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【クトゥルフ神話TRPG】ストーリーの流れ

ストーリー構成の大雑把な流れをイラストで説明してみるという試み。日常パートA~C+Xと、非日常パート①~④で構成されている。
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スタートは、探索者(主人公)の日常パートからはじまる。どういう仕事をしていて、どういう生活(家庭)を持っているのか。
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次は導入パート。主人公は何か必要が生じて行動を起こす。この段階では軽い気持ちで行動している。
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異変に気付くパート。助けを求められたり、事件に巻き込まれたりする。

ここからが、非日常パート。一旦、非日常パートに入ってしまえば後はどこで切り上げても構わない。
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ホラーの第一段階では、まだミステリーとホラーの境界といった所。超自然的要素が絡んでいるという話を聞くが、あくまで伝聞であって、探索者本人が確信できるレベルでは無い。
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ホラーの第二段階では、明らかに超自然的要素が絡んでいると確信に至る。幽霊やモンスター(らしき物)が、はっきりと探索者の目の前に姿を現す。人の手に対処できるのかという疑問が浮上し、興味本位だった良識ある探索者であれば引き返すポイントになる。
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ホラーの第三段階では、恐怖度と危険度が上昇し、探索者の心身が脅かされる。場合によっては重傷や発狂で病院送りになったり、死亡する。よほどの事情がなければ、探索者はこの段階で引き返す。
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ホラーの第四段階。狂気の世界。追いかけていた謎は想像以上に異常で、人間にどうこうできない強大な影響力を持ち、最終的にどうあがいても理解不能で対処不能だという事実を突きつけられる。所謂、邪神との遭遇であるが、邪神はあまりにも見た目が恐ろしく物理的に最強な怪獣…ではなく、あまりにも強大で理解不能な謎のメタファーだと捉えると陳腐化し難い。それまでに経験した恐ろしく危険な事件も、氷山(邪神)の一角に過ぎなかったと思い知らせる為の存在である。ホラーの本質は、怪獣では無く謎なので、当事者以外には認識もされないし、対処も出来ないという構図が重要になる。

ストーリーの真のオチは、常に主人公の日常パートとなる。ただし、これは非日常パートにおける経験で変化した新しいバランスでの日常パートである。ストーリーを閉じる為には最終的に日常パートに戻るので、非日常パートをどこまで掘り下げたかとは関係なく成立する事が出来る。
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ホラーの場合、完全に発狂しないにしても、シナリオを通して探索者の心身は摩耗する。心身へのネガティブな影響は、基本的に探索者の生活を悪い方向へと変化させる。しかし、犠牲も顧みずシナリオ中で何か大きな事を成し遂げた場合は、逆に心が成長するという事もありうる。また、心身は消耗しても、関係者との絆や、特別な経験、獲得したアイテムなど、有形無形の得られる物は存在する。

ストーリーのオチは、得たものと失ったものを明確にしてから、それによって起こった人生の変化を考えると綺麗にまとまりやすい。
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by cemeteryprime | 2016-04-15 18:22 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】クトゥルフのしっぽ

以下のイラストは、ホラーRPGのシナリオを概念的に表現した物だ。プレイヤーとして、ホラーを作って遊ぶとは具体的に何をすれば良いのかという部分を分かりやすく説明する為に描いたイラストである。
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解説
これが何を表現しているかと言うと、ホラーというストーリー独特の構造についてである。端的に言えば、ホラーとは謎を追いかけるストーリーである。ちなみに以前に書いたホラーシナリオのタマネギ構造や、タワー構造の話と本質的には同じ内容だ。

モンスターを登場させたり、不気味なシーンをたくさん用意しているのに、いまいち全体としてホラーな雰囲気が出ないと悩んでいる人もいるのでは無かろうか。そういう人は、この構造を参考にしてみて欲しい。一本の謎が欠けていたりはしないだろうか。

ホラー
クトゥルフ神話のホラーとは、宇宙モンスターだと考えている人は、本質的な部分を見落としているので、もう一度ルルブを読み直す様に。ホラーとは恐怖である。そしてクトゥルフ神話が扱う恐怖とは、未知なる物についての恐怖だ。大いなるクトゥルフは単なる蛸の化け物では無く、深海や宇宙といった得体の知れない未知なる世界についてのメタファーなのである。ちなみに、西洋人は得体の知れない存在についての記号としてよく蛸を用いる。007に登場する悪の秘密結社のマークも蛸だ。

未知なる物についての恐怖とは、端的に言えば謎が生む恐怖である。クトゥルフとは要するに答えの無い(=人間には理解できない)謎である。人はモンスターに理由(どうして生まれたのか、何が目的なのか、どうやれば退治できるのか)を求めようとする。なぜなら怖いからだ。しかし、真のモンスターには答えなどない。ただし、ホラーにおいてそれが判明するのは最後の最後だ。調べれば、徐々に理解出来そうな気がしてくるが、結局最後には理解不能な存在だと判明して絶望が待っている。ルルブのシナリオ作法にも、謎を一つ用意しろと書いてあるが、それは要するにこの4コマでいう所のクトゥルフのしっぽである。
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by cemeteryprime | 2016-04-13 00:36 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】シナリオ構造の考察

タマネギ構造
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ルルブのキーパーガイドにもある様に、ホラーシナリオの基本はタマネギ構造である。自主的に謎めいたキーワード(例えばクトゥルフだとかルルイエだとか)、不可解なアーティファクト(誰が何の目的で作ったのか)、意味不能な超自然現象…等を追求する事でより深層へと到達する事が出来る。

