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【クトゥルフ神話TRPG】ホラーシナリオ特有の難点

序破急メソッドを作った過程で気付いたのだが、ホラー映画やホラー小説の様なストーリーをTRPGのシナリオで再現しようとする際には構造的な難しさが伴う。

ホラー的なストーリーと、冒険的なストーリーの大きな違いの1つが、ホラー系のストーリーは、キャラクターの内面性に焦点を当てる時間が長い点である。

内面性をどう表現するか

キャラクターの内面性に焦点を当てようと思えば、当然の様にそのキャラクターの考え方を観客に見せる必要があるので、これまでどういう人生を送って来たかとか、どういう不安を抱えているかだとか、どういう思考回路を持った人物なのかといった要素を、きちんと表現しなければない。

なので冒険的なストーリー以上に、日常描写パートが重要になるのである。しかも、小説や映画なら日常パートは、単に一連の情報として観客は受け取るだけだが、TRPGにおいてそうした要素は、プレイヤーがロールプレイングで表現するしかないのだ。

更に、ホラーにおいては、物理的な障害を如何に乗り越えるかという部分よりも、内面的な葛藤に重点が当たる事が多い。これもまた、TRPGにおいては、プレイヤーが純粋にロールプレイングのみで表現しなければならない部分である。(内面的な葛藤をゲーム的に処理するシステムでもあれば別だが)

つまり、ホラー的なストーリーというのは、真面目に再現しようと思えば、キーパーよりプレイヤーのやるべき事の比重が高くなる形式なのだ。要は、キーパーというよりは、プレイヤー次第な部分が大きく、プレイヤーのロールプレイングの上手さが、全体に影響しやすいのである。

内面性のロールプレイング

また、内面性のロールプレイングというのは、身体的な能力のロールプレイングよりも難しい。というのも、基本的にシステムでカバーされていないからだ。

跳躍技能が60%のキャラクターは、常に60%の確率で跳躍が出来るか出来ないかなキャラクターでいられる訳だが、ではそのキャラクターが、誰にも見られていない場所で財布が落ちているのを見つけ場合、それを盗むか盗まないかは、どう判断すべきだろうか…?

こうした内面的な葛藤は、システムでサポートされていないので、プレイヤーの匙加減となる。となると、常に60%くらいの確率で財布を盗むキャラクターでいられるかどうかは、プレイヤーのロールプレイングの腕次第になるのである。

つまり、もしプレイヤーのロールプレイング技術が低かった場合は、その場その場の気分次第で性格がコロコロ変わる事になるのである。ホラー的なストーリーの場合、内面性に重点が置かれる訳だがから、そこが不安定になれば、当然ストーリーが微妙なモノになる可能性も高い。

ある場面では、困っている子供を助けずにはいられないキャラクターだったのに、特に理由もなく別の場面では、子供を虐待するキャラだったら、そんなキャラクターのホラー的な状況におけるリアクションに対しても、どうせ脈絡が無い訳で、関心も薄くなってしまう。

ゲームの方向性とロールプレイイング

別の観点からの話もしておこう。それはTRPGとしての進行のしやすさである。

進行中の状況にゲーム的な構造がある場合…要はキャラクターたちの解決すべき課題が明確になっていて共有されている場合、キャラクターたちは協力しあい、同じベクトルで活動するので、課題のクリア難易度自体がどうであれ、基本的には話はスムーズに進行する。

しかし、キャラクターたちが、各々の内面性を表現(ロールプレイング)するだけの時間は、そうはいかない。何に悩んでいるか(個人的な課題)は、バラバラなので、それに従えば当然キャラクターの動きもバラバラになる。

一人の作者が全体の流れをコントロールできる映画や小説の場合は、内面性に焦点を当てつつ、ストーリーの流れも停滞させないという器用な技が可能だが、TRPGの場合は、キャラクターの行動を担当するのは各プレイヤーなので、そんな真似はまず出来ないのである。

その結果、特にホラー的なストーリーは、内面性に焦点を当てている時間が長くなるので、当然バラバラに活動する時間≒スムーズに話が進まない時間も長くなってしまうのである。


by cemeteryprime | 2018-11-24 17:19 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】序破急メソッド:運用例

実際に序破急メソッドを使って、既存シナリオを再構成(整理)するとどうなるか、というサンプル。

悪霊の家

基本ルルブで特にお馴染みのサンプルシナリオ。

【序】泥棒チームが、黙想チャペルで宝探しをする。

→目的の宝がコービット邸にあると判明する。

【破】コービットの生存と、魔術について知る。

【急】コービット邸が危険と知りつつ、ダンジョンアタックを試みる。

探索者を不動産屋の依頼を受けた人から泥棒チームに変えただけだが、シナリオのイメージはガラリと変わる。変えた理由は、クライマックスである【急】パートに、コービットとの対決を持って来るなら、【序】パートにコービット邸探索以外のモノを持って来る必要があるからだ。

この改変で追加データとして必要になるのは、黙想チャペルで軽いダンジョン探索ゲームをする為のMAPくらいで、後はそのままデータを応用できる筈である。目的は宝なので火は放てないし、幽霊屋敷だからといって逃げる訳にもいかないし、コービットに対抗する為の調査も必要になるので、基本的に所謂シナリオブレイクは発生しないはずである。

悪霊の家 その2

別パターン。

【序】屋敷に住む一家にまつわる問題を調べる。

→問題の原因が屋敷そのものにあると判明する。

【破】コービットと、魔術について知る。

【急】屋敷から霊障の原因を取り除く。

改変のポイントは、屋敷に現在人が住んでいる事にする点。過去に試したパターンとしては、一家の子供が親からDVを受けているのでは無いかと(子供は否定するが何かは隠している)、探索者チームが家に調査に向かうというもの。チームは教師や友人などになるだろう。

