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【TRPG】ミニマムなシナリオ生成

これまでにもシナリオのミニマムな生成方法を考えてきたが、今回はもっともシンプルだ。主人公の属性と敵の属性の2つの要素を用意して、それを組み合わせる。それだけである。

ストーリーのコアになるのは言うまでもなく、主人公と障害(敵)である。なので、この2つの属性さえ決めてしまえばシナリオの内容はある程度方向性が固まるので、それをたたき台にするという寸法である。


主人公の属性とシナリオ

これまではあまり着目してこなかったが、主人公の属性というのはかなり大きな要素である。例えば同じ吸血鬼モノでも、農民VS吸血鬼と、宇宙飛行士VS吸血鬼と、調査隊VS吸血鬼と、神父VS吸血鬼と、母親VS吸血鬼と、社畜VS吸血鬼と、童貞VS吸血鬼では予想されるシナリオの内容はガラッと変わる。

農民VS吸血鬼の場合は、村に吸血鬼がやってきて死人が出始め…といった内容になるだろう。イメージとしてはスティーヴン・キング呪われた町だとか、それを元ネタにした小野不由美の屍鬼だとかそういう感じだ。

一方、宇宙飛行士VS吸血鬼の場合は、舞台はどこかの惑星か宇宙船内になるだろう。後者の場合は、映画『エイリアン』の様な、宇宙船内に侵入した敵と戦う感じのシナリオになる。

調査隊VS吸血鬼の場合は、南極だとかジャングルだとか古代遺跡だとかの僻地に出かけた調査隊が恐ろしいモンスターに襲われる話になるだろう。宇宙飛行士VS吸血鬼と混ぜるなら、火星だとか未知の惑星を調査する話になる。

農民VS吸血鬼の場合は、吸血鬼は外部から侵入してきた侵略者のイメージだが、調査隊や宇宙飛行士の場合は、好奇心猫を殺す的な自ら余計な場所に踏み込んでしまって襲われる話になる。

神父VS吸血鬼の場合は、依頼を受けて吸血鬼を殺しに行くストーリーになるはずだ。母親VS吸血鬼の場合は、子供を狙う吸血鬼的な存在と戦う話になるかもしれない。社畜VS吸血鬼の場合は、おそらく吸血鬼は搾取する鬼としての経営者かもしれない。童貞VS吸血鬼の場合は、吸血鬼は童貞の生き血を狙うエロ吸血鬼か、処女の生き血を狙うヤリチン吸血鬼になるはずで、どうあがいてもB級ホラー感が漂う。

…とまぁ、こんな感じで主人公の属性を変えるだけでストーリーの毛色はかなり変わる。

メジャー所の主人公属性としては、刑事や探偵や医者なんかが使い勝手が良い。刑事VS吸血鬼なら、正体は吸血鬼な連続殺人鬼を追うシティシナリオになるだろうし、医者であれば謎の奇病に苦しむ患者(吸血鬼の被害者)を救う為に探索するシナリオになる。有名なドラキュラにおけるヘルシング教授も医者として呼び出される探索者である。


探索者のレギュレーション

主人公の属性というシナリオ要素を使用しないシナリオ…要するにお化け屋敷の様に箱だけを用意するタイプは、いろいろシナリオに変化を持たせようとしても、どうしてもキャストや内装が違うだけのお化け屋敷になりがちである。

今回のシナリオの探索者は農民にして下さいとか、宇宙飛行士にして下さいとか、調査隊のメンバーですといったちょっとしたレギュレーションを設定するだけで、シナリオのニュアンスが大幅に変化するのは先に述べた通りである。TRPGの場合、シナリオソースとして個性あふれるモンスターのアイデアは豊富に与えられている。主人公の属性に関しては、オリジナリティも糞も無い要素なので、後は組み合わせの問題でしかない。幾らでもシナリオパターンは作れるはずである。

多くのキーパーは、モンスターの設定を掘り下げたり、お化け屋敷の作りを拘ろうとするものの、主人公属性との絡みを忘れてしまいがちだ。主人公と敵の2つの要素は常にストーリーの両輪なので、主人公と無関係にモンスターの設定だけ掘り下げても、ストーリーが豊かになることは無いという事は覚えておいた方がいいかもしれない。


冒険者という主人公の属性

ファンタジー系TRPGの場合は冒険者という万能すぎる主人公属性が存在している。冒険者は危険があれば飛び込み、敵がいれば倒すという属性であり、万能ではあるがかなり無個性になりがちなである。

冒険者属性は、何かを攻略する遊びであるゲームには向いているが、ストーリー性という意味では冒険者であるかぎり、毎回そういう話にしかならない。更にはゲーム的な存在であるが故に効率重視の非人間的なストーリーを作りがちな原因にもなる。


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by cemeteryprime | 2017-08-08 23:11 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】連続ドラマにおける変化パターン

事件の発生と解決を繰り返す連続ドラマ形式のストーリーに於けるパターンを適当にまとめてみた。

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その1:シナリオを通じて主人公が変化

主人公が何かを手に入れたり、もしくは失ったり、成長したりするパターン。キャラクターはストーリーを通じて変化・成長していくものではあるが、あまりに短期間でコロコロ変化し続ける訳にもいかないのでリアリティんやストーリー的な整合性との兼ね合いである程度の制限は受ける。また主人公の職場の変化(転職や栄転もしくは左遷)といった環境の変化なども面白い変化の1つである。