シナリオを作成する際は、まずは表層から深層までを貫くコアになる謎を考える必要がある。表層における謎の形 (ちょっとした違和感や事件の予兆)を思いついたなら何が原因なのかを遡り、より深層(根源的な元凶である所の邪神等)までアイデアを掘り下げていくと良い。逆に深層における謎の形(どういった邪神を絡めるか等)を先に思いついたなら、逆算的に怪異のランクを下げてそこに至るまでに出くわす兆候の形を考える。クトゥルフだったら悪夢に悩む精神病患者が入り口になったり、ダゴンだったら奇妙な魚臭さだとか偽の黄金が入り口になるかもしれない。

基本的にはタマネギ構造のどこから着手しても問題は無く、全体像としてのタマネギ構造が把握でれば良い。

タワー構造
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タマネギ構造をよりイメージしやすい形にしてみたのがタワー構造である。基本的にはタマネギの外側-内側モデルを、高さによる表層-深層モデルに置き換えただけだ。

概要は図の通りである。地上から地下へと伸びるタワーがストーリーそのものの形を表現している。下のフロアへと続く階段は、ストーリーの最深部へと主人公を導く謎である。地上部はストーリーでいうと導入部であり、内部には非日常の世界に続く階段(謎)を内包しているが、あくまで日常世界に位置しているイメージだ。そこから主人公は自らの意志で下のフロアへと潜っていく形になる。冒険譚にするなら、地下に降りてまた地上(日常)に帰ってくる形にする必要があるが、ホラーなのでそのまま地下で野垂れ死んでも良い。ホラーにおける中心は、タワーそのものだからだ。

基本的にプレイヤーは下のフロアへと潜る動機を持ったキャラクターを送り込む事で、タワーを成長させ、ストーリーを作っていく形になる。タワーを攻略する為に人を送り込むのでは無く、タワーをより邪悪にする為に生け贄を送り込んでいるイメージが近いだろう。より恐ろしいストーリーに成長させるという事はそういう話だ。

フロアデザイン
フロアの違いは、怪異の根源への距離によって区別される。そしてキャンペーン形式を前提にしていて、各エピソードは各フロア単位で完結する。なのでエピソードの内容や結末がどうなってもタワー自体には支障は無いし、フロア内をどれだけ自由に行動しても、訳もわからず邪神の前に放り出される事はない。

各フロアで発見される、次のフロアへの階段を降りるか降りないかは、主人公に任される。タワーさえ掘り下げていけば良いので、同一の主人公を使い続ける必要は無い。主人公に下に降りる動機がなくなれば、新たに付け足すか、別の主人公を持ってくる形になる。

タワーの延長
ちなみに、見切り発車的に一旦セッションをスタートさせても、深層方向になら幾らでもシナリオは掘り下げていくことができる。先の事件に残された謎や、背景にある物を掘り下げれば次のエピソードのテーマは決まる。次へ掘り下げずに同じ層で、同じテーマの幾つかのエピソードを重ねるのもアリだ。
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by cemeteryprime | 2016-03-30 21:11 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】怪しい噂を作る

以前にも1度やった気がするが、ランダム生成で手軽にプレイヤーにとってのフックになる様な胡散臭いニュースを作ってみようという記事。とりあえず、実際にやってみせる。

システムは単純で、関心を引き易いキーワードを出来るだけ沢山集めてから3個ほどをランダム抽出して、そのキーワードでトピックを作る。それだけ。

その1:飲み水、SNS、機械の故障…の場合
「水道局の浄化装置が故障して、水道水が汚染されているという噂がSNSで広まっている。」という話。

その2:音楽、死体、放射能…の場合
「反原発を訴えていたミュージシャンの死体が発見された。その死体は被爆していた。」という噂。

その3:ファーストフード、セミナー、陰謀…の場合
「どこかの有名なセミナーを通じて、ファーストフード業界の陰謀に関する噂が流通し始めた。」という話。

その4:誘拐、虐待、裏の顔…の場合
「子供の誘拐事件が発生したが、その子供の家族には裏の顔があり、子供を虐待していた」という噂。

その5:偽ブランド、未来、エコ…の場合

「革新的なエコ技術を提供しているブランドの偽物が流通しはじめている」という噂。

とりあえず実例として5個ほどトピックを作ってみた。何となくではあるが、胡散臭い噂話っぽい雰囲気は出ているのではなかろうか。これは何をやっているかというと、拡散性を持ったトピック(噂になりやすそうな内容)を人為的にランダム生成する作業である。

世の中には単語レベルで、人の関心を引き易いキーワードという物が存在する。それを組み合わせると、とにかく関心を引き易く、共有したくなるトピックが形成される。上記はランダム生成なので、多少強引で胡散臭い感じになっているが、胡散臭い噂を作りたい場合はむしろ良いポイントでもある。

キーワードの抽出
大雑把にではあるが、食べ物や健康、危険、セックスに関するトピックは拡散性が高いと言われている。何が体に良いとか悪いとか、事故や事件についてのニュースだとか、異性の気を惹く方法だとか、恋愛絡みのゴシップもそうだ。異物混入のニュースなんかは基本的に盛り上がるし、多くのデマも発生しやすいという事は実感できるだろう。後は金に纏わる話も拡散性が高い。金に纏わる不正、楽に金儲けする方法、お得な情報。

他にも胡散臭い噂を誘発しやすいキーワードとしては、得体のしれない物…政治関連、新しいテクノロジー、海外事情、外国人、他所の宗教なんかが挙げられる。

こういったフックにしやすいキーワードの類型は、実際にニュースや週刊誌の見出しだとか、都市伝説やTwitterなんかで拡散する作り話のテンプレなんかを適当に並べてみていれば簡単に発見できる。テンプレート化している物も多いので、そこから頻出ワードを抽出するだけで良い。

システムの構築と実用例
先の具体例の場合は、ランダムにキーワードを3つ抽出する方法を取った。3つという数字は、個人的にトピックの作りやすさからその程度が良いだろうという数だ。多少は無理のある感じが出たほうが胡散臭さは増すので、4つにしても良いだろう。

