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【ゲーム感想】フォールアウト4、その2

【ゲーム感想】フォールアウト4、その2_c0325386_10471851.jpg

フォールアウト4のメインクエストを終えたので、シナリオについてのネタバレをしつつ感想を改めて書いてみる。シナリオはインスティテュート・ルート。

【序】

舞台は2077年のアメリカ、ボストン近郊。恐らく現実の1950~60年代から分岐した様なレトロフューチャーな世界である。主人公は妻子持ちの元軍人。

冒頭で核戦争が勃発して、主人公一家は近くの核シェルターに避難するが、実はそこは核シェルターでは無く冷凍冬眠施設だった。途中で何者かに解凍されるものの、子供を誘拐され抵抗した妻は射殺される。主人公は冷凍ポッドに閉じ込められたままそれを見ているしかない。

その後、何かしらの原因で再び解凍され、主人公がシェルターから出てみたら200年後の世界だった…。

【破】

核戦争から200年後の世界は、水や動植物は放射能に汚染され、様々なミュータント化したクリーチャーが跋扈する荒廃した世界だった。人間の変異種として、人喰い人種版のハルクみたいな筋肉ムキムキで緑色の肌をしたスーパーミュータントという種族や、焼け爛れたグロいビジュアルながら不老長寿になったグールという種族までいる。

そんな世界に独自の正義に基づいて活動する大きな組織が4つあり、主人公は誘拐された息子を探して地上を旅する中で、自然とそいつらと関わっていく事になる。

ミニッツメンは民兵組織で、自衛独立を推奨し略奪者と戦う術を持たない農民を支援する集団である。BOSは外国から来た科学技術の回収と管理を目的とする十字軍みたいな組織である。インスティテュートは地下に潜った科学者たちが作った正体不明の秘密結社で、人造人間を地上の様々な場所に潜入させている。レイルロードは、インスティテュートに奴隷種族として作られた人造人間たちの解放を目的とした地下組織である。

探索を進める中で主人公の妻を殺し、息子を攫ったのはインスティテュートだという事が判明する。なので基本的には、悪の秘密組織であるインスティテュート壊滅の為に、それと敵対するBOSやレイルロードと共闘しつつ、ミニッツメンの一員として各地の困っている開拓者たちを助ける感じにストーリーは進む。…のだが。

【急】

インスティテュートに潜入して指導者とあってみたら、そいつが自分の息子だったことが判明する。実は一度解凍されて再冷凍された間に60年が経過していて、息子は自分より年上になっていたのだ。そしてインスティテュートもまた独自の正義の為に戦っている事が説明される。

ここで、主人公はどの組織につくのかという選択を迫られる。単に略奪者から開拓者を守るだけなミニッツメンは兎も角、レイルロードとBOSとインスティテュートに関しては共存はあり得ないのである。

インスティテュート・ルート

ざっくりとまとめるとメインシナリオはだいたいこんな感じ。ちなみにいままで息子を探してきたんだし、それが息子の選択なら支援してやるかと、とりあえずインスティテュート…というか息子に肩入れしてみたら、今まで一緒に戦ってきて協力もしてくれたレイルロードにヒットマンとして送られる事になったので、本拠地で唐突に超小型核ミサイルをぶっ放した後、マシンガンで一掃という汚れ仕事をやることに…。

その後も、基本的に地下深くの秘密基地に潜伏しているインスティテュートの地上エージェントとして汚れ仕事をやる感じになる。自分の妻を殺した男(途中で対決してぶっ殺している)もインスティテュートに雇われた地上エージェントだったので、皮肉な事にその男の後継者になるのである。

この葛藤に満ちた選択を迫って来る感じは、なかなかドラマティックで良いなと思える。正直、主人公が冒頭の冷凍冬眠から覚めた時点で、個人的にあれ?もしかしてこれはスナッチャー展開では…?みたいな疑念はあったので、息子が自分より年上になっている可能性は予測していたけども、こういう決断を迫られるとまでは思ってもみなかったので良かった。

スナッチャー

ちなみにスナッチャーは、小島秀夫の作品でバイオ兵器によるポストアポカリプト世界が舞台ゲーム。冷凍冬眠から目覚めた記憶喪失の男が主人公で、人間に化ける謎のアンドロイドを巡る事件を捜査するというサイバーパンク物。何十周年記念かなんかの時に、小島秀夫本人が(ソフトもプレイできるゲーム機も現在は入手できまいという判断で)ストーリーの完全ネタバレ解説をしていたので、ゲームはプレイしていないが話だけは知っていた。

主人公が冷凍冬眠されてた所や、人間に化けたアンドロイドと戦う所や、息子が自分より年上になっていて意外な人物だったという辺りは共通している。調べたら、フォールアウト4以前の作品においても露骨にオマージュを捧げている部分があったみたいなので、今作のこれもスナッチャーが元ネタなのは間違いなかろう。

元ネタと言えば、これは個人的な意見ではあるが、フォールアウト4に登場するブライアン・バージルというスーパーミュータントの科学者は、ブレードランナー2049に登場するサッパー・モートンという人造人間の科学者の元ネタになったのではなかろうかと勝手に思っている。どっちも逃げ出して人が寄り付かない辺境で孤独に隠遁している人外の科学者で、なにより見た目がムキムキなゴリラなのにメガネという点が似ているのである。

