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【雑記】邪神の描き方

GW中に久しぶりにスカイリムを遊んでいて改めて思ったのだが、スカイリムは神(邪神も含み)の描写のバランスが良い。

神の描き方

神は実体を持ったクリーチャーではなく、現実世界に生きる人(亜人も含む)を導くパワフルな存在であるというバランス。主人公も含めて神の啓示を受けて導かれたり、特定の信仰の為の活動をする人間たちはいても、神自体は地上で活動していないという感じだ。

こういう手法はリアリティを重視するホラーなんかだとそんなに珍しく無いが、スカイリムは魔法やドラゴンが跋扈するファンタジーである。別にスーパー魔法生命体みたいな感じで神を顕現させても良い気はするのに、敢えてしていないのが面白い。

スカイリムにおけるリアリティとファンタジーのバランスが面白い例としては、幼女殺人犯として流れ者の労働者が逮捕されるイベントがある。町の人は殺人の動機が不可解で困惑し、主人公が動機を調べるんだけど、実は犯人はワーウルフだった事が分かる。でも、その男はそもそもロリコンの殺人鬼で、可愛い幼女を見ると衝動が抑えられなくなって、ワーウルフに変身して殺人を行っていた事が分かる。文字通りの狼男であると同時に、メタファーとしても狼男である訳だ。

RPGと神表現

スカイリムがこうした表現を取り入れている理由は、恐らくドラマの焦点を人間に当てて置く為では無いかと思う。

主人公が世界や神や荒唐無稽な超自然性と向き合う構造になってしまうと、世界に大量に配置されたNPCの意味が薄れるというか、物語を形成するリソースとしての価値が低下する弊害はある気はする。主人公が対峙するのは、あくまで神に誘導された人間という構造なら、NPCときちんと向き合う意味が維持される。これは物語に重点を置いたRPGにおいては、特に意味のある構造だろう。

神を殺す

こうした表現を踏まえると、ファンタジーにありがちな神と戦ったり殺すという行為はかなり興味深いものになる。神の活動は、信者の活動として顕現するので、取りあえずは、神を信奉する人間を全滅させる必要があるだろう。そして、新たな信者を発生させない為に、焚書坑儒的な行為も必要になる。

これだけでもかなりの労力だが、それを達成してもなお、自然発生的に神を崇拝する人間だとか思想が新たに出現する可能性は残る。

神を人間が直接戦える存在にしなければ、RPGの場合は無限に神と戦うキャンペーンを続けていく事が出来るのである。

ちなみに、これと似た構造を真逆のベクトルでやっているのが『残穢』という作品だ。『残穢』の場合は無限に怪異の原因を遡れるという構造になっている。これは原因としての邪神を探す話であり、先に述べた様な特定の神が事件を発生させ続ける構造を、逆転した形になっている。

ブラックボックスとしての動機

人が異常(に思える)行動をとる際は、その動機は他人にとっては常にブラックボックスである。こうしたブラックボックスにこそ、神の居場所はある。

スカイリムには、邪神に操られた(直接的にも間接的にも)ヤバい奴だとか、危険な集団が出て来るが、同時に主人公もちょいちょい神と遭遇して指令を受ける。神の声やヴィジョンが純粋に主観的なものだとすると、主人公もまた神の命令で人を殺したりしているヤベー奴なのである。

人間の行動の動機は常にシンプルとは言い難い。また、物事は常に複雑に絡み合っているので、原因はシンプルとは言い難い。こうした複雑系は、結局の所は人間にとって永遠にクリアにならないモノなのかもしれない。故に、そこに神が宿る。

ホーリムズと神

こうした発想について、アリストテレスは「全体とは部分の総和以上のなにかである。」という言葉を遺しているらしい。システム全体は、単純な部分の集合には還元できないという思想自体はホーリズムと呼ばれるようだ。

この全体は正確に理解できないというブラックボックス性は、ホラーにおいては神の居場所として最適である様にも思える。神は全体に宿るのだ。つまり複雑系領域であれば、神は実在しても問題無いのである。

例えば地震の発生なんかは複雑系領域だと思うが、地震発生のタイミングは完璧に予測出来たりしないので、そこに神の存在が絡んでいても物語的には別に問題ないと言える。フィクショナルな因果関係に説得力を持たせる事が出来さえすれば良いのだ。ちなみに『帝都物語』においては、日本を襲った過去の超巨大地震の背後には魔人加藤による日本壊滅の陰謀があった事になっている。

神の在り方

個人的にホラーにおける神(超自然的存在)は、複雑系というブラックボックス領域に潜む存在であって欲しいと考えている。そこに潜む限りは、物理的な法則とバッティングしないで済むので、超自然的な存在は、超自然的なままでいられるのだ。そして、神は気まぐれに主人公達が共有する主観的な世界に侵入し、マジックリアリズム的に出現するのである。

ここで、主人公たちが神を倒せるか倒せないかは、作者のセンスが問われる所だろう。個人的には、先にも述べた様な理屈で神に操られた人間は撃退できても、神自体は撃退できない方が好みだ。『IT』におけるペニーワイズは、腐りきって荒んだ町が抱える複雑系に潜む邪神であると同時に、撃退されちゃうタイプだったけれども(ダークファンタジーなので)。

みたいな神にまつわる四方山話。特にオチは無い。


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by cemeteryprime | 2018-05-09 14:06 | 雑記 | Comments(0)

【創作ツール】ドラマメイカー、追記

1回だけの試運転では、心許ないので追加の試運転とその結果…。

アーキタイプ:射手座

・情熱的な性格

・自分の世界を拡げたい(冒険/開拓)

・親との関係性:友好

・自分が好き

・独自路線、柔軟な価値観、探究心が強い

3エピソード

会社の仲間を失いかけているー剣道への執着(Love)

