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【ドラマ感想】仮面ライダージオウ

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仮面ライダージオウが最終回を迎えた。久々に最後まで観た平成ライダーなので、感想を書いておく。

結論

面白かった。始まった当初はまたディケイドみたいな事をやるのかと何の期待もしていなかった訳だが、何だかんだで面白く、久しぶりに最終回まで完走し、尚且つ明確に面白いと良い切れる作品となった(仮面ライダービルドは最終的に糞だった)

本編とは異なるトゥルーENDルートである劇場版も傑作だったので(別に感想記事を書いた)、是非観て欲しい。

あらすじ/概要

主人公は、将来の夢は王様になることだという、ちょっと変わった高校生の常盤ソウゴ。しかし、50年後の未来において、常盤ソウゴは最強にして最低最悪の魔王オーマジオウとなって世界を支配していた。

そんな魔王の誕生を阻止すべく、未来でレジスタンスとして戦っていたツクヨミと明光院ゲイツという二人の人物が、現代へとタイムスリップして来る。

一方その頃、同じく魔王オーマジオウの誕生を阻止し、歴史を改変しようとする謎の集団タイムジャッカーが暗躍。平成ライダーの歴史を改変して、オーマジオウとは別の王を擁立しようとしていた。

そして、何やかんやで、仮面ライダージオウに変身し、オーマジオウへの道を歩み始める常盤ソウゴ。良い人そうに見える、ソウゴは本当にあの最低最悪の魔王であるオーマジオウになってしまうのか…。

面白さ

まずは、何といっても歴代の平成ライダーのゲスト出演が良かった(ファン的に)。ジオウの序盤は、歴史改変を目論むタイムジャッカーが、過去(各平成ライダーの世界)に飛んで、別人をライダーに仕立て上げ、それが未来である現代に影響を与えるという展開が続くのだが、その過程で、本人出演の過去の平成ライダー世界が描かれるのが良かった。

過去に仮面ライダーディケイドも似たような事をやったのだが、その時は本人出演が難しかったのか、基本的には二次創作的な似て非なる平成ライダーの世界を訪問するみたいな内容だったので、本物の平成ライダー世界訪問をやった今作は、それだけでテンションが上がった。

更に、途中からは過去に飛ぶのでは無く、あれから〇〇年後の平成ライダー世界を描くパターンも入り、原作のアフターが公式で描かれるという展開になったので、尚更ファンには嬉しいサービス映像となった。

平成ライダーを総括する

もう一つのポイントは、主人公が最善最高の魔王を目指すというコンセプトで、過去の平成ライダー達から直接学び、パワーを受け継いでいく展開だ。これもまた、似たようなコンセプトだったディケイドには欠けていた要素で、平成ライダー史を総括して「最強かつ最高の主人公≒何かしらの“答え”」を目指すというストーリーは、最終的に最低最悪の魔王になるという不吉な予言とセットで、否が応でも続きが気になる、結末が気になる仕掛けである。

ちなみに、仮面ライダーディケイドは物語の結末として、ディケイドには物語など無い≒これは単なる玩具の宣伝であるという、ストーリーとしては最低のメタな結論に着地してみせた。個人的には、それに対して「舐めてんのか…死ねよ…」という当然の感想しか抱かなかったので、尚更、仮面ライダーディケイドのやり直しに近いコンセプトを感じる、仮面ライダージオウを面白く感じたのだ。

劇場版 仮面ライダージオウOverQuartzer

そして劇場版である。劇場版は、いきなり先に述べたジオウのコンセプトを丸ごとひっくり返して見せる。詳しくは、劇場版の方の感想を参照して貰いたいが、劇場版はTV版の内容をひっくり返して、平成ライダーシリーズ完結編としての、限りなく正解に近い(そして最高な)トゥルーENDを提示したのである。では、劇場版がトゥルーENDなら、TV版の最終回はどうなるのか…?

ノーマルEND?いや、バッドENDTV

では、TV版はどうなるかと言うと、仮面ライダーディケイドのやり直しというコンセプトのままに、ストーリーが進んでいく。

故に、TVシリーズのラスボスは仮面ライダーディケイドの力を奪い自らが王になろうとするアナザーディケイドである。(流石にディケイド本人はラスボスでは無く、ディケイドを善玉と悪玉に分割した形だ)

結局、恐るべき敵であるアナザーディケイドを倒す手段は1つしかなく(また諸々の悲劇なども加わって)、主人公は自ら平成ライダー史を総括する究極体であるオーマジオウへと変身してしまう事になる。

ストーリー的にはエモーショナルかつ、カタルシス溢れる形で描かれているので誤魔化されてしまうがが、劇場版とは異なり、主人公はオーマジオウになるという未来を回避する事に失敗するのである。これは間違い無くバッドENDルートだ。

ただ、この辺は上手いなと思わせられるのは、バッドENDに見せない描き方をしている点である。一見、爽やかで、ポジティブな結末に見えなくもないのだ。また、これにより続編製作の余地も生まれている(実際、続編的OVAの製作が発表されている)。

ただ、最終話を観た後に、改めて第1話を観ると、ラストの選択が決して褒められたモノでは無かったという事が分かるので、気になった人は第1話を見返してみよう。

総括

これはバッドENDだという否定的にも取れるニュアンスでTV版についての最終回を語ったが、仮面ライダージオウは劇場版とセットで成立している作品だと思うので、個人的にはむしろそれで正解だと思っている。

実際にジオウという作品がやってみせたのは、当初から予定されていた最悪の未来である魔王オーマジオウへの変身というバッドENDを避けずに、きっちり描いた上で、劇場版でトゥルーENDを描くという離れ業なので、むしろ感心すべきだろう。しかも、バッドENDをバッドENDだと気付かせない演出で描き、末広がりなポジティブさを持たせたのだ。これは凄い。

仮面ライダージオウを楽しもうと思うと、ある程度の平成ライダー知識などが必要になるので、万人に勧められるかどうかは怪しいが、最近はいまいち面白くないので平成ライダーから遠ざかっていた的なオタクは、観て損は無いはずなので、是非観てみて欲しい。


by cemeteryprime | 2019-08-28 00:51 | 作品・感想 | Comments(0)

【映画感想】劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer

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劇場版仮面ライダージオウOQを観たので(先週の8/8)記憶を頼りに感想を書く。

結論

傑作。劇場で泣いた。

そもそも仮面ライダーの劇場映画はわざわざ観に行ったりしないのだが、ジオウOQTwitter上での評判がやたらと高かったのと、ジオウは平成ライダーシリーズで久しぶりに面白いなと思って毎週観ていたので、観に行ってみたら見事に期待以上の内容だった。

あらすじ/概要

平成ライダーの全てのパワー(ライドウォッチ)を集めた仮面ライダージオウこと常盤ソウゴの前に、謎の集団クォーツァーが現れる。そして、常盤ソウゴが、ジオウに選ばれたのも、全てはクォーツァーの陰謀だった事が明らかになる。クォーツァーの目的は、世界観がバラバラな平成ライダーシリーズを綺麗にまとめること。つまり、過去の平成ライダーからウォッチを集め、平成ライダーシリーズを総括していく仮面ライダージオウという作品自体が、クォーツァーの陰謀だったのである。そして今、陰謀は成就してしまった。どうする常盤ソウゴ、どうする仮面ライダージオウという番組…!