スナッチャーは露骨にターミネーターとブレードランナーを元ネタにした作品だが、そのスナッチャーからインスピレーションを受けているフォールアウト4が、ブレードランナーの続編であるブレードランナー2049の一部になっているのだとしたら、つくづく創作物というのは過去の参照の上に成立しているのだなと実感してしまう。

同行者

フォールアウト4では、同行者として仲間を一人連れていける。仲間には好感度が存在していて、例えばドラッグや酒を極めると好感度が下がるキャラがいるかと思えば、上がるキャラもいる。ペルソナのコミュみたいな感じで、同行して好感度を上げていると専用のシナリオみたいなのが進行して、キャラによってはクエストが発生したりする。

そんな仲間キャラの中に、研究用ロボットのキュリーというキャラがいるのだが、途中で更なる知的能力向上の為に人間のボディを入手したりという話になる。それはまぁ、無理なのでほぼ人間なアンドロイドのボディを入手するのだが、感情という新たな要素が芽生えてドキドキしちゃって研究どころじゃないよぅ~みたいな展開になる。主人公が女の場合はどうなるのか知らないが、男の場合は口説かれると、今まで研究一筋だった美少女科学者キャラみたいな反応を見せ始める。この辺りは、はっきりいって日本の漫画というかアニメっぽいなと思ったり。まぁ、見た目はアニメキャラじゃなくて、リアル系外国人なんだけども。

ロボット探偵

仲間キャラの中で好きなのが、人造人間探偵のニックというキャラ。こいつは、戦前の警官のニック・バレンタインという人物の記憶をインストールされたモロにロボットな見た目の旧式人造人間なんだけど、インスティテュートに破棄されて、警官としての記憶を元に探偵をしている。

ニックは、ニック・バレンタインという人間の記憶と人造人間としての自分という部分に、アイデンティティ問題を抱えているキャラで、尚且つハードボイルドな探偵モノ路線のシナリオなのが良い。

ニックの話以外にも、この世界には記憶の書き換え技術があるので、記憶をアイデンティティを巡る話が時々出て来るのがSF作品として良いなと思える。例えば、レイルロードでは脱走した人造人間たちがインスティテュートに捕まらない様に、それまでの記憶を消して、新しく記憶を移植して見た目を変えて人間として送り出したりしているんだけども(元になる記憶はトータル・リコールに出て来るみたいな装置で抽出)、禄でも無い人間の人格を移植したせいで、人造人間の略奪者になってしまう奴がいたりとか。

SF的なアイデアを単に表層的に移植するのではなく、問題意識やテーマも一緒に移植して、メインテーマでは無いにせよクエストとして取り込んでいる点は、SFの入り口としても良いのではないかと思える。

イデア的アメリカ世界としてのフォールアウト

また、先に挙げたレイルロードだが、これは明らかにアンダーグラウンド・レイルロードという、現実に存在した黒人奴隷の逃亡の手助けをしていたアメリカの秘密結社の名前に由来している。

略奪者と戦う武装して自治を守る民兵組織であるミニッツメンは、イギリスの支配に対して武装蜂起して独立した歴史を持つアメリカにおいて重要な存在で、現在でも政府の支配を嫌って武装している民兵組織は存在している。

また、このゲームではシステム的に新しい拠点を開拓していく際に、住民にプロビジョナーという役職の人間を設定して拠点同士の物流を繋いでいく必要がある。アイテムとして、郵便配達員の服や帽子が用意されていたりもする。アメリカ開拓史は、実はこうした郵便配達による物流(通販システム)が支えていたと言われていて、ポストマンの存在は特別な意味を持っている。実はまだ見た事無いが、ポストアポカリプト世界を舞台にしたポストマンという映画もある。

フォールアウト4は、アメリカの理想が詰まった50年代と、そこから派生した架空のレトロフューチャーな2070年代を経由して、核戦争で文明が崩壊して、再び開拓史時代からやり直しているという複雑な舞台設定にしているが、これはアメリカらしい文化や歴史の全部入りを目論んだ結果のデザインだろう。アメリカらしさが詰まったイデア的アメリカである。それ故に、架空のアメリカ的存在であるクトゥルフ神話に登場する架空の町も登場しているのだ。

なので、アメリカ文化のカタログとしてもフォールアウトは楽しめた。こういうのって、自国の文化やエンターテイメントに対する造詣や批評性みたいなものがしっかりないと出来ないデザインではなかろうか。架空の世界で遊ぶゲームといえども、作家性だけでなくはっきりと文化を感じとることが出来る。中にはそういうゲームもあるのかもしれないが、あまり日本のゲームでそうした要素に関心した記憶は無い。それがゲームに本当に必要な要素かどうかはともかく、個人的には大好きな要素なのでこうした要素を映画やドラマや小説だけではなくゲームからでも享受できるというのは良い事だと思う。

シナリオ以上に、世界観のデザインが何より素晴らしい作品だなと思う。


by cemeteryprime | 2018-01-10 10:47 | 作品・感想 | Comments(0)

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