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【アニメ感想】SSSS.GRIDMAN (+考察)

【アニメ感想】SSSS.GRIDMAN (+考察)_c0325386_00085390.jpg

結論

なかなかの傑作。

25年前の特撮番組『グリッドマン』を原作にした、新作アニメ作品。原作ファン向けのネタも散りばめられているものの、新作アニメとして面白い作品であり、原作を知らないのでちょっと…みたいな人も気にせずさっさと観た方が良い。

あらすじ/概要

主人公の高校生、響裕太はある日、自分が記憶を失っていることに気付く。そして街には突如、怪獣が出現する。

ジャンクショップにあった古いパソコンに表示された、自分にしか見えない聞こえない謎の存在、“ハイパーエージェント”グリッドマンに導かれて、訳が分からないままに、裕太はグリッドマンに変身して怪獣と戦う事になる。

しかし翌日、街は何事も無かったかの様に綺麗になっていた。グリッドマンへの変身に立ち会った裕太と仲間たち以外は怪獣の事も誰も覚えていない。そして、怪獣による死者は、最初から存在していなかったかのように歴史が記憶ごと修正されていた…。

面白さ(完全なるネタバレ)

謎めいた存在グリッドマンや、同じくらいに謎めいた悪役アレクシス・ケリブと彼に協力する少女アカネ、そして奇妙な現象が多発する世界観についてのミステリーで観客を引っ張りつつ、グリッドマンが怪獣と戦うという特撮番組的なパッケージで楽しませてくれるのだが、

本質的にはメタフィクションと呼ばれるジャンルの作品で、物語を通じて『SSSS.GRIDMAN』という作品自体について言及・批評する様な構造になっている。そして良く出来ている。

最後まで観ないと分からない話ではあるが、これは『日常に疲れて非日常の世界に逃避したアカネという少女が、グリッドマンに癒されて、また元の日常世界に戻る話』である。(実は最初に画面に登場するキャラクターは裕太ではなくアカネだったりする)

そして、それは同時に『日常に疲れた視聴者が、グリッドマンという作品を観て癒され、また元の日常に戻る』という構造と相似形になっている。

物語というモノは、基本的に『主人公が、日常から非日常の世界に巻き込まれ、成長するなり何かを取り戻すなりした上で、再び元の日常へと戻る過程』を描くものであるが、それは実は人が作品を観るという行為とも相似形になっているのである。

大雑把に言葉で説明すると、それだけの話とも言える訳だが、それを同時に特撮番組的なアニメとして成立させるというのは、至難の業である。言葉の代わりに、グリッドマンと怪獣と特殊な世界を使って、『語るな見せろ』で表現している点が凄いのだ。

グリッドマンと怪獣の使い方

人は何故、非日常を求めるのか。それは、このまま同じ事を繰り返す(日常)事が困難になった、限界を迎えた時に、一旦ぶち壊して(非日常)、そして新しい日常のパターンを再構成する為である。

いつもの日常とは違う場所、違うルール、違う価値観に触れる事で、日常に疑問を持つ事が出来、解体し再構成(改善)する事が出来るのである。

ちなみに原作の『電光超人グリッドマン』という作品において、グリッドマンはコンピューターワールド(ネット空間的な何か)の治安を守るヒーローであり、怪獣はコンピューターウイルスみたいな存在だ。基本的には怪獣がシステムに侵入して暴れる事で、現実世界にも被害が出るという物語である。そしてグリッドマンは怪獣を倒し、破壊されたプログラムを修復するというキャラクターだった。

今作においては、怪獣は破壊すると同時に修復もする。ただし、それは元に戻すというより、修正するというニュアンスに近い。怪獣を作る少女のアカネは、気にくわないモノが出現する度に、怪獣を使ってそれを街ごと破壊し、最初から存在していなかった様に歴史ごと修正していくのだ。

アカネは、非日常の世界において、そういう事を延々と繰り返す訳であるが、外部から“ハイパーエージェント”グリッドマンがやって来たことで事情が変わり始める…というのが、アニメ本編である。