清潔な環境に対する劣等感―詮索への執着(Love

足に関する不満―ヨットへの執着(Hate

人物2

名前は溝呂木多門(インセイン怪奇表で作成)。職場で孤立しつつあり、今まで以上に剣道に励むようになっている。潔癖症気味で自分の住環境が小汚いと思い込んでいる、それ故に他人の住環境を気にする。足に何かしらの不満があり、ヨットが嫌いなった。剣道やヨットへの執着から体育会系だと分かる。職業のイメージは付きにくいが、外向的な仕事のはずである。ヨットをやっていたので中流以上の家庭の出身のイメージだ。

アーキタイプ:牡牛座

・現実主義な性格

・価値のある物を所有したい

・親との関係性:不在/欠乏

・自分が嫌い

・権力/伝統/ルールを好む

3エピソード

体型を失いかけているー中国拳法への執着(Hate)

祖父を失いかけている―飛行機への執着(Love

顧客/業績を失いかけている―値切りへの執着(Love

人物3

名前は谷山富江(インセイン怪奇表で作成)。中国拳法のやり過ぎで体格がムキムキになってしまい、中国拳法が嫌いになったが辞めさせて貰えない。祖父がいつ死んでもおかしくない状態で、連絡を受けずに済むように飛行機に乗っている時間が長くなった。店の業績が悪く、如何に安く売りモノを強いれるかに執着する様になった。多分、幼少期に両親を失っていて、中華街の様な場所で、拳法家の祖父に育てられたとかそんな感じ。祖父の仕事を手伝っているが、祖父が病気で倒れてからは店の経営は傾きつつある。

シナリオとの絡み

共通グループは前回の記事と同じく、薬物依存症を使用するなら、村瀬と溝呂木は兎も角、谷山は現実主義な性格からいまいち薬物依存症がしっくりこない。なので、単にドラッグを欲しがるというグループに変更してみよう。

村瀬は依存症患者、溝呂木は刑事、谷山は漢方薬か何かの店をやっていて、その関係から謎のドラッグを入手したがっているとかはどうだろうか。溝呂木は職場で孤立しがちで、マイペースな刑事なので、勝手な捜査という感じ。

薬物依存症患者の掲示板か何かで出会った三人が、ドラッグ欲しさに何かしらの事件に巻き込まれる。チームの相性としては、村瀬と溝呂木はそれなりに相性が良いが、村瀬と谷山の相性は最悪という感じ。リーダータイプがいないので、NPCとして蟹座当たりを入れると、集団のバランスが取れるかもしれない。

まとめ

試運転の回数を増やすと、やはり違和感も発見しやすくなる。理想の体格や体型を失うというストレスで、中国拳法が嫌いになるってどういう事だよみたいな…。まぁ、無理矢理こじつけられなくは無いが、執着カードのLove/Hateはランダム決定しなくても良いのかなとか。

また抱えているトラウマと、執着を一対にするというのも若干の無理があるような気はしないでもない。まずは心の隙間が発生して、それを埋める様に後から何かが執着として隙間を埋めるという形なら、別に一対じゃなくても良くて1対2とか3でも良いわけだし。

形にすると、不満も出て来る。もうちょい改良してみるか。


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by cemeteryprime | 2018-04-30 10:21 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【創作ツール】ドラマメイカー

12星座アーキタイプの修正も済んだので、それも含めた人格生成システム改め、ドラマメイカーの試運転をしてみる。

ドラマメイカーの仕組みを説明すると、こんな感じ。

12星座アーキタイプ(1/12…大雑把な原型

・トラウマカード(3/96…トラウマの原因

・執着カード(3/88…トラウマで発生した執着の対象

・共通グループ(1/136...探索者グループの共通点

基本はアーキタイプ1枚、トラウマカードと執着カードの21組を3セット。TRPGで遊ぶ場合は、更に全員共通(同行NPCも含めて)の共通グループカード1枚を追加する。

トラウマカードと執着カードはセットになることで、性格的特徴を端的に表現する過去のエピソードになる。アーキタイプの具体的な内容については、過去の記事を参照のこと。

それでは、実際にドラマメイカーを試運転してみよう。

セットアップ

とりあえずランダムなカード選択の結果は以下の様な感じになった。

 アーキタイプ:水瓶座

 ・社交的な性格

 ・世間に評価されたい

 ・親との関係性:不在/欠乏

 ・自分が好き

 ・権力/伝統/ルールを好む

 3エピソード

 親友に関する劣等感ーセールスマンの執着(Hate)

 自信を過去に喪失した―絵画への執着(Hate

 創作/執筆スキルを過去に喪失した―英語への執着(Love

 共通グループ

 薬物依存症


ついでに名前が無いと、分かり難いのでサイコロ・フィクションのルルブ(怪奇名前表)を使って名前も付けておこう。取りあえず、村瀬賢治がこのキャラの名前に決まった。

過去のエピソード

まずは過去のエピソードを形にしてく。村瀬は親友に関して劣等感を抱いている。親友がいないという劣等感なのか、親友に対する劣等感なのか。友達が少ないという理由で、セールスマンが嫌いになる意味もいまいち分からないので、ここは親友に対する劣等感で、その親友がセールスマンだという事にしておこう。かつての親友が、セールスマンとして成功を収めていて、多分社会的に負け組になっている村瀬は、強いコンプレックスを抱いているのだ。

2つ目は、過去に自信を喪失してしまい、絵画が嫌いになったという話。村瀬は元々画家で絵を得意としていたのかもしれない。もしくは、絵が原因で何か自信を失う事になったのかもしれない。3つ目は創作/執筆スキルの喪失で、今はその事実から目を背ける為に英語の勉強に取り組んでいる。

ざっくりまとめると…村瀬は美術系のライターなのだが、今では書けなくなっている。過去に絵画が切っ掛けで、ライターとしての自信を失う出来事があり、それ以来絵画が嫌いになってしまった。仕事は上手く行っておらず、セールスマンとして社会的に成功している親友を妬んでいる。そして語学の勉強にハマっている。という感じだろうか。

