ろしい罪がある。
  8. テンポの悪さは全てを台無しにする。


対立構造について

対立構造はストーリーのシンプルな推進力である。対立構造つまりは目的があってそれを邪魔する敵がいるという状況があれば、プレイヤーは次にやる事に迷わないで済む。

主人公の目的が曖昧だと、ストーリーの方向性が見えないのでプレイヤーはキーパーの指示を待つだけになる。主人公の目的を明確にすること、逃げられない理由を用意することは、どちらもプレイヤーに向かうべき方向性を迷わせない為に必要な要素だ。

例えば『自分の子供を助ける為に、幽霊屋敷を探索する。』という明確な動機と逃げられない理由があれば、確実にプレイヤーは探索者に少なくとも子供を助けるまでは、何があろうと幽霊屋敷の探索を続けさせるはずである。

サプライズ要素について

所謂どんでん返しである。ストーリーの構成単位としては必ずしも必要ではないが、エンタメとしては確実にあった方が良い。

味方と思っていた人物が敵でしたとか、その逆で敵と思っていた人が味方でした等。こうしたサプライズ要素は、別に凝った内容にする必要は無いが、無いと肩透かしを食らってしまう類のものなので、様式美として忘れないようにしたい。

見世物小屋要素について

結局の所、エンターテイメントと見世物小屋要素は不可分である。特にホラーは親和性が高い。人はホラーに何を期待するのかというと、身も蓋も無い言い方をするなら人が死ぬ所であり、それ以外の日常においてタブーとして隠されがちなものを観たがる。

殺人事件、恐ろしい事故、業界のおぞましい裏側、崩壊した家庭、いじめ、奇形、キチガイ、変態、キモい人!

我々がホラーに求めるものは、基本的にはテレビの情報番組や週刊誌が日々扱う内容でもある。ホラーにはそれらの要素がより露骨に、残酷に、邪悪に登場することが期待されている。こういう物が一切登場しなかったら、なんだか詐欺にでもあった様な肩透かし感を受ける。誰もホラーに高尚なものは求めていないのだ。

ホラーと笑い

ホラー映画や小説の場合、観客は内容に干渉の仕様が無いが、ホラーTRPGの場合は干渉出来る。人は笑うことで恐怖を払拭しようとする。その結果、プレイヤーは内容が恐ろしいと思えば思うほど、笑いに走ろうとしてしまう。

とんでもなくホラーリテラシーが高いプレイヤーでも無い限り、恐ろしいシナリオを恐ろしい雰囲気でプレイすることは難しい。恐ろしければ恐ろしいほど、台無しにする力が働くという困った現象が起こる。

また、恐ろしいだけの話はメリハリが無くてつまらないという側面もある。恐ろしいだけのホラーは、唐辛子しか入っていない料理みたいなものである。良いホラーというものは、笑えたり、感動させたりする要素も必ず入っている。だからこそ、メリハリが効いて恐ろしい部分がより恐ろしく感じるのである。

なので、良いホラーにしたいなら、こうしたメリハリを意識する必要がある。ギャグキャラや、ドラマ要素がある人間関係などNPCを上手く活用するのが近道である。

モンスターの本質

ホラーの主役はやはりモンスターである。しかしながら、ホラーのモンスターと、ゲームのモンスターは混同してはいけない。ゲームのモンスターというのは、言ってみれば戦闘シミュレーション上の障害物でしかない。ゲームにおける恐ろしいモンスターとは、高レベル・高スペックの倒しにくい障害物と同義だ。

ホラーにおける恐ろしいモンスターは異なる。ホラーにおけるモンスターの本質は恐怖である。現実に存在する何かしらの恐怖を誇張したメタファー的な存在である。

エイリアンの恐ろしさは機敏な動きや腐食性の血液よりも宇宙レイプ魔な部分だし、エクソシストなんかの悪魔のヤバさは悪魔がどうというより身近な人が変貌してしまう恐怖である。シャイニングは幽霊屋敷がどうというより、スランプでアル中になったDV親父の恐怖だった。ITのピエロは少年を殺しまくったホモのシリアルキラーのピエロおじさんをモデルにしている。クトルゥフにおけるディープワンだとか混血のクトゥルフ教団の信者たちといったモンスターの背景には、外国人へのラヴクラフトの偏見があったのは有名な話だ。