どうしても交渉がメインになるので、ミッションとしてゲーム性を高めるのは若干難しいかもしれない。【破】では、幽霊屋敷が問題の元凶である事が判明し、経済的な理由で引っ越し出来ない等の事情が語られ、一家を守る為に除霊に挑むしかない展開になる。

屋根裏部屋の怪物

基本ルルブのサンプルシナリオ。

【序】死にかけのメリウェザーを小屋まで連れていく。

【破】小屋に来た目的が魔術絡みだと告げられる。

【急】退散の儀式。

大きな改変は、何といってもメリウェザーが冒頭で死なない点だろう。【序】をミッションにする方法としては、家族の反対を押し切ってこっそり病院からメリウェザーを連れ出す形式が望ましい。家族の出方次第で、ガードマンを雇ったり、車で追いかけて来たりと、難易度も色々調節できる。

目的地につくと、ホームレスの死体があり、【破】パートが始まる。メリウェザーは、そこにやってきた本当の目的を語り、探索者たちを非日常に巻き込む。メリウェザーが改めて死ぬポイントは、最後の儀式の途中くらいが望ましいだろう。儀式を先導していたメリウェザーが、派手に死んでしまったり、暴走したりすれば、呪文を唱え続けるだけの儀式も盛り上がるに違いない。

ストラフトン山の火

基本ルルブのサンプルシナリオ。

【序】記者の行方を捜す。

→死体で見つかる。

【破】山が宇宙人だらけだと判明する。

【急】宇宙人だらけの山から脱出。あるいは儀式の阻止。

記者探しミッションの結末を有耶無耶にしたまま、宇宙人との対決に移らせず、取りあえず死体を発見させてから【破】【急】パートへと進ませる。これによって、本格的に異常事態に気付いた時には、最後のミッションに挑む以外の道は無くなるので、進行はしやすくなるはずである。

整理と改変

ざっとやってみたのだが、どうだろうか。【序】【破】【急】に整理した事で、ダイナミックな改変もしやすくなっているとは思う。

例えば、悪霊の家であれば、宝(アーティファクト)を盗みに行かせた依頼人がコービットで、アーティファクトを手に入れると同時に探索者たちを生贄に捧げようとする話にゴリッと改変したりもできる。そして最後の【急】パートは、屋敷に召喚された数匹の空鬼の攻撃を躱しながら、地下から脱出するミッションにしちゃうとか。

色々と試してみて欲しい。


by cemeteryprime | 2018-11-22 13:22 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】序破急メソッド:応用編

序破急メソッドを更にシンプルにするとどうなるか。それが、ダブルミッション方式である…!

更にその先へ…

序破急メソッドについて考えて気付いたのだが、【序】と【急】の部分のミッションのゲーム性は全く同じタイプでも問題が無い。

例えば、CoCのカーチェイス・ルールを使って、レース的なゲーム性を持ったミッションに挑むシナリオで遊びたいなと思ったとする。その場合、【序】でも【急】でもカーレースをやってしまえば良いのだ。こんな具合に。

【序】自動車窃盗団に潜入する為に公道レースで勝利する

【破】自動車窃盗団のボスに洗脳され抜けられなくなる

【急】洗脳を振り切る為に、ボスに公道レースで勝利する

ワイルドスピードみたいな話なのは気にしないこと。ボスを神話生物だとか魔術師だとかにしとけば、ホラーにはなるはずだ。他にも、例えば脱出ゲーム系のミッションをベースにする場合であれば…

【序】刑務所から脱獄する

【破】脱獄の腕を買われて邪神に謎の異空間に送り込まれる

【急】ヤバすぎる異空間の監獄から脱出する

みたいな感じのシナリオが作れる。実はこういう同じタイプのミッションを反復する形式のストーリーはそんなに珍しく無い。特にアクション映画では、割とよく見るスタイルだ。派手だし、1回目と比べる事で2回目のエクストリームな状況が際立ち、クライマックスを盛り上げやすい。ホラーの場合でも、これは効果的なので、安直にパクるに越した事は無いのだ。

ドラマ重視な人であれば、1回目と2回目における行動パターンの変化でキャラクターの成長を表現したりもできるので、トライしてみると良いだろう。安直かつ分かり易いスタイルだが、別にドラマ的な掘り下げを阻害はしないのである。

ダブルミッション方式

つまり、こういうゲーム的なミッションをやりたいな…というワンアイデアのみで、それなりにしっかりしたシナリオが作れるという話である。

シナリオ作りやキーパリングに慣れて来れば、如何に一つのシナリオに色んなゲーム性を盛り込むかという贅沢な悩みに取り組むべきだが、そうでない場合…何でも良いから取りあえずシナリオを作ってみたいという人向けには、このやり方が、最もシンプルだと言える。

よくクライマックスから作れというシナリオ作成についてのアドバイスがあるが、この方式を踏まえるなら、クライマックス(【急】パート)のミッション・テーマが脱出ゲームなら、【序】パートもモチーフも自動的に脱出ゲームになる訳で、その時点で、3分の2が出来たも同然なのである。序破急メソッドで全体像がサクッと完成したら、それから細部のディテールに拘れば良いのである。

その他のメリット

作る上で簡単だという以外にも、脱出ゲームがしたい人には脱出ゲームのみを、謎解きゲームがしたい人には謎解きゲームのみをと、余計な味がしない直球のシナリオを提供する事が可能になる点もメリットである。また、2回繰り返すので1回目はチュートリアルで、2回目は難易度高めといった、デザインも可能になる。

特に、謎解きゲーム系のミッションにする場合、【序】と【急】で2回謎解きミッションが出来るはかなりのメリットがある。【序】が無くて、【破】と【急】しかない構造のシナリオの場合、ミッションは1回だけなので、謎が解けずに終わったら、達成感を得る場面も無いので、TRPGには勝利も敗北も関係ないとは言いつつも、人によっては不完全燃焼感が出てしまう。