…という感じの仮面ライダージオウのもう一つの最終回といった内容。あと戦国時代にタイムスリップして云々という話も、プロローグ的に入る。

面白さ

ジオウOQは、端的に言えば歴史をテーマにしたメタフィクションである。この物語の敵組織であるクォーツァーは「お前たちの平成って醜くないか?」という台詞の下に、平成という時代(歴史)を、平成ライダーシリーズを通じて、もっと言えば仮面ライダージオウという作品を通じて、総括しようとしている。

しかし、実際には平成という時代には、平成ライダーシリーズ以外にも、仮面ライダー作品が幾つか存在している。仮面ライダー作品のみに焦点を当てていてもそんな感じで、クォーツァーの総括からはみ出た作品が存在している。なので、当たり前だが、平成という時代には仮面ライダージオウという作品だけでは総括しきれない豊かさが溢れている事に気付かされるのである。

つまり、仮面ライダージオウOQという作品は、歴史を振り返り総括するという行為の乱暴さに焦点を当てた作品なのである。歴史の表舞台に立つ作品、そもそも表舞台に立てなかった作品。現実の歴史は、そうした多種多様な存在の蓄積であり連続なので、綺麗に整っていないのがむしろ当たり前なのだ。

このテーマは普遍性があるので、平成ライダー作品を特に知らない人でも、ジオウ本編を観てない人でも、それなりに楽しめる様になっている(と思える)。歴史を総括する事の難しさ、雑に総括してしまう事の乱暴さ、そして整ってはいないありのままの歴史を受け入れる事が、多様性の肯定にも繋がるというメッセージ。正直、急にどうしちゃったの???と言いたくなるくらいのリテラリーの高さである。

ジオウの否定と、その先のメッセージ

とは言いつつも、やはりTV版の仮面ライダージオウを観ているに越したことはない。冒頭でも述べたが、ハッキリ言って、仮面ライダージオウは、最近の平成ライダーシリーズの中で割と突出して面白い。

その面白さには、平成ライダーシリーズ総決算的なファンサービス要素も多いのだが、過去のライダーを踏まえて最高最善の魔王を目指すというコンセプトの下、平成ライダーシリーズの総括を目指している点にある。

実は平成ライダーシリーズが登場するメタな作品という点では、これまでにも仮面ライダーディケイドという作品があったのだが、ディケイドの場合は、複数の作品世界をフラットに消費するという、脱物語な着地をしてみせた。この脱物語というのが個人的には最低で、要するに堂々と仮面ライダーシリーズという商品をカタログ的にPRするだけのストーリーの無い映像作品として終始して見せたのである。もともと玩具の販促番組である事を踏まえれば批評性が高いとも言えるが、ある種の開き直りに近い。

このディケイドという大惨事(主観)から約10年、仮面ライダージオウは、あくまで物語として平成ライダーシリーズを総括しようとしていた。それ故に、きっちりストーリー作品として凄く面白く感じていた訳なのだが、なんとジオウOQではいきなりその点に疑問を呈して見せたのである。ジオウ本編が面白いからこそ、これは衝撃的だった。

そして、単に疑問を呈するだけではなく、きちんと疑問に答える素晴らしいアンサーを提示して見せた。この衝撃を十二分に理解する為にも、やはりTVのジオウ本編は観て置いて欲しい。

スパイダーバース的演出

少し話が変わるが『スパイダーマン:スパイダーバース』という作品を観た時に、平行世界(本来同じ世界に属していない)のヒーロー達が集結する構造って、よくよく考えると平成ライダーでしょっちゅうやってるやつだよなーと思った訳だが、今作ではそんなスパイダーバースに対するアンサーともとれる演出が出て来た。

なぜ急にこんなリテラシー高めの作品が…?という疑問の背景には、日本の老舗ブランドである仮面ライダーシリーズからの、MCUやスパイダーバースなんかの最近の良質なアメコミ系作品への建設的な対抗意識が幾らかあるのかな?と思ったり。だとすると喜ばしい流れである。

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テーマは平成

もう一つ、語っておきたいのは平成というテーマである。この映画を観た時に思ったのは、ありがとう平成ライダーシリーズというより、ありがとう平成だった。

雑に平成を総括しようとするクォーツァーに、歴史ってそんなもんじゃねーぞとアンサーを叩きつけるストーリーの構造上、MCUの『アベンジャーズ・エンドゲーム』が、取りあえずMCU映画を全部観とけばOKという話になるのに対して、ジオウOQの場合は、平成ライダーシリーズに加えて、平成ライダーから漏れた仮面ライダー作品や、その他の平成ネタの数々まで出て来る。平成ライダーシリーズが好きで追いかけている、昭和生まれの人間であれば、特に予習も必要無いのだが、そうじゃない人にはとことん拾い難いネタが多い。

これはCMでもネタバレされているので言及するが、そうした要素の1つが木梨憲武の仮面ノリダーである。この映画には、仮面ライダーとして歴史に認められなかった男として、仮面ノリダーが主人公に助言をする割と重要な役回りで登場する。平成ライダーシリーズから漏れているどころか、仮面ライダーですらないキャラである。そして、確実に昭和生まれのおっさん(おばさん)にしか分からないであろうネタである。他にも、たまたま当時テレビを観てないと知らないだろこれ…みたいなTVネタが平成ライダー史の一部として登場したりする。

こうした諸々の要素は元を辿れば、日本に平成という独自の時代の区切りが存在していたからこそ成立した、そしてずーっと仮面ライダー作品が作られていたからこそ成立したタイプの作品なので、結論としては先述の様に平成ありがとうという話になるのである。