またストーリーにおけるモンスターの恐ろしさは、スペックでは無く、登場するまでに高められた恐怖感に起因する。遭遇する前からプレイヤーは伝聞なり、痕跡なりで、ヤバい存在であることを知っているからこそ、恐ろしいモンスターとして機能するということを覚えておこう。

モンスターと罪

人は恐ろしい事件の背後には、必ず恐ろしい罪がある(あって欲しい)というオカルトじみた妄想を抱く。恐ろしい目に遭うのは、恐ろしい罪を犯した天罰であって欲しいのである。こうしたオカルト的発想は、よく犯罪被害者へのバッシングなどの形をとるが、ホラーにおいても有効である。

ホラーにおいては、モンスターの出自にまつわる形で機能する。主人公の罪で生まれたモンスターが生まれた場合、主人公は何らかの形で罰を受けるべきであるというバイアスが働く。そうすると、主人公が死ぬまでモンスターが何度理不尽に蘇ろうが、誰も気にしない。主人公が罰を受けない事の方が許されざる結末だからだ。

人類による環境破壊だとか、放射能汚染なんかで誕生したモンスターは、人類を罰する役割を期待されている故に、理不尽に強いのである。


ホラーの主人公が犯しがちな罪として以下の様なものがある。

  1. 入るなと言われた場所に侵入した
  2. 人を見殺しにしたor死なせてしまった
  3. ふざけて悪魔を召喚した
  4. 何かを盗んだ
  5. 人を蘇らそうとした
  6. 迷信を馬鹿にした
  7. 行きずりのセックスor浮気
  8. 調子に乗って相手を舐めてた
  9. アルコール中毒、もしくは薬物中毒
  10. 本人では無く、親が悪い事をしていた


嫌な奴ほど酷い死に方をするというのもこうした法則に乗っ取っている。嫌な奴が碌な死に方をしないことを観客は望み、モンスターはそれに答えるのである。


テンポの良さと面白さ

話のテンポが悪いと、どんな面白い話もつまらなくなる。というより面白い話が面白いのは、内容による物というよりは、むしろ構成とテンポが良いからというのが殆どだ。

内容は同じでも、喋りが下手な人の話はつまらないが、上手な人が話せば面白い。教えている内容は同じはずの塾講師に人気不人気があるのも、こうした理由だろう。なので同じシナリオでもキーパリング次第で、つまらなくなったり、面白くなったりというのは大いにあり得る話である。

話がどこに向かっているのか分かり難い、内容が頭に入ってきにくい、長時間過ぎて疲れる…こうした要素はシナリオの内容以前の問題なので注意すること。


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by cemeteryprime | 2017-07-10 22:29 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【雑記】12のテンプレート、実例編

まず登場させたいキャラクターとして、博士と人造人間というアイデアだけがあったとする。12のテンプレートを適用するとどうなるかをザックリと例示してみよう。

モンスターとの戦い

博士が人造人間を創る…もしくは創ったのに存在を否定するという罪を犯す。人造人間が博士を恨み、人間を襲う様になる。主人公が人造人間と戦わざるを得ない状況に追い込まれる。マッドサイエンティストからアドバイスを貰う。博士は途中で人造人間に殺される。

深淵を覗く

怪しい行動を取る博士がいる。博士を調査した主人公は、博士の屋敷に侵入して、博士が人造人間を創った事を知る。博士は何故、人造人間を創ったのかという事を調べるうちに、恐ろしい事実を知る。やがて主人公は博士の後を継いで人造人間を創る様になる。

冒険の旅

人造人間の主人公は、造物主である博士を探して旅に出る。旅の途中で色んな仲間と出会い、一緒に困難を乗り越える。最終的に博士と出会うが、博士が期待していた人物とは違う糞野郎であったと判明して旅なんてするんじゃなかったと落ち込む。しかしながら、旅を通じて大切な仲間を手に入れていた事に気付く。

人生の岐路

人造人間の製造に人生を費やしてきた博士だったが、研究が暗礁に乗り上げて、意に反した仕事をする羽目になる。仕事を通じて、そもそも何故自分は人造人間の製造に執着していたのかという過去を思い出し、新たな仕事を通じて手に入れた人間関係によってトラウマを克服する。新しい仕事も気に入る様になるが、最終的に人造人間の製造も上手く行く。