その2:シナリオを通じて主人公の人間関係が変化

シナリオを通じて主人公の友人や恋人との関係が変化するパターン。シナリオを通じて知り合った相手と恋愛関係になったり、逆にそうした相手が切っ掛けで既存の恋愛関係が終了したり。友人が死亡したり、信頼していた知人の暗黒面を見てしまって決別してしまうパターンなんかもありうる。

その3:シナリオを通じてチームの人間関係が変化

主人公が所属するチーム内の人間関係が変化するパターン。その2とも若干内容は被る。特に海外ドラマは長期化すると職場の恋愛関係におけるくっ付いたり別れたりの相関関係がどんどん複雑化していく傾向がある。人間関はどれだけ変化しても終わりは無い上に、葛藤や緊張感をストーリーに付与できるメリットがある。チームが結束してパワーアップすることもあれば、バラバラに引き裂かれることもある。

その4:シナリオを通じてチームのメンバーが変化

誰かが死んだり配置換えになったりして離脱したり、新しいメンバーが加入するパターン。長くシーズンを続けていくと新鮮味が無くなるので、こういうイベントはちょいちょい発生する。発生した事件の種類に応じて個性的なキャラクターをした専門のスペシャリストが助っ人として臨時に投入されることもある。

その5:シナリオを通じて家族との人間関係が変化

父親や母親や兄弟姉妹が出て来るパターンと、今の家庭がピックアップされるパターンがある。事件が切っ掛けで、関係が修復されたり、拗れたりする。特に親との関係の修復は、成長エピソードにも結び付き、キャラの掘り下げエピソードとしての機能がある。

その6:大きな謎が解明に近付く

連続ドラマのシーズンを通した謎や敵についての情報が明らかになるパターン。

ストーリーにこうした変化があれば、ブラックボックスとなるシナリオ部分は最小限でも幾らか形にはなる。子供のお使いみたいなシナリオ内容でも、劇的な変化があれば一応は意味のあるシナリオになる。

TRPGを遊ぶ時、キーパーはできるだけ凝った興味深いギミックや客引き要素のあるシナリオを用意しようとする。プレイヤーの方は如何に好き放題できるかや、活躍できるかを求める。ただし、こういった要素は連続ドラマの様なキャンペーン形式のストーリーの面白さのコアでは無い。

キャンペーン形式のストーリーのコアはキャラクターの面白さである。キャラクターの面白さとは、ピンチの時にどういう行動をするのかという人間性や、どういう人物でイベントを通じてどういう変化が起こるのかという要素である。

こうしたシナリオを通じてキャラクターをどう変化させるかという部分は、キーパーとプレイヤーが意識して協力しさえすれば、簡単に追加できる要素だ。それをしないが為に、シナリオの謎が解け、キャラクターの正気度が失われるだけの無味乾燥なセッションになってしまう事は多い。

親友だったキャラ同士が決裂して終わったり、恋人同士だったキャラが憎し見合う様になったり、ちょっと気持ちわるいがカップルになったりすれば、この先に二人はどうなるかという変化への期待で次回のセッションへの期待も一層高まるかもしれない。

キャラと関係性に注目してセッションを追うことで、キャラの死亡や発狂も劇的な意味を持つ。キャラへの没入感は、案外こうした観客目線での面白さを見えなくしてしまう事があるので忘れずにいたい。


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by cemeteryprime | 2017-07-27 03:15 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】ファック仮説

異世界転生ラノベに関して考察していて、ふとTRPGについても思い当たる部分があったのでまとめてみる。

異世界転生小説にみるファック精神

俗に言う異世界転生系小説とは、基本的にはイージーモードで異世界を蹂躙する話であり、どういう人物に転生するかに違いはあれど、手軽にハーレムを形成し、しょーもない敵を蹂躙し、人々の信用を勝ち取り、権力を手に入れる話であるという点は共通する。

端的に表現するならば、主人公が簡単に世界をファックできる異世界に飛ばされて、飽きるまで世界をファックしまくる話である。異世界転生というよりは、異世界ファック小説と表現するのが正確だろう。

ファックという言葉はここでは、攻略、蹂躙、レイプ、etc…の意味合いを雑にひっくるめた表現として使用している。

異世界ファック小説は、基本的には現実世界でファックされている作者が世界をファックしたいという願望を込めて作る作品であり、同じように現実世界にファックされている読者が共感する類のものである。なので特にメッセージ性やドラマ性といったものは希薄で、如何に気持ち良くファックをするかという点が追求される。そういう意味ではポルノに近く、実際作品としてポルノと親和性が高い。

余談になるが二次創作のジャンルとして、既存の作品世界のキャラに転生して作品世界をファックするというものもある。作品の実写化などの際に原作レイプと表現される事があるが、これこそ原作レイプそのものだと言えよう。

ゲームにおけるファック精神

異世界ファック小説の話はその辺にしておいて、ここからゲームについての話に移る。

ゲームは、実際の所、プレイヤーがゲームの世界をファック(攻略あるいは蹂躙)する遊びである。中には平和的なゲームも存在しているが、基本的にはファックすることで快感を得る遊びだ。