ちなみに、実例集を見れば分かるように、このシステムで生成される怪しい噂はそれっぽい雰囲気は出るものの、単体でシナリオの軸になるような物では無い。シナリオの軸はあくまでキャラクターで、噂はあくまでシナリオへの関心を強化する為のフレーバーだ。

活用方法としては、例えば、ラスボスが新興宗教団体の場合。とにかくその新興宗教団体に関する怪しい噂を沢山登場させる。今回は、新興宗教についての噂を作る形になるので、新興宗教というキーワードは固定して残りの2つを抽出する形でトピックをランダム生成する。

先の具体例を流用するならこんな感じで抽出できる。
・新興宗教+飲み水+SNS。
・新興宗教+放射能+死体。
・新興宗教+ファーストフード+陰謀。
・新興宗教+裏の顔+虐待。
・新興宗教+偽ブランド+エコ。

それぞれ、実に如何わしい噂を作れそうな雰囲気が出ている。とりあえずこういう形で噂を複数登場させる事が出来れば、個々の噂の真偽はどうであれ、とりあえずその噂の中心になっている新興宗教団体については怪しい存在であるというイメージがプレイヤーに刷り込まれる。反復による強調というやつだ。やればやるほど、特定のキーワードを胡散臭くする事が出来るので、正しくフレーバーだといえる。
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by cemeteryprime | 2016-02-21 23:41 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】悪霊の家をリフォームする

基本シナリオ『悪霊の家』の変形パターンを色々と考えてみる記事。

潜伏場所を変える
コービットは地下の秘密の部屋に潜んでいるが、他の場所に変えると何が違ってくるだろうか。

例えば、秘密の屋根裏部屋に潜んでいる事にしてみるとどうか。折角コービットは動けるので、ギシギシと足音を立てて天井裏を散歩してもらうという演出が可能になる。天井裏から下階を覗くコービットと目があうというのも不気味で良い。

コービットを屋根裏の散歩者にした場合、コービットには新たに覗き魔という変態チックな属性が新たに追加される。真っ暗な地下室の片隅で延々と念力で住民に嫌がらせをしているよりは、屋根裏から覗き魔をしながら嫌がらせをしている方がストーカーじみていて気持ち悪いし恐ろしい。

屋根裏に変更した場合、屋敷の地下に墓を作る件で近所の住民と揉めてた話は無くなってしまうが、変態属性を活かしてストーカーやら不法侵入やら覗きやらでトラブルを起こしていた事にでもすれば、裁判記録は残る。むか~しむかし、コービットという変態老人がおったそうな…だと、ギャグっぽくなりそう気もするが、上手くやればサイコホラー的な要素を与える事も出来る。

屋根裏案以外だと、庭のどこかに墓が埋まっている事にしても良い。後から造園やらで地上の目印が無くなり、どこにあるか判らなくなってしまったとかでも良いかもしれない。シャベルで庭中を掘り返しても良いし、当時の作業記録か何かを発見して掘り返す感じでも良い。雨で真っ暗な中、庭を掘り返す探索者はなかなか画になりそうだ。庭の場合は、野外なのでどこからともなくコービットに操られた野犬や鴉が登場しても良さそうだ。地下に坑道と秘密の石室があっても良いし、ゾンビみたいに棺桶をぶち破って地中からコービットが出現しても良い。

悪霊にしてしまう
コービットは吸血鬼化した魔術師という感じだが、タイトル通りに本当に実体を持たない悪霊にしてしまうとどうなるだろうか。

基本的に幽霊屋敷モノなので、シナリオ上は大きな変化は無い。違うのは秘密の地下室に不死の吸血鬼になりそこねたコービットの死体が転がっている点だ。ショットガンで問題を解決出来なくなる事で、探索者はより柔軟に問題解決策を考える必要が出てくる。コービットの亡骸を共同墓地に葬って葬式してやるもよし、教会から神父を読んでエクソシストしてもらうもよし、瞑想チャペルに残された魔道書か何かに除霊の呪文でも用意するのも良いかもしれない。

何なら、コービットの幽霊を呼び出して対話するのも演出的にアリだ。実体が無ければ、探索者が出会って早々に戦闘ラウンドに持ち込む心配も無い。コービットの動機は、屋敷への執着かもしれないし、別の何かかもしれない。交渉の余地があれば、課題も増えるのでそれだけシナリオは膨らむ。

また、結局生き埋め状態で死んで怨霊化したのであれば、コービットは瞑想チャペルのマイケル・トーマス神父あたりに騙されて生き埋めにされたとかでも面白そうだ。その場合、シナリオ的には数年前に刑務所を脱獄して行方不明という情報しかないマイケル・トーマス神父をしっかりシナリオに絡めていく形になる。

タイミングをずらす
シナリオでは既にマカリオ一家は引っ越した後だが、まだ住んでいる段階での、マカリオ一家からの依頼であればシナリオはどう変わるだろうか。

マカリオ一家と探索者が親しい関係であれば、嫌でも事件解決の緊急性は増す。何なら、マカリオ一家では無く探索者とその家族が住んでいる事にしても良い。人が住んでいる場合、下手に屋敷を破壊したり、燃やしたりという手段は取れなくなる。勿論、引っ越せない事情は必要になる。

交流するNPCが増えると、キーパーの負担はましてしまうが基本的にドラマ部分は膨らませやすくなる。人間関係は、動機として使いやすいので、導入が苦手なキーパーならその点では負担が軽減されるかもしれない。

ifを考えてみる
もし、コービットが裁判に負けて普通に屋敷を追い出されていたらどうなっていただろうか。コービットは屋敷に戻るために何らかの手段に訴えるに違いない。吸血鬼ミイラと化したコービットと戦うには、コービットの死後50年が経過していた方が良いが、屋敷を取り戻そうとする生身のコービットと戦うなら裁判後、十数年とかで充分である。