人物像

村瀬のアーキタイプは水瓶座なので、基本的には社交的で、世間に評価されたいという思いが強い。それ故に、社会的に成功している親友への劣等感が強いし、絵画にまつわる失態で業界内で恥をかいたことがトラウマになって、ライターとしての生命も終わってしまった。現在は英語学習にはまっているが、恐らく英語知識でついマウンティングとかしてしまうタイプだろう。マリファナ目当てでアメリカ移住なんかも考えているかもしれない。

そして共通グループは薬物依存症。そんな境遇であるが故に、村瀬はドラッグか酒に溺れたわけだ。ドラッグを手に入れたいだとか、もしくは依存症の克服プログラムなんかが切っ掛けで、村瀬は他の探索者と共に事件に巻き込まれるのである。

まとめ

…とまぁ、それなりに掘り下げる余地があり、ドラマを発生させ易そうで、尚且つホラー向きなキャラクターが作れた気はするのだが、どうだろうか。親友をシナリオ中に登場させても良いだろうし、絵画の知識が役に立つ場面がシナリオ中にあったらトラウマが緩和されることもあるかもしれない。

ポイントは、完全にランダムでこのキャラクターが生まれた点だ。ダイスでランダムにステータスを決めて、そこからキャラクター像を作るやり方だと、良くも悪くもプレイヤーの想像力に依存する部分が大きいので、キャラクターの幅が出なかったりする。色んなキャラクターのロールプレイング自体や、キャラクターの多様性が生むストーリーの幅を楽しみたいなら、こうしたキャラ作成もありだとは思う。


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by cemeteryprime | 2018-04-26 00:24 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【創作ツール】12星座のアーキタイプ ver.2

12星座モデルを、先の記事で形にしたトラウマカードや執着カードに適合しやすい感じに改変してみた。

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具体的には人への執着、物への執着、自己イメージとの関係性、親との関係性という、割と普遍的な要素を軸にする感じで組み直してみた。

より本質的な部分で、パターン分けする形になったので、キャラクターの職業を考えたり、ロールプレイングの方向性(生き方のイメージ)を考える上で、大雑把な目安にしやすくなった気はする。大雑把であるが故に、細かい執着やトラウマの形ともバッティングしないだろうし。

また、自己イメージや親との関係性の変化というものは、ドラマにおいて、かなり存在感の大きい要素でもあり、そこの変化がドラマの中心に置かれる事も珍しくない。なので、そこの変化をある種のゴールとして設定するのも良いし、そこが変化した事で別人の様に生まれ変わるという要素を、アーキタイプを適切なものに変更する形で表現しても良いだろう。

基本的に12のアーキタイプは組み合わせで作った12パターンなので、自分が好きか嫌いかとか、親との関係性がピンポイントで変化するとどうなるかは、システム的に決まっている。牡牛座であれば、生き別れだった親と再会するなり和解するなりして良好な関係に変化したら、乙女座に変化する事が最初から決まっている。変な話だが。ちなみに、自分が好きになった場合は、獅子座に変わる(同じく物指向なので)。

どうでも良いけど、完成度を確かめる為に、色んなキャラを当てはめてみて考えたりするのだが、例えばパシリム・アップライジングで云うと、ハーマンは乙女座でニュートは魚座かな~とか。ワンピースで言えばルフィは牡羊座でローは天秤座で、ビッグマムは蟹座かなとか。メンタリストだとジェーンは蟹座で、レッドジョンは牡羊座。

暇な人は、関係性込みで知っているキャラが上手くこのシステムに当てはまるかどうか、色々試してみて遊んでみて欲しい。


追記:組み合わせの部分を分かり易く表示するとこんな感じ。

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by cemeteryprime | 2018-04-23 01:41 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【創作ツール】人格生成システム ver.2

以前に考案して記事としてメモ的にまとめてみてもいた人格生成システムを、実際に形にしてみた。カードにしたので、トラウマカードの喪失-喪失の不安-劣等感の3パターンは1D3で決定する仕様に。執着カードのLove-Hateも同様に1D2で決定する。

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作ってみた所、組み合わせの数で、複雑性が指数関数的に上昇することが判明した。以前の記事ではサンプルとして、4つの組み合わせから作っていたが、3つくらいで丁度良いのかもしれない。

ちなみに上の写真に写っている組み合わせが意味する所は…

1.マイホームを喪失したトラウマから、射撃に強く執着する様になったという話。

2.ビジネスの才覚に関する劣等感から、オカルトに傾倒する様になったという話。

3.自分の会社を喪失するかもしれないという不安から、手術を嫌悪する様になったという話。

…の3つのエピソードである。例のごとく、ヤバそうな人物像しか浮かんでこない訳だが、ホラーの主人公としてはなかなか良さげだろう。これでもまだ複雑過ぎる場合は、2つに減らしたり、1つに減らしたりで難易度を調整してやれば良いだろう。

このキャラクターの場合はロールプレイングの際に、探索者全員に設定される共通グループ的な動機に加えて、マイホームの喪失だとか、ビジネスの才覚が無い事だとか、会社を失いかけてる事なんかを、フックにすることが出来る。行動原理が4つくらいなら(1つは全員共通だし)、まだギリギリ処理しきれる範囲だとは思う。

一応、キャラクターのペルソナ類型として、12星座モデルも併用していくつもりだが、人格生成システムの部分だけでかなり複雑性が上昇してしまうので、もっとシンプルに、キャラクター間の相性判定とかだけに使う感じにリデザインした方が良いなと思ったり。


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by cemeteryprime | 2018-04-22 22:08 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【雑記】創造に関する弱者性

若干露悪的なイメージになってしまうが、創作のイメージは極端に言えば、以下の2種類に分かれる。(一応言っておくが、勿論ありとあらゆる創作は模倣の上に、過去の作品の上に成立しているという前提の上での話である。)