TRPGに関してもこうした事情は同じで、基本的にはプレイヤーたちはゲームをファックする為にやって来る。そして、キャラクターを自作してゲームに参加する時、結局の所、異世界ファック小説を楽しむ精神と似た心境でゲームに参加することになる。

剣と魔法の世界を舞台にしたTRPGの場合は、勇者の物語なので、こうしたファック精神とは相性が良い。プレイヤーは自分の分身になるキャラを作り、異世界をファックして遊ぶので、異世界ファック小説と似た快感を味わうことが出来る。しかも、TRPGなので完璧に主人公の行動を自分好みにコントロールできる。

異世界ファック小説は、基本的には剣と魔法のファンタジー世界に転生する話なので、こうしたジャンルの愛好者と冒険者系TRPGの愛称は凄く良いはずである。

ホラーゲームにおけるファック精神

一方、主人公が世界をファックするのでは無く、主人公が徹底的にファックされるジャンルという物も存在する。ホラーである。ホラーというのは基本的に、肉体的にも精神的にもファックされまくりボロボロになる話である。

ホラーTRPGの場合、先の様に異世界をファックするゲームにしてしまうとホラーでは無くなってしまうという構造的な問題がある。

テレビゲームにおけるホラーゲームの場合は、コンティニューやセーブ機能によってこうした構造的な問題をクリアしている。何度もファックされ死亡しながらも、コンティニュー機能によって最終的には世界をファックするというホラーとゲームの両立が可能になっているのだ。

だがホラーTRPGの場合は、基本的にコンティニュー機能は無い。代わりにあるのは死亡したキャラの意思を別のキャラが引き継ぐというシステムである。クローズド系シナリオの場合は、こうした引継ぎが不可能になっている場合があり、その場合は構造的な不具合は深刻だ。

ホラーTRPGを成立させる場合は、容赦なくファックしつつも、死んでも引継ぎ続行できる仕様にしておくか、死なない程度にファックしまるテクニックを構築するかのどちらかが重要になるだろう。


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by cemeteryprime | 2017-07-23 23:28 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【シナリオ考察】罪の所在を考える

因果応報ホラーにおける、『主人公たちがいつ罪を犯すか』もしくは『罪の所在がどこにあるか』という点に着目したシナリオの分類。

その1:むかしむかし・・・

罪の起源がはるか昔に遡るもの。例えば…大昔に村人が逃げて来た落ち武者たちを殺して金品を奪った結果、怨霊が出るようになった村の話だとか。モンスターとしての吸血鬼の起源なんかも、こうした遥か昔の罪と結び付けられる事が多い。性質的に伝奇ホラーに向いている。

その2:その昔、親が・・・

本人のあずかり知らない所で、親の罪によって恨みを買うパターン。ビッチな母親が家庭崩壊させた家の子供に復讐されるスクリーム、子供を狙う変態をリンチして焼き殺したら化けて出て来たエルム街の悪(どっちもウェス・クレイヴン作品)など。主人公たちは親の秘密や邪悪な側面を知ることになる。親の邪悪な側面は、自分も受け継いでいる性質かもしれない。

また、親世代の罪を子供世代が償うという形に拡大的に捉えれば、社会派なテーマを帯びる内容になる。

その3:主人公たちの忘れたい過去

罪悪感として重くのしかかって来るパターン。若気の至りでやらかした犯罪や、発覚していない隠蔽した犯罪など。主人公自身が罪人なので、この先のストーリーで罰せられるに違いないという強い説得力が生まれホラーと相性が良い。

弱点があるとするなら最後に主人公が死のうが生き延びようがある種のバッドエンドが確定している点で、バッドエンドが許せんという人には適していないかもしれない。

その4:主人公が冒頭で

ストーリーの冒頭でやらかすパターン。ある種のホットスター。モンスターとの対決以前にやらかしてしまった事実への対応に追われることになる。主人公たちが車でドライブ旅行中の一行なら、とりあえず人を撥ねてみるとか。

緩いタブー侵犯の場合だと、肝試しなんかで入っちゃいけない場所に侵入する所から始まるストーリーだとか、ドント・ブリーズの主人公たちの様に泥棒に入った先で酷い目にあう話だとか。

出会い系で知り合った女性に会いに行ったら薬が入ったビールを飲まされて拉致監禁されるのはレッドステイトという映画だが、目が覚めたら拉致監禁されてた系の脱出シナリオでもちょっとした罪と絡めることは出来る。

その5;主人公が中盤で

非日常的な世界を堪能し、調子に乗って来たあたりで、やらかしてしまうパターン。犯人だと思って追い詰めた相手が自殺してしまい、その後に真犯人が襲い掛かって来るパターンであれば、意外性と罪悪感がダブルで襲い掛かることになる。

真犯人に踊らされて、まんまと何かをやらかしてしまうパターンだと、どんでん返しのインパクトが強くなる。時間移動モノのシナリオの場合、悲劇を食い止める為に時間に介入したはずが、自分たちの介入が悲劇の原因となった事が判明してしまうだとかそういうパターンは割と多い。

その6:誰かが過去に

一般的なミステリーのパターン。どっかの悪徳企業が汚染物質を垂れ流したせいで突然変異モンスターが出現したり、どっかの誰かが悪魔を召喚したりみたいなパターン。モンスターを調査する過程で、そうした過去の罪も明らかになる。