ところが、【序】と【急】で2回ミッションがあれば、取りあえず【序】のミッションは確実にクリアできる仕様にしておく事が出来る。先に勝利する場面を作っておけば、2回目の【急】の方はそれこそホラーなので、謎が解けずにバッドエンドになっても良いし、解けたら解けたで別に構わないという、バランスが取れるのである。

限界点

勿論、ダブルミッション方式だと表現しにくいタイプのシナリオという物もある。ダブルミッション方式は、あくまで簡易さを追求したシナリオ構成法である点は忘れないで欲しい。ただ、それなりに実用性のある型なのも間違いないと思うので、特に拘りが無く、シナリオ自作に挑みたい人であれば、まずは試してみても良いはずである。


by cemeteryprime | 2018-11-21 23:00 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】シナリオ構成法/序破急メソッド

クトゥルフ神話TRPG(≒ホラーRPG)向けの、遊んで楽しいを念頭においた…小説や映画のシナリオ理論とはまた別の…シンプルなシナリオ構成方法(トーナメント形式)をまとめてみた。

基本的に3つのパートから構成する。なので、三幕構成と呼んでも良いのだが、それだと映画のシナリオ構成理論の三幕構成と紛らわしいので、序破急メソッド()と呼ぶ。以下が、その内容である。

序(導入、掴みのミッション):

ポイントは何かしらのチームが、今日もまた何かしらのミッションに挑むという、日常の延長線上の内容である事。全体としては、ミニゲーム的なミッションである事を意識する。

例えば、捜査チームが犯人を捜すとか、泥棒チームが盗みに入るとか、ハンターが獲物を狩るだとか、探検隊が遺跡を探すだとか。最初から探索者たちが共通の目的を持って動くチームであれば、ストーリーに入り易いし、目的がハッキリしているので行動もしやすい筈である。

(急転+探索)

チュートリアル的な第一幕が終わったら、事態が急変してヤバい話になる。ここからようやくホラーの領域(非日常ゾーン)である。何かしらのどんでん返しがあったり、予想外のトラブルに見舞われて、チームは酷い目にあう。このままでは、不味い事を明確にして、事態を解決する為に情報収集(探索)させる。

急(最終ミッション):

探索を踏まえての、ミニゲーム的なミッション(ラスボス戦)にすること。深刻な話し合いみたいな要素はあっても良いが、それだけだとダレるので、ゲーム性はあるに越した事は無い。パズルゲーム的なモノでも良いし、カーチェイス的なモノでも良いし、戦闘シミュレーションでも良い。

基本的に『破』パートの段階で、この先どういうゲームが待ち構えているかを明確にしておくと、『破』パートでの探索にも身が入るので望ましい。勿論、全てを明らかにしておく必要は無いので、いざ本番になると予想外のトラブルが発生して、ゲームの難易度が上昇するみたいなサプライズがあっても良い。

要点

この構成法のポイントは、『序』パートである。ホラーシナリオにする場合、非日常パートを際立たせる為にも日常パートは必須である。しかし、特に目的らしい目的もなく、だらだらとロールするだけの日常パートは、TRPGとして遊ぶ上では、少々退屈である。よって、この日常パートをミッション形式(ミニゲーム)にするのである。

日常パートと呼ぶと、語弊があるかもしれないので加えて説明しておくと、あくまで探索者(プレイヤーキャラクター)の日常パートである点には注意が必要だ。例えば、殺人事件はプレイヤーには非日常だが、殺人課の刑事には日常パートである…という具合である。なので、別に退屈な“我々の”日常にしなくてはならないという話では無い。

オリジナリティについて

敢えて言及しておくが、この構成方法は個人的な発明でも何でも無い。機能面とシンプルさを求めるとホラーRPGのシナリオ構成は、自然とそうなるのが合理的みたいな話なので、実際にこうした構成になっているCoCシナリオというのは、別に珍しくは無い。

私自身、構成法をまとめてみてから、そういえばセッション動画で見たあのシナリオとか…あれこれもそうだな…!みたいな発見が幾つもあった。着想自体も、TRPGの教科書とも言える、D&Dのダンジョンマスターズガイドが切っ掛けだ。ホラーRPG向けにアレンジしてはいるが。

使い方

アイデアはあるが、シナリオとして上手くまとまらないという人は、取りあえずこの構成を意識して組んでみると良いかもしれない。もしくは、ストーリー展開が固定的では無いが故に、シナリオ(海外シナリオに多いパターン)が上手く転がせないというKPは、取りあえずこの構成を意識してストーリーを展開させてみて欲しい。

序破急メソッドは、『ストーリーがまとまりやすい。』『ホラーになりやすい。』『展開がダレ難い。』の3点を意識した構成方法なので、そういう部分に問題意識を抱えている人に参考にして貰えればと思う。

大きなお世話な感は否めないが、既存の何となくイマイチ感があるシナリオのアレンジに、この構成方法を試してみるのも良いかもしれない。世の中には、いきなり非日常パート(『急』パート)から始まるシナリオは多いが『序』パートを付け足すだけで、ホラーストーリーとしての全体のバランスがぐっと良くなるケースは多い気はする。内容がどうというより、構成やテンポの問題でイマイチな雰囲気になっているシナリオは案外多い(はず)

TRPGとしての重点

個人的に、TRPGのシナリオというのは、PCのストーリー(ドラマ)を引き出す為のイベント(シチュエーションの提供)に過ぎないとも思っている。

なので小説の様な情報量の多い練りに練られたシナリオよりも、シンプルで色んなシチュエーションが楽しめるシナリオを量産できる方が、個人的には優先度が高い。小説めいた情報量の多い読み込むタイプのシナリオは、セッション中はテンポが悪くなりがちだし、KPも読み込むのも大変だし、作る方も大変だからだ。

よくあるシチュエーションでも、キャラが違えばストーリーも変わる。漫画やドラマを沢山観ていれば、似たようなシチュエーションや事件は腐るほど観る事になるが、キャラが違っていれば、自ずと展開されるドラマも変わるので問題無いのである。