パターン1:

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パターン1は、作品全体として元ネタの存在感が薄いというか、元ネタより作者の個性(アレンジ力や表現力を含む)や世界観が前面に出ているパターンである。イメージ的に元ネタはあくまで作者の世界観を構築するパーツだったり、栄養分として機能している。

パターン2:

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パターン2は、全体として作者の個性より元ネタの存在感の方が大きく、どこが改変されているかという形でしか、作者の世界観を認識し難いパターンである。イメージ的には、改造に近い。二次創作なんかはこうした創作パターンの最たる例だろう。

創作パターンの違いと、能力

どちらも自己表現であり、創作には違いないのだが、この違いはどこから来るのだろうか。大雑把に原因を挙げるとするなら、作者のスキルの違いだろう。

世界観のデザインだったり、どういうメディアを使うかだったり、創作に必要なスキルというものは、実は多岐に渡っている。キャラクターは上手くデザインできるが、社会のデザインは上手く出来ない人もいるだろうし、絵が下手とか、文章が下手とか、様々な作者の得意不得意の影響を受ける事になる。

能力が足りない人ほど、借り物要素が多くなる訳だ。勿論、意図的にパロディや記号として元ネタを使うという表現もあるのだが。それ故に、プロの世界より、アマチュアの世界の方が、二次創作性を隠さないコンテンツが多い。しかしながら、そうしたパターン2の創作手法に頼っていた人も、スキルが磨かれて来るにつれて、借り物要素が不要になりというか、少なくなりパターン1へと移行するという現象が観測できる。

パクリと弱点

なのでパクリの指摘は、弱点の指摘でもある。しかしながら、弱点の存在を許さない空間というものは、窮屈な世界であり、新しいものの誕生や変化を許さない世界でもある。

弱者だからこそ、既存のモノの力を借りて世に出て来ざるを得ないという要素は大きい。ここでの弱者性とは、創作能力という意味での弱者性だけではなく、マイノリティ性も含まれる。目新しいモノほど、世の中には理解されないので、既存のモノの力を借りる必要性があるという話だ。

能力的な弱者や、マイノリティ性を守るには、既存のモノの力を自由に使える環境というものは、ある程度は必要なのである。

どうでもいい時事ネタではあるが、最近ニコニコ動画の社長か会長をやっていた川上量生という人が、国の情報公開を巡る是非に絡んだ炎上についての発言の中で、ネットは弱者の逃げ場であるべきで、過度に現実社会と一体化させるべきではないという、思想が表明されているのを見た。ニコニコ動画は、二次創作やら三次創作やらの、悪い言い方をするならパクり合いが過度に横行している環境だった訳だが、ああいうものが割と許されていたというか、保護されていたのはそうした、弱者による表現の在り方を守るという思想が絡んでいたのかもなと、改めて考えさせられたリもした。

産婆術

そういう構造を踏まえた上で、個人的に今必要とされているのは、ユニバーサルな元ネタ、もしくは作品生成をサポートするシステムなのでは無いかと思っている。上手く作者の世界観やリアリティを抽出し、作品としての形を与えてやるシステムである。

作者から作品を引きずりだす存在を、ミューズ(芸術の女神)と呼ぶが、正しく機械仕掛けのミューズの様なモノが必要なのだろう。俺の場合は基本的にホラー脳なので、そこに作品の誕生を誘発するミューズの姿ではなく、作者から邪悪な因子を汲み取って沢山の作品をボコボコ生むシュブ=ニグラスの様な姿を見てしまうのだが、まぁ同じ話ではある。

最近、生きた人間をミューズとして酷使していたせいで、写真家のアラーキーという人がある種の炎上をしていた訳だが、機械のミューズを造ればそうした問題ともおさらばできるんじゃないのかなと。とまぁ、そういう事を考えているというか、以前からやっていた創作システムのデザインなんかはそういう事なんだろうなという話。


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by cemeteryprime | 2018-04-11 11:30 | 雑記 | Comments(0)

【クトルゥフ神話TRPG】ホラーシナリオ作成の為の自己開示

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自己開示の必要性

ホラーには色んな方法論があるが、究極的に…もしくは本質的にリアリティのあるホラーを作る為に必要なものは、自己開示(自分の経験をベースにする事)である。

結局の所、自分の経験(感情)に基づいてホラーをデザインにする以上の方法は無い。…まぁ、あるかもしれないが、それが出来るのは一部の天才だけだろう。

例えば世界的なベストセラーホラー作家であるスティーブン・キングだって、小説家や教師が主人公の話を今までに何本書いてるんだって話である。

この様にプロだって自分の体験をベースにした創作を行っているのだから、素人は猶更真似をするに限るのである。しかし、巷に転がっているシナリオには、自己開示的な独自性を持ったものが少ない。借り物のモンスター、借りてきたモンスターに合わせた特徴の無い舞台…。自己開示こそ、手っ取り早く独自性とリアリティを出す近道なのに、素人に限ってそれをしないのだ(俺も含めて)

1つの視点として、素人には自己開示の仕方が分からないという問題があるのかもしれない。どう自分の体験をシナリオに取り入れたら良いのだろうか?