平成が昭和みたいに60年くらい続いていたら、こうした企画は成立出来なかっただろうし、天皇の生前退位により平成から令和への時代のシフトがお祭りムードで行われた事も大きな一員になっているのは間違いない。

クォーツァーというメタ存在

そもそも僕はメタフィクションが好きなので、大きな物語である歴史についてのフィクションであり、平成ライダーシリーズについての作品でもある仮面ライダージオウは、ジャンル的に大好物だと言える。

今回、特にメタ的にヤバい存在なのがクォーツァーである。平成を総括するという発想や、平成ライダーシリーズを総括するという発想は、物語を外から俯瞰している立場の人間にしか不可能である。つまり、クォーツァーは作中の登場人物でありながら、自分たちが今まさに特定の作品の中にいる事を知っているのである。

そんな中でも、特にヤバいのがウォズというキャラクターである。ウォズは、ジオウのTVシリーズにおいてもメインキャラの一人で、主人公の仲間なのだが、今作でクォーツァーのメンバーだった事が明かされる。そしてそのウォズの裏切り以上に衝撃的だったのは、ウォズの第四の壁を破る能力である。

ウォズは、TVシリーズにおいて、ナレーションや語り部的な役割をしていたのだが、あくまでそれはTV番組的な演出だと思っていた。未来の事が記された本も所持していたが、それは単に未来から来たキャラだからと思っていた。しかし、今作でウォズは明確かつ意図的に第四の壁を破る演出を多用するのである。

何故なら、ウォズはクォーツァーのメンバーであり、仮面ライダージオウという作品をメタ的に認知しているからである。当然、仮面ライダージオウの世界を作品として観ている観客の存在も認識していたのだ。第四の壁を破る能力を持ったキャラは、デッドプールなんかが特に有名だが、基本的にはそうした演出はコメディ作品に特有のものである。クォーツァーは、真面目なメタ存在として、第四の壁を破ったのである。基本的に子供向けである夏休み仮面ライダー映画でそんなことやる??という感じだ。

でも、やったのである。この辺が、仮面ライダージオウOQが傑作だと思う理由だ。子供向け映画だし、いまいちしょうもないスーパー戦隊映画と同時上映なので、割とハードルが高いが、時間があれば旬を逃さない為にも是非劇場で観に行って欲しい。


by cemeteryprime | 2019-08-17 01:32 | 作品・感想 | Comments(0)

【ドラマ感想】仮面ライダービルド(第14話~49話)

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仮面ライダービルドを観終えた。が、スカイウォールの惨劇の影響で、最終話直前の48話が録画されていなかった。

結論

微妙…!でも、観るべき。

この作品、設定なんかは非常に面白いのだが、脚本家にそれを回収するスキルが無いし、何よりドラマが下手なのである。

というより、ドラマが下手だからこそ、重めの面白くなりそうな設定を沢山投げておいて、後は何となくエモい展開にして、そのまま逃げ切るという戦略を意図的に取っているのでは?という気もする。

ただ、設定の回収の仕方が、本当に表層的かつ不誠実なので、設定が変に重めな分、ストーリーに不味いメッセージ性が帯びてしまったりしている。そういうストーリーテリングの不味さや下手さを考える上での参考になる作品なのである。

脚本は武藤将吾という人物で、『ジョーカー 許されざる捜査官』は昔のブログに感想が残っているのだが、久しぶりに読み返すと、ビルドと悪い部分が見事に共通していてる。あと、一部界隈で悪名高い『シュアリー・サムデイ』の脚本家でもある。

Youtubeでシネマハスラーの『シュアリー・サムデイ』回を聴けるので、興味があれば聴いてみて欲しいのだが、指摘されている悪い点はビルドともほぼ共通しているので、ラジオでは監督の小栗旬が苦言を呈されているが、実は脚本の問題が大きかったのでは?という気がしてならない。

2人のモンスター

ビルドは桐生戦兎と万丈龍我というダブル主人公システムをとっている。桐生戦兎の正体は人体実験をしていた外道な悪の科学者だった訳だが、万丈の正体も異常出生(妊娠期間2カ月)で生まれたエイリアン(妊娠中の母親にエイリアンが寄生して誕生)だった。

なんと主人公が二人ともタイプの違うモンスターだったのである。仮面ライダーには人の為に戦う、人外というテーマ性があり、これまでにも戦いの過程で人間じゃなくなったり、実は怪人だったり、モンスター種族とのハーフだったりと、色々あった訳だが、そんな中でもなかなか重いタイプの“モンスター”性だと言える。

ただ、設定は重いのだが、作中での扱いは軽く残念だった。戦兎のマッドサイエンティスト設定も、それなりの理由があったみたいな感じの描写で、最終的には特に総括されることなく有耶無耶になったし、万丈に至っては、理屈は不明だがエイリアンの遺伝子を抜いたり入れたりで、コロコロ人間とエイリアンの属性が切り替わったりしていた。

戦争編

13話以降の展開として、東都が北都や西都との戦争に突入するというものがある。その為に、スカイウォールで日本を三分割した訳だ。

仮面ライダーで戦争というテーマを扱った事自体は、なかなかチャレンジ精神に溢れていて、面白いと思ったのだが、これまた作中での扱いは軽く、このテーマを活用するには力量不足だったと言わざるを得ない。

また、主人公2名と戦争というテーマの相性もあまり良く無かった。というのも、戦兎も万丈もいまいち過去がスカスカで、生活感が薄いキャラだからだ。二人とも地元に普通の知り合いや友達がいる気配は無く、地元密着感に欠けている。なので、平和の為に戦う以上の、具体的な動機や切実さが無かった。

ただ、その点を補う為に戦争に対して切実な動機を持つ、アニキと玄徳という2人の仮面ライダーが投入されていた。特にアニキ役は、仮面ライダーキバにも出演していた武田航平で、手堅く押さえに行くキャスティングだったのかなと。

ただ、基本的にテーマの扱いは概念的&表層的過ぎるし、ドラマとして上手く描けない部分は全部セリフで説明させちゃう(時には魂の対話形式とかで)感じ。日本が三分割されて、内戦しているという割には、数人の登場人物が極めて内輪なノリで、国を運営したり戦争をしたりという、なんちゃって戦争描写だった。

戦争をテーマにする上で、一番致命的だなと思うのは、描写が内輪的でスケールが無いのと並行して、一般市民の存在感が異常に希薄だった所だろう。また、名前のあるキャラ以外(モブ兵士等)は、明らかにいっぱい死んでいても特に触れられる事も無かったりという所もバランスが悪かった様に思える。