シナリオは、分かり易く進行させる。その分、プレイヤーとKPは各探索者の個人的なプロットの回収やドラマの生成にリソースを回す。究極的には、それが目指す所である。

更なる横着方法と運用例

序破急メソッドは、3パートから構成される。なので『序』と『破』と『急』のそれぞれのパートについてのアイデアを、別個にストックしておく事も可能である。なので、シャッフルして別のシナリオに組み替えるといったアレンジもしやすい。

例えば『クトゥルフ2015』のシナリオグラムを参照するなら、「科学者が未踏地域を探検する」とか「探偵が人を捜す」とか「泥棒が宝物を手に入れる(盗む)」とか「警察が連続殺人事件を捜査する」とかは、『序』についてのアイデアとして整理できる。

「超自然的な災害が発生する」とか「モンスターが出現する」とか「カルト教団の罠」とか「魔術師の関与が判明する」なんかは『破』についてのアイデアだ。

そして「閉鎖空間からの脱出」とか「神格の召喚を阻止する」とか「タワーディフェンス」なんかは、『急』についてのアイデアである。

適当に組み合わせてみると、例えば…

【序】科学者が未踏地域を探検するミッションが

【破】超自然的な災害に巻き込まれて…

【急】閉鎖空間からの脱出を目指すミッションに

というシナリオが出来上がる。これをちょいと弄ると…

【序】科学者が未踏地域を探検するミッションが

【破】超自然的な災害に巻き込まれて…

【急】神格の召喚を阻止するミッションに

といった感じのシナリオに変わる。更に弄ると…

【序】泥棒が宝物を盗み出すミッションが

【破】超自然的な災害に巻き込まれて…

【急】神格の召喚を阻止するミッションに

みたいなシナリオになったりもする。シンプルだけど、個人的にはどれもそれなりに面白そうに思える。実際には各パートはもうちょっと込み入った感じに作り込んでいても良い。

例えば、泥棒が大金持ちの屋敷に美術品を盗みに入るミッションと、泥棒が連邦準備銀行に金塊を盗みに入るミッションと、泥棒が研究所に極秘データを盗みに入るミッションでは、かなり印象が違って来るし、そもそもチームメンバー(探索者たち)の種類も異なる。

出来立てほやほやのメソッドなので、取りあえずは既存の自作シナリオにでも適用して、色々試してみるかな。


by cemeteryprime | 2018-11-20 22:14 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【モダンホラーRPG】運命の設定

以前に作った『12のテンプレート』というストーリー構造の類型モデルを改良というか、応用してタロットの形でリメイクしてみた。

改めて12のテンプレートを引っ張り出して来た理由は、キャラクターメイクとはヒストリーデザインであり、ストーリー作成でもあるという理論に乗っ取ると、『‘(このキャラを主役にした場合、)どういうストーリーになるのか?』という部分が明確になっていた方が作りやすいと思ったからである。

ただ12のテンプレートは、あくまでストーリー全体のまとめ方を踏まえたものだったので、キャラクター個人レベルのストーリーの在り方を類型化した新モデルとして、タロットをモチーフにしてみた次第である。何故タロットなのかというと、どういうストーリーか?というのは、どういう末路を辿るか、どういう運命かという、発想に近いので、だったらタロットでも使うかという雑な思いつきである。

とりあえず、例の如く叩き台を作ってみた。それが以下である。

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運命を設定しておく意味

創作手法としては、事前にキャラクターの運命というか末路を決めておく事は別に珍しく無いが、TRPGにおいては、キャラクターの運命はダイス次第な所が大きいので、若干異端気味な手法かもしれない。

端的に言えば、タロットで決まる運命をメタ的なキャラクターの属性として設定しておこうという試みである。この運命というメタ要素は、ダイスロールの際に参照する能力値等と違い、完全にプレイヤーとキーパーが協力して再現するしかない要素でもある。

運命を導入する事で、プレイヤーはキャラクターの特技や性格だけでは無く、どういう末路を目指すかという部分もロールプレイの一部として意識する必要がある。キャラクターの性格を上手く反映できたか、そしてキャラクターを目的の運命に誘導できたかどうか。

こういう個人レベルの課題があれば、初心者でもやりたい事が見つからずに所謂地蔵プレイヤー的なロールだとか、添え物キャラ的なロールをする羽目になるという状況は回避できるのではないかというアイデアである。

基本的にやる事が増えるので、難易度が上がってしまう様に思えるが、どこを目指すのかという目標がプレイヤーとキーパーの両方にハッキリ示されていた方が、個人的にはむしろやりやすいのでは無いかと思える。

プレイヤーの個人的な課題がシナリオと関係なく存在すれば、言わずもがなシナリオに求められる課題性も低下するので、よりシンプルな内容でも成立しやすくなる。すると、キーパーの負担も軽減されるという理屈である。

運命の運用に関して

タロットの中には、明らかにロールしやすそうなモノと、プレイヤーとキーパーの両方が処理しにくそうな難易度の高いものが混在している。

15の悪魔は、ブレイキングバッド的なイメージなので、比較的やりやすい部類だと言える。19の太陽で凋落を選択した場合も、割と簡単である。

こういう要素は、ロールプレイの難易度調整にも使えるが、例えばプレイ時間が限られている際の選択肢にもなる。転落タイプは、基本的に太く短く早めに退場しやすい。

ちなみに、事前に設定されていた運命を遂行してそのキャラクターのストーリーに満足した場合は、新しいキャラクターに切り替えるも良し、運命を刷新するも良しである。勿論、死亡や入院で強制退場するまで、付き合っても良い。

基本的に、まだ思い付きレベルのシステムなので、これからブラッシュアップするか、いつの間にか削除されているかだろう。


by cemeteryprime | 2018-09-02 23:32 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【創作ツール】ドラマメイカー