ちなみにグリッドマンは話の都合上、記憶や能力を失っているので、アニメ版でそれこそがグリッドマンの本質的なパワーとして設定された“再構成の力”を取り戻すのは、最終回である。

アンチ君の物語

もう一つの注目すべきとして、アンチ君の物語がある。アンチは、グリッドマンを倒す為の存在として作られた怪獣で、グリッドマンがパワーアップするに従い、どんどん自身もパワーアップしていく。そして、ひたすらグリッドマンを超える事を目標に活動を続けた結果、グリッドマンによく似た姿へと進化し、グリッドナイトという第2のヒーローとなる。

これは明らかに、電光超人グリッドマン(原作)とSSSS.GRIDMANというリメイク(二次創作)の関係性を示唆している。アンチ君の物語は、原作を超える(否定≒アンチ)為に生み出され、試行錯誤の末に、原作と肩を並べる作品となる過程である。

アンチ君は、最終回でアカネを救出し、完全にヒーローと化した。グリッドマン(原作)は去っていったが、あの世界はグリッドナイトという新しいヒーロー(作品)を生み出したのである。恐らく、グリッドナイトは今後もあの世界を守り続けるだろうし、グリッドマンがそうであったように、別の世界を守る為に出張するかもしれない。あのラストはそれを示唆しているのだろう。

あの世界と神と宝多六花

最後の最後で明らかになる事実として、アカネはアニメ世界(次元)の住人では無かったという点(アニメは実写パートで終わる)と、元の次元のアカネはどちらかと言えば、宝多六花に似ていたという点がある。

アカネはあの世界の神であることは、それまでにも明言されていたが、神であるという事が具体的にどういう事なのか…何が出来て何が出来ないのか…は、良く分からなかった人の方が多かったのでは無かろうか。神であれば、全知全能で何でもかんでも自由にデザインできるのでは?という疑問を抱いたはずである。

恐らくあの世界は、アカネが逃げ込む為だけに、ゼロからデザインした世界というより、内面世界として、無意識的に投影された世界だったのでは無かろうか。それ故に、あの世界においても嫌な事は起こるし、その度に怪獣で修正を繰り返していたのである。

怪獣を使った世界の修正自体も、アレクシス・ケリブが力を貸しているからこそ可能な所業だろう。つまり、アカネは無意識的にあの世界を生んだ創造主()なのは間違いないし、アカネはあの世界より高い次元(レイヤー)の住人なのも間違いない訳だが、全知全能でも何でも無いのである。

そして、それを踏まえると、恐らくあの世界はそもそもは、アカネ抜きで成立していたと考えるのが妥当だろう。アカネは、外から逃げ込んで来た異物的な不自然な存在なのだ。すると、元々あの世界の中心にいたのは誰なのかという話になってくる。アカネの内面世界なのだから、自分を無意識的に投影したアバターというかシャドウの様な人物がいた筈である。恐らくそれは、宝多六花なのではないだろうか。

そうだとするならば、宝多六花がアカネと特別に仲良くなれた事、六花に密かに好意を抱くキャラクターであった響裕太がグリッドマンの器として選ばれた事にも説明が付く。

ハイパーエージェントと電光超人グリッドマン

グリッドマンとは何なのかと言えば、この作品においては強いて言うなら『電光超人グリッドマン(原作)』なのだろうという話は、先に述べた通りである。

ただ、グリッドマンの設定自体に関しては、あまり深く考えても仕方が無い部分だとは思っている。ちなみに原作のグリッドマンは、最初の数話を観た限りだと、ハイパーワールドからやって来たハイパーエージェントだと説明されている。そして複数の次元を渡り歩いて破壊を行う悪の魔王カーンデジファーをハイパーワールドから追いかけて来たのが、グリッドマンなのである。分かるような分からない説明である。