また、戦兎に関しては科学者キャラなので、戦争による科学の進歩というテーマでの絡みもあった。ただ、戦争による必然性で科学は進歩するという部分が語られるだけで、それ以上のモノは特に語られず、それによって発生するコラテラルダメージ的なモノは、結局結果良ければ全てよしみたいな理屈で有耶無耶になっていたので、これまたテーマを描ききれてないな感が強かった。

戦兎の多重人格化

戦兎の正体が、葛城巧だったという展開も、オチの付け方が酷かった。記憶が戻ってからも、戦兎は佐藤太郎のガワを被ったまま、戦兎という新しい人格として振舞い、マッドサイエンティストであった葛城巧をきちんと受け止めなかったからだ。

要は、過去の罪はあくまで葛城巧という人物にあるという、他人事的なスタンスを貫いたのだ。作中でも、自分の内部にある葛城巧という人格と対話してみせるシーンなどがあり、明らかに都合の良い多重人格的に描いていた。

そりゃあ、葛城巧に本当の意味で戻ったら、人体実験を繰り返した過去の罪を受け止める必要があるし、何より容姿がイケメンから如何にも理系のキモオタ的な顔に戻ってしまう。

最悪のオチ

最終的にビルドは、マルチバース理論が登場して、今の世界を救うには、並行世界と融合させて、全てを無かった事にするしかない!と、意味不明な展開になる。それによって、スカイウォールや、恐らく火星探査自体も無かった世界に戻るというのだ。

結局、主人公2名だけが記憶を残して、そういう理想の世界が実現するのだが、これって、正直この2人だけが、ボロボロに崩壊した世界を捨てて、平和な並行世界に脱出したのと、どう違うのだろうか。

一応、自分たちしか元の世界の記憶が無い孤独みたいなものを、匂わせてはいたが、個人的には世界ごと全てをチャラにして逃げた様にしか見えなかった。戦兎は戦犯的な過去を捨てて、イケメンの顔を手に入れたまま、逃げ切った訳だし、万丈も何やかんやで人間に戻った訳だし。

夢落ちレベルの最低の結末だと言える。

まとめ

脚本家の処理の仕方が不味いので、ストーリー性やメッセージ性という意味では、最低と言えなくもない作品になっているのだが、冒頭で述べた様に退屈でツマラナイというより、可能性はあったが最低な方向に舵をきったが故の最低さなので、観る価値はある。

あと、久しぶりに平成ライダーを全話観て思ったのだが、マゾヒズム的な自分に鞭打つ行為を肯定的に描いていたり、闇雲レベルでも自己犠牲を払うのが尊いみたいな価値観や、自己満足感しかないヒーロー観やハッピーエンドを仮面ライダーで描くのは、子供番組だからこそ、教育上あまり宜しくない訳だし、時代的にそろそろ有害なのでは?という気はする。

今時の海外のヒーローモノ(ファミリー向け作品)って、それなりにリベラル(まともな)な価値観を提示するし、独り善がりな正義は良く無いよというメッセージもきちんと発信している気がするが、それに比べるとかなり後進的なと思える。平成ライダーの脚本家を色んな業界から連れてきて試行錯誤するのも良いけれど、そういう現代のヒーローモノについての、リテラシーがある程度ちゃんとある人間を連れて来た方が良いのでは無かろうかと、今回のビルドを観て特に思った。


by cemeteryprime | 2018-09-11 11:27 | 作品・感想 | Comments(0)

【ドラマ感想】仮面ライダービルド(第1話~13話)

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ジオウが始まったので、ようやく仮面ライダービルドを観始めた。正直、まとめて観る為に録り貯めていたのではなく、面白く無かったので早々に観るのを止めていた訳だが(経験上、最初の数話が面白く無いドラマは最後まで面白く無い)、実際観ていると大枠のシナリオやテーマ自体はそれなりに面白い事が分かった。

ただ、基本的にドラマ部分があまり上手く無いというとか、ストーリーテリング自体は下手だなと感じた。リアリティ・ラインもブレブレで安定しないし、余りにも段取り臭い(不自然でぎこちない)なという場面が多い。

あらすじ

主人公の桐生戦兎は記憶喪失の天才科学者で仮面ライダー。もう一人の主人公の万丈龍我は、殺人犯の濡れ衣を着せられた逃亡犯。

舞台は、良く分からん裂け目によって日本が三国(北都、西都、東都)に分裂した世界で、主人公たちがいるのは東都。

1-13話では、取りあえず人体実験とかやっている悪の秘密組織なファウストと戦いながら、怪人と戦ってフルボトルというガイアメモリー的なモノを回収しつつ、万丈は自分の冤罪の真相を探るみたいな話になっている。

ネタバレ

既に放映も終わっているシリーズなので容赦なくネタバレすると、戦兎の正体は、ファウストで働いていて仮面ライダーシステム等も開発したマッドサイエンティスト(人体実験とかしていた)の葛城巧だった。万丈は葛城巧を殺害した犯人として指名手配されていた訳だが、実際に殺されたのは戦兎の姿の持ち主である佐藤太郎という人物で、死後に姿形を入れ替えられ、葛城巧は真犯人によって記憶を消されていたというのが真相であった。

更に、記憶を失った戦兎が仮面ライダーをやっていたのも、仮面ライダーシステムを進化させる為に誘導され、利用されていただけだったと判明する。

ついでに、ヒロインも当初はファウストにてフルボトル製造(浄化)をさせられていたのだが、ボトルが悪用される事に気付き、協力を拒むようになった為に、意図的に脱走させられ、仮面ライダーのサポート役として、正義の為に進んでフルボトル製造を手伝う様に仕向けられていた。そして全ての黒幕は、ブラッドスタークであり、その正体はおやっさんポジションの石動惣一であった。

面白さ

まず主人公の正体は、平気で人体実験を繰り返すマッドサイエンティストだったという話で、これは今までのライダーにおける、正義の心を持ったモンスター(人外)とは真逆の存在…モンスターの心を持った人間なのが面白い。

そして、もう1つのテーマは、戦争や犯罪に悪用されがちな危険なテクノロジーは、それ自体に罪があるのかというもの。主人公は、いわゆる科学オタクなキャラなので、テクノロジーそれ自体に罪は無く、使う人間の問題だと最初は主張していたのだが、自分の正体を知り、自分たちがまんまと利用されていた事を知り、その価値観の雲行きも怪しくなってくる。