12星座アーキタイプの修正も済んだので、それも含めた人格生成システム改め、ドラマメイカーの試運転をしてみる。

ドラマメイカーの仕組みを説明すると、こんな感じ。

12星座アーキタイプ(1/12…大雑把な原型

・トラウマカード(3/96…トラウマの原因

・執着カード(3/88…トラウマで発生した執着の対象

・共通グループ(1/136...探索者グループの共通点

基本はアーキタイプ1枚、トラウマカードと執着カードの21組を3セット。TRPGで遊ぶ場合は、更に全員共通(同行NPCも含めて)の共通グループカード1枚を追加する。

トラウマカードと執着カードはセットになることで、性格的特徴を端的に表現する過去のエピソードになる。アーキタイプの具体的な内容については、過去の記事を参照のこと。

それでは、実際にドラマメイカーを試運転してみよう。

セットアップ

とりあえずランダムなカード選択の結果は以下の様な感じになった。

 アーキタイプ:水瓶座

 ・社交的な性格

 ・世間に評価されたい

 ・親との関係性:不在/欠乏

 ・自分が好き

 ・権力/伝統/ルールを好む

 3エピソード

 親友に関する劣等感ーセールスマンの執着(Hate)

 自信を過去に喪失した―絵画への執着(Hate

 創作/執筆スキルを過去に喪失した―英語への執着(Love

 共通グループ

 薬物依存症


ついでに名前が無いと、分かり難いのでサイコロ・フィクションのルルブ(怪奇名前表)を使って名前も付けておこう。取りあえず、村瀬賢治がこのキャラの名前に決まった。

過去のエピソード

まずは過去のエピソードを形にしてく。村瀬は親友に関して劣等感を抱いている。親友がいないという劣等感なのか、親友に対する劣等感なのか。友達が少ないという理由で、セールスマンが嫌いになる意味もいまいち分からないので、ここは親友に対する劣等感で、その親友がセールスマンだという事にしておこう。かつての親友が、セールスマンとして成功を収めていて、多分社会的に負け組になっている村瀬は、強いコンプレックスを抱いているのだ。

2つ目は、過去に自信を喪失してしまい、絵画が嫌いになったという話。村瀬は元々画家で絵を得意としていたのかもしれない。もしくは、絵が原因で何か自信を失う事になったのかもしれない。3つ目は創作/執筆スキルの喪失で、今はその事実から目を背ける為に英語の勉強に取り組んでいる。

ざっくりまとめると…村瀬は美術系のライターなのだが、今では書けなくなっている。過去に絵画が切っ掛けで、ライターとしての自信を失う出来事があり、それ以来絵画が嫌いになってしまった。仕事は上手く行っておらず、セールスマンとして社会的に成功している親友を妬んでいる。そして語学の勉強にハマっている。という感じだろうか。

人物像

村瀬のアーキタイプは水瓶座なので、基本的には社交的で、世間に評価されたいという思いが強い。それ故に、社会的に成功している親友への劣等感が強いし、絵画にまつわる失態で業界内で恥をかいたことがトラウマになって、ライターとしての生命も終わってしまった。現在は英語学習にはまっているが、恐らく英語知識でついマウンティングとかしてしまうタイプだろう。マリファナ目当てでアメリカ移住なんかも考えているかもしれない。

そして共通グループは薬物依存症。そんな境遇であるが故に、村瀬はドラッグか酒に溺れたわけだ。ドラッグを手に入れたいだとか、もしくは依存症の克服プログラムなんかが切っ掛けで、村瀬は他の探索者と共に事件に巻き込まれるのである。

まとめ

…とまぁ、それなりに掘り下げる余地があり、ドラマを発生させ易そうで、尚且つホラー向きなキャラクターが作れた気はするのだが、どうだろうか。親友をシナリオ中に登場させても良いだろうし、絵画の知識が役に立つ場面がシナリオ中にあったらトラウマが緩和されることもあるかもしれない。

ポイントは、完全にランダムでこのキャラクターが生まれた点だ。ダイスでランダムにステータスを決めて、そこからキャラクター像を作るやり方だと、良くも悪くもプレイヤーの想像力に依存する部分が大きいので、キャラクターの幅が出なかったりする。色んなキャラクターのロールプレイング自体や、キャラクターの多様性が生むストーリーの幅を楽しみたいなら、こうしたキャラ作成もありだとは思う。


by cemeteryprime | 2018-04-26 00:24 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】シナリオ案、偽りの父

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なんとなく思いついたシナリオのアイデアをメモしておく。

シナリオ概要

探索者たちは、それぞれ何かしらの霊能力や超能力を持っている。これは細やかな異能でも良いし、共通の変わった趣味とかでも良い。そして、父親を知らない(もしくは幼い頃に失ったと思い込んでいる)という共通点がある。

事件に巻き込まれピンチになったタイミングで、魅力的な人物が颯爽と現れて助けてくれる。その人物は、能力的にも権力的にも色んなパワーを兼ね備えている。そして、その人物こそが、探索者たちの父親だったと判明する。探索者たちは異母兄弟姉妹であり、超能力は父親からの遺伝だったと分かる。

しかし、最終的には父親の正体は邪悪なモンスターだったと判明する。存在的にも思想的にも邪悪で危険なモンスターなのだが、探索者たちにとって庇護者でもあり続ける。

探索者たちは被害者として事件に巻き込まれるのだが、実は敵対する組織こそが正義の味方だったと分かる。敵は探索者たちに流れる邪悪な血もろとも、モンスターを根絶しようとしている。

解説

ドラゴンボールとスーパーマンの比較をした時に見えて来た、日本人的な想像力をホラーの在り方に反映してみた。ラヴクラフトの『インスマウスの影』にも同様のモチーフは見受けられる。

日本の漫画には、後からスーパーな父親が登場したり、実は父親がスーパーだったと判明するケースが多い。こうした想像力は、実は悪い奴じゃなかった大日本帝国とか、実は凄かったジャパンみたいな想像力とも繋がっている気はしている。

そんな、割る意味で普遍的とも言える想像力に寄り添う形で、シナリオを作ってみたら、プレイヤーはともかく探索者たちはどう行動するだろうか。というデザインである。


父親に使うクリーチャーは、それこそ『インスマウスの影』を下敷きにディープワンを使うのも良いし、『ダンウィッチの怪』を下敷きに、ヨグ=ソトース由来の何かを使うのも良いかも知れない。


by cemeteryprime | 2018-04-09 13:18 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】ドラマチックな展開とは?