魔術でマカリオ一家を追い出したコービットは、瞑想チャペルの関係者を連れて、夜な夜な屋敷に忍び込み今度こそ地下室に自らを埋葬しようとする。屋敷を調べる探索者と鉢合わせになるかもしれない。幽霊屋敷で幽霊と出くわすのも恐ろしいが、犯罪者と出くわすのもなかなか恐ろしい物である。

似たような理屈で、敵をコービットでは無く、コービットの子孫にするのも面白いかもしれない。普通はモンスターが敵の方が恐ろしいが、ゲームの場合は案外人間が敵だった方がタブーも出てきて行動が制限される為に恐ろしかったりするのだ。勿論、そのままだとサスペンスやスリラーになりかねないので、魔術要素を上手く絡めないといけない。

適当に神話生物を変える
コービットは、一応ディメンション・シャンブラーを使役する。これを例えば星の精に変えてみるとどうだろうか。不可視なのでポルターガイスト現象の代わりに、心霊攻撃として使えなくもない。夜な夜な、屋敷に住む住人の枕元に星の精が現れて、少しづつ吸血していたりすると絵面的に不気味で良い。

また、コービットの不死属性と絡めてクァチル・ウタウスを登場させるのも面白いかもしれない。瞑想チャペル辺りで『カルナマゴスの遺言』の断片か何かを入手させておく。コービットの前でクァチル・ウタウスが召喚されて、コービットが塵と化すといういうのはクライマックスとして、そこそこ盛り上がりそうなイベントではある。

シナリオを変形させて遊ぶ
『いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように?』という所謂5W1Hを意識してやるのがシナリオを改変する上での1つのポイントだ。ついでに、変更した点がどういう意味を持つかも考えてみると、上手く全体的なイメージを変更することが出来る。

舞台を現代に変えるなら、現代なりのギミックを取り入れてみるべきだし、敵をコービットからビーコットに変えるならキャラの違いを何かしらの形で表現すべきだろう。現代日本が舞台なら、50年前に死んだコービットは地下室の代わりに防空壕跡とかを利用するかもしれないし、携帯に不気味な音声メッセージを入れてくるくらいのスキルがあるかもしれない。電子機器はダメでもブラウン管TVくらいなら弄れるかもしれない。

目新しさを求めて、ネット上で転がっている意図が良く判らないシナリオを何となくプレイするよりは、使い勝手の良いシナリオを改造して使うのがベターである。何故なら、所詮TRPGのシナリオはセッションでストーリーを作って遊ぶ為の道具だからだ。悪霊の家は、シンプルなだけに応用しやすいので色々と試して何度も遊んでみてほしい。
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by cemeteryprime | 2015-12-24 23:51 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG 】ランダムなシナリオ生成

久しぶりにシナリオのランダム生成機を作ってみた。交差点モデルを使うので、ストーリーをランダム生成するというよりは、シナリオの軸になる敵NPCをランダム生成する形式。簡易かつ応用が効きそうなので記事にしてみる。

・ランダムシナリオ
用意するのは、下記の4種類の類型カード。
・舞台になる町の類型
・エネミーの類型(事件の類型、キャラ属性、キーワード類型)
・動機の類型
・NPCビジュアルの類型

システム的には適当にシャッフルして、1枚づつ引くだけ。4枚の組み合わせで、どういう敵が、どういう場所を舞台に、何を目的に、どういう事件を引き起こすかという部分がランダム作成されるので、後は気に入らない部分を修正して、必要なデータを用意するだけ。

キーパーがストーリーを用意して披露する方式じゃなく、プレイヤーにシナリオを使って探索者のストーリーを掘り下げて貰って遊ぶ方式を想定しているので、シナリオ自体は迷路みたいに展開を作り込まないのがポイント。具体的なイメージの為に、試しにやってみよう。

・舞台の類型:学園都市
・エネミーの類型:偽シャーマン
・動機の類型:愛(場所への執着)
・NPCビジュアルの類型:メンター
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とりあえずやってみた所、上記の様な要素が出力された。この4つを組み合わせて、シナリオを立体化させていく。

・舞台の類型
舞台の類型は、町の種類を大雑把にピックアップしたものになっている。都市部だとか、ベッドタウンだとか、農村だとか、漁村だとか、島だとかそんな感じだ。梅田、三宮、学研都市、東大阪、西成みたいな具体的な地名をイメージテンプレートに使うのも良いだろう。

今回の学園都市の場合は、大きな大学やら企業の研究所やらが集中している町を想定している。なので大学や研究所といった町の特徴を、何かしらの形でシナリオに絡める形になる。舞台の類型には、年代要素や国要素を絡めるのも良い。

・エネミーの類型
エネミーの類型は、悪霊だとか殺人鬼だとか吸血鬼だとか怪獣だとかの、モンスターや悪人といった敵キャラのテンプレートになっている。各カードには、より詳細な分類として、事件の類型や属性の類型、キーワードの類型のといった物を書き出している。

例えばゾンビの事件なら、カニバリズムに墓荒し、失踪、ドラッグ、疫病、etc...みたいな感じだ。属性には復讐、奴隷労働、呪術、異常な食欲、etc...という感じでゾンビに絡ませやすい要素をピックアップしている。キーワードには、腐乱死体やゴキブリ、不法投棄、下水道、外科医、etc...ってな感じの、ゾンビ系シナリオに登場させたい物を集めている。この辺はフレーバー補強要素なので、適当に作れば良い。

今回の偽シャーマンは、ヨガとか瞑想とかやってる感じのニューエイジ系のカルト集団の教祖をイメージしたエネミー類型だ。事件の類型には、儀式殺人や不審死、環境テロ、ドラッグみたいなラインナップが並ぶ。今回は適当にダイスでその中から1つを選ぶ。やってみた所、事件の類型は環境テロに決まった。