主人公と関係が無いので、あまりホラー要素として機能せずもっぱらモンスター誕生のディティールとして機能する。モンスター登場の原因を作った誰かは、ストーリー開始時に死んでいるか、途中で派手に死ぬか、最後の最後についでに罰を受ける。

総論

ざっくりとまとめてみただけだが、因果応報ホラーといっても、罪の所在が異なるだけでかなり印象が違うストーリーになるのが分かる。

絶対に因果応報ホラーは避けたいという何かしらの強い主義があるなら別だが、たいていのストーリーには、1~6のどれかのパターンは設定可能なはずだ。


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by cemeteryprime | 2017-07-17 01:21 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】ホラーシナリオ作成における段階論

ホラーの分類方法は幾つかあるが、ホラーシナリオを創るという観点から、製作難易度に着目してホラーを3種類に分類してみた。

レベル1、因果応報ホラー

シンプルに云うなら、タブーに触れた人間が恐ろしい目に遭う…というのが因果応報ホラーだ。これは、悪い事をしたやつ、忠告を聞かない奴、調子に乗ったムカつく奴は酷い目に遭うべき!…という、人間の願望に沿う形で展開されるストーリーである。

例えば、立入禁止の廃墟とかに忍び込んだ若者たちが酷い目に遭う話だとか、酒やドラッグやセックスを楽しむイケイケな若者たちが殺人鬼にブチ殺される話だとか、危険な遺伝子操作実験で生まれたモンスターが暴走して博士を殺す話だとか。

因果応報ホラーにおいてモンスターは、ある種の天罰を与える存在であり、それ故に超自然的なパワーが許されている。因果応報ホラーにおいて、注意するべきルールは1つ、作中で描かれる罪が深ければ深いほど、モンスターは強くなるという法則である。

因果応報ホラーの強みはそのシンプルさだ。極端な事を言えば、罰せられるべき奴が死ぬことでオチがつく。ミステリー要素と絡めるなら、モンスターを生み出した罪だとか、被害者に共通する罪だとかの秘密を暴きつつ、モンスターが復讐したり天罰を下したりするストーリーになる。

多分ネットとかでも検索すればすぐに見つかる、ホラー理論として有名な小中理論(参考文献『恐怖の作法』)なんかだと因果応報があるホラーは怖くないとされている。確かにそうかもしれないが、ストーリーとしてまとまりやすいという点は圧倒的に魅力である。なので、シナリオ制作の初心者なら背伸びせずに因果応報ホラーから始めるべきだろう。実力のある作家の本格ホラーはともかく、それなりに楽しいB級ホラーには因果応報ホラーが多いイメージがある。

レベル2、侵略者ホラー

侵略者ホラーとは、因果応報とは関係なく理不尽に襲い掛かって来る恐怖を描くストーリーである。

古くはドラキュラなんかはこの典型だし、クトゥルフ神話のラヴクラフトが書いたホラーも殆どこれに属している。突然、宇宙から襲来して人を殺しまくる火星人なんかはこの典型だろう。話が全く通じないサイコパスが襲い掛かって来る話なんかもこれに通じる。

侵略者ホラーの難しさは、あまりにも理不尽なパワーを持ったモンスターが人々を蹂躙するだけの話を見せられて面白い?の一言に集約できる。

なので、モンスターを何かしらの現実的な脅威を想起させる存在として描写するだとか、モンスター以外の部分をとことん詳細に描いて恐怖にリアリティを持たせるだとかのテクニックが必要になって来る。

例えば何にも似ていない、未知なるものの恐怖を描こうとしたラヴクラフトの場合は、謎によって不安を煽るミステリー要素を駆使する後者の手法で、宇宙的恐怖を形にした。

侵略者ホラーのモンスターはパワフルで魅力的なのだが、恐怖の本質がモンスターそのものでは無く、それを想起させる現実の恐怖だとか、リアリティ描写上のテクニックだとかの外部に依存しているので、安直にモンスターだけ抜き出した場合ホラーにならないという性質を持っているので注意が必要になる。

ツッコミどころ満載でも因果応報という説得力の一点で成立してしまえる因果応報ホラーと違って、侵略者ホラーの場合はツッコミどころが目立ちすぎると一気に白けてしまうので、リアリティのデザインにある程度自信がついてからチャレンジしてみるべきだろう。

レベル3、ヒューマニズムホラー

ヒューマニズムホラーとは、人間の心の闇や、社会の闇を浮き彫りにするタイプのストーリーである。ヒューマニズムホラーにおいて、モンスターなどの超自然的な要素は、こうした人間の闇を浮かび上がらせるギミックに過ぎない。モンスターで怖がらせるのではなく、それによって浮き彫りになる身近な人の内面に潜んでいた闇で怖がらせるホラーである。

スティーブン・キングの作品で言えば、悪霊に憑りつかれたホテルが原因で父親がアル中のDV殺人鬼と化すシャイニングだとか、笑うセールスマンみたいな悪魔が原因で町中の人間がいがみ合うニードフルシングスなんかはこのタイプである。

ヒューマニズムホラーを上手く成立させるには、リアリティデザインに加えて、丁寧な人間描写やドラマ描写がスキルとして必要になるので、最も描写が難しいホラーとして位置付けた。