コンプレックスのデザイン

端的に言えばドラマチックな展開とは、複雑なキャラを複雑な状況に放り込んで発生する複雑な展開のことである。複雑という単語が多すぎて分かり難いかもしれないので、具体例を挙げると例えばこんな感じである。

親父を憎んでいるが、同時に親父に認められたいと心底思っているキャラが居たとしよう。今、そのキャラは親父の会社を敵対的買収で潰そうとしている計画があることを知った。しかし、それを画策しているのはあなたの彼女の父親であり、その計画が失敗すると彼女の父親は確実に会社をクビになるというプロジェクトでもある。ちなみに彼女は父親と仲が良い。どう転ぶにしても、ドラマチックな展開になる気はしないだろうか?

複雑さとは葛藤と言い換える事も出来る。あちらを立てればこちらが立たず。相反する2つの気持ちや、利害関係の衝突、挑戦すれば何かを失うかもというリスクに関する葛藤なんていう要素もある。

どんなに細部まで設定が造り込まれたシナリオでも、コンプレックス性が無ければ、ドラマチックな展開は生まれない。親父の会社に100年の歴史があって、年表まで作り込まれていたとしても、知らんがなという話だし、そんなものを聞かされても眠たくなるだけである。作り込むのであれば、どれほど選択が困難な葛藤かというディティールだろう。上記の場合であれば、親父を憎む理由と、親父に認められたい気持ちに説得力を持たせるデザインをする必要がある。例えば、優秀な兄貴がいて、ずっと比較され続けた結果、親父が嫌いになっただとか。

創発性のデザイン

人は偶然に何か意味を読み取ろうとする。ダイスは、創発性の持つドラマチックさを端的に体現する存在だ。ここで1の目が出たのは何か意味があるのかも…そんな場面というのは割と多い。

しかし、覚えておきたいのは偶然性が常にドラマチックかというとそうでも無いという話で、結果が劇的でなければドラマチックだと認識しないという話である。冷静に周囲を見渡せば、世の中なんてショボい偶然は掃いて捨てるほど転がっているのだ。

例えばダイスに関しても、ここで1の目が出たら10円やるよという場面で1が出るのと、100万円やるよという場面で出るのでは意味がことなるし、なんなら1以外の目が出たら-50万円みたいな条件下なら更にドラマチックな効果があるだろう。

上書き、変化のデザイン

ストーリーにおける人の成長だったり、変貌だったり、関係性の変化だったりという要素もドラマチックである。そもそも何かしらの重要な変化があることを、ストーリー性があると表現する。これはドラマ性があるという表現に置き換える事もできる。逆に中身が無いストーリーというものは、意味のある変化が無かったという話でもある。

〇〇だと思っていたものが実は××だったという、どんでん返し的なギミックも、言ってみれば変化が生むドラマ性に依存したテクニックである。ついでに伏線の回収がドラマチックに見えるのもこれの一種で、どうでも良いと思っていた情報が、後から発生した情報と結びつくことで劇的な意味を持つという、上書き的な変化である。ちなみに、実際に伏線でなくても、幾らでも後からそうした演出は出来るので、余力があれば運用したいテクニックである。

また、後から出た情報と結びつくことで、意味合いが上書きされるというテクニックは、ホラーにおいて重要になる。それぞれは特に意味をなさない出来事だが、点と点をつないでいくと恐ろしい線になり絵になるというのは、ホラーが常に目指すべき演出方法だろう。この方法を上手く使えば、世間は気付かないが、主人公たちだけは恐ろしい意味合いに気付いてしまったという、閉鎖性を作ることも出来る。

ドラマ性の三種の神器

以上が、実は適当に思いついたものを勢いで並べてみただけの雑なドラマ性の三大テクニックである。他にも色々あるとは思うが、とりあえず基本的なこの3つを駆使できるようになるだけでも、シナリオのクオリティは格段に向上するはずである。


ちなみに私は、言うは易く行うは難しで、全然使いこなせていません。お互いに頑張りましょう!エクセルシオール!


by cemeteryprime | 2018-04-02 21:14 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】シナリオ案、会社篇

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なんとなく思いついたシナリオのアイデアをメモしておく。

シナリオ概要

街で怪しいカルト教団が流行し、探索者たちも勧誘される。話を聞くと、その教団の活動内容は1日に6時間、教会施設にて祈祷を行うというもので、フレックスタイム制な上に週休二日制で更に月に20万円の報酬が支払われるという仕組み。教団の資金源がどこから来ているのかは謎に包まれているが、実質はカルト教団というよりはホワイト企業に近いものだった。しかし、教会内ではスーツの代わりにローブを着なきゃ駄目だったりと、カルト教団っぽさはある。

探索者たちは失業していたり、色んな理由で金に困っているのでこの教団に入信する羽目になる。教団は口コミだけで信者を増やしており、特に広報活動などもしていない。そのせいか、近隣住民から誹謗中傷を受けることもあり、入信した探索者たちも嫌がらせを受けたりする。

入信後しばらくすると、昇格に関する噂を聞く事になる。才能を見込まれた信者には、たまに祈祷中にテレパシーで試練が伝えられる。試練はやっても良いし、やらなくても良いのだが、やれば昇格してローブの色も変わって、給料が月30万、40万と徐々に増えていくという。試練の内容は、受けた人間にしか分からないのだが、内容を公言する信者はいない。