ニューエイジ系のカルト集団と、大学の組み合わせはそれなりに相性が良さそうだ。意識高い系の大学生が、カルトに引きこまれて、環境テロ事件を引き起こす話になるのだろう。事件内容的に、この学園都市はそれなりに自然豊かな場所にあって、企業が自然開発だとか動物実験だとかをしている感じなのかもしれない。

偽シャーマンの場合、神秘主義、文明の否定、洗脳、自然、セックス、愛、平和、みたいな要素を属性として羅列してある。キーワードの方は民間療法、ダイエット、自己啓発、道場、コミューン、占い、という感じ。同じ様にダイスで抽出した結果、属性はセックスで、キーワードは占いになった。この敵NPCが率いるカルトは、どうやらセックス教団的な側面がある様だ。ヤリサー目的で加入する大学生が多いのかもしれない。キーワードの占いは、シナリオフックに使う。教祖がよく当たる占い師みたいな感じで評判になっているとかにしておこう。新興宗教団体というよりは、ヒッピー系のセックスサークルで、リーダーが占い師として世間ではそこそこ評判の人物。…くらいのイメージだろうか。蓋を開けてみると、一部の完全に洗脳されたメンバーたちが教祖の指示で環境テロ活動を行っているイメージ。

探索者は、占い部分に興味をもってこのグループに接触する感じでも良いし、知人や家族がセックスサークルに入会しちゃって救出しに行く感じでも良いし、環境テロ事件の捜査でこのグループに行き着く感じでも良い。

・動機の類型
動機の類型は、愛だとか金、証明、安心みたいな感じで大雑把なモチベーションをピックアップした物になっている。愛の場合は、人への執着、物への執着、場所への執着、組織への執着みたいな感じで項目が設定されている。

今回は場所への執着になったので、この教祖は環境テロを引き起こす目的は、何かしら特定の場所に関連している事になる。となると、やはり自然開発の妨害あたりが環境テロの内容として適していそうだ。学園都市でゴルフ場の開発なんてしないだろうから、具体的には大掛かりな研究施設の建設だとかで森をゴッソリ潰す感じかもしれない。多分それが原因で、教祖にとっての聖なる森だとか山だとかが汚されるのだろう。

今のところ、ホラー色が薄い感じなので、クトゥルフ神話要素としては、適当に森とセックスを絡めてシュブ=ニグラス系にでもしてみることにする。ダークヤングめいた自然神だとか妖怪の伝承でもある森なのだろう。

・NPCビジュアルの類型
ビジュアルは、キャラのイメージを左右する。同じ吸血鬼でも、若い青年の場合と、ナイスミドルな場合と、しわくちゃの爺の場合と、美少女の場合で、全く別物になる。

ドラマ的な都合上、人間の敵は常に人間であったほうが良い。厳密には意思疎通の出来る何かだ。エネミーの類型が怪獣だったりスライムだったり邪神だったりする場合も、黒幕や手先として常に人間のNPCは必要になる。NPCビジュアルの類型カードは、シナリオ作成時以外でもTRPGでは使い勝手が良いのであると便利だ。

今回、敵NPCのビジュアルはメンターになった。精神科医だとか、神父だとかをイメージした造型になっている。セックスサークルを主催しているにしては老けすぎている感じがするが、グル(導師)っぽい胡散臭さは十分なので、そこまでキャラとのギャップは出なかった。多分、性魔術かなんかを実践する一見真面目な変態なのだろう。

試しにもう1回引き直したら強面な政治家のテンプレートが出た。
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これだと敵としての迫力は十分だが、あまりにも導師っぽさが薄いので最初の奴にしておく。どちらかと言えば、森を破壊している側っぽいキャラである。

・シナリオのフレーム
とりあえずはこんな感じで、大雑把なフレームは完成した。舞台は自然豊かな学園都市。シュブ=ニグラス辺りを崇拝する占い師だかスピリチュアルカウンセラーだかの輩が、大型研究施設の建設で神性な森が破壊されるのを防ぐ為に環境テロ活動を行う。占い師は、怪しいセックスサークルを主催していて、近隣の意識高い系の大学生とかを引き入れて洗脳している。

後は適当に導入パターンを幾つか考えて、必要なNPCだとか、町の設定、大学、森の伝承なんかについての情報を適当に追加していく。NPCに関しては、動機カードとビジュアルカードで適当にその場で作れなくも無いので、ハンドアウトなんかで拘りたい部分だけ力を入れれば良い。

上記のフレーム自体は15分もあれば出来るので、細部に拘らなければ2時間もあれば十分に遊べるシナリオが完成するはずだ。先に全体フレームをランダム作成してしまう事で、細部から作り始めて延々とシナリオが拡張され続けて完成しないという現象を防げるのがポイントである。完璧を目指すより、まずは終わらせろ精神に則ったシステムになっている。気軽のシナリオ自作にチャレンジしてみてほしい。
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by cemeteryprime | 2015-12-16 18:39 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】シナリオ構築に関する補足

前回の記事の続きになるので、未読の方は先にそちらから。

RPG型シナリオにおける複雑性
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シミュレーター型のRPGシナリオでは、ADV方式のストーリーの様に、まるで迷路の様に行ったり来たりさせるのは難しい。何故なら、探索者がどういうキャラで、どう行動するかはセッションを始めるまで判らないからだ。あくまでシナリオが探索者のストーリーに干渉するというスタイルを取る以上は、探索者を団体ツアーのようには誘導できない。