そこで、今回はラヴクラフトの作品を参考に、自分のどういう部分を取り込むかという方法論について紹介する。

社会は恐ろしい

ラヴクラフトのホラーのベースになっている、自己開示性は、端的に言えば社会は恐ろしいという感情である。大人になりたくないとう想いが強すぎて不登校になっていたし、鬱病気味になって引きこもりにもなっていた。結婚を機に、都会に出てからは、外国人だらけの街で就活に失敗しまくる日々を過ごして、より一層社会が嫌いになると同時に、人種差別主義を拗らせてもいる。

この社会/世界は恐ろしいという感覚は、後にモダンホラーと呼ばれる新しいホラーの源流にもなっている。それ以前のゴシックホラーの世界においては、モンスターとは遠く離れた場所に存在するもので、わざわざ出かけて行ったり、旅先で迷い込まないと遭遇しないものだった。要は、モンスターとか恐ろしいものというのは、特殊な事例であり、常識の外の存在であり、本来は正常である社会から排除可能な存在なのである。

一方、ラヴクラフトの感覚では、異端は自分の方であり、世界は実は恐ろしい場所なのである。なので、ラヴクラフトのホラーの特徴として、自分の愛する故郷をホラーの舞台にするというものがある。アーカムやダンウィッチやインスマスなどの、ラヴクラフト・カントリーと呼ばれる場所は、架空の町ではあるがラヴクラフトの故郷をモチーフにしているのだ。

一般的にモダンホラーと呼ばれるジャンルにおいては、舞台は自分の故郷だったり、住んでいる町だったり、家庭だったり、更には自分の心や記憶の中だったりと、身近な領域を選ぶことが多い。自分が所属している信頼しているホームの様な場所や存在が実は恐ろしいものだったと分かる以上の恐怖は無いだろう。

身近な例だとモダンホラー要素が強いジョジョの奇妙な冒険の第4部も舞台は、荒木飛呂彦先生の故郷をモチーフにしていたりする。

ホームの設定

なので、まずはホームとなる場所を設定しよう。自分の家、地元の町、親の田舎、高校、大学、就職先の会社もしくは業界。

人は人生において、複数のコミュニティに所属することになる。それぞれのコミュニティは、社会の縮図としても機能する。なので、社会=恐ろしい場所であるという世界観をシナリオに落とし込む際は、こうした自分がこれまでに関わって来たコミュニティを参考にすると良い。

シナリオを製品にする場合でもなければ、よく知る地元や自分の家がモチーフであれば、どこに何があるかのイメージは記憶を流用すればいいので、手軽にシナリオを作りやすくなる。

舞台は完璧にそのまま同じにする必要は無く、ラヴクラフト・カントリーの様にあくまで似たような場所にしても構わない。

また、そのシナリオを遊ぶプレイヤー同士で共通認識が働く場所があるなら(例えば大学の友達と遊ぶとか、地元の友達と遊ぶとか)、できればそこを舞台にしたシナリオにした方が良い。何故なら、舞台についての説明の手間が省けるからだ。自分たちが通う学校とよく似た学校を舞台にする場合、学校の見取り図だとか周辺地図なんかも要らないのである。特別にあるモノ、ないモノの説明を補足するだけで良いのである。

ヘイト感を汲み取る

シナリオのホームにしたい場所(コミュニティ)を決めたら、次はそのコミュニティにおける問題を汲み取ろう。

ムカついた、あるいは恐怖を感じたエピソードを記憶から掘り起こしてみよう。たいていの場合、人が絡むはずで、もしかしたら自分が問題の根源というパターンもあるかもしれない。抽出できたら、それをモンスターとして表現するのだ。

例えば先に挙げたラヴクラフトの例で言うなら、陽気で音楽を好み世界についてポジティブな生き方をしている様に見える黒人たち(所謂リア充)は、怪しげな太古を鳴らし、得体の知れない種族と混血している呪われた人外種族みたいな描かれ方をする訳である。リア充は、邪悪な世界に迎合している奴らなので、邪悪な種族であり、邪悪な思想を持ち、邪悪な神を崇拝しているに違いないのであるみたいな発想だ。

俺が社会で上手く行っていないのは、ユダヤ人であったり、在日外国人であったりの、世界的な陰謀であるみたいな発想も、こうしたヘイト感を汲み取ってモンスターを作る作業に近いものがある。レイシズムであるうちは分かり難いが、やつらの正体は実は爬虫類型宇宙人であるみたいな発想にまで到達するとあからさまにオカルトというかホラー表現の領域に近付く。まぁ、真面目にそういう事を言っている人もいるわけだが。

例えば、シナリオのホームを家庭に設定して、母親との不和をモチーフにホラーを作るなら、実は母親は爬虫類型宇宙人であったというオチにして、自分にもその血が流れているみたいな方向の恐怖を盛る感じにするみたいな応用が考えられる。これも一つの世界は恐ろしいという表現の在り方である。

基本的には問題を認識し、それを調べると信じていた世界/心を許していた社会が恐ろしいものだったと判明するという流れになる。

モンスターのデザイン方法

この手法を用いると、モダンホラーにおけるモンスターというものはだいたい人間を比喩的に表現したキャラクターか、恐ろしいパワーを持った人間という感じになる。一見そうとは見えないシリアルキラーなんかもこの部類だろう。

もうちょっと別タイプのモンスターを登場させたい場合は、モンスターが異常行動の動機になっている、もしくは問題の人物を背後から操っているみたいな形式をとると良い。例えば、怨霊に操られているだとか、生贄を捧げる事で願いを叶えてくれる邪神がいるだとか。

理解しにくい他人の言動の理由として、モンスターの存在を逆算するという手法である。例えば、気持ち悪いオタク野郎がいたとして、その原因を彼がいつも熱心に読んでいる本にあると考えるなら、その本は読んだ人間の心を操る魔導書として表現できる訳である。もしくは、そうした魔導書を配り歩く悪魔みたいなモンスターの存在を更に逆算するのも良いし、邪神の命ずるままに魔導書を書いている作者がいるみたいな構図を逆算する事も出来る。

この逆算という技を使うと、リアリティと荒唐無稽なモンスターを両立させることが出来るのでお勧めである。例えば、現実の事件であれば、オウム真理教事件なんかは、邪神を崇拝しているカルトとしてデザインして、邪神を信者を使って多数の生贄を集めるモンスターとして登場させる事も出来る訳である。