突然の試練

突然、世界は邪悪な博士に侵略され、町は人を襲う凶悪な人造人間で溢れかえる。いまいち何の取り柄も無い平凡な主人公は、ヒロインや仲間たちと一緒に町でサバイバルし、人間同士の殺し合いなんかも発生し、色んなイベントを乗り越えて主人公は逞しいリーダーに成長する。

正直者の勝利

人造人間の研究に没頭する博士は街では変人扱いされていたが、それでも人造人間を研究し続ける。色んな出来事があって、人造人間が認められはじめる。そして決定的な問題が起こり、みんなが諦める中、博士の創った人造人間が町を救い、ヒーローになる。

ヒーローの証明

博士は万能の人造人間を創る。人造人間は大活躍してヒーローになるが、やがて危険視され、博士と人造人間を妬んだ人間の罠によって社会から追放される。犯罪者となりながらも、博士と人造人間は活動を続け、やがて濡れ衣を晴らし、ヒーローに戻る。

最高の相棒

才能はあるが孤独な博士が、ポンコツな人造人間を創る。博士と人造人間は、当初そりが合わないものの、徐々に仲良くなって色んな物に挑戦する。その結果、博士は友人や恋人ができ、人造人間との間に距離が出来る。しかし、なんやかんやでトラブルが発生して、ピンチを通じて博士と人造人間は永遠の相棒関係になる。

秘密の成長

科学に否定的なキリスト教原理主義な家庭に生まれた主人公は、こっそりと変人博士の家に遊びに行き、科学的な常識を学びながら、一緒に人造人間を創っていた。身に付けた科学知識で人生が上手くいたが、やがて完成した人造人間が暴走する事件が発生。秘密はばれ、勘当されるが、最終的に科学知識で実家の窮地を救い、家族の理解を得る。

隣の芝生は青く見える

嫌なことが多く退屈な日常を送っていた主人公はある日、卯西臭い博士の研究を手伝うバイトの募集を発見してこれに飛びつく。博士の助手として、セクシーな人造人間と共に非日常な冒険を楽しんでいた主人公だったが、やがてトラブルに巻き込まれる。過去の自分が蓄積してきたスキルによってトラブルを乗り越えた主人公は、元の世界の素晴らしさやを思い出し、過去の自分に肯定的になって元の町に戻る。元の町に戻った主人公は、以前よりちょっとだけ上手く日常をこなせるようになる。

郷に入っては郷に従え

人造人間の研究に憧れる主人公は、博士の研究室へとやって来る。すべてが上手く行っていたが、そこは人造人間にとってのディストピアの様な場所だった。嫌気がさした主人公は改革を訴えるが、当の人造人間が改革を望んでいないという状況に絶望する。

引きこもりを救う話

人造人間は、自分が人間では無い事に傷つき、研究室に籠っていた。博士や、近所の子供たちは、そんな人造人間を外に引っ張り出そうと色々企画する。なんやかんやで外に出た人造人間は、トラブルに巻き込まれるも、何とかトラブルを解決し、人を助ける。自分に人を助ける力がある事に気付いた人造人間は、社会にコミットする様になる。

基本的に、こうしたテンプレートは単体で成立しているというよりも、幾つかの要素を組み合わせた形で使用される事が多い。例えば、秘密の成長を例に挙げるなら、例えば素顔を隠してヒーロー活動を行うスーパーヒーローのストーリーなどはこのテンプレートを含んでいる。しかし、同時にヴィランの誕生譚として『モンスターとの戦い』というテーマが入ったり、新米ヒーローが真のヒーローに成長する話として『ヒーローの証明』のテーマが入ったりする。そしてヒーローが何かしらの事件を切っ掛けに引退を考える話などでは『人生の岐路』というテーマが入る。

全てのストーリーがこうしたテンプレートに因数分解できるとは言わないが、こうしたテンプレートは分かりやすいテーマであって、含まれているとストーリーとしての締まりが良くなるのは間違いない。どう転がすかに迷ったらこうした王道を試してみよう。


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by cemeteryprime | 2017-07-08 20:55 | 雑記 | Comments(0)