なので、探索者全員を同時にあっちに行ったりこっちに行ったりさせるのでは無く、全員バラバラに行動させて後で合流させるとう手法が効果的になる。各探索者が、それぞれ別個の事件を追っていて最終的に一つの真相へと行き着くというスタイルだ。この手法を取れば、個々のストーリーはシンプルでも全体像として最終的に込み入ったストーリーにするという事が可能になる。ただし、これをやる場合はストレートに探索者の数だけストーリーが同時進行する形になってプレイ時間も増すので、出来るだけシンプルにする必要はある。ちなみにこの方式だと、全員が真相に到達しなくても誰か一人でもたどり着ければ、芋づる式の他の事件も繋がって、合流可能になるという保険もきく。個々のルートが、シンプルであればあるほどアドリブ対応もし易い。

具体例として
例えば、こんな探索者たちが居たとする。両親を殺した犯人に復讐を誓う探索者A。魔術的なアーティファクトを探し求めている探索者B。身寄りの無い親戚から不気味な洋館を相続した探索者C。連続殺人事件を追いかけている刑事の探索者D。

それぞれ別の話だが、Cの洋館に住み着いていて、過去にAの家族を殺し、アーティファクトを所有していて、現在進行形で連続殺人犯な魔術師がいれば、コイツは交差点として機能する。この場合、キーパーがシナリオとして用意しておくのは交差点となる魔術師だけだ。後は付随するキーワードをを、それぞれの探索者の目的に絡める。一旦ストーリーが走りだし交差してしまえば、シナリオの役目は果たされているので、オチは野となれ山となれである。探索者全員が無慈悲に魔術師に殺されても、クトゥルフ神話TRPGはホラーなので問題ないのだ。

スクランブル交差点モデル
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もう1つ、相互作用で生じる要素を徹底的に増やすという手段もある。先の記事で、交差点モデルにおいては、探索者同士のストーリーが必然的に相互作用を引き起こすと説明した。同じ理屈で目的を持って行動するNPCを大量投入すると、探索者との間でやはり相互作用が生じる。ベクトルを持ったNPCは、敵にもなれば、盾にもなる。探索者のベクトル次第だ。NPCが増えれば、探索者のストーリーがNPCのストーリーと交差する機会も増え、結果的に相互作用的に生じるストーリーが増えて、群像劇としての複雑性が増すのである。

ADV方式が迷路を辿らせる形で探索者を紆余曲折させるとするなら、スクランブル交差点モデルは人混みによって無理やり探索者をフラつかせる格好だ。場当たり的ではあるが、結果的には似たような物になる。

NPCの活用
NPCは情報源にもなり障害物にもなる。なおかつ自由に動き回れるという特性を持っている。シミュレーター性を優先する場合は、基本的に探索者の行動は予測し難い。そうした場合は、NPCの方が、設置型のアイテムやイベントよりもキーパーにとっては使い勝手が良いだろう。それに、金庫の中から情報を引き出すよりも、NPCから情報を引き出す方が、創意工夫の余地が大きい。探索者の技能を使う余地も多いという事だ。鍵開けを活用させたいなら、NPCに鍵の掛かった鞄でも持たせておけば良いのである。

探索者を後から合流させる手法と取る場合、NPCは探索者間の橋渡しにも使える。事件Aの関係者でもあり、事件Bの被害者でもあるといった形での運用も可能だ。NPCは、不要であれば登場させなくても問題は無いので、多めに用意しておくいても困らない。ただ注意すべきは、探索者と同じ様にきちんと目的意識を持たせて置くことだ。ベクトルを持たせてないと、NPCに相互作用を生む機能は無くなってしまい、単なる便利な道具に成り下がる。

ちなみに、NPCは同じシーンに何人も登場させるとロールするのが面倒くさく、キーパーの負担が大きいので注意。舞台が狭い場合は、あまり多くのNPCは投入し難いので、単独行動するNPCであるとか、部屋に引きこもるNPCだとか、適当に集まらない仕組みを工夫しよう。
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by cemeteryprime | 2015-11-18 22:25 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】シミュレーターとしてのシナリオ

シナリオの役割
RPGにおけるシナリオの役割は、先の記事で説明した通りである。大雑把に言えば、下図の様なイメージだ。
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そしてシナリオのもう1つの大きな役割は、交差点としての機能である。TRPGは最低キーパーが1名、プレイヤーが1名いれば遊べるが、大抵の場合は探索者は2人以上はいる。

RPGで発生するストーリーは、シナリオでは無く探索者に帰属するものである。故に、探索者が増えれば単純にストーリーの登場人物が増えるというよりも、ストーリー自体が増えていくと考えて良い。複数のストーリーを群像劇としてまとめ上げる作業が必要になってくるのだ。TRPGセッションにおいては、各プレイヤーは自分の探索者が主人公のストーリーを進行させつつ、俯瞰的に群像劇としての全体のストーリーも観賞出来る構図が生まれる。

交差点モデル
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複数人のセッションは、言ってみれば各探索者のクロスオーバーイベントなのである。なので、シナリオにはクロスオーバーを実現させる為の交差点としての機能が求められる。

まずキーパーがシナリオに実装しておかないと行けないのは、探索者たちがそこに集まる理由だ。目的はストーリーの3大ファクター…目的、行動、結果(変化)の1つだ。目的が無いと主人公は行動しないし、ストーリーとして成立しないので注意。

基本的には、プレイヤーに探索者の求めている物とか、一番重視している物を最初に設定して貰って、それを適当な形でクロスオーバーイベントの核に絡めてやれば良い。カルト教団絡みのイベントにしたいなら、そいつらに大切な物を奪わせるとか、そこに入信すれば目的の物が手に入るだとかしてやるだけで、探索者は自然にシナリオの核へと突き進んでくれる。シナリオの核となる要素をリストアップしておけば、後はアドリブでスムーズに動機の関連付けは可能になる。