応用として、自分のコントロールできない衝動や悪癖の原因をモンスターに求めるという手法もある。家庭内暴力をテーマにしたホラーを例にすると、どうしても暴力を奮ってしまう原因として、例えば呪われているだとか、邪悪な血を引いているだとか、場合によっては被害者がそういう暴力を引き起こす体質のモンスターであるという逆算も可能かもしれない。

最後に、公害等のテクノロジーがもたらす社会問題をモンスター(たいてい怪獣として表現される)を使って表現するという手法もある。クトゥルフ神話だと例えば、宇宙からの色なんかは公害がモチーフになっているという説もある。

ラヴクラフト的なホラーを目指す場合は、最終的にモンスターを倒して問題が解決という決着をつける必要も特に無い。世界は恐ろしいという事実を突きつけられ、発狂したり死んだりして終わる形でも構わないのである。勿論、エンタメ要素を強めたいなら、最後はモンスターを倒して取りあえず一件落着という形に持って行っても良い訳だが。

まとめ

初心者であればあるほど、出来るだけ自分が知っている世界をモチーフにして、自分の経験や感情に基づいたホラーを作るべきである。個人的な体験に基づいていればいるほど、内容はオリジナルになるし、ホラーとしてのリアリティも加算されるのである。

クトゥルフ神話TRPGのルールブックに登場する神格やクリーチャーも、元を辿れば、誰かのそうした体験から生み出されたモンスターだったりする。なので、ルールブックのモンスターの設定に拘る必要は無い。流用できそうなモンスターがいれば、使えば良いし、適当に名前だけ借りてきても良い。

人は、他人の成功談や自慢話にはあまり興味を持たないが、恐怖体験や最悪体験には興味を持つのだ。そして誰だって、成功体験は持っていなくても、そうした体験は持っている。であれば、誰にでもオリジナルな興味深いホラーシナリオを作る可能性はあるという話でもあるのだ。是非、チャレンジしてみて欲しい。


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by cemeteryprime | 2018-03-28 01:00 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【創作ツール】人格生成システム:追記

先の記事では、適当に魚座をベースに作ってみたが、他の組み合わせも適当に試して、どれくらい変化があるのかチェックしてみよう。人格生成システム部分の乱数はそのまま。

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水瓶座

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・過去に友達がいなかった時期に、自動車にハマった。

・過去に酷い失恋をして、その女がヌイグルミが大好きだったので、ヌイグルミが嫌いになった。

・収入が低くて苦しいのに、編み物好きの妻がパート等で支えてくれないので、編み物が嫌いなった。

・息子がドラッグに嵌って死にかけた。それ以来、ドラッグを憎んでいる。

批評家感を出したら、カスみたいな男性キャラが出来た。多分こいつは、自分の非は認めず、理屈をこねて他人ばかりを責めるタイプ。

射手座

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・友達を失った悲しみを、ドライブ趣味で乗り切った。

・恋人を失った悲しみを、ヌイグルミが癒してくれた。

・失業中に、編み物を始めたらハマった。

・息子との関係が上手く行っておらず、ドラッグにハマった。

熱中しやすさと冒険者感を出したら、破天荒なキャラに。恐らく女性だと思うが、意外な趣味を持つ男性でも良いかもしれない。

山羊座

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・友達が少ない寂しさを、車趣味でカバーしている。

・過去に恋人を亡くしていて、形見のぬいぐるみを今でも大事にしている。

・貧乏だった時代を思い出すので、手編みの服とかが嫌い。

・息子を亡くし、ドラッグに溺れている。

傷ついたビジネスマン。虚勢を張るタイプで、己の弱い部分を徹底的に隠している。

感想

4エピソードをどう解釈するかという感じなので、そこまで劇的にバリエーションが出ている訳でも無いが、12星座部分の方向性を変えるだけでも、それなりに違いは出ている気はする。実際には人格生成システム部分の組み合わせは軽く何万パターンとかになる気はするので、似たようなキャラになる可能性はまず無いだろう。後はブラッシュアップと乱数部分の実装かな。


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by cemeteryprime | 2018-03-10 22:33 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【創作ツール】人格生成システム

前回の記事で触れた、複雑な人格を自動生成するシステムについての叩き台を、ざっくり形にしてみた。

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仕組み

まず、イラスト部分はランダムにカード(もしくは乱数表)で決定する。左のフレーム(心の穴)には、普遍的に人にとって大切なものが変数として入る。右のフレーム(執着)には、具体的なアイテムや概念が変数として入り、個人的な大切なものを意味する。

強烈なトラウマを伴う過去のエピソードに関する原因と結果を、シンプルな組み合わせで表現する。こうしたエピソードを幾つか組み合わせることで、一人の人間の複雑な過去を疑似的に作り出し、複雑な人格を浮かび上がらせる。そんな感じのシステムである。

読み方

例えば1枠の場合は、左フレームを

・『友達』を喪失した

・『友達』を危うく喪失しかけた/喪失しかけている

・『友達』がいない事の辛さの認識した/している

の中からどれか好きなものトラウマの原因として選ぶ。

右フレームは

・『自動車』を愛している

・『自動車』を嫌悪している

の中から好きなものを、現在の性格的特徴として選ぶ。

例えば、以下の組み合わせの場合であれば

・『友達』を喪失した

・『自動車』を憎悪している

恐らく過去に親友が自動車事故や轢き逃げが原因で亡くなっていて、そのせいで今でも自動車を嫌っているんだなという背景と個性が浮かび上がる。同時にこういうキャラクターであれば、これから起こる何かの事件がきっかけになって、自動車嫌いを克服するかもという予感も生まれる。

・『友達』がいない事を痛感していて辛い

・『自動車』を愛している

という組み合わせを選択するなら、悲劇といえば悲劇かもだが、単に孤独でコミュ障な人という印象が強くなる。こういう人が、例えば自動車への愛着をとるか新しい友達の獲得をとるかという場面に立たされたらどういう選択をとるだろうか?みたいな予感が生まれる。