【雑記】12のテンプレート、カード版

過去記事『12のテンプレート』でまとめた内容を見やすいカード型に改変してみた。

概ねストーリーと呼べるものはこれらのどれかに着地できる。もしくは複合型である。アイデアはあるが、上手くストーリーの形に出来ない時はこれらのテンプレートからランダムに型を選んで形にしてみてはどうだろうか。書く事とは改変する事と同義である。叩き台があれば創作活動はスムーズに発射できるはずだ。
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by cemeteryprime | 2017-07-06 18:37 | 雑記 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】微妙なシナリオ

以前記事でまとめた、シナリオを作成する際に注意した方が良さそうなポイントについての掘り下げ記事。

明確な動機がない

ストーリーにおいて重要なのが主人公への共感である。主人公に共感できないと、ストーリーはどうでも良くなる。

主人公に共感させる為の一番の方法は明確な動機を用意してやることだ。恋人を殺された主人公が敵に復讐しようとする。経済的に困窮した主人公が金を奪おうとする。個人的に賛同はできなくても、主人公の動機と行動は理解できる。これが共感である。

しかし、例えばこんな場合はどうだろうか。主人公は銀行員である。主人公は知人から怪しい事件の噂を聞き、僅かな報酬と引き換えに3日間ほど仕事を休んで命懸けの探検をする。

このままでは全く探索者の動機が理解できない。入り口で共感出来ないと、その後のストーリーも全体的にどうでも良くなってしまう。

このストーリーを成立させるには、何か主人公の過去と怪しい事件の間に密接な関係性を用意したり、もしくは引き受けないと仕事を失う等の逃げられない事情を用意してやる必要がある。

この様に、シナリオの導入パートというのはストーリー全体の面白さを左右する重要な意味を持っている。キーパーが用意したシナリオ上の謎が解けるかどうかだけではストーリーは成立しないのである。

探索者に合わせて切っ掛けや動機作りの部分をキーパーがアドリブで調整する。もしくはそのシナリオに適した動機を持った探索者をプレイヤーに用意させよう。プレイヤーのやらされている感は主人公の動機とシナリオの進行がリンクしていない場合に生じるものである。

明確な対立がない

対立というのは例えば、『さらわれたヒロインを取り戻そうとする主人公』VS『そうはさせまいとするエネミー』…みたいな構図のことだ。

明確な対立があるとストーリーがどこに向かっていくのかが分かりやすくなる。上記の例で言えば、ヒロインの場所を探す探索があり、最終的にはエネミーと直接対決をして、ヒロインを取り戻すか、もしくは取り戻せないかの結末へ至るというのが分かる。

明確な対立が無いシナリオの場合、途中でグダグダになることが多い。例えば『さらわれたヒロインを取り戻そうとする主人公』VS『別にヒロインをさらった訳でもなかったモンスター』だったらどうなるだろうか。

探索者たちは勘違いでモンスターに襲い掛かるかもしれないが、話してみて誤解が解ければそれで終了である。もしくは普通にヒロインを発見してお終いである。こうなると肩透かし感しかない。モンスターの処遇に関しては完全にストーリーとは関係の無い要素なので本質的にどうでも良くなってしまい、プレイヤーは困惑する。この様に対立構造が無いと、エネミーとの対決というクライマックスが成立せず、オチの付け方も有耶無耶になる状況が出てきてしまうのである。

ちなみにクトゥルフの場合、モンスターは戦って勝てる相手ではないのでモンスターとの対立構造は避けたいかもしれない。その場合は、モンスターを操る人間との対立構造を用意してやれば良い。モンスターの対立構造にしてしまうと、クライマックスでモンスターが喋り出して真相を語るみたいな間抜けな状況が発生しやすくなる(=怖さが薄れる)ので、そういう意味でも対立の相手は人間にしておいた方が良い。

d20クトゥルフのシナリオ制作ガイドでは、『秘密を暴こうとする探索者』VS『秘密を守ろうとするエネミー』という対立構造を軸にしてシナリオを作ることが推奨されている。

・それはどういう秘密か?

・なぜ秘密が露見するとまずいのか?

秘密を巡る対立を軸にシナリオを肉付けしていく手法はホラーにおいては有効なので、良い感じの対立が思いつかない場合はまずはこのパターンで作ってみると良い。

他のメジャーな対立としては、

・死にたくないVS死なせたい

・世界を滅亡させたくないVS滅亡させたい

・子供や恋人を取り戻したいVS取り戻されたくない

等がある。対立構造は無限にあるので面白いものを考えてみよう。


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by cemeteryprime | 2017-05-24 18:49 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

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