この時、単に探索者同士が知り合いになったり、同じ場所に居合わせるだけでは、別にストーリー自体は交差しないという点には注意しよう。目的に沿って行動した結果、共闘が生じたり、利害対立が発生してはじめてストーリーがクロスしていると言える。一番単純なのは、最終的な目的達成のキーになる人物なりアイテムなり、場所なりを共通に設定しておく事だ。コービットの所持品を欲している人間と、コービットに復讐したい人間と、幽霊屋敷の霊障を終わらせたい人間は、最終的に幽霊屋敷の地下で共闘してコービットをブチのめす流れになるのだ。

相互作用のシミュレーション
こうした群像劇形式のメリットの1つが、相互作用である。ヒーロー同士のクロスオーバーでは、途中までは共同作業で悪人を捕まえたのに、最終的に敵を殺すか、警察に引き渡すかで殴り合いになるのはよくある話だ。不殺ヒーローと、処刑人ヒーローを、同じシナリオに放り込んだ結果、必然的に殴り合いという結果が生じる。これはシナリオの都合では無く、単に放り込んだ主人公2名の性質による物だ。不殺ヒーロー2名を主人公として放り込んだ場合は、恐らく殴り合いは発生しないだろう。

シミュレーションとしてRPGを遊んでいる場合、放り込んだ探索者の組み合わせによる相互作用という要素が生じ得る。各探索者の個別のストーリーラインに加えて、相互作用によって生じるストーリーまで加わる事になる。シミュレーターである限りは、実際の所シナリオにネタバレも糞も無いのである。

シナリオが交差点として機能している以上、どこかで探索者同士はぶつかり、影響しあう。その時は、迷わず自然な流れに任せるべきである。探索者同士が殴り合いになって、片方が死んだとしてもそれもまた已む無しである。なぜなら、シミュレーターとして遊んでいるからだ。

全員で1つの『試験』に挑むというADV的な遊び方をしていると、協力が大前提になるのでそうは行かない。僕の探索者はこういうキャラなので、などと言って他の探索者の足を引っ張れば顰蹙を買うだけだろう。自然と全員で協力して、『試験』のクリアに挑むというシナリオ上の都合に合わせたストーリーに帰属させられてしまう。プレイヤーVSプレイヤーの対戦ゲーム的な要素を取り入れたTRPGも存在するが、その場合でもキャラが死んでしまえば顰蹙は不可避だ。対戦ゲーム要素は、敗者を生む。負けたプレイヤーは面白くは無いだろう。ただし、シミュレーターの場合は事情が異なる。そもそもシナリオというシミュレーターにキャラを放り込んだ結果がどうなるかを観て楽しんでいるので、結果的に死んでも誰が悪いわけでも無い。組み合わせの妙だ。2体目の探索者を素早く投入しよう。
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by cemeteryprime | 2015-11-18 18:56 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】シミュレーターとしてのRPG

RPGの本質
RPGとはどういう遊びか。端的に表現すると、参加者全員でストーリーを作り上げていく遊びである。それを支えるシステムが所謂RPGのゲームルールであり、その本質はシミュレーターである。

この辺りは、RPGの元祖であるD&Dが誕生した経緯を見てみれば判り易い。D&Dは、ミニチュア・ウォーゲームやウォー・シミュレーション・ゲームの流れを組んで誕生した遊びである。戦場というマクロな世界から、ミニチュア単体のミクロな世界に焦点を移したシミュレーション・ゲームがRPGなのだ。

シミュレーターという玩具
ウォー・シミュレーション・ゲームの様に、シミュレーションとゲームは融合しえるが、シミュレーション自体は、本質的にはゲームでは無い。シムシティ・シリーズなどは、勝利や敗北の概念が無い、代表的な非ゲームのシミュレーションだ。シミュレーションの面白さの本質は、弄って遊ぼうである。それ故に、ゲームでは無く玩具に近い物だと表現される。
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もしも~をしてみたら、どういう反応が起こるか。シミュレーターは、このもしもを再現するシステムだ。RPGでは、このもしもを使ってストーリーを作り上げていく。もしも、ピッキングを試みると成功するだろうか。もしも、この主人公が2階から飛び降りてみたらどうなるだろうか。もしも、ブルドックと戦ってみたらどういう結果になるだろうか。

『主人公が目を覚ますと、何処かの2階に監禁されていました。逃げ出そうと、ピッキングを試みましたが2階のドアは開きませんでした。仕方が無いので窓から飛び降りた所、転んで腰を強打してしまいました。よろよろと逃げ出そうとすると、庭にいた番犬に襲われて食い殺されてしまいました。』と、まぁこんな感じである。

シミュレーターとしてのシナリオ
ストーリーを作るには、目的、行動、結果の3つがあれば良い。何かしらの目的を持った主人公が、それを達成する為の手段を選択する。選択の結果は、RPGの場合はシミュレーターとしてのシステムがはじき出す。例えば、彼女が欲しい主人公が、目の前の女性を口説く。言いくるめ(30%)で判定し、結果は失敗に終わる。いまいち口下手な主人公は、女性を口説くことは出来なかったのだ。

ただ、ここで終わると単なる中途半端な経過報告だ。ストーリーになるには、何かしらの変化というオチが必要になる。主人公が成功するまでナンパを繰り返し、30人目でようやく成功したとする。その時、初めて苦手なナンパで彼女が出来たという苦労話として成立する。もしくは、途中で美人局にあってボコボコにされてもう彼女なんて要らねーよと心変わりしたとする。この場合は失敗談としてオチが付く形になる。
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大雑把なイメージとしては、シナリオはこんな形で機能する。もしもこの主人公が上記の行動を、呪われた漁村のインスマスでやるとどうなるか。山奥のダンウィッチでやったらどうなるだろう。多分、異なるストーリーが展開するはずだ。RPGのシステムが、行動を入力して行動結果を出力するミクロなシミュレーターだとするなら、シナリオは主人公を放り込んで何らかの変化を引き起こすより複雑でマクロなシミュレーターとして機能する。