組み合わせで浮かび上がるもの

1枠を以下の内容に決定し、

・『友達』がいない事を痛感していて辛い

・『自動車』を愛している

2枠を以下の内容に決定したとしよう

・『恋人』がいない事を痛感していて辛い

・『ぬいぐるみ』を愛している

この2つのエピソードによって立体的になるのは、このキャラクターは孤独を物への愛着でカバーするという傾向である。更に、寂しがり屋なのに友達や恋人を作れないタイプなんだなという傾向も浮かび上がる。

応用的な運用

こうした具体的な過去のエピソードがあると、どういう物に惹かれるかというシナリオフックもデザインしやすいし、例えば同じような心の穴を抱えている相手には、同情的になったりするかもなという形での運用が可能になる。

先の例で言えば、何らかの事件を起こした犯人を追い詰めた結果、動機が『友達』がいない事の辛さだったと分かったらどう反応するだろうか。自分的には同情の余地なしと思うかもしれないが、自分のキャラクターなら共感するのでは?みたいなものが、過去のエピソードがあれば、汲み取りやすくなるのである。

作ってみよう

まずは上記の表から4つのエピソードを作ってみる。作る際に、方向性があった方がやりやすいので、前に作った12星座のカードも使う。ランダム選出の結果、魚座になった。これも踏まえて、以下の様なエピソードを作った。

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過去に親友が交通事故で亡くなり、それ以来、自動車が苦手というか憎悪している。

過去に大きな失恋をした際にヌイグルミで癒され、それ以来ヌイグルミを集める様になった。

夫の収入が少なく、何かできないかと編み物をはじめたらハマった。(毛糸で自分でもヌイグルミを作ったりして、多分、メルカリとかで出品してる。)

息子を交通事故で失った。それ以来、精神安定剤や睡眠薬が手放せない。

感想

こうやって複数のエピソードを作ってみると、謎の相互関係が発生することが分かる。複数の要素が、上手いこと絡まった結果、最終的にメンヘラ主婦みたいなキャラが誕生した。

恐らく完全にフリースタイルで、ゼロからキャラメイクをしていた場合、ここまで複雑なキャラクターにはならなかったはずである。過去に親友と息子を自動車事故で失ったトラウマを抱え、夫の低収入に悩み、ヌイグルミが大好きで、編み物をメルカリとかに出品していて、そして薬物依存症傾向がある主婦なんてキャラ、思いつく訳が無い。

自動生成に近い形で作っているので、このキャラの背景には、何の個人的な経験や思い入れも反映されていない訳だけども、フックが多いし、掘り下げる余地も大きいので、ドラマの主人公としては魅力的だなと思える。ホラー向きな感じだし、ホームドラマ向きでもありそうだ。

…とまぁ、思いつきのシステムを実践してみた訳だが、どうだろうか。それなりに手ごたえは感じた。


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by cemeteryprime | 2018-03-10 14:29 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

【TRPG】I have a dream

私には夢がある。それはいつの日か、全ての人がTRPGにおいて手軽にロジカルかつ濃厚なキャラクターのドラマをロールできる様になるという夢である。

私には夢がある。それはいつの日か、そうしたロールサポートシステムが実装される事で、何の変哲もないシンプルなシナリオでも、無限の味わい深いドラマを生む舞台になるという夢である。

TRPGの問題点

TRPGは特定の世界観を再現(シミュレーション)する為のシステム(ゲームルール)を使って、みんなで特定の世界観(方向性)に基づいたストーリーを作る遊びである。

しかしながら、ストーリーは世界観だけでは成立しない。世界観は陰の主役であって、ストーリーの主役は基本的にはキャラクターだ。TRPGのシステムは、キャラクターの出来る事、出来ない事は世界観の一部としてデザインされているが、結局の所、キャラクターが何をしたいのかという部分のリアリティまではデザインしていない。

だからこそ、プレイヤーはキャラクターの内面性をシミュレーションするのであって、それ故にこの遊びはロールプレイング(キャラクターを演じる)ゲームと呼ばれている訳である。そして、この遊びに置いて、プレイヤーが創意工夫すべき点はどこかというと、ロールプレイングの部分であると、私は思う訳なのだが…。実際の所、プレイヤーはロールプレイング技術の上達を目指して遊ばないという現実がある。

効率よくレベルを稼いだり、シナリオをクリアできるかできないかという、定量化できる所謂ゲーム的な目標のみが重視される傾向がある。無事シナリオクリア出来ました!みたいな話だとか、シナリオのネタバレが嫌われるのも、そうした遊び方の特徴だろうと思う。

ただ、別にそれでも良いじゃんと思うかもしれない。面白さには色んな要素があり、何を楽しもうが自由だろと。だが、個人的には問題だと思う。何故なら、TRPGという遊びが持つ折角の特性を活かせてないと思うからだ。ストーリーを作る為の遊びなのに、面白いストーリーを作ることを目指さないでどうするのと。そして、何より問題だと思うのが、そういう遊び方をした場合、シナリオがどんなに良くてもストーリーが面白くならないのである。

シナリオとストーリー

例えば大河ドラマみたいな、あらゆる歴史モノは、基本的には完全にネタバレ状態で楽しむ。シナリオの大筋もそんなに違わない。それでも個々の作品の面白さは千差万別である。これって、シナリオがどうというより、キャラクター造形の差が大きいという話では無いだろうか。面白い作品は何度もリメイクされるが、変更されて良くも悪くも話題になるのはキャラクター造形の方である。

どんなに世界観やシチュエーション設定が込み入っていても、それらは所詮は陰の主役であって、キャラクター造形にリアリティ(面白さ)が無ければ、折角の設定もぶち壊しになる。極端な話、TRPGでプレイヤー全員が高スペックな同じキャラクターを使って効率プレイをした場合、アイテムを沢山入手してパーフェクトにシナリオをクリアできても、恐らくあまり面白くないはずである。