試練の内容は、最初は犯罪かどうかも分からない嫌がらせに近い行為だが、階級が上がるにつれて明らかに犯罪性を帯びた行為になっていく。探索者たちは、最終的にそうした信者たちによる不可解な嫌がらせや犯罪行為の積み重ねが原因で、より大きな犯罪が誘発され、街が徐々に荒んでいっていることに気付く。しかし、指令はテレパシーな上に個々の信者の犯行は些細なものなので、進行している恐ろしい現象を止めようにも、止める手立てが見つからない。

オチとしては、日々の数時間の祈祷で消費された信者たちのMPで最終的にヤバいものが召喚されるという感じでも良いし、昇進と引き換えに悪意ある行為がばら撒かれる状況がヤバいという話でも良いだろう。昇進の為の試練を断った信者が、実は他の信者へのテレパシーを通じて嫌がらせを受けたり、事故死に見せかけて殺されたりするみたいな展開になっても良さげだ。

解説

シナリオのテーマは言わずもがな、日本型組織における構造的な問題である。責任の所在が分かり難く、探索者本人も何となく不味いのは分かっちゃいるけど、金や保身の為に辞められないという状況に放り込まれるとどうなるかというシミュレーションを楽しむ感じ。

ホラー小説としては、スティーブン・キングの『ニードフルシングス』も参考にしている。ニードフルシングスは、喪黒福三の様な質屋が、住民たちが心から望む品物を提供するのと引き換えに、些細な悪事を働かせるという話で、徐々に町が歪んでいく様子が描かれる作品である。このシナリオは会社版のニードフルシングスという感じだ。

ついでに、あからさまにブラック企業めいたカルト教団なら入らないが、ホワイト企業めいたカルト教団なら入ってしまうのでは無かろうかというアイデアも盛り込んだ。クトゥルフ神話TRPGにはあからさまに正気度が低そうな人しか入らない感じのカルト教団は出て来るけれど、そりゃ加入するだろという感じのホワイト企業めいたカルト教団はあまり見かけない。真に恐ろしいのは後者の方だろう。

フリースタイル系で、何とでも転がせるタイプのシナリオなので、こうした状況を使って、探索者個人のドラマを掘り下げる感じで運用できるのが理想だろうか。何なら、探索者の家族とかが入信しても良さそうだ。


by cemeteryprime | 2018-04-02 00:20 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトルゥフ神話TRPG】ホラーシナリオ作成の為の自己開示

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自己開示の必要性

ホラーには色んな方法論があるが、究極的に…もしくは本質的にリアリティのあるホラーを作る為に必要なものは、自己開示(自分の経験をベースにする事)である。

結局の所、自分の経験(感情)に基づいてホラーをデザインにする以上の方法は無い。…まぁ、あるかもしれないが、それが出来るのは一部の天才だけだろう。

例えば世界的なベストセラーホラー作家であるスティーブン・キングだって、小説家や教師が主人公の話を今までに何本書いてるんだって話である。

この様にプロだって自分の体験をベースにした創作を行っているのだから、素人は猶更真似をするに限るのである。しかし、巷に転がっているシナリオには、自己開示的な独自性を持ったものが少ない。借り物のモンスター、借りてきたモンスターに合わせた特徴の無い舞台…。自己開示こそ、手っ取り早く独自性とリアリティを出す近道なのに、素人に限ってそれをしないのだ(俺も含めて)

1つの視点として、素人には自己開示の仕方が分からないという問題があるのかもしれない。どう自分の体験をシナリオに取り入れたら良いのだろうか?

そこで、今回はラヴクラフトの作品を参考に、自分のどういう部分を取り込むかという方法論について紹介する。

社会は恐ろしい

ラヴクラフトのホラーのベースになっている、自己開示性は、端的に言えば社会は恐ろしいという感情である。大人になりたくないとう想いが強すぎて不登校になっていたし、鬱病気味になって引きこもりにもなっていた。結婚を機に、都会に出てからは、外国人だらけの街で就活に失敗しまくる日々を過ごして、より一層社会が嫌いになると同時に、人種差別主義を拗らせてもいる。

この社会/世界は恐ろしいという感覚は、後にモダンホラーと呼ばれる新しいホラーの源流にもなっている。それ以前のゴシックホラーの世界においては、モンスターとは遠く離れた場所に存在するもので、わざわざ出かけて行ったり、旅先で迷い込まないと遭遇しないものだった。要は、モンスターとか恐ろしいものというのは、特殊な事例であり、常識の外の存在であり、本来は正常である社会から排除可能な存在なのである。

一方、ラヴクラフトの感覚では、異端は自分の方であり、世界は実は恐ろしい場所なのである。なので、ラヴクラフトのホラーの特徴として、自分の愛する故郷をホラーの舞台にするというものがある。アーカムやダンウィッチやインスマスなどの、ラヴクラフト・カントリーと呼ばれる場所は、架空の町ではあるがラヴクラフトの故郷をモチーフにしているのだ。

一般的にモダンホラーと呼ばれるジャンルにおいては、舞台は自分の故郷だったり、住んでいる町だったり、家庭だったり、更には自分の心や記憶の中だったりと、身近な領域を選ぶことが多い。自分が所属している信頼しているホームの様な場所や存在が実は恐ろしいものだったと分かる以上の恐怖は無いだろう。

身近な例だとモダンホラー要素が強いジョジョの奇妙な冒険の第4部も舞台は、荒木飛呂彦先生の故郷をモチーフにしていたりする。

ホームの設定

なので、まずはホームとなる場所を設定しよう。自分の家、地元の町、親の田舎、高校、大学、就職先の会社もしくは業界。

人は人生において、複数のコミュニティに所属することになる。それぞれのコミュニティは、社会の縮図としても機能する。なので、社会=恐ろしい場所であるという世界観をシナリオに落とし込む際は、こうした自分がこれまでに関わって来たコミュニティを参考にすると良い。

シナリオを製品にする場合でもなければ、よく知る地元や自分の家がモチーフであれば、どこに何があるかのイメージは記憶を流用すればいいので、手軽にシナリオを作りやすくなる。