ただし映像作品の場合は、フェイク・ドキュメンタリー的な手法を用いる事でこうしたリアリティや人間描写の難易度をブレイクスルーできる事を白石監督作品なんかが教えてくれていたりもする。

総論

なぜ、こうした段階論を考えてみたかというと、侵略者ホラーの出来損ないみたいなシナリオが溢れているからだ。私もそうだが、初心者がホラーシナリオを創ってみようとした時に、魅力的なモンスターに惹かれていきなり侵略者ホラーを作ろうとして失敗するパターンはあまりにも多い。

実はちょいと弄って因果応報ホラーにするだけで、改善されるタイプのシナリオは多い。例えば、寝て起きたら変な異世界にいて良く分からないモンスターに蹂躙されるだけの話も、探索者たちが過去に犯罪をおかして罪悪感に囚われている人たちであるみたいな設定を取って付けるだけで一気にストーリーとして納得感というか締まりが出て来る。

真似したくなる様な優れたホラーというのは、侵略者ホラーであったり、ヒューマニズムホラーであったりするが、そうしたホラーは成立させる為にはモンスターの設定や恐ろしいストーリーのアイデア以前に、作家としてのスキルが要求でされてしまう。適当に造ったモンスターでも簡単に成立するのは因果応報ホラーなのだが、因果応報ホラーはB級ホラーに多いのでホラー好きでもなければ逆にあまり触れないジャンルだったりもする。

因果応報ホラーはホラーとしてはいまいちだけど、成立させやすいので、初心者にはオススメですみたいな身も蓋も無いアドバイスは、個人的にはあまり聞いたことがない無いのでまとめてみた次第である。


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by cemeteryprime | 2017-07-12 18:53 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】ホラーシナリオの要素

ホラーシナリオに求められる要素について雑にまとめてみた。


エンタメ×ホラーのポイント

  1. 主人公の目的が明確or逃げられない理由がある。
  2. クライマックスにサプライズがある。
  3. 人が死ぬ。
  4. 人の心の闇、もしくは社会の闇を覗ける。
  5. 恐怖一辺倒ではなく、笑えるポイントもある。
  6. モンスター登場への期待と恐怖をきっちり煽ること。
  7. 恐ろしいモンスターの背景には恐ろしい罪がある。
  8. テンポの悪さは全てを台無しにする。


対立構造について

対立構造はストーリーのシンプルな推進力である。対立構造つまりは目的があってそれを邪魔する敵がいるという状況があれば、プレイヤーは次にやる事に迷わないで済む。

主人公の目的が曖昧だと、ストーリーの方向性が見えないのでプレイヤーはキーパーの指示を待つだけになる。主人公の目的を明確にすること、逃げられない理由を用意することは、どちらもプレイヤーに向かうべき方向性を迷わせない為に必要な要素だ。

例えば『自分の子供を助ける為に、幽霊屋敷を探索する。』という明確な動機と逃げられない理由があれば、確実にプレイヤーは探索者に少なくとも子供を助けるまでは、何があろうと幽霊屋敷の探索を続けさせるはずである。

サプライズ要素について

所謂どんでん返しである。ストーリーの構成単位としては必ずしも必要ではないが、エンタメとしては確実にあった方が良い。

味方と思っていた人物が敵でしたとか、その逆で敵と思っていた人が味方でした等。こうしたサプライズ要素は、別に凝った内容にする必要は無いが、無いと肩透かしを食らってしまう類のものなので、様式美として忘れないようにしたい。

見世物小屋要素について

結局の所、エンターテイメントと見世物小屋要素は不可分である。特にホラーは親和性が高い。人はホラーに何を期待するのかというと、身も蓋も無い言い方をするなら人が死ぬ所であり、それ以外の日常においてタブーとして隠されがちなものを観たがる。

殺人事件、恐ろしい事故、業界のおぞましい裏側、崩壊した家庭、いじめ、奇形、キチガイ、変態、キモい人!

我々がホラーに求めるものは、基本的にはテレビの情報番組や週刊誌が日々扱う内容でもある。ホラーにはそれらの要素がより露骨に、残酷に、邪悪に登場することが期待されている。こういう物が一切登場しなかったら、なんだか詐欺にでもあった様な肩透かし感を受ける。誰もホラーに高尚なものは求めていないのだ。

ホラーと笑い

ホラー映画や小説の場合、観客は内容に干渉の仕様が無いが、ホラーTRPGの場合は干渉出来る。人は笑うことで恐怖を払拭しようとする。その結果、プレイヤーは内容が恐ろしいと思えば思うほど、笑いに走ろうとしてしまう。

とんでもなくホラーリテラシーが高いプレイヤーでも無い限り、恐ろしいシナリオを恐ろしい雰囲気でプレイすることは難しい。恐ろしければ恐ろしいほど、台無しにする力が働くという困った現象が起こる。

また、恐ろしいだけの話はメリハリが無くてつまらないという側面もある。恐ろしいだけのホラーは、唐辛子しか入っていない料理みたいなものである。良いホラーというものは、笑えたり、感動させたりする要素も必ず入っている。だからこそ、メリハリが効いて恐ろしい部分がより恐ろしく感じるのである。