ちなみに、この作品における仮面ライダーシステムには、舞台が三国分裂状態で内戦状態に近い日本なのも相まって、明確に当初から軍事利用を目的としてテクノロジーであるという特徴がある (デザイン的にとてもそうは見えないが)。これも、他のシリーズと比較して一線を画している部分な気はする。

主人公の、記憶を失い仮面ライダーとして善行を積むようになったが、本人は覚えていなくても、償い様が無い邪悪な過去があるという特徴もまた、何をするかではなく、存在自体に罪があるのかどうかという問題意識に絡むテーマになっている。

…とまぁ、コンセプト・レベルだとそんなに悪くない気がするのだが、最初に述べた様に、実際には色々と残念な作品なのである。

デザイン等について

初見では仮面ライダーWの二番煎じやんけ…と思ったデザインは、今の所、印象は変わらず。結局所、ガイアメモリーをボトル状にしただけ…な印象が強く、ボトルだからこそな面白みを感じる演出等も特に無し。まぁ、子供向けの玩具としては、シャカシャカ振るというギミックは、面白い違いなのかもしれないが。

組み合わせのベストマッチが設定されているせいか、色んな組み合わせが出来るというギミックも、ダブル程には活用できていない印象がある。追加武器も、最初から特定の組み合わせのボトルが前提になっているみたいなモノばっかだし。

途中でボトルの争奪戦みたいになる感じは、オーズのメダルだし。もうちょっと何かしらの、モチーフ的なオリジナリティは欲しい所。

あとアンドロイド兵のデザインは、ミリタリー要素もあるし、近未来のロボ警官的な要素もあって、なかなか良いと思うのだが、合体して巨大ロボなるみたいなアレは、蛇足というか何というか。どう考えても、普通に巨大な戦闘用ビークルみたいなのを、別で用意した方が格好良くない?という気がする。そこだけ急に、戦隊シリーズの雑魚敵みたいになるのは、何なんだ感。

ついでに

どうでもいいけど、平成ライダーは、もうちょっとドラマ的なコメディのセンスがあればな~と思う場面が多い。そもそも論として、日本のTVドラマやTVドラマ出身の映画監督の作品全般にコメディのセンスが欠けている点はよく指摘される問題なので、贅沢言うなよみたいな話かも知らんが。


by cemeteryprime | 2018-09-05 11:56 | 作品・感想 | Comments(0)

【ドラマ感想】仮面ライダードライブ (~36話)

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 長らく溜めていた仮面ライダードライブをようやく観た。溜めていた理由はシンプルで、5話くらいまで観たものの、一向に面白くならなかったからだ。最近ネタ的な形ではあるがちょくちょく話題に上がるようになっていたので、試しにまとめて消化した次第である。

結論
 結論から言えば、仮面ライダードライブはいつの間にか面白くなっていた。ただし、個人的にはちょっと面白くなってきたなと感じたのは20話目からだ。なので、シリーズとしては正直オススメし難い作品である事も確かである。20話目までは、正直つまらない。序盤で観るのが苦痛になって迷っている人がいるなら、取り敢えず20話目まで頑張って観ることをオススメする。

テーマ
 今作のテーマは機械だ。敵はロイミュードと呼ばれる機械生命体で、AI的な要素が強い。近年、AI技術は急速に発達してきており、映画等でも人工知能の叛乱は再びホットなネタになって来ている。

 敵であるロイミュードの目的は進化だ。ただし、ロイミュード達は機械生命体とは言うものの、結局の所は機械である。生物では無いので、進化や成長をもたらす強い衝動や欲求という物を持っていないのである。そこでロイミュードは人間を欲望ごとコピーし、進化の切っ掛けを掴もうとする。結果的に人間の欲望に従って暴れ回り、社会に混乱をもたらす構図になる。

人工知能と欲望
 平成ライダーシリーズには、過去に人間の欲望をテーマにしたオーズという作品が存在している。今作は、機械という切り口から、改めて欲望というテーマについても語る形になっており、人工知能ネタという点でもなかなか面白いアイデアに感じる。思考は欲望から生じる。欲求を自給自足出来ない限り、AIの自己進化はあり得ない。

 映画『チャッピー』では、ロボットボディにAIを固定し擬似的に寿命を与える事でこの辺りの問題をクリアしていた。あの映画でもチャッピーが急成長し始めるのは、自身の寿命を認識してからである。死にたくないという強烈な欲求がチャッピーのAIを成長させていた。

第20話
 ロイミュードの場合は、この問題を人間をトレースすることで解決した。ロイミュードがコピー元に犯罪者をよく選ぶのは、衝動が強烈だからか、刑事ドラマという都合上の物なのかは判らない。第20話では仮面ライダーの正体を探るという都合上、ロイミュードは捜査チームのメンバーであるオタクをコピーした。その結果、無害なロイミュードが誕生してしまった。ただ能力的にロイミュードだったので、オタク案件でブチ切れてしまって事件を起こし正体が露見してしまうのだが。

 このエピソードは、人間を守る使命を持ったロイミュードであったチェイスの味方フラグを示唆する物なのだが、同時に先に述べたようにロイミュード自体に善悪は無く、進化の為に人間をトレースした結果、犯罪を引き起こしているという人工知能故の特性を明確に示している。それ故に、このエピソードが個人的にはターニングポイントとして感じている。また、この辺りからストーリー自体もシリアス寄りになり、ストーリーテリング的にも攻めた演出が増える。クリフハンガーで次週につないでおいて、次週の冒頭で肝心のそのシーンを飛ばす演出は結構好き。

仮面ライダー
 今作の仮面ライダーは車がモチーフである。どこか得体の知れない人工知能と対比させる形で、人間の相棒としての機械の象徴になっている。と思われる。仮面ライダードライブが、もはやライダーじゃなくてドライバーな事は当初から色々とツッコミが入っていたが、しばらく観ていてば意図的な物であったことが判る。なぜなら、バイクがモチーフな仮面ライダーもちゃんと登場するからである。

 登場する仮面ライダーは全部で3名だ。仮面ライダードライブ、仮面ライダーマッハ、仮面ライダーチェイサーで、ドライブ以外はバイクに乗って戦う正真正銘のライダーである。