舞台は完璧にそのまま同じにする必要は無く、ラヴクラフト・カントリーの様にあくまで似たような場所にしても構わない。

また、そのシナリオを遊ぶプレイヤー同士で共通認識が働く場所があるなら(例えば大学の友達と遊ぶとか、地元の友達と遊ぶとか)、できればそこを舞台にしたシナリオにした方が良い。何故なら、舞台についての説明の手間が省けるからだ。自分たちが通う学校とよく似た学校を舞台にする場合、学校の見取り図だとか周辺地図なんかも要らないのである。特別にあるモノ、ないモノの説明を補足するだけで良いのである。

ヘイト感を汲み取る

シナリオのホームにしたい場所(コミュニティ)を決めたら、次はそのコミュニティにおける問題を汲み取ろう。

ムカついた、あるいは恐怖を感じたエピソードを記憶から掘り起こしてみよう。たいていの場合、人が絡むはずで、もしかしたら自分が問題の根源というパターンもあるかもしれない。抽出できたら、それをモンスターとして表現するのだ。

例えば先に挙げたラヴクラフトの例で言うなら、陽気で音楽を好み世界についてポジティブな生き方をしている様に見える黒人たち(所謂リア充)は、怪しげな太古を鳴らし、得体の知れない種族と混血している呪われた人外種族みたいな描かれ方をする訳である。リア充は、邪悪な世界に迎合している奴らなので、邪悪な種族であり、邪悪な思想を持ち、邪悪な神を崇拝しているに違いないのであるみたいな発想だ。

俺が社会で上手く行っていないのは、ユダヤ人であったり、在日外国人であったりの、世界的な陰謀であるみたいな発想も、こうしたヘイト感を汲み取ってモンスターを作る作業に近いものがある。レイシズムであるうちは分かり難いが、やつらの正体は実は爬虫類型宇宙人であるみたいな発想にまで到達するとあからさまにオカルトというかホラー表現の領域に近付く。まぁ、真面目にそういう事を言っている人もいるわけだが。

例えば、シナリオのホームを家庭に設定して、母親との不和をモチーフにホラーを作るなら、実は母親は爬虫類型宇宙人であったというオチにして、自分にもその血が流れているみたいな方向の恐怖を盛る感じにするみたいな応用が考えられる。これも一つの世界は恐ろしいという表現の在り方である。

基本的には問題を認識し、それを調べると信じていた世界/心を許していた社会が恐ろしいものだったと判明するという流れになる。

モンスターのデザイン方法

この手法を用いると、モダンホラーにおけるモンスターというものはだいたい人間を比喩的に表現したキャラクターか、恐ろしいパワーを持った人間という感じになる。一見そうとは見えないシリアルキラーなんかもこの部類だろう。

もうちょっと別タイプのモンスターを登場させたい場合は、モンスターが異常行動の動機になっている、もしくは問題の人物を背後から操っているみたいな形式をとると良い。例えば、怨霊に操られているだとか、生贄を捧げる事で願いを叶えてくれる邪神がいるだとか。

理解しにくい他人の言動の理由として、モンスターの存在を逆算するという手法である。例えば、気持ち悪いオタク野郎がいたとして、その原因を彼がいつも熱心に読んでいる本にあると考えるなら、その本は読んだ人間の心を操る魔導書として表現できる訳である。もしくは、そうした魔導書を配り歩く悪魔みたいなモンスターの存在を更に逆算するのも良いし、邪神の命ずるままに魔導書を書いている作者がいるみたいな構図を逆算する事も出来る。

この逆算という技を使うと、リアリティと荒唐無稽なモンスターを両立させることが出来るのでお勧めである。例えば、現実の事件であれば、オウム真理教事件なんかは、邪神を崇拝しているカルトとしてデザインして、邪神を信者を使って多数の生贄を集めるモンスターとして登場させる事も出来る訳である。

応用として、自分のコントロールできない衝動や悪癖の原因をモンスターに求めるという手法もある。家庭内暴力をテーマにしたホラーを例にすると、どうしても暴力を奮ってしまう原因として、例えば呪われているだとか、邪悪な血を引いているだとか、場合によっては被害者がそういう暴力を引き起こす体質のモンスターであるという逆算も可能かもしれない。

最後に、公害等のテクノロジーがもたらす社会問題をモンスター(たいてい怪獣として表現される)を使って表現するという手法もある。クトゥルフ神話だと例えば、宇宙からの色なんかは公害がモチーフになっているという説もある。

ラヴクラフト的なホラーを目指す場合は、最終的にモンスターを倒して問題が解決という決着をつける必要も特に無い。世界は恐ろしいという事実を突きつけられ、発狂したり死んだりして終わる形でも構わないのである。勿論、エンタメ要素を強めたいなら、最後はモンスターを倒して取りあえず一件落着という形に持って行っても良い訳だが。

まとめ

初心者であればあるほど、出来るだけ自分が知っている世界をモチーフにして、自分の経験や感情に基づいたホラーを作るべきである。個人的な体験に基づいていればいるほど、内容はオリジナルになるし、ホラーとしてのリアリティも加算されるのである。

クトゥルフ神話TRPGのルールブックに登場する神格やクリーチャーも、元を辿れば、誰かのそうした体験から生み出されたモンスターだったりする。なので、ルールブックのモンスターの設定に拘る必要は無い。流用できそうなモンスターがいれば、使えば良いし、適当に名前だけ借りてきても良い。

人は、他人の成功談や自慢話にはあまり興味を持たないが、恐怖体験や最悪体験には興味を持つのだ。そして誰だって、成功体験は持っていなくても、そうした体験は持っている。であれば、誰にでもオリジナルな興味深いホラーシナリオを作る可能性はあるという話でもあるのだ。是非、チャレンジしてみて欲しい。


by cemeteryprime | 2018-03-28 01:00 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

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