なので、良いホラーにしたいなら、こうしたメリハリを意識する必要がある。ギャグキャラや、ドラマ要素がある人間関係などNPCを上手く活用するのが近道である。

モンスターの本質

ホラーの主役はやはりモンスターである。しかしながら、ホラーのモンスターと、ゲームのモンスターは混同してはいけない。ゲームのモンスターというのは、言ってみれば戦闘シミュレーション上の障害物でしかない。ゲームにおける恐ろしいモンスターとは、高レベル・高スペックの倒しにくい障害物と同義だ。

ホラーにおける恐ろしいモンスターは異なる。ホラーにおけるモンスターの本質は恐怖である。現実に存在する何かしらの恐怖を誇張したメタファー的な存在である。

エイリアンの恐ろしさは機敏な動きや腐食性の血液よりも宇宙レイプ魔な部分だし、エクソシストなんかの悪魔のヤバさは悪魔がどうというより身近な人が変貌してしまう恐怖である。シャイニングは幽霊屋敷がどうというより、スランプでアル中になったDV親父の恐怖だった。ITのピエロは少年を殺しまくったホモのシリアルキラーのピエロおじさんをモデルにしている。クトルゥフにおけるディープワンだとか混血のクトゥルフ教団の信者たちといったモンスターの背景には、外国人へのラヴクラフトの偏見があったのは有名な話だ。

またストーリーにおけるモンスターの恐ろしさは、スペックでは無く、登場するまでに高められた恐怖感に起因する。遭遇する前からプレイヤーは伝聞なり、痕跡なりで、ヤバい存在であることを知っているからこそ、恐ろしいモンスターとして機能するということを覚えておこう。

モンスターと罪

人は恐ろしい事件の背後には、必ず恐ろしい罪がある(あって欲しい)というオカルトじみた妄想を抱く。恐ろしい目に遭うのは、恐ろしい罪を犯した天罰であって欲しいのである。こうしたオカルト的発想は、よく犯罪被害者へのバッシングなどの形をとるが、ホラーにおいても有効である。

ホラーにおいては、モンスターの出自にまつわる形で機能する。主人公の罪で生まれたモンスターが生まれた場合、主人公は何らかの形で罰を受けるべきであるというバイアスが働く。そうすると、主人公が死ぬまでモンスターが何度理不尽に蘇ろうが、誰も気にしない。主人公が罰を受けない事の方が許されざる結末だからだ。

人類による環境破壊だとか、放射能汚染なんかで誕生したモンスターは、人類を罰する役割を期待されている故に、理不尽に強いのである。


ホラーの主人公が犯しがちな罪として以下の様なものがある。

  1. 入るなと言われた場所に侵入した
  2. 人を見殺しにしたor死なせてしまった
  3. ふざけて悪魔を召喚した
  4. 何かを盗んだ
  5. 人を蘇らそうとした
  6. 迷信を馬鹿にした
  7. 行きずりのセックスor浮気
  8. 調子に乗って相手を舐めてた
  9. アルコール中毒、もしくは薬物中毒
  10. 本人では無く、親が悪い事をしていた


嫌な奴ほど酷い死に方をするというのもこうした法則に乗っ取っている。嫌な奴が碌な死に方をしないことを観客は望み、モンスターはそれに答えるのである。


テンポの良さと面白さ

話のテンポが悪いと、どんな面白い話もつまらなくなる。というより面白い話が面白いのは、内容による物というよりは、むしろ構成とテンポが良いからというのが殆どだ。

内容は同じでも、喋りが下手な人の話はつまらないが、上手な人が話せば面白い。教えている内容は同じはずの塾講師に人気不人気があるのも、こうした理由だろう。なので同じシナリオでもキーパリング次第で、つまらなくなったり、面白くなったりというのは大いにあり得る話である。

話がどこに向かっているのか分かり難い、内容が頭に入ってきにくい、長時間過ぎて疲れる…こうした要素はシナリオの内容以前の問題なので注意すること。


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by cemeteryprime | 2017-07-10 22:29 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【雑記】12のテンプレート、実例編

まず登場させたいキャラクターとして、博士と人造人間というアイデアだけがあったとする。12のテンプレートを適用するとどうなるかをザックリと例示してみよう。

モンスターとの戦い

博士が人造人間を創る…もしくは創ったのに存在を否定するという罪を犯す。人造人間が博士を恨み、人間を襲う様になる。主人公が人造人間と戦わざるを得ない状況に追い込まれる。マッドサイエンティストからアドバイスを貰う。博士は途中で人造人間に殺される。

深淵を覗く

怪しい行動を取る博士がいる。博士を調査した主人公は、博士の屋敷に侵入して、博士が人造人間を創った事を知る。博士は何故、人造人間を創ったのかという事を調べるうちに、恐ろしい事実を知る。やがて主人公は博士の後を継いで人造人間を創る様になる。

冒険の旅

人造人間の主人公は、造物主である博士を探して旅に出る。旅の途中で色んな仲間と出会い、一緒に困難を乗り越える。最終的に博士と出会うが、博士が期待していた人物とは違う糞野郎であったと判明して旅なんてするんじゃなかったと落ち込む。しかしながら、旅を通じて大切な仲間を手に入れていた事に気付く。