二人のライダー
 マッハとチェイサーは、はっきりと過去の仮面ライダーらしさを踏襲したキャラクターになっている。チェイサーは、人間を守るという使命感の下に戦うロイミュードだ。人外であり、反逆者であり、人間の守護者である。1点新しいのは、彼が正真正銘の人外である点だろう。人間の守護者である事をプログラムされた機械生命体というのは、正義の味方の在り方としてはなかなか合理的で斬新かもしれない。

 マッハは復讐者タイプだ。彼の父親はロイミュードを誕生させる切っ掛けを作った研究者であり、その事実を未だ知らない姉を悲しませない為にも一刻も早くロイミュードを皆殺しにして、過去を精算しようとしている。マッハは、自分の信じる正義の為に戦っており、独断専行的で、他人の誤解も厭わない。ビジランテ的で平成ライダーっぽいライダーだと言える。全てのロイミュードを憎んでいるので、当然マッハはチェイサーにもちょくちょく襲い掛かるのである。

仮面ライダードライブという試み
 従来の仮面ライダー像は、上記の様にライダーである2名がきちんと踏襲している。では、ドライブはどういう新しいヒーロー像を構築しようとしているのだろうか。

 主人公は刑事で、仮面ライダーだ。過去にも仮面ライダー剣や仮面ライダー響鬼という、仮面ライダーを職業にしていた作品が存在していたが、今作の場合はあくまで警察としての活動の一環として、仮面ライダーを活用している点で異なっている。仮面ライダーアギトにおけるG3ユニットと扱い的には近い物がある。ただ、G3の場合と違って、あくまで主人公の目的は犯人逮捕であってロイミュード討伐では無い。

職業ライダーとしての面白さ
 仮面ライダードライブでは、敵が間接的な攻撃をして来る事が結構多い。心理攻撃や、警察組織に圧力を掛けたりという様な手法である。主人公が圧力を受けて謹慎処分になって変身禁止にされたり、犯罪者の汚名を着せられたりもする。こうした間接攻撃は、職業ライダー要素と親和性が高く、ストーリーをより面白くしていると感じる。

 これには、仮面ライダーとして変身した戦う時に敵に負けては駄目という様な無茶なスポンサー的要求が影響しているのでは無いかと考えている。ライダーとして無敵なら、人間部分を攻めるしか無いのだ。その点、ハッキリと社会にコミットしている職業ライダーは弱点が多い。人外で一匹狼なライダーではこういう面白さは難しいのでは無いだろうか。

 チームものとしての面白さや、コミカルな面白さも狙っているが、その辺りは正直イマイチな感が強い。
by cemeteryprime | 2015-07-10 22:59 | 作品・感想 | Comments(0)

【特撮】仮面ライダー鎧武 総評 (感想)

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振り返って見ると葛葉紘汰、駆紋戎斗、呉島光実という異なるスタンスの3人を軸に綺麗にまとまっていたと思う。

葛葉紘汰は全体的な正義に殉じた。同じ虚淵作品でいうなら『まどか☆マギカ』の鹿目まどかが近い感じ。自己犠牲によって世界を救うタイプのキャラだ。結果的にオチ的にも『まどか☆マギカ』近いゴッド紘汰ENDに着地した。駆紋戎斗は個人の正義に殉じた。弱者が踏みにじられない世界を目指して、その為に終始強さを求めて戦い続けた。基本的に他人に自身の正義に対する理解を求めないので孤独でハードボイルドな生き方である。『鬼哭街』の孔濤羅だとか、『Fate/Zero』の衛宮切嗣だとか、個人的な印象としては虚淵作品の男性主人公はこのタイプが多いイメージだ。

ヒーローには、大きく2種類のベクトルが存在すると考えている。1つは自己犠牲や奉仕精神で他人や社会に報いる所謂"無私"タイプで、もう1つは徹底して自己の正義(仁義)を貫く”義侠”タイプだ。前者は救世主だとか、人を救う為に職業に殉じた様な人間である。後者は、義賊やビジランテなどの社会的には犯罪者だが民衆には支持されるような人間である。ヒーローと呼ばれる人間は概ねこの2種類のどちらかの要素を持っている。

葛葉紘汰は前者の無私タイプのヒーローに分類できる。駆紋戎斗は後者の義侠タイプのヒーローにどちらかと言えば分類できる。この2人はそれぞれの正義を貫き、共に人間を辞め人外化し、最後には対決することになる。対決は結果的に葛葉紘汰が勝利するが、勝利した葛葉紘汰はヒーローとして世界に君臨はせずむしろ世界から追放されることで自己犠牲的に世界を救済する。2人のヒーローは最終的にどちらも世界からドロップアウトしてしまうのだ。

そんな2人に対して、呉島光実はヒーローにはなれなかった。呉島光実は愛するものを守れれば他には何も要らないと仁義礼智信の様なあらゆるものを切り捨てて完全に人としての道を踏み外しながら、愛情だけを貫くものの最終的にそれすら失い発狂してしまう。キャラ的に例えるなら『まどか☆マギカ』の暁美ほむらが近い。愛する人さえ救えたら世界なんかどうなってもいいと全てを犠牲にしたにも関わらず救えないのである。

だがしかし、葛葉紘汰と駆紋戎斗と呉島光実の3人の主人公の内、最後に世界に残されるのはヒーローになれなかった呉島光実なのである。呉島光実の選択と生き様は、ヒーローどころか完全に外道にまで堕ちてしまうが、どこまでも人間臭く共感できるのだ。ヒーローとして生き方を貫いた2人が同時に人間をやめて異形化して世界からドロップアウトするのに対して、呉島光実はどこまでも人間として失敗を重ね地べたを這いずりまわるのだ。

こうした結論から、仮面ライダー鎧武の真の主人公は呉島光実だったと考えることができる。と、いうよりも呉島光実を主人公として捉え直すとストーリー構造的にも納得がいく点が多い。実際の所、表層的に主人公な葛葉紘汰やライバルにあたる駆紋戎斗は、殆ど内面的に悩まずブレないのだ。更に、葛葉紘汰と駆紋戎斗の本来ならば盛り上がるはずの最後の対決もかなり段取り臭くて雑になっている。葛葉紘汰と駆紋戎斗の両名が排除される展開と、最後は葛葉紘汰が”キセキ”を起こして世界をリセットするという展開は、最早ストーリーの本筋では無く単なる消化試合に過ぎないのであれば、こうした描写も不思議はない。