RPGとしてのシナリオ
RPGで作り上げられるストーリーとは、正に上図の構造を持っている。探索者(ビフォー)が導入で、シナリオ本編があり、探索者(アフター)という変化の結果がストーリーのオチになる。

もしも~な状況に放り込まれたらの部分が、例えば何かしらの事件だったとする。実際の所、ストーリーとしては事件がどうなったかはどうでも良いのは理解出来るだろうか。彼女が欲しい主人公が、女の尻を追いかけて連続殺人事件に巻き込まれて、別に事件は解決しなかったものの、事件が切掛で彼女が出来たというオチが付けばそれは、ストーリーとしてハッピーエンドで綺麗にまとまっていると言える。

以前の記事で触れた『試験』型のゲームシナリオではどうしてもこの事件を解決できるかどうかを『試験』内容として中心に採用しがちになる。彼女が欲しくて悶絶していた主人公が、唐突に女っ気の無い連続殺人事件に巻き込まれて、無事に事件が解決した所で、一体なんだと言うんだ?という状況になりやすい。シナリオはクリアしたものの、いまいちストーリーとしてしっくり来ないケースは、こんな感じでは無かろうか。

ストーリーにおいて重要なのは事件の内容では無く、主人公に起こる変化の部分だ。要するに、主人公である探索者こそがストーリーのメインなのである。シナリオ内容は、基本的にストーリーのフックでしかない。ストーリーの導入である探索者の日常や、探索者のその後はセッションできちんと語られているだろうか。導入も、エンディングも無いストーリーになっていやしないだろうか。もしや導入が、探索者同士を合流させる為だけのシークエンスだと考えているなら、それは誤解だ。映画でも小説でも漫画でも、どんなストーリーにも導入部は存在している。必要だからだ。

長くなったので、具体的なRPGとしてのシナリオ形式については次回へ。
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by cemeteryprime | 2015-11-18 11:28 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【クトゥルフ神話TRPG】何故、脱出系シナリオが多いのか

蔓延する閉鎖空間
 ネット上で公開されているクトゥルフ神話TRPGのフリーシナリオを探すと、妙に脱出系シナリオが多い事に気付く。偏見もあるかもしれないが、リプレイ動画などでも有名どころは大抵が閉鎖空間からの脱出がモチーフになっている。唐突に謎の異空間で目を覚まし、ニャルラトテップやチャウグナー・フォーン辺りの仕業で終わる様なタイプのシナリオの事だ。

 こうした蔓延は、考えてみれば少し不思議な現象である。クトゥルフ神話TRPGのルールブックに掲載されているシナリオサンプルには、この手の閉鎖空間系シナリオは存在していない。収録されているシナリオは、どれもプレイヤーが自発的に町や村を歩きまわり、図書館や住民から情報収集するタイプで、閉鎖空間系が舞台のシナリオは1つも存在しない。ソースブックでも事情はほぼ同じで、唯一日本オリジナルのソースブックで僅かに閉鎖空間系シナリオが確認出来る程度だ。

閉鎖空間系シナリオの出自
 そもそもRPGで、町やその住人が一切出てこないゲームを幾つ挙げられるだろうか。ファンタジー系RPGでは、主人公一行は当然の様に広い世界を冒険する。およそのRPGのシナリオ・モチーフは冒険や成長で、町から町へと旅をして色々な人と出会うのが一般的だ。

 唐突に閉鎖的な環境下に放り込まれて、モンスターから逃げまわりながら脱出を目指すのは、どちらかと言えばRPGでは無くアドベンチャー・ゲームに特有のシナリオ・モチーフだ。そもそもホラーゲームというのは、一般的にRPGでは無くADVである。犯人探し的なミステリー要素や、謎めいた暗号解読といった要素といった、パズルやナゾナゾはADV特有のゲーム要素だ。

 以上の性質的な特徴を踏まえれば、閉鎖空間系シナリオはどちらかと言えばRPGではなくADVを志向したものだと判る。イメージとしてはホラーADVを、TRPG風に遊ぶためのシナリオという表現が近いかもしれない。

ADVとRPG
 しかし、RPGとADVは異なる性質を持ったゲームだ。RPGのゲーム性はシミュレーションであるのに対して、ADVのゲーム性はパズルである。シミュレーションは、課題に対して様々な解法をぶつけて、その反応を楽しむ。一方のパズルは推理力や計算力を問うもので、用意された正しい解法を発見する遊びだ。

 ADVをRPGの様に遊ぼうとすると、当然の様に拒絶反応が生じる。TRPGにおいて、シナリオ事故だとかシナリオ崩壊と呼ばれる不具合がそれである。ADVのストーリーは、用意された道筋に沿ってしか展開しない。プレイヤーが自由にシミュレーション的な反応を引き出してストーリーを作っていくRPG的な遊び方をすれば、用意されたADV的なストーリーラインは崩壊する。

拒絶反応と対処療法
 この不具合に対処するには2つの方法がある。RPGのシナリオをRPGの様に遊ぶのが正解だが、どうしてもADVのシナリオを使いたいなら、ADVの様にしか遊べない様にする対処療法的な手段が必要になる。自由な行動がストーリーラインに影響が無い様にすること。プレイヤーの行動の自由を奪い、出来るだけコマンド選択式ADVの様にしか振る舞えない様にしてしまう事などがそれだ。

 これをやるのに理想的な舞台が、閉鎖空間だ。行動範囲や利用できるリソースを幾らでも制限出来る。この辺りに閉鎖空間系シナリオが蔓延する理由がありそうだ。
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by cemeteryprime | 2015-10-21 01:09 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

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