人生の岐路

人造人間の製造に人生を費やしてきた博士だったが、研究が暗礁に乗り上げて、意に反した仕事をする羽目になる。仕事を通じて、そもそも何故自分は人造人間の製造に執着していたのかという過去を思い出し、新たな仕事を通じて手に入れた人間関係によってトラウマを克服する。新しい仕事も気に入る様になるが、最終的に人造人間の製造も上手く行く。

突然の試練

突然、世界は邪悪な博士に侵略され、町は人を襲う凶悪な人造人間で溢れかえる。いまいち何の取り柄も無い平凡な主人公は、ヒロインや仲間たちと一緒に町でサバイバルし、人間同士の殺し合いなんかも発生し、色んなイベントを乗り越えて主人公は逞しいリーダーに成長する。

正直者の勝利

人造人間の研究に没頭する博士は街では変人扱いされていたが、それでも人造人間を研究し続ける。色んな出来事があって、人造人間が認められはじめる。そして決定的な問題が起こり、みんなが諦める中、博士の創った人造人間が町を救い、ヒーローになる。

ヒーローの証明

博士は万能の人造人間を創る。人造人間は大活躍してヒーローになるが、やがて危険視され、博士と人造人間を妬んだ人間の罠によって社会から追放される。犯罪者となりながらも、博士と人造人間は活動を続け、やがて濡れ衣を晴らし、ヒーローに戻る。

最高の相棒

才能はあるが孤独な博士が、ポンコツな人造人間を創る。博士と人造人間は、当初そりが合わないものの、徐々に仲良くなって色んな物に挑戦する。その結果、博士は友人や恋人ができ、人造人間との間に距離が出来る。しかし、なんやかんやでトラブルが発生して、ピンチを通じて博士と人造人間は永遠の相棒関係になる。

秘密の成長

科学に否定的なキリスト教原理主義な家庭に生まれた主人公は、こっそりと変人博士の家に遊びに行き、科学的な常識を学びながら、一緒に人造人間を創っていた。身に付けた科学知識で人生が上手くいたが、やがて完成した人造人間が暴走する事件が発生。秘密はばれ、勘当されるが、最終的に科学知識で実家の窮地を救い、家族の理解を得る。

隣の芝生は青く見える

嫌なことが多く退屈な日常を送っていた主人公はある日、卯西臭い博士の研究を手伝うバイトの募集を発見してこれに飛びつく。博士の助手として、セクシーな人造人間と共に非日常な冒険を楽しんでいた主人公だったが、やがてトラブルに巻き込まれる。過去の自分が蓄積してきたスキルによってトラブルを乗り越えた主人公は、元の世界の素晴らしさやを思い出し、過去の自分に肯定的になって元の町に戻る。元の町に戻った主人公は、以前よりちょっとだけ上手く日常をこなせるようになる。

郷に入っては郷に従え

人造人間の研究に憧れる主人公は、博士の研究室へとやって来る。すべてが上手く行っていたが、そこは人造人間にとってのディストピアの様な場所だった。嫌気がさした主人公は改革を訴えるが、当の人造人間が改革を望んでいないという状況に絶望する。

引きこもりを救う話

人造人間は、自分が人間では無い事に傷つき、研究室に籠っていた。博士や、近所の子供たちは、そんな人造人間を外に引っ張り出そうと色々企画する。なんやかんやで外に出た人造人間は、トラブルに巻き込まれるも、何とかトラブルを解決し、人を助ける。自分に人を助ける力がある事に気付いた人造人間は、社会にコミットする様になる。

基本的に、こうしたテンプレートは単体で成立しているというよりも、幾つかの要素を組み合わせた形で使用される事が多い。例えば、秘密の成長を例に挙げるなら、例えば素顔を隠してヒーロー活動を行うスーパーヒーローのストーリーなどはこのテンプレートを含んでいる。しかし、同時にヴィランの誕生譚として『モンスターとの戦い』というテーマが入ったり、新米ヒーローが真のヒーローに成長する話として『ヒーローの証明』のテーマが入ったりする。そしてヒーローが何かしらの事件を切っ掛けに引退を考える話などでは『人生の岐路』というテーマが入る。

全てのストーリーがこうしたテンプレートに因数分解できるとは言わないが、こうしたテンプレートは分かりやすいテーマであって、含まれているとストーリーとしての締まりが良くなるのは間違いない。どう転がすかに迷ったらこうした王道を試してみよう。


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by cemeteryprime | 2017-07-08 20:55 | 雑記 | Comments(0)

【雑記】12のテンプレート、カード版

過去記事『12のテンプレート』でまとめた内容を見やすいカード型に改変してみた。

概ねストーリーと呼べるものはこれらのどれかに着地できる。もしくは複合型である。アイデアはあるが、上手くストーリーの形に出来ない時はこれらのテンプレートからランダムに型を選んで形にしてみてはどうだろうか。書く事とは改変する事と同義である。叩き台があれば創作活動はスムーズに発射できるはずだ。
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by cemeteryprime | 2017-07-06 18:37 | 雑記 | Comments(0)

【TRPG】キャラクターとストレス

ストレスやトラウマは、キャラクターにとって重要な要素だ。CoCにはストレス要素が実装されているが、一気に強いストレスを受けると精神病的な防衛機制の症状が出る。強いストレスを受けると、”正気”から”狂気”に近付いているという概念的でシンプルなものしかない。