仮面ライダー鎧武は、ヒーローに憧れ、嫉妬し、挫折した”人間”呉島光実の物語なのだ。ストーリーは大いなる挫折物語ではあるものの、エンディングでは挫折から立ち上がろうとする呉島光実の姿が描かれる。考えれば考えるほど、これ以上無い綺麗な終わり方だ。名作。
by cemeteryprime | 2014-10-02 12:05 | 作品・感想 | Comments(0)

【特撮】仮面ライダー鎧武/~47話 (感想)

仮面ライダー鎧武が遂に最終回。全47話・・・短い!と思ったけど、フォーゼもオーズもそのくらいだった。

そんなに虚淵作品を観ている訳では無いけれど、良くも悪くも虚淵玄だったなーという印象。ダンス&フルーツという、無茶振りすぎるテーマで凄い頑張っていた感あるし、これまでの平成ライダー作品へのトリビュート的なものも盛り込まれてたしで、外部から脚本家として呼ばれて来ただけのパフォーマンスは見せてくれたかなと。平成ライダー作品としては普通にTOP5に入るくらいに面白かった。

ただ、単体の作品としては最後のゴッド紘太オチが・・・。最終回付近になると投げっぱなしになるというのは、割りと平成ライダー的には珍しくは無いんだけども、もうちょっとこう虚淵作品として新境地的なモノは観たかったかなみたいな。まどマギとほぼほぼ同じゴッドオチ。確かにまぁ、そういうオチしか無さそうな流れではあるんだけども。

鎧武の場合は、ヘルヘイムの侵食がある程度不可逆性を持っていたのが緊張感ある感じだったのに。正直、あそこまで何でもアリ感出されるとだったらロシュオは嫁を復活させるくらい出来たんちゃうんかとか色々考えてしまう。神エンドを持ってこられると、正直それまでの決断とか全般がスゲー薄っぺらくなってしまう気がする。ストーリー的には戎斗がオーバーロード化したところで実質終わってて後は消化試合やんみたいな。

紘太は割りと早い段階からキャラ性を失っていた。戎斗はオーバーロード化して最強化した時点でストーリーが終了していた。ミッチーはマイさん死亡の時点で発狂END。それ以降のストーリーは正直、蛇足でしょ。

戎斗はオーバーロード化した後に、急に共産主義世界を作るみたいな事言い出したけど、正直そんな事いままで言ってたっけ?みたいな感じでかなり唐突だったし。ミッチーが完全発狂してたっぽかった割にあっさり復活してた件に関しては言わずもがな。貴虎とか、そうとう前に死んでたやろ!

個人的には、あそこまでやったんなら最後はあらためて人間と戦うべきだったと思う。ユグドラシル本社が証拠隠滅を図ろうとしてとか、そんな感じで軍隊が乗り込んできたりすれば戎斗もすんなり人間社会を全て滅ぼすルートに移行できるやん。そして、紘太は沢芽市全住民の抹殺処分を決定した人間社会(回避手段無し)をそれでも守るんかみたいな究極の選択を迫られる・・・みたいな。

紘太的な主人公自身があっさり自己犠牲的解決策をとれるのは分かりきってるんだから、世界か沢芽市か(自分含めた)みたいな究極の選択ならどうなるかくらいまで突っ込んで欲しかった。周囲巻き込んでも同じ選択ができるのか。そこまで突っ込んでこそ、戎斗のいう弱者(少数派)を犠牲にする世界を滅ぼすという決断への真の解答になるんじゃないのだろうか。

作中での描き方だと唐突に極端な事いいはじめた戎斗をとりあえず紘太が止めました以上でも以下でも無いんだよなぁ・・・。

そんな感じで、作品的に正直最後の答えが出てないぞ的な不満は残った。ただし、結構いろんな正義のあり方を提示してみせるという点でミッチーみたいな選択肢とかいろいろ登場していて面白い作品だったと思う。
by cemeteryprime | 2014-09-28 22:51 | 作品・感想 | Comments(0)

【特撮】仮面ライダー鎧武/~35話 (感想)

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久しぶりに鎧武の感想。35話にして、普段なら最終話付近くらいの展開。密度濃い!

カイトがキャラ的にどんどんエクストリーム化していくかと思ってたけど、それ以上に状況がエクストリーム化してて逆にカイトが普通というか、割と周囲に馴染んでて面白い。ただ、今はまだロシュオというラスボスがいるので共闘出来てるけど、主人公がなんやかんやでロシュオ倒すとかいう感じで最強になっちゃったら、対決不可避だよな。今のところ、ロシュオ倒すビジョンが見えなさすぎてアレやけども。

カイトと対照的にミッチは、どんどん黒くなっていって周囲と乖離してきている。完全に事態がキャパシティオーバーなのに、その中で要領よく立ち回ろうとしているのでどんどん視野が狭くなってきている感じ。

主人公のコウタがもっと極限の選択せまられてどんどん、虚淵主人公化していくかと思ってたけど、その辺の要素を全てミッチが肩代わりしている感じに。コウタは、異常なくらいに変化が無いというかなんというか。あくまで主人公キャラとしての路線を突き進むのだろうか。カイト、コウタ、ミッチの立ち位置構造的に主軸として動かしにくいって所はあるのかもしんないけど。最終回までにまだまだ話数に余裕あるので、今のコウタ的な立ち位置に対するアンサーみたいなのもそのうち出てくるんだろうか。

ミッチに関しては、なんだかんだで貴虎と比較すると似たような結論には到達しているので兄弟やなと。貴虎も全人類は助けられないので、助けられない人類を抹殺しないといけないというユグドラシル社の結論には至ってはいたものの、何とか一人でも多く助けようと足掻いていたし、開き直らずに諦めずに可能性は探り続けていた。それに比べるとミッチの場合は、いまいち短絡的というか開き直って露悪的になっている辺りでまだまだ幼い部分が出ちゃっている感じ。

次週は、兄弟対決っぽいけども、図らずも同じような結論(全部は救えないので他は切り捨てていく)に至って行動していた同士として、兄貴として体を張って道を誤ったミッチを救う事ができるかどうかが肝になってくるのかなと。遂に本音でぶつかり合う呉島兄弟。ここで、対立して終わりじゃ無くて貴虎にはメンターとして役割を全うして欲しい所。・・・・正直、貴虎のシナリオ的な活躍場所ってそれくらいしか無さそうだし。
by cemeteryprime | 2014-06-30 00:33 | 作品・感想 | Comments(0)

【特撮】今週のスーパーヒーロータイム

・獣電戦隊キョウリュウジャー(最終回)