ドラマとキャラクター

突然だが、私は海外ドラマが大好きで、ネットフリックスを観まくっている。海外ドラマの何が良いというと、シナリオが面白い以上に、キャラクター造形のレベルが高く、ドラマが濃い点だ。特に感心するのが、キャラクターの性格や言動に対して、いちいち理にかなった(少なくともそう思える)説明がある点だ。家族構成、過去のトラウマ、そうしたバックボーンがきちんとデザインされているので、キャラクターに説得力(リアリティ)があり、ドラマ部分の面白さに繋がっていると思える。

なんでこのキャラはこうした極端な行動をするんだ?という部分に、ちゃんと理由がある(あるいは見せてくれる)というのは、それだけで面白いものである。そうした部分にリアリティがあるからこそ、発生したイベントに対してどういう決断を下すんだろうかという部分に関心を持てるのである。

キャラクターを軸にしたTRPG

何が言いたいかというと、海外ドラマの様に、キャラクター造形にしっかりとした強度を持たせる事ができれば、もっとTRPGは面白くなるのではないかという話である。

具体的には、それなりに人間らしいバックボーン(掘り下げる余地)を簡単に生成するシステムと、複雑な内面性を可視化するシステムがあれば、初心者でもロールプレイングがしやすく、濃いドラマを展開できるのではなかろうか?と考えている。

シナリオを複雑にするよりも、キャラクターを複雑にする方が簡単で、キャラクターを掘り下げる対象としてしっかりと認識させることが出来れば、プレイヤーの数だけ指数関数的にストーリーは複雑になる訳で、ハッキリ言ってキーパーの準備コストも省けるし、同じシナリオでも何度でも遊べるし、良い事尽くめじゃないかという。

内面性をロールするシステム

一般的にTRPGにおいてシステムがサポートするのは、戦闘部分やその他のアクションの成否判定であり、キャラクターのロールに関しては、あまりサポートされていない。如何にキャラクターを上手にロールするかという遊びではあるが、キャラクターの内面性に関してはそこまで踏み込んだシステムは少ない。クトルゥフ神話TRPGが画期的なのは、恐怖という感情のみ限定されてはいるが内面性のシミュレーションという領域に踏み込んだ点だろう。しかし、この領域を掘り下げようというフォロワー的なシステムはTRPGには少ない様に思える。コンピューターゲームとかだと、有名どころではシムズ・シリーズとかがあるが。

こうした傾向について1つ原因になっていると思うのが、人間の内面性が抱える複雑さというか、矛盾の存在である。AIが真の意味で考える機械になれないのも、この矛盾をどうシステム化するかという部分のデザインが難しいからでは無いかと思っている。

欲望と矛盾のデザイン

とはいえ、必要なのはキャラクターのロールプレイングに関わる部分だけだし、AIと違って最終的には矛盾を適当に処理できるプレイヤーが決定を下せるので、何とかなるはずではある。

まず、システムとして確実に必要なのは、行動原理であるところの欲望の可視化である。そもそも欲望(動機)が明確でなければ、ロールプレイングをしようが無いが、複雑さを出す為には複数の欲望が葛藤を作る形があるほうが望ましい。

先述のシムズの場合は、主に比較的数値化しやすい複数の生理的な欲求を可視化してキャラクターを忙しくさせ、更に特定のタイプの娯楽でしかストレスを解消できない様にすれば、性格の様なものが表現できるという仕組みだ。

もう一つ理解しておきたい欲望に関するメカニクスは、人は穴を別の何かで埋めようとする。これこそが、欲望の源泉だという考え方だ。心に穴が生まれる原因は、トラウマだったり、具体的な喪失だったり、周囲との差を認識したりだとか、色々だろう。こうした要素は、複雑なバックボーンを作る為のヒントにもなる。

喪失や格差を認識した状況と、そこから生じた心の穴を埋める為に、どういうものを対象にした執着が生まれたかという組み合わせで、何かしらの性格傾向の様なものはデザインできる気はする。一つ面倒くさそうなのはこの心に穴が空くストレスと、SANチェック時のストレスが発生する状況をどうすり合わせるかという部分だろう。

キャラクターへのメタ視点

もう1つ、把握しておくと分かりやすいのが、このキャラクターはどういうストーリー(運命)を背負った主人公なのかという視点だ。映画なんかの場合だと、主人公とストーリーと作品のパッケージは1セットでデザインされている訳だが、複数のキャラクターが参加し、途中での入退場が自由なTRPGにおいては、そういう訳でも無い。故に、何の話だったのか分からんみたいな事態になりやすい。

例えば、これは主人公が過去の過ちと向き合い贖罪をするストーリーであるだとか、息子が父親を乗り越える話であるだとか、何かしらの辿るべき運命についてのテーマがあると、プレイヤーがキャラを操作しやすい。デスノートの夜神ライトみたいなキャラなら、最終的には破滅に向かう話なんだから、後はどのタイミングで破滅して退場させるかみたいなことを考えながらプレイすれば良いわけだ。特に目標が無くプレイするより、メリハリが効いたプレイが出来そうな気はしないだろうか?

ジョハリの窓

Tweetでキャラクター造形のテクニックとして『ジョハリの窓』というものを紹介しているのを見かけた。ストーリーとは、シナリオとキャラクターの謎を掘り下げる過程であると表現することが出来る訳で、ジョハリの窓があれば、そのキャラクターについて、この先どういう部分を掘り下げる(明らかにする)べきかを整理することができる。こういうのもロールプレイングのサポートシステムになるだろう。

総括

こうしたシステム自体は、構築可能だと思われる。問題はどこまでやるかという話で、適当に期限とかを決めて形にして、試遊する機会を探していきたいなとは思う。


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by cemeteryprime | 2018-03-09 23:32 | TRPG講座・考察 | Comments(0)

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