そこで、もうちょっと踏み込んだシステムを考えてみた。それを以下の表にまとめてみた。発想としては、強い執着は強いストレスから生まれた代償行為であるという概念だ。

この表は、ハクソーリッジの主人公をサンプルに、過去や現在進行形で蓄積されたストレスと、執着のバランスを数的に表現している。イメージなので具体的な数値とかは適当だ。
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この表では均衡がとれているが、もし一時的なストレスや、新たなトラウマなどが加算され、均衡が崩れた場合、執着の態度がより強いものに進行するか、もしくは身体障害など病的な防衛機制が働くという形になる。

このシステムは、執着の対象を明確して、動機や行動原理も明確にしやすくなり、依存症や強迫症の内容がキャラに合わせた形にしやすくなることを目的としている。また、そのキャラクターにとっての大切なものが攻撃しやすくなるという利点もある。

またこのシステムによって、生来のストレス耐性と、現在のストレス環境を分けて考える事が出来る様になる。元々、ストレス耐性は強いが、仕事上のトラブルや家庭のトラブルによって、一時的発狂状態になりやすくなっているみたいな状態も表現できるのではなかろうかと、そういう発想だ。

CoCプレイヤーは、何だかんだで狂信者的なキャラクターをロールするのが好きな印象があるが、こうしてそのキャラが何にどの程度執着しているのかをフレイバーではなく明確にゲーム的リソースとして設定することで、どういったストレスが原因でそこまで執着する様になったのか等も考える様になって、よりキャラの掘り下げが出来るのではなかろか。

キャラクターの成長とは、ゲーム的には技術や能力のレベルが上昇することだが、ストーリー的には過去のトラウマと向き合うことである。そうしたイベントもやりやすくなるのでは無かろうか。キーパーもキャラシートにこうした表があれば、キャラの過去のトラウマと絡めたり等はしやすくなる。

あと、キャラの職業や趣味なんかが、しっかりと執着の内容とリンクしていれば、しっかりと過去を持った立体感のあるキャラのロールが出来るのでは無かろうかという、ロールプレイ補助的な機能も期待している。表現すべき目標点が明確になることで、ロールプレイの難易度が明確になるのでは無かろうか。

みたいなことを思いついたのでメモっておく。

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by cemeteryprime | 2017-06-30 19:36 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【書籍感想】コンプリート・ディーン・クーンツ

コンプリート・ディーン・クーンツ

風間 賢二(編集)/芳賀書店

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ディーン・クーンツはよくスティーブン・キングと引き合いに出されるので前から興味はあったので買ってみた。出版された時点までのクーンツの全作品の内容(ネタバレ)と、未翻訳作品の翻訳が幾つか載っている。

個人的なクーンツ体験としては、唯一ファントムを読みかけでの上巻を途中で放置しているのみ。

キングが人間描写とノスタルジック描写とホラー愛で引っ張るタイプなのに対して、クーンツは割と理論派エンタメおじさんというのは知っていたので、上澄み的なエンタメ創作理論を汲み取るならクーンツなのかなと思って買った。創作論に関する話も載っていたのでちょっとピックアップして紹介してみよう。

ホラーエンタメのポイント

  1. 観客はモンスターよりもモンスターへの期待感を楽しむ
  2. ホラー映画はモンスターとの対決よりも恐怖を煽ることに時間を費やす
  3. いざモンスターを登場させたらテンポよく畳むこと
  4. 敵は執念深く無慈悲で圧倒的な強さを持っていること


よりよいホラーにする為に

  1. 恐怖を盛り上げるには、恐怖以外の感情が重要になる
  2. 怖がらせるだけのホラーは欠陥品
  3. 感情をしっかり描写する為には主人公が重要
  4. 主人公の動機は明確にして、感情移入しやすくすること

感情移入を阻害する要素

  1. 逃げられない説得力のある理由があること
  2. 主人公が受け身
  3. 主人公が超人すぎる・・・失敗が無ければ成長も学びも無い
  4. 物語の為だけの人物で過去がない
  5. 人間関係が無い


クーンツの理屈から考えると、例えばラヴクラフト作品なんかは怖がらせようとしているというよりは、恐怖を本質的に扱っているという感じではあるものの、恐怖以外の感情を扱っていな欠陥品の最たる例では無かろうか。本質的であるが故に、ホラーファンからは愛されているが、確かにエンタメ性があるとは言い難い。文体以前に恐怖以外の感情をあまり扱っていないのがその原因の一端だったのではなかろうか。

また、クーンツの理屈に従うと、ホラーとは恐怖の感情が他よりも強調されたストーリーであって、全てはバランスの問題に他ならないという話でもある。モンスターが登場してさえいればホラーになる訳ではなく、しっかり恐怖が強調されていなければならない。この点において、ホラーにおけるモンスターは無慈悲で強力であることという指針は非常に分かりやすい。モンスターに同情の余地があったり、貧弱であったりすれば、それは実は他の悲劇性や恋愛ドラマを引き立てる要素でしかない可能性があるという話である。特に他の要素も強調されていないのに、モンスターも貧弱で交渉の余地があったりすれば、それは欠陥品でしかないので赤信号だと理解しよう。

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by cemeteryprime | 2017-05-14 10:25 | 作品・感想 | Comments(0)

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