ついに最終回を迎えてしまった・・・。いかに面白かったかに関しては、何を今更って感じなので割愛。

脚本の三条陸に関しては正直仮面ライダーWの時は、小さく小奇麗にまとまっていているものの、そこまで突出した良さみたいなのも無くて個人的にはパッとしないな~とか思ってたんだけど、この辺りは作品性との相性の問題なんだろうね。ライダー作品がどうしても含みがちな暗いウエットなドラマ性みたいなのにはあんまり向いて無かったんだろう。

キョウリュウジャーの場合は兎に角とことんポジティヴな感じ。テンポもいいし、小難しくなり過ぎないし、展開は熱いし、そしてなにより観ていて楽しい。先のライダー的な面白さが例えるなら、とことん共感させてボディーブローを入れてくる痛い!でも気持ちいい!系だとしたら、キョウリュウジャーはとことんリズムに乗せてついつい踊らせてくるみたいな感じ。こういうタイプの面白さを持っている作品ってあんまり無いよね。

正直ドラマ的な部分の作りに関しては、そこまで優秀とも言えないんだけど、テンポと展開で乗せていく感じなので正直細部が気にならない作りなんだよね。「・・・おいおい!でもまぁ、面白いから良いや!」みたいな。細部の矛盾が気になってストーリーに乗れないってのと対極の存在。

そういう面でも、アクションとエンターテイメント性重視な坂本監督との相性が抜群に良かった。今作は素人目にもはっきり分かるくらいに生身のアクションが多めだったんだけど、やっぱこう盛り上げる熱い展開で生身アクション持ってこられると燃えるんだよね。

まぁ、とにかく文句なしに傑作でした。引っかかったのは、木下あゆ美が変身出来るようになったのにふとももを出さなかった事くらい。


・仮面ライダー鎧武(17話)

ドリアン回。ミッチーは計画通りみたいな発言はしていたものの、結果オーライ的に助かった感が凄い。あと、思いっきり取引現場からミッチーが丸見えだったり。あの辺はギャグなのか、ミッチーがなんやかんやでまだまだ未熟で杜撰な感じの演出なのか。こういうのを観ると、黒いっていうよりは単に厨二病マインドなだけなのか・・・!?とか思ったり。
by cemeteryprime | 2014-02-09 17:25 | 作品・感想 | Comments(0)

【特撮】今週のスーパーヒーロータイム

今期のスーパーヒーロータイム(戦隊+ライダー)はアタリ過ぎてやばい。今週は特に凄かった。

・獣電戦隊キョウリュージャー(45話)
・ラスボスが究極体に進化。新幹部が2体お披露目。
・指導者だったトリンが今度こそ本当に死亡したっぽい。
・トリンが頼りにしていた主人公の親父がまさかの裏切り&トリン殺害。

キョウリュウジャーは盛り上げ方が凄くてここでこれだけ盛り上げるんなら最終回付近はどうするんだよ!?みたいな感じで毎回毎回ハードルを自ら上げてくるんだけど、何だかんだで毎回きちっと超えてくるのが嬉しい。トリンは毎回死ぬとかいう割に石化しかけたり、石化したりするだけだったのが今度こそ石化した上に木っ端微塵になって笑ったが。

親父がトリンの変身銃を奪ってシルバーになったのはなかなか良かった。始祖鳥っぽい鳥人間のトリンが変身すると人間ぽいフォルムになるのは微妙に違和感があったんだが、全ては今回の展開の為と分かって納得。親父の裏切りはどうせなんか真相があるんだろとは分かりつつも、主人公の強いオヤジは共闘するものじゃなくて超えるものだろ!という王道な熱い展開になってくれて嬉しい。それはともかく、地球の声を聴いてみたら人間は滅ぼしていいから惑星とその他動物は許してって言ってた!というオヤジの発言はフェイクなんだろうけどそれなりに説得力があって笑った。そりゃデーボス軍も信じるわ。

どうでもいいけど、デーボス様の完全体のデザインが微妙・・・。うーん・・・。百面神官カオスとか幹部達のデザインが良いだけに・・・。もっとクリーチャー然としてて欲しかったんだが、なんかゴチャゴチャしたカラフルな感じで正直あまり強そうじゃ無いなぁ。

・仮面ライダー鎧武(14話)
遂に虚淵版仮面ライダーが本領を発揮し始めた!まどマギで言うとマミさんが首チョンパされた回みたいな感じ。

初瀬ちゃんが死ぬ展開の演出は完璧過ぎて痺れた。ヘルヘイムの果実食べてモンスター化したものの、一旦人間体に戻ってギリギリまだ人間に戻れるんじゃ無いのかという可能性を匂わせながらも、主人公の仲間を襲って割とどうすんだこれ感を出しつつ(多分仲間は怪我で感染している)、途中何度も主人公は心が折れてついつい殺しそうになりながらも必死で葛藤しながらモンスター化している初瀬ちゃんを説得するんだけど、最後は敵幹部が新登場して無慈悲に殺害という・・・。しかも、あんなにモンスター化してても元は人間だい!って葛藤して苦しんでたのに、主人公はまだ知らないが既にモンスター化した親友っぽい奴を殺しているという・・・。鬼畜すぎるで・・・。

怪人だって人間だけど殺すのもやむ無し以上の鬼畜な展開が出てきて頭が下がります。答えが出ずにあんなに葛藤して苦しんでいるのに、実は1話目で知らずに親友殺しているとか。次週は確実に更なる鬱展開必死でワクワクが止まらないわ。今のところは、真相に気付いたのはミッチーだけなのでミッチーが黙っておいてもっと後でより効果的になタイミングで発覚とかいう展開もあり得るけど。ギャグキャラその2な感じだった初瀬ちゃんが、ここまで見事に散るとは予想していなかった。

明確に人死(殺人)は出るし、今までも実は出てたんですよ?という事が示された事で一気にシリアス度が増した。まだまだ先は長いので、いったい後何人が死ぬんだろうかと戦々恐々としてしまう。とにかく次週が早く観たい!

1クール目は、なんだよライダーの制約の中じゃこんなもんか。本当に虚淵起用の意味あるのか~?と、割と鼻くそほじりながら観てる感じだったけど、それすらも2クール目の展開につなげる為の布石だったのでマジすいませんでした!最高です!という感じ。まんまとダマされるというか、いい方向に予想を裏切ってくれると凄く観ていて楽しい。
by cemeteryprime | 2014-01-19 23:16 | 作品・感想 | Comments(0)

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