魔王カーンデジファーは、我々が住む世界と密接にリンクしたコンピューターの世界へとやって来て、ハッキングで嫌がらせをしていた根暗コンピューターな感じの中学生、藤堂武史に目を付ける。そして、藤堂がデザインしたゲーム用クリーチャーにパワーを与えて、コンピューターワールドを荒らすモンスターを生み出すという感じの話である。そして、グリッドマン自体も、元は中学生が作ったゲーム用の3Dモデルなのだ。つまり、グリッドマンというオリジナルのゲームキャラに、ハイパーエージェントが宿った存在なのである。

結局、ハイパーエージェントがどういう存在なのかは分からないわけだが、ハイパーな世界からやって来たハイパーな使者な訳だから、天使的な何かなんじゃないのかなという気はする。光の国の使者ウルトラマンも似たようなもんだと思うが、設定に宇宙人的なニュアンスのあるウルトラマンよりは、もうちょっと概念的な何かな気はする。

旧作との関係性

流れて来るTwitterの感想とかを見ていると、実は続編だったのでは?的な解釈をしているファンを割と見かけたが、個人的には最初に述べた様に、あくまで原作とリメイク(二次創作的)の関係性しかないと思っている。

原作の設定を踏襲して、アニメの世界もコンピューターワールドだったのでは?と考えるファンを見かけたが、原作でも説明されている様に、ハイパーワールドの住人は、コンピューターワールド専門という訳では無く、どんな世界(次元)でも訪問する事が出来るのだろう。ただし、基本的に実体が無くエネルギーだけを持った存在なので、その世界の実体を借りる必要があるのだ。

あの世界がコンピューターワールドでは無い事を示す理由は、もう一つあって、それはラストの実写版パートでアカネが別にパソコンの前に座っていないというシンプルなものである。

原作は、コンピューターワールドを支配すれば、現実世界も支配できる。パソコンがあれば子供でも世界を変えられる的な、IoTが蔓延した社会を舞台に、IT技術の夢と悪夢を描くみたいなテーマが明確にあった訳だが、今作にそういう要素は無いので、敢えてコンピューターワールドを描く必要はないよなとは思う。

原作要素を使った小ネタみたいなものは沢山転がっている訳だが、原作ファン向けのちょっとしたサービス以上のものは無いと思わる。何故なら常識的に考えて、25年前も前の作品を観てないと理解できなかったり、それを前提にしないと意味不明な作品なんて作らないからである。


by cemeteryprime | 2018-12-28 00:09 | 作品・感想 | Comments(1)
Commented by 通りすがり at 2019-02-14 09:28 x
いくつか気になった点についてだけ、コメントさせていただければ

>あの世界がコンピューターワールドでは無い事を示す~なものである。
実際のところ、アカネ自身がコンピュータの前に座っている必要は必ずしもなかったりするのではないでしょうか? 言うなればアカネは、コンピューターワールド(異世界)に精神だけがいっていたのであって、それをグリッドマンに救われた形であると。まぁとらわれたと言っても、どれくらいの粒度なのかは説明がないので、実はアカネ自身行ったり来たりしてたのかもですが;
そのうえで関連用語がないのは、あくまで主人公たち視点からすれば、そういう世界観の問題は些末なことでアカネを助けるって主題のみが優先されるべきであるからかなと。だからこそアレクシスは平然とレプリコンポロイドとか、旧作に関連しそうな名称とかさらっと出しますし

>原作要素を使った小ネタみたいなものは沢山転がってい~な作品なんて作らないからである。
これは確か監督のインタビューか何かで「特撮版視聴者へは自分たちなりのグリッドマンという作品に対する回答、未視聴者へは特撮版への入り口になってほしい(意訳)」という話があったので、続編でほぼ確定ではないかと。BDブックレットとかにも、グリッドマンは当時の本人だと記載があったような・・・?
まぁ円谷特撮って話題だけに絞れば、ウルトラシリーズ自体が常に過去作の掘り起こし的な側面もありますし;
 

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